JPS63199849A - オイルリング用緊張材およびその製造方法 - Google Patents

オイルリング用緊張材およびその製造方法

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JPS63199849A
JPS63199849A JP2953687A JP2953687A JPS63199849A JP S63199849 A JPS63199849 A JP S63199849A JP 2953687 A JP2953687 A JP 2953687A JP 2953687 A JP2953687 A JP 2953687A JP S63199849 A JPS63199849 A JP S63199849A
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    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D8/00Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment
    • C21D8/005Modifying the physical properties by deformation combined with, or followed by, heat treatment of ferrous alloys

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、油掻きリングや圧力リング等のオイルリング
用緊張材(エキスパンター、スヘーサー)として利用さ
れるオイルリング用緊張材およびその製造方法に関する
ものであり、緊張材の素材として使用されるステンレス
鋼千線に要求される成形性、張力、耐熱へたり性を改善
し、加えて平線加工工程の簡略化を実現することができ
るようにした、オイルリング用緊張材およびその製造方
法に関するものである。
(従来の技術) 一般に、オイルリング用緊張材として使用されるステン
レス鋼千線は、使用環境からいって、耐食性が良好で、
高温強度が高く、低温脆性、がなく、さらに緊張材特有
の特性に優れていることが要求される。
緊張材の素材となるステンレス鋼における当該緊張材特
有の特性は、例えば、リンクベント用スペーサについて
示すと、 ■歯切り状の凹凸形状に成形する際に切損およびクラッ
クが発生しないように成形性が良好であること、 ■成形後の張力が高いこと、 ■張力のばらつきが少ないこと、 ■緊張材の耐熱へたり性が良好である(減退率が少ない
)こと、 が要求される。
このような要求特性を満足させるステンレス鋼として、
従来は5US201あるいは5US304を採用し、冷
開平線加工後に硬さHv180〜230を得るために、
温度900〜1050℃の固溶化熱処理を施し、その後
オイルリング用緊張材に成形するようにしていた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような従来のステンレス鋼を素材と
したオイルリング用緊張材では、張力にばらつきを生じ
やすく、かつまた固溶化熱処理の不完全による成形中の
一部疑マルチンサイト化および耐熱へたり性の不十分な
どによって、成形性拳耐熱へたり性に問題を生じる危険
性があった。
そこで、上記問題の改善のため、5US201あるいは
5US304のステンレス鋼に対し加工率20%以上の
冷間加工を加えたのちに950〜1050℃で固溶化熱
処理を施し、引続いて再度加工率3〜10%の冷間加工
を加えることによって、上記要求特性を満足させる製造
方法が採用されているが、素材の組織のばらつきによる
固溶化熱処理温度の調整あるいは固溶化熱処理後の加工
率の調整を必要とし、かつ場合によっては固溶化熱処理
の不完全のために成形中に組織の一部がオーステナイト
組織から疑マルテンサイト組織に変化し、これによって
成形性・耐熱へたり性に悪影響を与える危険性があるこ
とに加えて、製造工程が複雑で割高となる可能性がある
という問題点があった。
(発明の目的) 本発明は、上述した従来の問題点に着目してなされたも
ので、成形性が良好であるため成形後に切損やクラック
が発生しがたく、成形後の張力が。
高く、張力のばらつきが少なく、耐熱へたり性が良好で
ある(減退率が少ない)という著しく優れた特性を有す
るオイルリング用緊張材およびその製造方法を提供する
ことを目的としているものである。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 本発明に係るオイルリング用緊張材は、重量%で、C:
0.01〜0.30%、Si:0.1〜2.0%、M 
n : l 、 0〜6 、0%、P:0.03%以下
、S:0.03%以下、Ni:8〜16%、Cr:16
〜22%、N:0.05〜0.35%、AfL:0.0
5%以下、Mg:0.001〜0.05%、Ca:O,
OO1〜0.05%、および必要に応じてCu:1.0
〜4.0%、Mo:0.5〜5.0%のうちの1種また
は2種、同じく必要に応じてV:0.03〜0.30%
 、Ti:0.03〜0.30%。
Nb+Ta: 0.03〜0.30%のうちの1種また
は2種以上、残部Feおよび不可避的不純物からなる組
成を有するステンレス鋼を素材としていることを特徴と
して′いるものである。
また、本発明に係るオイルリング用緊張材の製造方法は
、上記組成を有するステンレス鋼を1000〜1200
℃の温度で熱間圧延し、熱間圧延のままあるいは必要に
応じて950〜1150℃で固溶化熱処理を施したのち
、冷間圧延または冷間伸線による冷間加工を行い、次い
で950〜1200℃で固溶化熱処理を施し、冷間圧延
による場合は冷間帯鋼を必要な幅にスリット加工してオ
イルリング用事線とし、冷間伸線による場合は必要な冷
間加工を加えたのち950〜1200℃で固溶化熱処理
を施してオイルリング用事線とし、このオイルリング用
事線をオイルリング用緊張材に成形するようにしたこと
を特徴としており、必要に応じて前記オイルリング用事
線をオイルリング用緊張材に成形したのち400〜60
0℃でセッチング処理するようにしたことを特徴とする
ものである。
次に、本発明に係るオイルリング用緊張材の素材となる
ステンレス鋼の成分範囲(重量%)の限定理由について
説明する。
C:0.01〜0.30% Cは母相に固溶して基地を強化する一方、炭窒化物の形
成元素としても強力に作用する。しかも、オーステナイ
トを安定化し、加工誘起ヤルテンサイトを抑制する作用
が大きい、そこで、このような作用を得るために0.0
1%以上とした。
しかし、0.30%を超えると固溶が困難となるうえ、
冷間加工性、耐食性が著しく劣化するので、その上限を
0.30%とした。
Si:O,1〜2.0% Stは製鋼時の脱酸剤として添加され、このような作用
を得るために0.1%以上とした。しかし、2.0%を
超えるとフェライトが生成し易くなるので、その上限を
2.0%とした。
Mn:1.0〜6.0% Mnは製鋼時の脱酸および脱硫剤として添加され、かつ
またNの溶解度を大きくすると共に、加工誘起マルテン
サイトを抑制する効果があるので、このような効果を得
るために1.0%以上添加した。しかし、6.0%を超
えると加工性が悪くなり、しかも耐食性を劣化させるの
で、その上限を6.0%とした。
P:0.03%以下 Pは耐食性を劣化させるので極力少量であることが好ま
しく、その上限を0.03%とした。
S:0.03%以下 Sは熱間加工性を害し、かつ耐食性を劣化させるので極
力少量であることが好ましく、その上限を0.03%と
した。
Ni:8〜16% Niはオーステナイト安定化元素であり、ステンレス鋼
をオーステナイト相とするための主要な元素であると同
時に、加工誘起マルテンサイトの抑制にも必要な元素で
ある。そして、8%以上含有させればオーステナイト単
相の組織が得られ、含有量が多いほどオーステナイトは
安定となるが、Niは高価であるので経済性を考慮して
8〜16%の範囲とした。
Cr:16〜22% Crは耐食性を向上させるのに寄与する元素であり、こ
のような効果を得るために16%以上含有させるが、多
量に添加するとフェライトを生成するので16〜22%
の範囲とした。
N:0.05〜0.35% NはCと同様に基地の強化と加工誘起マルテンサイトの
抑制のために添加する。さらに、耐食性および耐孔食性
の向上にも寄与する。そこで、このような効果を得るた
めに0.05%以上とした。しかし、多すぎると鋼塊溶
製時の気泡生成が多くなると共に、分塊時の加工性が低
下するため、その上限を0.35%とした。
Al=0.05%以下 Aiは通常脱酸剤として使用されるが、多量に含有する
とAfLNを形成し、有効なN量を減すると共に、酸化
物系介在物として残留して熱間加工性を害するので、そ
の上限を0.05%とした。
Mg:0.001〜0.05% MgはAnを代替えする脱酸剤であるとと共に、有害な
Sを固定して熱間加工性を向上させ。
N添加による加工性の劣化を補うのに有効である。しか
し、o、oot%未満ではこのような効果が得られず、
0.05%を超えてもその効果が飽和するので、o、o
oi〜0.05%の範囲とした。
Ca:0.001〜0.05% Caは被削性および熱間加工性の向上のために0.00
1%以上添加するが、0.05%を超えると効果が飽和
するので、その上限を0.05%とした。
Cu:1.0〜4.0% Cuは耐食性を向上させ、加工硬化率を低下させると共
に、冷間加工性を向上させるので、高耐食性と良好な冷
間加工性が要求される場合に添加するのが良い、そして
、このような効果を得るためには1.0%以上添加する
必要があるが、多過ぎると熱間加工性を害する元素であ
るので、その上限を4.0%とした。
Mo:0.5〜5.0% MoはCuと同様に耐食性および耐孔食性を向上させる
ので、耐食性の要求が強い場合に添加するのが良い、そ
して、このような効果を得るためには0゜5%以上添加
する必要があるが、多量に添加するとフェライトが生成
し易くなると共に、高価にもなるので、その上限を5.
0%とした。
V:0.03〜0.30% ■は炭窒化物を形成し、結晶粒を微細化して強度の向上
に寄与する。しかし、0.03%未満ではこのような効
果がなく、0.30%を超えるとその効果が飽和すると
共に冷間加工性が劣化するので、添加する場合は0.0
3〜0.30%の範囲とする必要がある。
Ti:0.03〜0.30% Tiは■と同様に炭窒化物を形成し、結晶粒を微細化し
て基地の強化に寄与する。しかし、0.03%未満では
このような効果がなく、0.30%を超えるとその効果
が飽和すると共に冷間加工性が劣化するので、添加する
場合は0.03〜0.30%の範囲とする必要がある。
Nb+Ta:0.03〜0.30% Nb、TaはVと同様に炭窒化物を形成し、結晶粒の微
細化を通じて基地の強化に寄与する。しかし、0.03
%未満ではこのような効果がなく、多量に添加すると窒
化物が介在物として残留し、冷間加工性を害するので、
特に強度が必要な時にNbおよびTaの1種または2種
を合計で0.30%以上添加する。ただし、その上限は
冷間加工性を害さない0.30%とする必要がある。
本発明に係るオイルリング用緊張材は、上記の成分組成
を有するステンレス鋼を素材としているものであり、こ
のような組成のステンレス鋼を素材としてオイルリング
用緊張材を製造するに際しては、まず、上記ステンレス
鋼をtooo〜1200℃の温度で熱間圧延する0次い
で、熱間圧延のままあるいは必要に応じて950〜11
50″Cで固溶化熱処理を施したのち、冷間圧延または
冷間伸線による冷間加工を行う。
この冷間加工として冷間圧延を行う場合には、冷間圧延
によって、例えば、0.35mmtX300mmwの冷
間帯鋼を製造したのち、950〜1200℃で固溶化熱
処理を施し、熱処理後の冷間帯鋼に対して、例えば、2
.5mmwにスリット加工を行ってオイルリング用平線
とする。
また、冷間伸線の場合は、上記熱間圧延材または固溶化
熱処理された熱間圧延材を、例えば、1.3mmφ×文
の線材に冷間伸線を行った後、950〜1200℃で固
溶化熱処理を施し、例えば、0.35mmt X2.5
mmwXJ1に加工し、固溶化温度950〜1200℃
で固溶化熱処理を施してオイルリング用平線とする。
このようにして製造されたオイルリング用平線は、オー
ステナイト安定化元素(C,Mn。
Ni、Cu、N)をバランス良く成分調整したステンレ
ス鋼組成を有するので、オイルリング用緊張材に成形し
ている間に受ける強加工によっても、加工誘起(疑似)
マルテンサイトが生成せず、双晶転位密度の増加のみで
安定した非磁性鋼であり、成形性が極めて良好で、Cお
よびNの添加で母相に固溶して基地を強化するので、冷
間加工後の固溶化熱処理温度範囲が950〜1200℃
と広く、完全固溶化熱処理を施しても、鋼種初期硬度は
オイルリング用緊張材に要求される硬さHv180〜2
30を極めて容易にかつばらつきなく達せられる。
しかも、N添加で腐食性の環境における耐食性が5US
201.5US304に比較して著しく向上し、かつC
,Nの添加で固溶強化され、オイルリング用緊張材に成
形加工した後の加工硬化率が大きく、さらにより望まし
くは成形後のセッチング処理(400〜600℃)によ
り1時効処理効果を併せ得ることができ、耐力、引張強
さ、硬さが更に向上するので、張力および耐熱へたり性
の向上が5US201.5US304に対し大巾に改善
される。
すなわち、上記成分調整したオイルリング用平線に対し
て、より望ましくは減面率10%以上の冷間加工を加え
たのち、400〜600℃で時効処理を行うことにより
、耐力および引張強さをより一層向上させることができ
る。したがって、このような時効処理効果を得るため、
例えばリンクベント用緊張材(スペーサ)として、0.
35mm t X 2 、5 mmWに成形加工した後
、400〜600℃のセッチング処理を施すことにより
、時効処理効果を併せ得ることができる。
これによって、オイルリング用緊張材に要求される張力
、耐熱へたり性の向上により一層寄与する。
このとき、時効処理温度すなわちセッチング温度が40
0℃よりも低いと、時効処理による耐力および引張強さ
の向上はさほど大きくなく、また600℃を超えると耐
力および引張強さがかえって低下するので好ましくない
(実施例) 第1表に本発明例と比較例とにおいて用いたオイルリン
グ用緊張材のステンレス鋼組成の一例を示す。
まず、通常の溶製法ばより製造した第1表に示す組成の
鋼塊を分塊圧延したのち1000〜1200℃の温度で
熱間圧延し、これによって5.5mmφの線材とした。
そして、この熱間圧延の際における熱間加工性を評価し
たところ、第2表に示す結果であった。この熱間加工性
の評価において、0は良好であったことを示し、×は表
面に割れが発生したことを示している。
次に、前記熱間圧延材に対して中間で固溶化熱処理を1
回流したのち、冷間伸線加工を行って1.3mmφとし
、次いでこめ伸線材に対して950〜1200℃の固溶
化熱処理を施した後、冷間平線加工を行って0.35m
mtX2.5m m w X lのオイルリング用千線
粗材を製造し、第2表に示すように980〜1150℃
の固溶化熱処理を行ってオイルリング用千線を製造した
そして、このオイルリング用千線の硬さ、引張強さおよ
び伸びを調べたところ、第2表に示す結果であった。
次いで、前記オイルリング用千線を歯切り状の凹凸形状
に成形してオイルリング用緊張材(エキスパンダー、ス
ペーサー)を製作し、その際の成形性を評価すると共に
、各オイルリング用緊張材の張力、耐熱へたり性および
耐食性を評価した。
このとき、成形性の評価において、0は良好であったこ
とを示し、Δはばらつきが大きかったことを示し、×は
成形後にクラックが入ったことを示している。また、張
力の評価において、Oは良好であったことを示し、Δは
ばらつきが大きかったことを示し、×は規格外れのもの
であることを示している。さらに、耐熱へたり性の評価
において、0は良好であったことを示し、Δはばらつき
が大きかったことを示し、×は規格外れのものであるこ
とを示している。さらにまた、耐食性の評価(JIS 
 Z2371“塩水噴霧試験方法”)においで、0は銹
の発生がなかったことを示し。
Xは銹の発生があったことを示している。
第1表および第2表に示すように、本発明に係るオイル
リング用緊張材の素材となるステンレス鋼はいずれも熱
間加工性が良好であり、オイルリング用緊張材に成形す
る際の成形性にも優れており、オイルリング用緊張材の
張力、耐熱へたり性および耐食性のすべてが良好である
ことが認められた。
これに対し比較例のオイルリング用緊張材の素材となる
ステンレス鋼組tNo、11.12のものは、熱間加工
時に表面割れが発生し、製造性が悪いものであった。こ
れは、No、11鋼ではAnが限定範囲を超えて含有さ
れていると共に、Mg。
Caが添加されていないためであり、No、12鋼では
熱間加工性を害するCuが過剰に含まれているためであ
る。また、比較例No、13ではMnが多くかつCrが
少ないため、耐食性に劣り、塩水噴霧試験に耐え得ない
ものであった。さらに比較例No、14では、成形加工
により疑似マルテンサイトが発生し、また成形性にばら
つきがみちれた。
さらに、比較例No、15 (SUS201)はMnが
多くCrが少ないため、耐食性が劣るものであった。
さらにまた、比較例No、16 (SUS304)のよ
うに、固溶化熱処理温度の調整で製造したものは、オイ
ルリング用緊張材の張力および耐熱へたり性にばらつき
が大キく、比較例No、17(SUS304)のように
、固溶化熱処理後に加工率5.3%の冷間加工を施した
ものでは、本発明鋼と同様にすべて良好であるが、本発
明に係る製造方法では固溶化熱処理状態で使用可能であ
るのに対し、比較例No、17 (SUS304) で
は固溶化熱処理後においてさらに張力を得るために冷間
加工を必要とするので、オイルリング用緊張材に反りや
横曲がりの発生する危険があり、しかも組成のばらつき
による冷間加工率の調整を必要とするなど、製造工程が
複雑であり、しかもNが添加されていないので成形後の
時効処理で炭化物が主に結晶粒界に析出して張力の向上
が期待されず、かえって耐食性が著しく劣化する。
これに対し、本発明による場合には、成形後の時効処理
(実用上は400〜600℃におけるセッチング処理が
必須工程であるので、特別に時効処理工程を追加しなく
とも、セッチング処理に併せて処理することが可能)に
より、含Nステンレス鋼であることから炭窒化物の粒界
析出が起らず、0.2%耐力および引張強さが上昇し、
時効処理が強化法の1つとして有効であり、特に0.2
%耐力の上昇が著しい。
第1図は本発明例N001のステンレス鋼と比較例No
、15の5US201ステンレス鋼およびNo、17の
5US304ステンレス鋼の冷間加工加工材(減面率4
0%)の時効硬化曲線を示すものである。
第1図に示すように、Nを含むN001のステンレス鋼
とNo、15のSUS 201ステンレス鋼では、40
0〜600℃で顕著な強度(0,2%耐力および引張強
さ)の上昇が認められる。
次に、このような冷間加工後の時効処理を高強度でかつ
低透磁率である発明例N001の40%線引材に適用し
た結果を第3表に示す。
第3表に示すように、時効処理によって大幅な強度上昇
が認められ、時効処理材では0.2%耐力が120 k
 g f / m m 2.引張強さが140kg f
 / m (B 2であり、オイルリング用緊張材の張
力上昇に著しく有効である。
[発明の効果] 以上説明してきたように、本発明に係るオイルリング用
緊張材は、重量%で、C:0.01〜0.30%、Si
:0.1〜2.0%、Mn:1.0〜6.0%、P:0
.03%以下、S:0.03%以下、Ni:8〜16%
、Cr:16〜22%、N:0.05〜0.35%、A
旦:0.05%以下、Mg:0.001〜0.05%、
Ca:0.001−0.05%、および必要に応じrc
u:1.0〜4.0%、Mo:0.5〜5.0%のうち
の1種または2種、同じく必要に応じてV:0.03〜
0.30%、Ti:0.03〜0.30%、Nb+Ta
 : 0.03〜0.30%のうちの1種または2種以
上、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有す
るステンレス鋼を素材としているものであり、本発明に
係るオイルリング用緊張材の製造方法では、上記組成を
有するステンレス鋼を1000〜1200℃の温度で熱
間圧延し、熱間圧延のままあるいは必要に応じて950
〜1150℃で固溶化熱処理を施したのち、冷間圧延ま
たは冷間伸線による冷間加工を行い、次いで950〜1
200°Cで固溶化熱処理を施し、冷間圧延による場合
は冷間帯鋼を必要な幅にスリット加工してオイルリング
用事線とし、冷間伸線による場合は必要な冷間゛加工を
加えたのち950〜1200℃で固溶化熱処理を施して
オイルリング用事線とし、このオイルリング用事線をオ
イルリング用緊張材に成形し、必要に応じて400〜6
00℃でセッチング処理して時効処理を兼ねさせるよう
にしたから、本発明に係るオイルリング用緊張材はバラ
ンス良く成分調整されたステンレス鋼組成を有するもの
であり、それゆえ減面率の高い冷間加工を施したときで
も加工誘起マルテンサイトが生成せず、したがって非磁
性でかつ高張力であって、しかも耐食性、成形性、張力
および耐熱へたり性に優れたものであり、加えて、前記
組成の鋼に対して、より望ましくは減面率10%以上の
冷間加工を施した後400〜600℃でセッチング処理
(時効処理)を行うことによって、耐力および引張強さ
をさらに向上させることが可能であり、オイルリング用
緊張材として著しく優れた特性を有するものであるとい
う著大なる効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図はオーステナイト系ステンレス鋼である本発明例
No、l 、5US201および5US304の時効硬
化挙動を示すグラフである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、C:0.01〜0.30%、Si:0
    .1〜2.0%、Mn:1.0〜6.0%、P:0.0
    3%以下、S:0.03%以下、Ni:8〜16%、C
    r:16〜22%、N:0.05〜0.35%、Al:
    0.05%以下、Mg:0.001〜0.05%、Ca
    :0.001〜0.05%、残部Feおよび不可避的不
    純物からなる組成を有するステンレス鋼を素材としてい
    ることを特徴とするオイルリング用緊張材。
  2. (2)重量%で、C:0.01〜0.30%、Si:0
    .1〜2.0%、Mn:1.0〜6.0%、P:0.0
    3%以下、S:0.03%以下、Ni:8〜16%、C
    r:16〜22%、N:0.05〜0.35%、Al:
    0.05%以下、Mg:0.001〜0.05%、Ca
    :0.001〜0.05%、およびCu:1.0〜4.
    0%、Mo:0.5〜5.0%のうちの1種または2種
    、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する
    ステンレス鋼を素材としていることを特徴とするオイル
    リング用緊張材。
  3. (3)重量%で、C:0.01〜0.30%、Si:0
    .1〜2.0%、Mn:1.0〜6.0%、P:0.0
    3%以下、S:0.03%以下、Ni:8〜16%、C
    r:16〜22%、N:0.05〜0.35%、Al:
    0.05%以下、Mg:0.001〜0.05%、Ca
    :0.001〜0.05%、およびV:0.03〜0.
    30%、Ti:0.03〜0.30%、Nb+Ta:0
    .03〜0.30%のうちの1種または2種以上、残部
    Feおよび不可避的不純物からなる組成を有するステン
    レス鋼を素材としていることを特徴とするオイルリング
    用緊張材。
  4. (4)重量%で、C:0.01〜0.30%、Si:0
    .1〜2.0%、Mn:1.0〜6.0%、P:0.0
    3%以下、S:0.03%以下、Ni:8〜16%、C
    r:16〜22%、N:0.05〜0.35%、Al:
    0.05%以下、Mg:0.001〜0.05%、Ca
    :0.001〜0.05%、およびCu:1.0〜4.
    0%、Mo:0.5〜5.0%のうちの1種または2種
    、さらにV:0.03〜0.30%、Ti:0.03〜
    0.30%、Nb+Ta:0.03〜0.30%のうち
    の1種または2種以上、残部Feおよび不可避的不純物
    からなる組成を有するステンレス鋼を素材としているこ
    とを特徴とするオイルリング用緊張材。
  5. (5)重量%で、C:0.01〜0.30%、Si:0
    .1〜2.0%、Mn:1.0〜6.0%、P:0.0
    3%以下、S:0.03%以下、Ni:8〜16%、C
    r:16〜22%、N:0.05〜0.35%、Al:
    0.05%以下、Mg:0.001〜0.05%、Ca
    :0.001〜0.05%、および必要に応じてCu:
    1.0〜4.0%、Mo:0.5〜5.0%のうちの1
    種または2種、同じく必要に応じてV:0.03〜0.
    30%、Ti:0.03〜0.30%、Nb+Ta:0
    .03〜0.30%のうちの1種または2種以上、残部
    Feおよび不可避的不純物からなる組成を有するステン
    レス鋼を1000〜1200℃の温度で熱間圧延し、熱
    間圧延のままあるいは必要に応じて950〜1150℃
    で固溶化熱処理を施したのち、冷間圧延または冷間伸線
    による冷間加工を行い、次いで950〜1200℃で固
    溶化熱処理を施し、冷間圧延による場合は冷間帯鋼を必
    要な幅にスリット加工してオイルリング用平線とし、冷
    間伸線による場合は必要な冷間加工を加えたのち950
    〜1200℃で固溶化熱処理を施してオイルリング用平
    線とし、このオイルリング用平線をオイルリング用緊張
    材に成形することを特徴とするオイルリング用緊張材の
    製造方法。
  6. (6)オイルリング用平線をオイルリング用緊張材に成
    形したのち400〜600℃でセッチング処理すること
    を特徴とする特許請求の範囲第(5)項に記載のオイル
    リング用緊張材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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