JPS6320630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自転車のフレームに連結される外
筒部材と、該外筒部材内に同心的に配設される内
筒部材とを備え、該内筒部材の下端には自転車の
前輪用フオークが連結され、上端は自転車のハン
ドルを受けるようになつており、上記両筒部材間
にはその両端部でころがり軸受が配設され、各こ
ろがり軸受は、複数からなる一組の転動体と、円
筒部材と外筒部材とにそれぞれ当接する封止部材
とを有し、上方の封止部材は、内筒部材と当接す
ると共に、該内筒部材を位置決めすべくロツク部
材と係止し合うようになつている自転車のボール
ヘツドに関するものである。

公知のボールヘツドにおいては、各軸受の転動
体はボール形状をなし、外筒部材に連結された皿
体と、内筒部材に連結された錐体との間に配置さ
れていて、転動体は転動体同士間でころがり作用
をするために、その結果軸受の摩耗は比較的早
い。又、上記軸受は組立の際ボールが脱落してし
まいその組立は比較的困難であつた。

さらに、ロツク部材は、分離された環状部材を
備え調整部材として機能を果す必要があり、上記
環状部材は、内筒部材上部に配された錐体に対し
て円筒部材の外周に設けられたねじ部に螺合して
締めつけられるように構成されていた。このた
め、もし調整部材が過度に締められると、ボール
には過大な荷重がかかりその摩耗は著るしくな
る。

従来、内筒部材と外筒部材の心出しは、ボール
ヘツドの軸受として皿体と錐体を有る形式を採用
することによつてのみ可能であると信じられてき
た。

この考案によると、上述の従来のボールヘツド
の全ての欠点は予め製作されたころがり軸受体を
用いることにより解消されることが判明された。
この軸受体は例えば、内輪、外輪そして両者の間
に挿入された複数の転動体を有し、該転動体は保
持器により互に分離した位置に保持されている形
式のもので、封止部材はころがり軸受の内輪そし
て外輪とそれぞれ接しており、封止部材の製作精
度に起因する心出しの問題はなくなるので、該部
材はプレスにより簡単に安価に製作できる。

かくしてこの考案によると、保持器により互に
分離・保持器され互にころがり接触することのな
い転動体を用いると共に調整部材が不要となり転
動体には過度の荷重がかゝらずその摩耗度が著る
しく低減し、一方組立においては、その組立作業
が簡単になり従来のボールヘツドに比してボール
ヘツド全体の価格が安価となる自転車用ボールヘ
ツドを得ることができる。

内筒部材と連結する下方の封止部材は、好まし
くは内筒部材な一体化されたあるいは挿嵌される
厚肉部とするのがよい。

ロツク部材は封止部材と一体的に形成され、該
ロツク部材は内筒部材の上端で外方に拡径された
曲部により堅持されている。

次にこの考案についてより詳細に図面に基づい
て説明するが、図面は縦断面で左半分は従来の右
半分は本考案によるボールヘツドを示すものであ
る。

図面の左半分に示されているように、公知のボ
ールヘツドは外筒部材１と、その中に配された内
筒部材２を有し、該内筒部材の下端には図示され
ていない自転車の前輪用フオーク用のプレート３
が連結されている。下端では皿体５と錐体６との
間に配される一組のボール４を有してなる軸受
が、上端では皿体８と錐体９との間に配される一
組のボール７を有してなる軸受が構成されてい
る。さらに、内筒部材２の上端部にはねじ部が設
けられ、該ねじ部には錐体９を締めつけるべく環
状調整部材１０がねじ込まれている。

図面の右半分に示されているごとく、本考案に
よるボールヘツドは、外筒部材１１と、その中に
配される内筒部材１２とを備え、該内筒部材の下
端には自転車の前輪用フオークのプレート１３が
連結されている。下端には、内輪１４′と、外輪
１４″と、該両輪の間に配されかつ図示されてい
ない保持器により互に分離・保持されている一組
のボール１４とから成る玉軸受１４が組み込ま
れている。内輪１４′は内筒部材１２の下端にお
ける肉厚部１５と接している。また支持輪１６も
図示されている。外輪１４″は、プレスで作られ
た封止部材１７と接している。

上端近傍においては、内輪１８′と、外輪１
８″と図示されていない保持器により互いに分
離・保持されている一組のボール１８とから成
る玉軸受１８が組込まれている。内輪１８′は封
止部材１９と接し、外輪１８″は封止部材２０と
接しており、両封止部材１９及び２０はプレスに
より作られている。封止部材２０は、図示されて
いるように、内筒部材のテーパ状の上端内径部で
拡径された曲部２１により、規定された位置で内
筒部材１２に固定されている。該曲部２１と上記
上端内径部がロツク部材として機能している。か
くして、各部材の位置は調整の余地なく規定され
た好ましい位置関係を自動的に維持することとな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は従来の、そして本考案に係るボールヘツ
ドを同時に示す縦断面図で、左半分は従来のも
の、右半分は本考案によるものを示す。 １２……円筒部材、１４′；１８′……内輪、１
４″；１８″……外輪、１４；１８……転動
体、１５，１７；１９，２０……封止部材、２１
……曲部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 自転車のフレームに連結される外筒部材と、
   該外筒部材内に同心的に配設される内筒部材と
   を備え、該内筒部材の下端には自転車の前輪用
   フオークが連結され、上端は自転車のハンドル
   を受けるようになつており、上記両筒部材間に
   は、その両端部でころがり軸受が配設され、各
   ころがり軸受は、複数からなる一組の転動体
   と、円筒部材と外筒部材とにそれぞれ当接する
   封止部材とを有し、上方の封止部材は、内筒部
   材と当接すると共に、該内筒部材を位置決めす
   べくロツク部材と係止し合うようになつている
   形式のものにおいて、 各軸受は、内輪１４′；１８′と、外輪１４″；
   １８″と、上記両輪の間に配されかつ保持器に
   より互いに分離・保持される複数の転動体１４
   ；１８を備えるころがり軸受によりなり、
   上記上方の封止部材とロツク部材を規定された
   一位置で係止せしめることにより、半径方向及
   び軸方向にて当接する部分もしくはこれに接続
   する部材を有する封止部材１５，１７；１９，
   ２０を介して上記ころがり軸受の内輪及び外輪
   が自動的に位置決めされることを特徴とする自
   転車用ボールヘツド。 (2) 封止部材はプレス成形されたものであること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項記
   載の自転車用ボールヘツド。 (3) 内筒部材１２と連結する下方の封止部材１５
   は、内筒部材１２の肉厚部として形成されるこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項
   もしくは第(2)項記載の自転車用ボールヘツド。 (4) 封止部材２０は、マツチングした封止部材に
   より全体が形成されていることを特徴とする実
   用新案登録請求の範囲第(1)項ないし第(3)項の１
   つに記載の自転車用ボールヘツド。 (5) 封止部材２０は、内筒部材１２の上端の拡径
   された曲部２１により固定されていることを特
   徴とする実用新案登録請求の範囲第(4)項記載の
   自転車用ボールヘツド。