JPS63213551A - 樹脂組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ポリブチレンテレフタレート樹脂を基材とす
る樹脂組成物に係り、特にその摩擦特性、摩耗特性およ
び撥水性の改善対策に関する。

（従来の技術） 従来より、ポリブチレンテレフタレート樹脂は、長期の
耐熱劣化性、優秀な機械的特性および寸法安定性、耐薬
品性、低摩擦特性、耐摩耗性等の優れた緒特性を有して
おり、自動車、電気機器、その他多くの器具の部品用材
料として幅広い分野で使用されている。

（′Ｒ，明が解決しようとする問題点）ところで、特に
軸受なとの摺動部品においては、ＩＩＩｔａ係数および
摩耗係数が低いことに加えていわゆる限界ＰＶ値が高い
ことも要求される特性である。ここに、限界ＰＶ値とは
軸受にかかる圧力Ｐと摺動速度■との積で表わされるも
のであって、摺動部の摩擦熱により温度が上昇し構成材
料の軟化、分解等を生じて正常な使用ができなくなる限
界を示すものである。

しかし、ポリブチレンテレフタレート樹脂は低摩擦特性
および耐摩耗性に優れているといっても十分なものでは
なく、特に限界ＰＶ値がそれ程高くない。そのためにそ
の応用される用途に制限があり、ケース、カバー等の構
造用材料としては用いられているが、軸受、歯車等の摺
動部の部品用材料として未だ十分活用されていない。ま
た、汚れが付着しやすいために商品価値を損ねるという
問題がある。

本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目
的は、ポリブチレンテレフタレート樹脂に他の適切な樹
脂を適宜添加することにより、ボリブチレンテレフタレ
ート樹脂の持つ特性を損なうことなくそのＩ！Ｊ擦特性
、摩耗特性、特に限界ＰＶ値、および撥水性を改善して
、その応用される用途を拡大することにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため本発明の解決手段は、樹脂組成
物としてポリブチレンテレフタレート樹脂に４弗化エチ
レン樹脂を重量比で５０％以下添加した構成としたもの
である。

（作用） 以上の構成により、本発明の樹脂組成物では、ポリブチ
レンテレフタレート樹脂に表面１１！擦係数の低い４弗
化エチレン樹脂が添加されているので、表面摩擦係数等
の摩擦特性及び耐摩耗性が改善され、その結果、限界Ｐ
Ｖ値が向上する。

よって、ポリブチレンテレフタレート樹脂の持つ優れた
耐熱劣化性、寸法安定性、機械的特性と併せて、摺動部
の部品用材料として優れた特性を有する樹脂組成物を提
供することができる。

また、４弗化エチレン樹脂の撥水性は極めて高いので、
樹脂組成物全体の撥水性が向上し、付着した汚れを容易
に除去することができる。よって、商品の美観を長く保
持することができ、商品価値を向上することができる。

（実施例） 以下、第１図に基づき本発明の詳細な説明する。

第１図は本発明の樹脂組成物を適用したＯＡ機器等に使
用される軸受部品を示し、（１）はアルミニウム系の合
金で形成され、軸回りに回動する旧ツド、（２）は該ロ
ンド（１）を支承する軸受であって、該軸受（２）は、
ポリブチレンテレフタレート樹脂に４弗化エチレン樹脂
を添加してなる樹脂組成物で形成されている。

ここで、本実施例のポリブチレンテレフタレート樹脂は
、第２図に示すような分子構造を有する熱可塑性の高分
子であって、例えば、ジメチルテレフタレートとブヂレ
ングリコールとのエステル交換反応を利用したＤＭＴ法
によって得られるものである。また、４弗化エチレン樹
脂は第３図に示すような分子構造を有する熱可塑性の高
分子である。そして、上記樹脂組成物は、ポリブチレン
テレフタレート樹脂粉末と、４弗化エチレン樹脂粉末と
をタンブラ−等で充分混合した後、例えば射出成型、押
出成型等の成型加工により得られるものである。

したがって、上記実施例では、ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂に４弗化エチレン樹脂を添加した樹脂組成物を
軸受（２）として使用することにより、表面摩擦係数等
の摩擦特性および摩耗特性を改善することができる。す
なわち、第３図に示されるように、４弗化エチレン樹脂
は、直鎖状の炭素原子鎖の骨格を大きなフッ素原子で隙
間無く取り囲んだ構造をとつ又おり、分子の表面が滑ら
かであって、その表面摩擦係数が非常に小さく、そのた
め４弗化エチレン樹脂の添加によりポリブチレンテレフ
タレート樹脂の摩擦特性が改善され、その結果、耐摩耗
性および限界ＰＶ値が向上するものである。

しかも、４弗化エチレン樹脂は高い融点を有するので、
前述のポリブチレンテレフタレート樹脂の持つ優れた耐
熱劣化性や寸法安定性が損なわれることはない。

また、４弗化エチレン樹脂の撥水性は極めて高いので、
ポリブチレンテレフタレート樹脂の撥水性が向上し、付
着した汚れを容易に除去することができる。よって、商
品の美観を長く維持することができ、商品価値を向上す
ることができる。

さらに、上記のような摩擦特性の改善により、ポリブチ
レンテレフタレート樹脂成型時における成型特性をも改
善することができる。すなわち、摩擦係数が低下する結
果、金型の摩耗、ｇＡ傷が少なくなり、金型の寿命を向
上することができる。

本発明に使用されるポリブチレンテレフタレート樹脂は
、上記ＤＭＴ法によるもののほか、直接重合法、固相重
合法によるものがあり、いずれにも適用することができ
る。

また、本発明の樹脂組成物に使用される４弗化エチレン
樹脂の粉末は４弗化エチレン樹脂を粉砕加工したもので
あって、その例として、商品名「サンフロンＳＧ＃８０
０．＃１０００．＃３０００」で市販される各グレード
別に粉砕された微粉末の４弗化エチレン樹脂があり、使
用される部品の大きさ、形状、作用する荷重などの条件
に応じて、各グレードを選択して用いることができる。

そのとき、４弗化エチレン樹脂の添加量が重量比で５０
％よりも多い場合にはポリブチレンテレフタレート樹脂
の特性をかえって害する結果となるので、５０％以下（
重量比）の添加量が好ましい。

なお、上記「サンフロン」は、樹脂の粉砕曲に樹脂を３
８０℃前後の温度に一定時間保持したいわゆる焼成処理
を行っており、特に、そのような焼成処理を行った後に
粉砕した４弗化エチレン樹脂粉末ではポリブチレンテレ
フタレート樹脂粉末との混合時に４弗化エチレン樹脂粉
末の分散性が良好であるので、樹脂組成物中に４弗化工
チレン樹脂粒子が均一に分布するという著効を有する。

尚、本発明の樹脂組成物には、グラスファイバーを添加
することができ、そのときには、４弗化エチレン樹脂の
みを添加したものに比べ機械的強度とともに耐摩耗性を
さらに向上させることができる。しかも、グラスファイ
バーを添加した場合、通常ポリブチレンテレフタレート
樹脂の表面にグラスファイバーが露出して、他の物体と
の摺動部にグラスファイバーの微粉末が脱落して相手部
材を傷付ける危険性があるが、４弗化エチレン＠脂によ
り、グラスファイバーの表面露出を抑制することができ
るので、その強度の強化効果を有効に発揮するものであ
る。また、グラスファイバーの代わりにカーボンファイ
バー等の強化材を用いても同様の効果が得られる。

さらに、本発明の樹脂組成物には、二硫化モリブデン、
グラファイト粉末等の固体潤滑剤を添加して４弗化エチ
レン樹脂との相乗効果を得ることができる。

また、本発明の樹脂組成物は、上記実施例のようなＯＡ
機器の軸受部品のほか、自動車、電気握器、生産橢械、
白！ｉｌＪ選別器などの物体が摺動する部分に使用され
る部品（軸受、歯車、案内溝、ロンド等）の構成材料と
して利用することができる。

さらに、本発明の樹脂組成物は、汚れの付着を容易に除
去でき、商品の美観を長く維持することができるので、
時計のケース・部品、カメラボディ等多くの方面に利用
することができる。

（具体例） 以下、具体例につき説明する。

ポリブチレンテレフタレート樹脂粉末に４弗化エチレン
樹脂粉末を重量比で１０％および２０％添加してタンブ
ラ−等で十分混合した後、射出成型により成型して上記
実施例の軸受（２）を形成した。下記表に、それらの限
界ＰＶ値のデータを従来のポリブチレンテレフタレート
樹脂単体量のデータとともに示す。

表 ここに、上記表において、限界ＰＶ値の単位はにＱ−ｍ
　／　ｃｎ”・ｓｅｃで表わされ、（）内は回転による
摺動速度の値を示す。

上記表に示されるように、４弗化エチレン樹脂を添加し
ていない従来品に比べ、４弗化エチレン樹脂の１０％添
加品および４弗化エチレン樹脂の２０％添加品では、摩
擦特性の改善の結果、限界ＰＶ値が大きく向上している
。したがって、従来使用されていなかった軸受等の摺動
部の部品にも十分使用できるものである。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明の樹脂組成物によれば、ポ
リブチレンテレフタレート樹脂に４弗化エチレン樹脂を
重量比で５０％以下添加したものであるので、ポリブチ
レンテレフタレート樹脂の持つ優れた自熱劣化性、寸法
安定性を保有しながら、その摩擦特性、摩耗特性、特に
限界ＰｖＩｒ１を向上させることができ、よって、門構
部品材料特に摺動部品材料として好適なものを提供する
ことができる。

また、商品の美観を長く維持することができるので、商
品価値を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る軸受部品の概略構成図で
ある。第２図はポリブチレンテレフタレート樹脂の分子
構造図、第３図は４弗化エチレン樹脂の分子構造図であ
る。 一；’−（ｉｆ丁−一１ 第１図 第２ｒＩ！ｉ 第３図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）ポリブチレンテレフタレート樹脂に４弗化エチレ
   ン樹脂を重量比で５０％以下添加してなる樹脂組成物。