JPS6320035Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は真空インタラプタの電極棒に係り、特
に通電のためのリードパイプと、その機械的強度
を高めるべくリードパイプに嵌挿した心棒とから
なるものに関する。

一般に、真空インタラプタは、たとえば第１図
に示すように、円筒状に成形したガラス等の絶縁
物からなる１または２以上（図においては２本）
の絶縁筒１の両端を金属端板２，２により気密に
塞しかつ内部を高真空に排気して真空容器３を形
成し、この真空容器３にその内部において１対の
電極４を接触離反（接離）すべく各金属端板２の
中央から対をなす電極棒５を相対的に接近離反自
在に導入して構成されている。

なお、第１図において６は金属ベローズ、７は
シールドである。

かかる真空インタラプタにおける電極棒として
は、通常、導電性に優れた銅または銅合金等が用
いられているが、系統容量の増大に伴つて、開閉
時の慣性力および衝撃力に対処すべく電極棒の機
械的強度の増大が要求されるようになつている。

従来、電極棒の機械的強度を高めるべく第２図
および第３図に示す如きものが知られている。す
なわち、第２図の電極棒は、導電性にしてかつ熱
膨張係数の大きい金属、たとえば銅等からなる有
底円筒状のリードパイプ８に、機械的強度大にし
てかつ熱膨張係数の小さい金属、たとえば鉄また
はステンレス鋼等からなる心棒９を挿入するとと
もに、心棒９の外端外周に形成した螺子部９ａを
リードパイプ８の開口端内周に形成した螺子部８
ａと螺合しかつ両螺子部８ａ，９ａをろう付けし
て設けられているものであり、また、第３図のも
のは、リードパイプを有底円筒状の第１リードパ
イプ１０と、その開口端面にろう付け接合される
円筒状にしてかつ内周に螺子部１１ａを設けた第
２リードパイプ１１とにより形成し、その中に心
棒１２を嵌挿しかつ内端部を第１リードパイプ１
０の内周１０ａとろう付け接合するとともに、そ
の外端部に設けた螺子部１２ａを第２リードパイ
プ１１の螺子部１１ａと螺合して設けられている
ものである。

しかし、前者の電極棒は、その機械的強度を高
めることはできるものの、通電時等における温度
上昇により長さが変化し、極間距離が変化する等
の不具合を生じ、また、後者のものは、リードパ
イプと心棒１２との熱膨張係数の差異により、第
１リードパイプ１０と第２リードパイプ１１との
接合が損なわれる等の問題がある。

本考案は、上述した問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、熱膨張係数の異な
る２種類の金属からなるリードパイプと心棒との
組合せからなるものにおいて、機械的強度を高め
得、かつ温度変化による極間距離の変化を来たさ
ないようにした真空インタラプタの電極棒を提供
するにある。以下、第４図および第５図を用いて
この考案の一実施例を詳細に説明する。

第４図は本考案に係る電極棒を備えた真空イン
タラプタの半截縦断面図で、この真空インタラプ
タは、円筒状の金属ケース１３の両開口端を、セ
ラミツクスからなる円板状の絶縁端板１４により
気密に閉塞し、かつその内部を高真空にして排気
して真空容器１５を形成するとともに、この真空
容器内に、１対の電極１６，１６を軸線上に位置
せしめて各金属端板１４の中央から相対的に接近
離反自在に導入した対をなす電極棒１７，１７を
介し接離自在に設けて構成されている。

なお、第４図において１８は金属ベローズで、
可動側（図において下方）の電極棒１７を真空容
器１５内にその気密性を保持しつつ移動自在に導
入するためのものである。また、１９は各電極棒
１７の内端部付近に固着したカツプ状の主シール
ド、２０は主シールド１９が相俟つて金属粒子の
捕促等を行なう補助シールドで、主シールド１９
内に位置しかつこれと半径方向（図において左右
方向）において重畳せしめるが如くして金属ケー
ス１３の両端内周に固着されているものである。

前記各電極棒１７は、可動側のものを例示する
第５図に示すように、導電性にしてかつ熱膨張係
数の大きい金属、たとえば銅等からなり、導電部
分となる円筒状のリードパイプ２１と、機械的強
度大にしてかつ熱膨張係数の小さい金属、たとえ
ば鉄またはステンレス鋼等からなり、リードパイ
プ２１の機械的強度を高めるべくこれに嵌挿され
る心棒２２、リードパイプ２１または心棒２２と
同様の金属からなり、両者を電極１６が接合され
る一端（図において上端）側において一体的に接
合する接合部材２３とから構成されている。

すなわち、リードパイプ２１の一端内周には、
その内径より大径に形成した段付嵌合部２１ａが
設けられており、この段付嵌合部２１ａには、そ
の内径とほぼ同外径のフランジ２３ａを一端に設
け、かつ他端面に円形の嵌合凹部２３ｂを設けた
前記接合部材２３が、他端側をリードパイプ２１
内に位置せしめて、フランジ２３ａを嵌合すると
ともに、フランジ２３ａの周面および端面を段付
嵌合部２１ａとろう付け接合して固着されてい
る。そして、接合部材２３の嵌合凹部２３ｂに
は、前記心棒２２が、その一端に形成した小径部
２２ａを介して嵌挿され、かつ小径部２２ａの周
面と嵌合凹部２２ｂとをろう付け接合して固着さ
れているとともに、その他端外周に形成した螺子
部２２ｂをリードパイプ２１の他端内周に形成し
た螺子部２１ｂと螺合することにより固着されて
いる。

なお、リードパイプ２１の一端には、前記電極
１６がその背面（第５図において下面）に設けた
嵌合凹部１６ａを介して嵌合されかつ嵌合凹部１
６ａの周面と底面を介しリードパイプ２１と気密
ろう付けされるものであるが、リードパイプ２１
の他端面および他端外周面には、これらの面と電
極１６とのろう付けの際のろう材を収納する周溝
２４が形成されているとともにポケツト２５を形
成すべく小径に設けられている。また、接合部材
２３のフランジ２３ａの一端縁および心棒２２の
小径部２２ａの一端縁も、同様にろう材収納用の
ポケツト２６，２７を形成すべく切欠かれている
ものである。さらに、第５図において２８はリー
ドパイプ２１に設けたガス抜き等のための孔であ
る。

以上の如く本考案は、導電性にしてかつ熱膨張
係数の大きい金属からなるリードパイプと、この
リードパイプに嵌挿されるとともに機械的強度大
にしてかつ熱膨張係数の小さい金属からなる心棒
とからなり、真空容器にその内部において１対の
電極を接離すべく相対的に接近離反自在に導入さ
れる真空インタラプタの電極棒にして、リードパ
イプにおける電極が接合される一端内周にその内
径より大径の段付嵌合部を形成するとともに、そ
の他端内周に螺子部を形成して設け、前記段付嵌
合部に、フランジを一端に設けかつ他端面に嵌合
凹部を設けた接合部材を、他端側がリードパイプ
内に位置するが如くしてフランジを介して嵌合す
るとともに気密ろう付けして設け、前記接合部材
の嵌合凹部に心棒の一端を嵌挿して気密ろう付け
するとともに、この心棒をその他端に形成した螺
子部を介しリードパイプの螺子部と螺合して設け
たものであるから、温度変化による長さの変化を
小さくすることができるとともに、機械的強度に
優れたものとすることができる等の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図な一般的な真空インタラプタの縦断面
図、第２図および第３図はそれぞれ従来の電極棒
の半縦断面図、第４図は本考案に係る電極棒を備
えた真空インタラプタの半截縦断面図、第５図は
本考案に係る電極棒の半縦断面図である。 １５…真空容器、１６…電極、１７…電極棒、
２１…リードパイプ、２１ａ…段付嵌合部、２１
ｂ…螺子部、２２…心棒、２２ａ…小径部、２２
ｂ…螺子部、２３…接合部材、２３ａ…フラン
ジ、２３ｂ…嵌合凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導電性にしてかつ熱膨張係数の大きい金属から
   なるリードパイプと、このリードパイプに嵌挿さ
   れるとともに機械的強度大にしてかつ熱膨張係数
   の小さい金属からなる心棒とからなり、真空容器
   にその内部において１対の電極を接離すべく相対
   的に接近離反自在に導入される真空インタラプタ
   の電極棒にして、リードパイプにおける電極が接
   合される一端内周にその内径より大径の段付嵌合
   部を形成するとともに、その他端内周に螺子部を
   形成して設け、前記段付嵌合部に、フランジを一
   端に設けかつ他端面に嵌合凹部を設けた接合部材
   を、他端側がリードパイプ内に位置するが如くし
   てフランジを介して嵌合するとともに気密ろう付
   けして設け、前記接合部材の嵌合凹部に心棒の一
   端を嵌挿して気密ろう付けするとともに、この心
   棒をその他端に形成した螺子部を介しリードパイ
   プの螺子部と螺合して設けたことを特徴とする真
   空インタラプタの電極棒。