JPS6321212Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、器本体の底面に磁性金属板を着脱
自在に取付けた電磁調理器用の煮炊器に関するも
のである。

アルミニウム製の鍋などは、アルミニウムが非
磁性体であることから、電磁調理器用の煮炊器と
して使用することができない。そこで、底部を軟
鋼などの磁性金属板をもつて構成したり、或は底
面に磁性金属板を止着してアルミニウム鍋の磁性
化を図つているが、両金属の熱膨脹率の相違か
ら、加熱、冷却を繰返し行つていると、磁性金属
板とルミニウム部分との接続部が破損し易く、長
期間にわたつて使用し難い欠点があつた。

この考案は、上記問題を解決するために考案さ
れたものであつて、器本体がアルミニウムであつ
ても、底面に取付けた着脱自在な磁性金属板によ
つて電磁加熱でき、しかも熱膨脹率による悪影響
も受けず、また磁性金属板を取外して、一般に用
いられている燃焼装置により煮炊を行うことがで
きる電磁調理器用の煮炊器を提供するものであ
る。

上記目的によるこの考案は、底面周囲に環状の
突縁を一体形成し、突縁内側の所要個所に突片と
凹所とを交互に設けたアルミニウムの器本体と、
板体周辺に上記突片と同数の突片を有し、突片端
部にくさび片を下向きに突設した円形の磁性金属
板とからなり、その磁性金属板を上記突縁内にお
ける突片相互の嵌合とくさび片とにより、器本体
の底面に脱離自在に取付けてなることを特徴とす
るものである。

以下、この考案を図示の例により詳細に説明す
る。

図中１はアルミニウムの器本体で、底面に円形
の凹部２を有し、その凹部２の外側の底面周囲
に、環状の突縁３が一体に形成してある。この突
縁３の内側には、突片４と凹所５とが３個所に交
互に設けてあり、その各突片４，４と器本体底面
との間は嵌合溝となつている。

６は軟鋼などによる磁性金属板で、プレス成形
により上記突縁３の内側に収まる円形の板体に形
成され、かつ周縁部６ａを残して板面６ｂは片側
に若干隆起させてある。

また板体周辺には、上記突片４と同数の突片
７，７が間隔を等しくして突設してあり、突片端
部には、くさび片８が下向きに突設してある。

上記磁性金属板６は、突片７，７を器本体１の
突縁内側の凹所５，５に嵌めて底面に当接され、
更に第３図矢印方向に回動し、両方の突片４，７
を相互に嵌合して、器本体１の底面に取付けられ
る。また、上記回動は磁性金属板６の周縁部６ａ
に穿設した孔９に、棒状の治具（場合によつては
箸でもよい）を差込み、くさび片８が突縁３側の
突片４の端部に充分に喰込んで動かなくなるまで
行う。その結果、磁性金属板６はくさび片８によ
つて器本体底面と突片４との間に強固に固定たれ
ることになり、板面６ｂは凹部２に納まつて器本
体底面と密着するようになる。

また、磁性金属板６が不要なときには、上記と
は逆の方向に回動して取外せばよく、取外した磁
性金属板６は孔９を利用して台所の壁面などに設
けたフツクなどに掛けておくことができる。

この考案は、上述のように、アルミニウムの器
本体１の底面周囲に環状の突縁３を一体形成し、
その突縁３の内側に交互に設けた突片４と凹所５
とに、突片７を周辺に有する円形の磁性金属板６
を嵌込み、両突片４，７を回動により相互に嵌合
するとともに、突片７の端部に突設した下向きの
くさび片８により磁性金属板６を器本体底面に固
定してなるものであるから、磁性金属板の取付け
が容易であり、また熱膨脹率の相違から接合部分
が破損するようなこともない。特にくさび片によ
り固定したことから、器本体底面と磁性金属板の
板面との接触が密になり、伝熱性も良好なばかり
か、磁性金属板を取外して普通の煮炊にも使用で
きるなどの特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る電磁調理器用の煮炊器を
例示するもので、第１図は分解斜視図、第２図は
底部縦断面図、第３図は底面図である。 １……器本体、３……突縁、４……突片、５…
…凹所、６……磁性金属板、７……突片、８……
くさび片、９……孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底面周囲に環状の突縁を一体形成し、突縁内側
   の所要個所に突片と凹所とを交互に設けたアルミ
   ニウムの器本体と、板体周辺に上記突片と同数の
   突片を有し、突片端部にくさび片を下向きに突設
   した円形の磁性金属板とからなり、その磁性金属
   板を上記突縁内における突片相互の嵌合とくさび
   片とにより、器本体の底面に脱離自在に取付けて
   なる電磁調理器用の煮炊器。