JPS63201Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、液量検知機構を備えた魔法瓶に関
し、さらに詳しくは外ケース内に収容した中瓶を
上下浮動状態で支持し、しかも該中瓶の上下方向
変位量を外部に表示することにより中瓶内液量を
検知し得るようにした液量検知機構付きの魔法瓶
に関するものである。

この種の液量検知機構付き魔法瓶では、中瓶は
外ケース内において浮動状態で収容されているた
め、魔法瓶を傾けたり或いは揺らしたりした場合
には、特に中瓶の口部が外ケースに対して水平方
向に移動したり、又はグラつくことがあり、その
ときには中瓶を支持するための中瓶支持構造に不
自然な作用が加わるため液体注出の際不安感を抱
かせるという問題があつた。

又、公知の液量検知機構付き魔法瓶の中には、
例えば実開昭56−108837号公報あるいは実開昭52
−149454号公報などに示されるものがある。とこ
ろがこれらの公知の液量検知機構付き魔法瓶で
は、中瓶と、給液口が形成される下口部材、給液
口を閉塞する栓あるいは蓋などの上部構造体とが
一体に固定されていて、それらが外ケースに対し
て一体となつて上下動するようになつており、そ
の可動部分の一部（外ケース外に露出している部
分）が外部から見えるために、持ち運び時あるい
は傾動操作時などに外ケースに対して可動部分の
外部露出部分がグラつくのが見え、不安定感を感
じさせるという問題があつた。

本考案は、上記の如き中瓶浮動型液量検知機構
付きの魔法瓶における問題点に鑑み、中瓶の上下
方向変位量を外部に表示することによつて中瓶内
の液量を検知し得るようにした魔法瓶において、
上下方向に可動なる中瓶を含む可動部分全体を外
部から見えなくして該可動部分が外部から見える
ことによる不安定感をなくするとともに、魔法瓶
を傾けたり或いは揺らしたりした場合でも中瓶口
部が外ケースに対して確実に保持され水平方向に
偏位しないようにした魔法瓶を提供することを目
的としてなされたものであり、かかる目的を達成
するために中瓶を該中瓶とともに上下動する中瓶
保持具で保持しさらに該中瓶保持具の上端部と外
ケース上部に固定された下口部材の給液口の口縁
部との間を上下方向に伸縮可能な筒状パツキンで
接続するとともに、外ケース内に中瓶保持具の上
端部を上下方向にガイドするガイド部材を設けて
いることを特徴としている。

以下、図示の実施例に基づいて説明すると、第
１図及び第２図に示す本考案実施例の魔法瓶はポ
ンプ注液式に構成されている。

第１図及び第２図に示す魔法瓶において、符号
１は魔法瓶本体、２は蓋体、３は蝶番、４は外ケ
ース、５は真空二重瓶からなる中瓶、６は外ケー
ス４の上部に載置固定された下口部材、７は該下
口部材６のほぼ中央部に形成された給液口、８は
中瓶５内に収容される液体を外部へ案内するため
の一連の導液管ユニツト、９は蓋体２内に収容さ
れたベローズ式のエアーポンプ、１０はポンプ押
板、１１は導液管ユニツト８の一部を構成する
栓、１２及び１３はそれぞれ栓１１に取付けられ
た液体汲上用の縦管と液体注出用の横管、１４は
横管１３の出口１３ａの下部に下方に向けて連設
された注出補助管、１５は栓１１に形成した空気
通路を示している。

この魔法瓶には、中瓶５内に収容される液量を
外部から検知し得るようにした液量検知機構が設
けられている。

この液量検知機構は、中瓶５を外ケース４内で
上下動自在に配設し、該中瓶５内に収容された液
量によつて変化する中瓶５の上下方向変位量を外
部に表示することにより中瓶内液量を検知し得る
ようにしたものであり、中瓶５及びその内部の液
体等の重量をスプリング３０，３０を介して底部
材１７上に浮動状態で支持するとともに、中瓶５
の上下方向変位量をレバー３１を介して外ケース
４の外面に設けた液量表示装置５０に表示し得る
ように構成している。

中瓶５はその外側を中瓶保持具２１で被覆する
ようにして保持されている。この中瓶保持具２１
は、中瓶５の上端から胴部全体をカバーする大き
さをもつ上部カバー部材２３と中瓶５の底部をカ
バーする大きさをもつ底部カバー部材２４とを相
互に螺合して中瓶５の外側を完全に被覆し得るよ
うに構成されている。上部カバー部材２３の上部
は細口状に狭められており、又、該上部カバー部
材２３の上部にはその口縁部において適宜長さだ
け縦筒壁部２５が形成されている。又、上部カバ
ー部材２３の上端には環状の内向きフランジ２６
が形成されている。

中瓶５の上端５ａと給液口７の開口縁下面との
間には上下方向に伸縮可能な筒状パツキン３２が
介設されている。即ち、この筒状パツキン３２
は、そのパツキン上端３２ａを環状の補強部材
（後述するガイド部材を兼用する）２２の内縁上
面と給液口７の開口縁下面との間で、又、そのパ
ツキン下端３２ｂを中瓶５の上端５ａと上部カバ
ー部材２３の内向きフランジ２６との間でそれぞ
れ気密的に挟着して取付けられている。なお、該
パツキン上端３２ａは補強部材２２をビス２９，
２９で下口部材６の下面に締着することにより該
補強部材２２の内縁上面と給液口７の開口縁下面
との間で強固に緊締されており、又、該パツキン
下端３２ｂは上部カバー部材２３に底部カバー部
材２４を螺合させて該上部カバー部材２３を引き
下げることによりその内向きフランジ２６と中瓶
上端５ａとの間で強固に緊締されている。なお、
中瓶５はこのとき中瓶保持具２１内で緊締され
る。又、この筒状パツキン３２の上下方向中間部
は上下方向に伸縮可能なジヤバラ部３２ｃとなつ
ている。

上部カバー部材２３の肩部には適数個の窓穴２
７，２７が形成されている。この窓穴２７，２７
は補強部材２２固定用のビス２９，２９を締め込
む際のドライバー挿通穴となるものである。

又、上部カバー部材２３の肩部及び補強部材２
２の下面にはそれぞれ上向き係合片２８及び下向
き係合片３８が一体形成されていて、該両係合片
２８，３８を相互に係合させることによつて上部
カバー部材２３が補強部材２２に対して回動しな
いようにしている。

前記補強部材２２は中瓶保持具２１をガイドす
るためのガイド部材を兼用するもので、以下この
補強部材２２をガイド部材と称する。このガイド
部材２２には前記上部カバー部材２３の口縁部に
形成した縦筒壁部２５の外径よりやや大きい内径
をもつガイド周壁３３が一体形成されている。こ
のガイド周壁３３は上部カバー部材２３の縦筒壁
部２５の外側において該縦筒壁部２５に対して上
下方向に所定長さだけ重合するように配設されて
おり、中瓶保持具２１が最も下動したとき（第２
図の状態）でも縦筒壁部２５の上端がガイド周壁
３３の下端から抜け出さないようにしている。

ガイド部材２２の内縁寄り下面には下方に向け
て小突起３４が形成されている。この小突起３４
は中瓶保持具２１が最も上動したときに上部カバ
ー部材２３の上面がガイド部材２２の内縁寄り下
面に密着するのを防止するためのものである。

中瓶保持具２１の下部には該中瓶保持具２１を
支持するための支持台４１が配設されている。こ
の支持台４１は環状の外側部材４２と該外側部材
４２の内側に螺合された中ネジ部材４３とを一体
化して形成されている。なお、外側部材４２の中
央部には雌ネジを刻設した螺筒４４が形成されて
おり、該螺筒４４に中ネジ部材４３が螺入されて
いる。

この支持台４１は底部材１７上にスプリング３
０，３０によつて浮動状態で支持されている。
又、この支持台４１は、底部材１７の上面に上方
に向けて突出形成した位置決め用突出杆１８，１
８にガイドされて上下方向にのみスライドするよ
うになつている。なお、底部材１７の中央部には
支持台４１の外側部材螺筒４４の外径とほぼ同径
の内径をもつ穴１９が形成されており、該穴１９
内に螺筒４４をスライドさせることにより該穴１
９ででも支持台４１をガイドし得るようにしてい
る。

支持台４１を支持しているスプリング３０，３
０は、中瓶５内に液体が入つていない状態（第１
図の状態）では該支持台４１及び中瓶保持具２１
（中瓶５も含む）を上方に押し上げ、又、中瓶５
内に液体をほぼ満杯まで入れた状態（第２図の状
態）ではその液体の重量が加わることによつて下
方に押し下げられるようなバネ強さのものが採用
されている。

この魔法瓶においては、中瓶５と中瓶保持具２
１と支持台４１が中瓶内液量によつて上下動変位
する可動部分となつているが、これらの可動部分
は全体が魔法瓶内部に設置されていて、外部から
は見えないようになつている。

支持台外側部材４２の下面には緩衝材４５が取
付けられている。この緩衝材４５は支持台４１が
最下動位置（第２図の状態）まで下がつた際に外
側部材４２の下面と底部材１７の上面が広範囲に
密着するのを防止するためのものである。なお、
他の実施例ではこの緩衝材４５にかえて外側部材
４２下面あるいは底部材１７上面の相互に接触す
る位置に小突子を形成して両部材４２，１７が広
範囲に密着しないようにすることもできる。

この支持台４１の上下方向変位はレバー３１を
介して外ケース４の前面下方部に設けた液量表示
装置５０に表示されるようになつている。

液量表示装置５０はカバー５１の内部に液量表
示部材となる昇降体５２を上下動自在に収容し、
該昇降体５２の位置をカバー５１に形成した窓穴
５３から目視し得るように構成している。この昇
降体５２はレバー３１によつて上下動せしめられ
るようになつている。このレバー３１はカバー５
１に形成したブラケツト５４にピン５５によつて
枢着されており、該レバー３１の一端３１ａを前
記支持台４１に形成した突出片４６の下側に係合
させ、該レバー３１の他端３１ｂを昇降体５２の
下側に係合させるようにして配設している。従つ
て支持台４１が下動すればレバー３１が図示の状
態において右回転方向に回動して昇降体５２がカ
バー５１内で上動せしめられ、逆に支持台４１が
上動すればレバー３１は左回転可能となつて昇降
体５２がその自重及び該昇降体５２の上部に配設
した押下げスプリング５６によつて下動するよう
になつている。なお、このレバー３１は支持台４
１の上下方向変位量を拡大して昇降体５２に伝達
し得るようになつている。即ち、レバー３１の支
持台側係合端３１ａから枢支ピン５５までの距離
よりレバー３１の昇降体側係合端３１ｂから枢支
ピン５５までの距離を長くしており、支持台４１
の上下方向変位量に対して昇降体５２の変位量が
大きくなるように構成している。

この魔法瓶における液量表示機構の組立順序を
説明すると、まず、ガイド部材２２及び中瓶保持
具２１の上部カバー部材２３をそれぞれ筒状パツ
キン３２に装着した状態でそれらの部材を下方か
ら外ケース４内に挿し込み、該ガイド部材２２を
ビス２９，２９で下口部材６の下面に締着させ
る。なお、ビス２９，２９は上部カバー部材２３
の窓穴２７，２７を通して螺入せしめられる。
又、ガイド部材２２の締着時には筒状パツキン３
２の上端３２ａは給液口７の開口縁下面とガイド
部材２２の内縁上面との間に気密的に挟着され
る。次に上部カバー部材２３内に中瓶５を収容し
た後、該上部カバー部材２３に底部カバー部材２
４を螺合緊締する。このとき、筒状パツキン３２
の下端３２ｂは上部カバー部材２３の内向きフラ
ンジ２６下面と中瓶５の上端５ａとの間で気密的
に緊締される。他方、支持台４１は予め底部材１
７に取付けておいて、その底部材１７を外ケース
４の下端内面に装着している底ワツパ２０に螺入
するとともに、中ネジ部材４３をネジ込んで中瓶
保持具２１を押し上げておく。そして次に液量表
示装置５０を外ケース４の前面下方部に装着すれ
ば、この液量表示機構の組立ては完了する。な
お、液量表示装置５０のカバー５１は底部材１７
を固定するためのビス４９を共用して固定されて
いる。

次にこの魔法瓶の作用を説明すると、第１図に
示すように中瓶５内に液体が入つていない場合に
は、底部材１７と支持台４１の間に介設されたス
プリング３０，３０の弾発力によつて支持台４
１、中瓶保持具２１及び中瓶５を押し上げた状態
で支持している。その状態では液量表示装置５０
の昇降体５２は下方に位置し、該昇降体５２の位
置をカバー５１の窓穴５３から視認することによ
り中瓶５内に液体が入つていないことを検知する
ことができるようになつている。又、第２図に示
すように中瓶５内に多量の液体を入れるとその液
体の重量が前記スプリング３０，３０に加わるこ
とにより該スプリング３０，３０の弾発力に抗し
て支持台４１が下動せしめられ、そのときにレバ
ー３１を介して昇降体５２が押し上げられて該昇
降体５２の位置を視認することにより中瓶５内に
多量の液体が入つていることを検知することがで
きるようになつている。なお、中瓶５が下動する
ときには筒状パツキン３２のジヤバラ部３２ｃは
伸張せしめられる。又、中瓶５内の液体を順次注
出していくとその液体の重量が順次減少していく
ことによりスプリング３０，３０の弾発力によつ
て少しずつ支持台４１が押し上げられ、それに対
応して昇降体５２も降下していつて順次中瓶内液
体の残量を表示し得るようになつている。又、中
瓶５及び中瓶保持具２１は中瓶内液量の増減によ
つて上下動するようになつているが、中瓶保持具
２１はガイド部材２２によつてその水平方向の移
動が規制されているので、該中瓶保持具２１が水
平方向にグラつくことはない。

さらに、この魔法瓶においては、中瓶内液量に
応じて上下動変位する可動部分全体（中瓶５、中
瓶保持具２１、支持台４１）が外部から見えない
ので、魔法瓶持ち運び時などに該可動部分が上下
動してもそのグラつきが外部から見えず、この種
の中瓶可動式の液量検知機構を備えた魔法瓶にお
いて持ち運び時に可動部分のグラつきによる不安
定感がなくなる。

又、この魔法瓶は、ポンプ押板１０を押圧する
と、エアーポンプ９からの加圧空気が栓内空気通
路１５を通つて中瓶５内に吹き込まれ、その加圧
空気によつて中瓶５内の液体を一連の導液管ユニ
ツト８を通してその出口１３ａから吐出し、さら
にその出口１３ａ下方に連設している注出補助管
１４を通してその下端開口から注出し得るように
なつている。

第３図には本考案の他の実施例にかかるガイド
部材２２の取付け方法を示しているが、この第３
図の実施例では、下口部材６の下面に螺筒６１を
形成する一方、ガイド部材２２に該螺筒６１に螺
合可能なネジ６２を形成して、該ガイド部材２２
を螺筒６１にネジ結合するようにしている。

なお、上記各実施例では、魔法瓶としてポンプ
注液式のものを採用しているが、本考案の他の実
施例では魔法瓶本体を傾けて注液する形式の魔法
瓶を採用することもできる。

続いて本考案の効果を説明すると、本考案の魔
法瓶は次のような効果がある。

(1) 中瓶５の上下方向変位量によつて中瓶内液量
を検知し得るようにしたものにおいて、中瓶５
とともに上下動する中瓶保持具２１の上端部と
外ケース４の上部に設けられた下口部材６の給
液口７の口縁部との間を上下方向に伸縮可能な
筒状パツキン３２で接続しているので、外ケー
ス４に対して上下動する可動部分全体（中瓶
５、中瓶保持具２１）が外ケース４及び下口部
材６によつて囲われた内部空間内に設置され、
該可動部分が外部から見えなくなつて、例えば
魔法瓶持ち運び時などにその振動で可動部分が
上下にグラついても、そのグラつきが外部から
見えず、その可動部分のグラつきが外部から見
える場合に生じる不安定感がなくなる。

(2) 外ケース４内に中瓶保持具２１の上端部を上
下方向にガイドするガイド部材２２を設けてい
るので、中瓶５が上下動し得る構造のものであ
つても、魔法瓶持ち運び時あるいは傾動時など
に中瓶の口部が水平方向に移動したりグラつく
ことがなく、それによつて中瓶５を支持するた
めの中瓶支持構造に不自然な作用が加わるのを
防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる魔法瓶の縦断
面図、第２図は第１図の魔法瓶の作用説明図、第
３図は本考案の他の実施例にかかる魔法瓶の一部
縦断面図である。 １……魔法瓶本体、４……外ケース、５……中
瓶、６……下口部材、７……給液口、２１……中
瓶保持具、２２……ガイド部材、２５……縦筒壁
部、３２……筒状パツキン、５０……液量表示装
置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外ケース４の上部に給液口７を形成した下口部
   材６を設け、且つ該外ケース４内において中瓶５
   を上下動可能状態で支持し、しかも該中瓶５の上
   下方向変位量を外部に表示することにより中瓶５
   内の残液量を検知し得るようにした液量検知機構
   を備えた魔法瓶であつて、前記中瓶５は該中瓶５
   とともに上下動する中瓶保持具２１で保持され、
   さらに該中瓶保持具２１の上端部と前記給液口７
   の口縁部との間が上下方向に伸縮可能な筒状パツ
   キン３２で接続されているとともに、前記外ケー
   ス４内に前記中瓶保持具２１の上端部を上下方向
   にガイドするガイド部材２２が設けられているこ
   とを特徴とする魔法瓶。