JPS6321288Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、溶剤回収装置の安全装置に関する。

廃溶剤の保管用に常用される18罐等の溶剤収
容罐を溶剤回収装置の蒸発器に収容して溶剤回収
することは、廃溶剤を保管する溶剤収容罐をその
まま利用できるとともに、廃溶剤を移しかえる必
要がなく、また蒸発器に廃溶剤の残りかすが付着
しないようにできる利点がある。しかし、溶剤回
収を繰り返して行つているうちに、凝縮装置へ流
出する蒸発器の蒸発溶剤流出部に廃溶剤が徐々に
蓄積し、蒸発溶剤流出部を閉塞して溶剤収容罐を
過熱するおそれがある。蒸発溶剤流出部には安全
弁を配設し、異常な圧力の上昇を防止するように
しているが、この安全弁の上流側の閉塞に対して
は、安全弁は何ら機能しないものである。使用者
が、定期的に点検、整備すれば、特に問題は生じ
ないが、十分に点検、整備がなされないのが現状
で、安全弁の上流側の蒸発溶剤流出部が閉塞した
場合、機器の損傷や周辺設備の汚損等も起りかね
ないものである。

本考案は上記のような点に鑑みたもので、蒸発
器の蒸発溶剤流出部の安全弁の上流側が閉塞状態
となつて18罐等の溶剤収容罐を加熱したときな
ど、検出装置で溶剤収容罐の膨みを検知して加熱
装置の加熱を停止し、溶剤収容罐の過熱を防止で
きて廃溶剤の過熱等による溶剤収容罐内の異常な
内部圧力の上昇等を防止でき、機器の損傷や周辺
設備の汚損等を回避できる溶剤回収装置の安全装
置を提供するにある。

以下、本考案を実施例にもとずいて説明する。

第１図は本考案の溶剤回収装置の蒸発部の一実
施例で、蒸発器１は蒸発器本体２に蓋体３を蝶着
具、締着具（いずれも図示せず）で開閉自在に形
成し、蒸発器本体２に廃溶剤の保管用に常用され
る18罐のような溶剤収容罐４を出し入れ可能に
収容し、周部にシール５を周設した蓋体３で外部
に蒸発溶剤がもれないようにしている。蒸発器本
体２は、内周部を有底筒状の二重壁の筒状形ヒー
トパイプ構造の内周壁６とし、その下部に温度セ
ンサ７を設けるとともに加熱装置８を配設して内
周壁６を所定の温度に加熱制御するようにし、内
周壁６に収容する溶剤収容罐４の廃溶剤を加熱し
て溶剤を蒸発し、溶剤収容罐４の罐口部９から蒸
発溶剤を流出するようにしている。蓋体３の内部
は凹設していて、側面に凝縮装置（図示せず）に
接続するための筒状の溶剤流出部１０を装着し、
この溶剤流出部１０の蒸発器内面側に所定の長さ
の可撓性の金属管等の蒸発溶剤流出部１１を接続
し、蒸発溶剤流出部１１の端部に溶剤収容罐４の
罐口部９に気密的に接合する連結具１２を位置調
整具１３を介して取着している。蒸発溶剤流出部
１１の中間には、所定の圧力で作動する安全弁１
４を接続し、蒸発溶剤流出部１１が所定の圧力以
上となつたとき安全弁１４から流出する蒸発溶剤
を蓋体３に配設したバイパス管１５のＴ型接続金
具１６の水平側を介して凝縮装置へ流出して本管
と同じように溶剤回収できるようにしている。Ｔ
型接続金具１６の垂直側には、図のように検出装
置１７を構成する小型のリミツトスイツチのよう
な検出器１８を気密的に取着し、バイパス管１５
内に検出棒１９を上下方向に摺動可能に挿着し、
検出棒１９の下端を溶剤収容罐４の上面に当接し
て溶剤収容罐４が膨んで上面が膨むと検出棒１９
を上方に押し上げるようにして、第２図のように
検出器１８の検出レバー２０を押して検出できる
ようにしている。検出器１８が作動すると、第３
図のようにゲート回路２１を介してサイリスタ２
２をトリガーし、加熱装置８の加熱回路を開けて
加熱を停止するようにしている。そして、同時に
制御盤（図示せず）の警報ブザーを鳴らすように
制御している。

しかして、廃溶剤を所定量装填した溶剤収容罐
４を第１図のように蒸発器１に収容し、蓋体３を
閉じて罐口部９に蒸発溶剤流出部１１の連結具１
２を接合して、所定通り加熱装置８で加熱する。
蒸発溶剤流出部１１が閉塞状態となつていると、
溶剤収容罐４の内部圧力が上昇して罐上面を膨ま
せる。すると、罐上面に当接している検出棒１９
が上方に押し上げられ、第２図の一点鎖線で示し
たように検出器１８の検出レバー２０を押して検
出器１８を作動し、第３図に示した加熱装置８の
加熱回路を停止するとともに、警報ブザーを鳴ら
すものである。したがつて、溶剤収容罐が加熱装
置で過熱されて内部圧力が異常に上昇するのを防
止でき、機器の損傷や周辺設備の汚損を防止でき
るものである。また、警報ブザーによつて異常状
態が警告され、蒸発溶剤流出部の点検、整備を履
行し、安全に溶剤回収を繰り返し行なえるもので
ある。

上記の実施例では、検出装置に電気式の検出器
を使用したが、空気式や光フアイバー式のものも
適宜に使用することもできるものである。

また、以上の実施例では、蒸発溶剤流出部が閉
塞して溶剤収容罐を過熱する例について説明した
が、樹脂反応を生じて分解や重合等の化学反応を
起し、罐面を押し上げるような現象等についても
同様に適用できるものである。

以上のように本考案にあつては、異常の場合の
蒸発剤流出用のバイパス管等を溶剤収容罐の上面
の膨み検出の検出棒の挿着用としても利用するこ
とができるとともに、検出棒の変位を介して検出
装置で溶剤収容罐の膨みを検知して加熱装置の加
熱を停止でき、溶剤収容罐の過熱等を防止できて
廃溶剤の過熱等による溶剤収容罐内の異常な内部
圧力の上昇等を防止でき、機器の損傷や周辺設備
の汚損等を回避できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の一部省略した側断
面図、第２図は同上の検出器部の拡大断面図、第
３図は同上の要部制御回路図である。 １……蒸発器、４……溶剤収容罐、８……加熱
装置、９……罐口部、１２……蒸発溶剤流出部、
１７……検出装置、１８……検出器、１９……検
出棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 廃溶剤を装填する18罐等の溶剤収容罐を開閉
   自在とした蓋体を介して溶剤回収用の蒸発器に出
   し入れ可能に収容し、蒸発器の蓋体を閉じたとき
   に蒸発溶剤を凝縮するために流出する蒸発溶剤流
   出部を溶剤収容罐の罐口部に気密的に接合して溶
   剤回収する溶剤回収装置において、蒸発溶剤流出
   部内が所定の圧力以上となつたときに安全弁等を
   介して蒸発器内に流出する蒸発溶剤が外部へ流出
   するようにバイパス管を収容する溶剤収容罐の上
   面に垂直状に蒸発器の蓋体に装着するとともに溶
   剤収容罐の上面の膨みを検出可能に検出棒を上記
   バイパス管に挿通して配設し、検出棒の他端部に
   リミツトスイツチ等の検出装置を検出棒の変位を
   検出自在に配設して、溶剤収容罐が過大に膨張し
   たときに蒸発器の加熱装置を停止自在に検出装置
   を加熱装置に接続したことを特徴とする溶剤回収
   装置の安全装置。