JPS6319855A - 生物電気素子 - Google Patents

生物電気素子

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Publication number
JPS6319855A
JPS6319855A JP61164188A JP16418886A JPS6319855A JP S6319855 A JPS6319855 A JP S6319855A JP 61164188 A JP61164188 A JP 61164188A JP 16418886 A JP16418886 A JP 16418886A JP S6319855 A JPS6319855 A JP S6319855A
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JP
Japan
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electron transfer
protein
transfer protein
cytochrome
bioelectric
Prior art date
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Pending
Application number
JP61164188A
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English (en)
Inventor
Akiyoshi Ogura
小椋 明美
Satoru Isoda
悟 磯田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野〕 この発明は、集積回路分野における電気素子に関するも
ので、生体材料を該素子の構成材料として用いることに
より、そのサイズを生体分子レベルの超微細な大きさく
数十〜数百人)に近づけろことができるようにしたもの
である。
〔従来の技術〕
従来、集積回路に用いられている電気素子、例えば整流
素子としては、第21図に示すMO5構造のものがあっ
た。図において、61はp形シリコン基板、62はn影
領域、63はp影領域、64はn影領域、65はSiC
2膜、66.67は電極であり、これら2つの電極66
.67間でp−n接合(p影領域63−n影領域64接
合)が形成され、これにより整流特性が実現されている
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来のMO5構造の整流素子は以上のように構成されて
いるため、微細加工が可能であり、現在では上記構造の
整流素子あるいはこれと類似の構造のトランジスタ素子
を用いたLSIとして、256にピッ)LS Iが実用
化されている。
ところで、集積回路のメモリ容量と演算速度を上昇させ
るには、素子そのものの微細化が不可欠であるが、Si
を用いる素子では0.2μm程度の超微細パターンで電
子の平均自由行程と素子サイズとがほぼ等しくなり、素
子の独立性が保たれなくなるという限界を抱えている。
このように、日々発展を続けているシリコンテクノロジ
ーも、微細化の点ではいずれは壁に突きあたることが予
想され、新しい原理に基づく電気回路素子であって上記
0.2μmの壁を破ることのできるものが求められてい
る。
このような状況において本件発明者らは、生体内に存在
しその酸化還元反応により電子の伝達を行なう電子伝達
蛋白質を用い、異種の電子伝達蛋白質のレドックス(酸
化還元)電位の差異を利用してp+n型半導体を用いた
p−n接合と類似した整流特性を呈する整流素子、及び
さらにp−n−p接合トランジスタと類似したトランジ
スタ特性を呈するトランジスタ素子を開発した。そして
これにより素子サイズを生体分子レベルの超微細な大き
さとし、回路の高密度化、高速化を実現可能としている
そしてこの整流素子、トランジスタ素子は主に天然に存
在する一定方向に電子伝達可能な電子伝達蛋白質1例え
ばチトクロームC,フラボトキシンを用いて構成してい
るが、この発明はこれらの天然に存在する電子伝達蛋白
質よりより良好な電子伝達性能を有する蛋白質を用いた
生物電気素子を得ることを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
本願の第1の発明に係る生物電気素子は、天然電子伝達
蛋白質の特定部位が部位特異的変異操作により改変され
た改変電子伝達蛋白質を用いて、電気素子を構成するよ
うにしたものである。
また、本願の第2の発明に係る生¥!IJ電気素子は、
レドックス電位が異なる電子伝達蛋白質を2種用い、そ
の少なくとも一方を上記改変電子伝達蛋白質とし、その
第1.第2電子伝達蛋白質膜を累積して接着接合し、上
記各電子伝達蛋白質膜にそれぞれ電極を接続して整流素
子を構成したものである。
また、本願の第3の発明に係る生物電気素子は、レドッ
クス電位が異なる少な(とも2種の3つの電子伝達蛋白
質を用い、そのうち少なくとも1つを上記改変電子伝達
蛋白質とし、この第1.第2゜第3電子伝達蛋白質膜を
順に接着接合し、上記各電子伝達蛋白質膜にそれぞれ電
指を接続してスイ・7チ素子を構成したものである。
〔作用〕
本願の第1の発明においては、上記改変電子伝達蛋白質
を用いて生物電気素子を構成するので、電子伝達蛋白質
の酸化還元を司る部位、すなわち活性部位の安定性、配
向性等の様々な条件をより良好に設定することができ、
電子伝達速度やレドックス電位などの改良された生物電
気素子を得ることができる。
また、本願の第2の発明においては、レドックス電位の
異なる2種類の電子伝達蛋白質により、整流特性を発生
させる。即ち、第8図(al、 (blに示すA−B型
電子伝達蛋白質複合体の模式図とそのレドックス電位の
関係を用いて説明すると、異なるレドックス電位を有す
る2つの電子伝達蛋白質A、Bを接合してなる複合体は
、電子は、図中実線矢印で示すようにレドックス電位の
負の準位から正の準位に容易に流れるが、逆方向(図中
破線矢印方向)へは流れにくいという整流特性を呈し、
この複合体を用いることによりn型半導体とn型半導体
とを接合してなるp−n接合と頻慎の性質を示す整流素
子を得ることができる。また、上記2種類の電子伝達蛋
白質のうち少なくとも1つに上記改変電子伝達蛋白質を
用いるので、活性部位の安定性、配向性等の様々な条件
をより良好に設定することができ、電子伝達性能等のよ
り良い整流素子を得ることができる。
また、本願の第3の発明においては、レドックス電位の
異なる少なくとも2種類の電子伝達蛋白質により、トラ
ンジスタ特性又はスイッチング特性を発生させる。即ち
、第20図(al、 (b)に示すA−B−A型電子伝
達蛋白質複合体の模式図とそのレドックス電位の関係を
用いて説明すると、この電子伝達蛋白’iA、B、Aを
接合してなる複合体では、A、B、A蛋白質のレドック
ス電位の分布をB蛋白質への印加電圧を制御して変化さ
せることができ、これによりn型半導体とn型半導体と
を接合してなるp−n−p接合と類似のトランジスタ特
性又はスイッチング特性を呈する素子を得ることができ
る。また、上記2種類の電子伝達蛋白質のうち少なくと
も1つに上記改変電子伝達蛋白質を用いているので、活
性部位の安定性、配向性等の様々な条件をより良好に設
定することができ、電子伝達性能等のより良いトランジ
スタ素子又はスイッチング素子を得ることができる。
〔実施例〕
以下、本願の第1の発明の実施例を図について説明する
まず、本発明の部位特異的変異操作による蛋白質構造の
改変が電子伝達活性に与える影響について説明する。
一般に電子伝達蛋白質分子又は該蛋白質分子により構成
される複合体の安定性やレドックスポテンシャルなどは
、各電子伝達蛋白質分子の酸化還元反応を司る部位、す
なわち活性部位の相互間の距離や角度、近傍の芳香族残
基、溶媒への露出度、構造の安定性、主鎖の結合のされ
方、活性部位に配位するアミノ酸などの様々な条件によ
って、変化することが知られており、例えば、DNA合
成技術や遺伝子操作技術などの部位特異的変異操作によ
る酵素蛋白質の酵素反応機構の解明や熱安定性の高い酵
素の造成などが行なわれている。
例えば、電子伝達蛋白質の一つであるヘム蛋白質のチト
クロームcはその三次構造が詳しく研究されている。酵
母チトクロームCの87番目のphe(Phe−87)
は進化の過程で保存され、チトクロームC過酸化酵素と
の電子伝達に関与していると考えられているが、最近オ
リゴヌクレオチドを用いた部位特異的変異操作により、
Phe−87を5et−87+Tyr−87,Gly−
87のそれぞれに変えた変異酵素を造成してそれぞれの
改変チトクロームcとチトクロームC過酸化酵素への電
子伝達活性を調べた研究が発表された。その結果は、野
性型、即ちPhe−87の場合に比べ、5et−87で
は70%、Tyr−87では30%、Gly−87では
20%に活性が下がっていた。
このことからPhe−87は電子伝達に不可欠ではない
が、重要な働きをしていることがわかった(ピーラク、
ジー、ジェイ、他「ネイチャJ (Pielak。
G、J、 et al:Nature)313,152
−154(1985))。
本発明者はこの点に着目し、蛋白質分子中の電子伝達に
関与する部位、即ち活性部位を部位特異的変異操作によ
り改変すれば電子伝達活性をより改良できるであろうと
考えてこの発明をなしたものである。
まず、部位特異的変異操作の一方法について説明する。
この方法の原理は第3図に示すように、まず、目的の遺
伝子を含むプラスミドやファージベクターの1本鎖DN
Aを調整する。次に、変異を導入したい領域にハイブリ
ダイズする長さが12〜20のオリゴヌクレオチドを合
成する。この変異導入プライマー(mutagenic
 primer)には、目的の変異が導入されるよう、
そのほぼまん中に塩基ミスマツチを入れておく。図の例
では、Cys (TGT)が5er(TCT)に代わる
よう、中心にG−G ミスマツチが入れである。次にD
NAポリメラーゼKleno−断片またはT 4 D 
N Aポリメラーゼを用いてプライマーを延長し、T4
DNAリガーゼを用いて完全な環状2本鎖DNAにする
。このDNAが大腸菌内で複製するときには、各類に相
補的な新しい鎖ができ2つの娘分子に分かれる。この1
つは野性型でもう一方は目的の変異型になる。次に変異
導入に用いたプライマーを32pで標識し、ニトロセル
コースフィルターに移したコロニーまたはファージのD
NAにハイブリダイズさせる。このプライマーは変異型
に完全に相補的であるが、野性型のDNAとはミスマツ
チがあるので低い温度で洗いながされ、野性型と変異型
が区別される。次にDNAの配列を決め、目的の変異が
導入されているか、他の場所に変異がないかを確かめる
この方法は原理的に50%の頻度で変異型を生むはずで
あるが、実際には種々の理由で変異型の頻度はずっと小
さくなる。もし、頻度が50%に近づけばフィルター・
ハイブリダイゼーションの段階がいらなくなり、この目
的のために種々の工夫がなされている。
このようにして、電子伝達蛋白質における電子の授受が
良好となるよう該電子伝達蛋白質の特定部位を改変する
ことができる。
次に、上記方法により改変した電子伝達蛋白質を用いた
本発明の実施例について説明する。
第1図は本発明の第1実施例による生物電気素子を構成
するのに用いた改変電子伝達蛋白質分子を示し、図にお
いて、1は電子伝達蛋白質であるチトクロームC分子、
1aはチトクロームc1が部位特異的変異操作により改
変されてなる改変チトクロームC12は酸化還元反応を
行なうFe原子を含む活性部位である。
本実施例では、活性部位の近傍のアミノ酸、即ち、25
番目のリジン(Lys)をグリシン(Gly)に7  
変えたため、チトクロームc1のレドックス電位が変化
して、活性部位への電子の授受が行なわれやすくなった
第2図(b)は本発明の第2実施例による生物電気素子
を構成する、第2図(a)の電子伝達蛋白質複合体を改
変して得た改変電子伝達蛋白質複合体を示し、図におい
て、10はチトクローム0分子、10aはチトクローム
cloを改変した改変チトクロームC111はチトクロ
ームCペルオキシダーゼ、llaは改変チトクロームC
ペルオキシダーゼ、12は活性中心である。チトクロー
ムCIOトチトクロームCペルオキシダーゼ11は、第
2図(a)に示すように、該チトクロームCIOの16
番目のグルタミンn (Glu)と8亥チトクームCペ
ルオキシダーゼ11の86番目のグルタミン(Gin)
との間で水素結合しており、電子伝達蛋白質複合体を構
成している。
本実施例では、上記グルタミン酸とグルタミンをそれぞ
れシスティン(Cys)に置換したため、上記電子伝達
蛋白質複合体の結合はS−S結合により強化され、安定
することとなった。
このように部位特異的変異操作により、電子伝達蛋白質
を改変することにより、電子伝達蛋白質同士及びそれぞ
れの活性部位同士の距離、配向性。
安定性、π電子系、疎水性部分、親木性部分などを自在
に調節することができ、その結果これら改変電子伝達蛋
白質により構成された生物電気素子において、その電子
伝達速度、安定性、レドックス電位などを改良すること
ができることとなる。
なお、上記第1.第2実施例では、改変すべき天然電子
伝達蛋白質として、チトクロームC,チトクロームCペ
ルオキシダーゼを用いているが、これは他の天然電子伝
達蛋白質である、非ヘム−鉄・硫黄蛋白質、チトクロー
ムC系蛋白質、チトクロームb系蛋白質、チトクローム
a、電子伝達フラビン蛋白質、プラストシアニン、又は
チオレドキシンであってもよい。
次に、本願の第2の発明の実施例を図について説明する
まず、本発明の実施例について説明する前に、本件発明
者らが既に開発した整流素子について説明する。
第4図は本件発明者らが開発した整流素子を有する装置
を示す模式的断面構成図であり、図において、16は絶
縁特性を持つ基板、17はAg。
Au、A1などの金属製電極で、基板16上に複数条が
平行に形成されている。18は一定方向に電子伝達可能
な電子伝達蛋白質であるチトクロームCで作成された第
1電子伝達蛋白質膜、19は上記チトクロームCのレド
ックス電位と異なるレドックス電位を有する電子伝達蛋
白質であるフラボトキシンで作成された第2電子伝達蛋
白質膜で、上記第1電子伝達蛋白質膜18に累積して接
着接合されている。20は複数条の平行電極17と直角
方向に形成された複数条の平行電極で、第2電子伝達蛋
白質膜19上に形成されている。第6図は形成した整流
素子を組み込んだ装置を分解して示す分解斜視図である
上記装置を製造するには、後述する本願の第3の発明の
スイッチ素子を製造するのと同様にして製造することが
できる。
次に作用効果について説明する。
第7図(a)は本素子の電極17と電極20間に電圧V
を印加したときのV−1特性、即ち整流特性を示す。こ
のときの電子の流れ等は第8図(al、 fblを用い
て述べた作用と同様であり、チトクロームCとフラボト
キシンとのレドックス電位の差異により整流特性を示す
。また、印加電圧Vが第7図(a)の範囲を越える領域
では、第7図(b)に示すように負電圧を増大したとき
は電流が減少するという負性砥抗を示し、一方正電圧を
増大したときはレドックス電位の逆転による電流が発生
するという特性を示すが、これは電子伝達蛋白質の電子
伝達機構の特性によるものである。
このような本素子の構成及び電圧印加に対応する電流の
変化の挙動は、従来の半導体整流素子(p−n接合タイ
プ)と同様と考えられ、上記構成により整流特性を分子
レベルの超微細な大きさの素子により実現でき、該素子
を用いて高密度。
高速度化が可能な集積回路が得られる。
また、本素子において電極と電子伝達蛋白質膜との間に
脂肪酸等の有機薄膜を形成するようにすれば、該薄膜の
有機分子は蛋白質分子の支えとなり、電子伝達蛋白質の
配向を整えることができる。
これを第9図の模式図を用いてモデル的に説明すると、
有機薄膜21.22を設けることにより、液膜の有機分
子の凸部21aと改変電子伝達蛋白質の凹部18aがは
まりあい、また天然電子伝達蛋白質の凹部19aと有機
分子の凸部22aがはまりあうことにより、それぞれの
電子伝達蛋白質の配向性が整えられることになる。また
電極と電子伝達蛋白質とを直接接合させると、それらの
間の電子の授受が困難となったり、蛋白質が変性してし
まうことがあるが、上記有機薄膜を設けることにより上
記不具合は解消され、信頼性の畜い素子を形成できる。
なお、上記素子では電子伝達蛋白質として、チトクロー
ムC,フラボトキシンを用いたが、これは他の天然電子
伝達蛋白質である、非ヘム−鉄・硫黄蛋白質、チトクロ
ームC系蛋白質、チトクロームb系蛋白質、チトクロー
ムa、プラストシアニン、チオレドキシンなどでもよい
また、電子伝達蛋白質への電子の供給に酵素を利用する
ようにしてもよい。
また、各電子伝達物質は、異種電子伝達物質問では一定
方向のみに電子が流れるという性質を利用して電子伝達
物質分子単位で、累積膜に垂直な方向には電子が流れ、
上記累積膜に平行な方向で隣接する電子伝達物質分子間
では電子の授受が起こらないような所定の分子配置をと
るようLB法などで配向させることが望ましい。
さらに、上記実施例では電子伝達蛋白質膜を2層累積し
た場合について説明したが、これは3層以上累積させて
もよ(゛、上記実施例と同様の効果が得られる。
本願の第2の発明は、上記の構成の整流素子において、
該素子を構成する2種類の電子伝達蛋白質のうち少なく
とも1つに、天然電子伝達蛋白質を部位特異的変異操作
で改変してなるものを用い異的変異操作により改変して
なる改変チトクローム0分子18aとフラボトキシン分
子19aとからなる本第2の発明の一実施例である整流
素子を示し、この素子では改変チトクロームCl8aの
レドックス電位は天然チトクロームc ]、 8 bに
比べて正方向に大きいので、上記改変チトクロームc1
8aとフラボトキシン19aとの間での電子ができる。
また、本第2の発明の製造方法1作用効果等は上記整流
素子と同様である。
次に、本願の第3の発明の実施例を図について説明する
まず、本発明の実施例について説明する前に、本件発明
者らが既に開発したスイッチ素子について説明する。
まず、第1例について説明する。第10図は本発明者ら
が開発した第1例のスイッチ素子が組み込まれた装置の
模式的断面構成図であり、図において、26は絶縁特性
を持つ例えばガラス製基板、27はAg、Au、AIな
どの金属製電極で、基板26上に複数条が平行に形成さ
れている。28は電子伝達蛋白質であるフラボトキシン
で作成された第1電子伝達蛋白質膜で、上記複数条の電
極27上に形成されている。30は上記複数条の平行電
極27と直角方向に形成された複数条の平行電極で、上
記第1電子伝達蛋白質膜28上に形成されている。29
は電子伝達蛋白質であるチトクロームCで作成された第
2電子伝達蛋白質膜で、第1電子伝達蛋白質膜28に累
積して接着接合され、電極30に接合されている。31
は電子伝達蛋白質であるフラボトキシンで作成された第
3電子伝達蛋白質膜で、上記第2電子伝達蛋白質膜2゛
9に累積して接着接合されている。32は上記複数条の
平行電極30と直角方向に形成された複数条の平行電極
で、第3電子伝達蛋白質膜31上に形成されている。
このように構成されたスイッチ素子は、図で示すような
一定方向に電子伝達通路Eを有し、第1゜第3電子伝達
蛋白質膜28.31に接続される電極27.32は、そ
れぞれ電子伝達通路Eと交わる面に接続され、第2電子
伝達蛋白質膜29に接続される電極30は電子伝達通路
Eと交わらないよう、即ち電子伝達蛋白質に電気的影響
を与えるように接続されている。
また上記のようにして形成された素子に対し、本例では
第12図(alに示すように電圧が印加される。即ち、
上記第1電子伝達蛋白質膜28と第3電子伝達蛋白質膜
31との間に電極27.32を介して電圧V2が印加さ
れ、また第1電子伝達蛋白質膜28と第2電子伝達蛋白
質膜2つとの間に電極27.30を介して電圧■1が印
加されるようになっている。図中、35.36は電圧印
加手段としての電源であり、電!35はその出力電圧が
制御できるようになっている。
第11図は形成したスイッチ素子を組み込んだ装置を分
解して示す分解斜視図である。
次に上記装置の製造方法について説明する。
まず、基板26上に金属薄膜をイオンビー19法。
分子線法、蒸着法等を利用して作成し、金属電極27を
形成する。そして該電極27上に電子伝達蛋白質として
のチトクロームCとフラボトキシンを用いて単分子膜及
びそれらの累積膜を作成する訳であるが、これらの膜を
作成するには、LB(Langmuir−Blodge
tt)法を用いればよい。このLB法の詳細については
、■電気学会雑誌、第55巻、 204〜213頁、昭
和10年4月(Iwing Langmuir )、■
ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエテ
4 (K、Blodgett : Journal o
f American Chemical 5ocie
ty) 57巻、 P4O10,1935年、■杉 道
夫ら、固体物理、  Vat 17. P744〜75
2、1982年、■ジャーナル オブ コロイドアンド
 インターフェイス サイエンス(Journat o
f Co11oid and Interface 5
cience ) Vol 68゜P471〜477、
1979年、等に記載されている。
−例を説明すると、水槽の水面にフラボトキシン溶液を
滴下し、水面にフラボトキシンの単分子膜を形成する。
そしてこのフラボトキシン膜を形成した水槽に電極27
を形成した基板26を垂直に挿入し浸して行くと、該電
極27を有する基板26にフラボトキシン膜が付着接合
し、第1電子伝達蛋白質膜28が作成される。このとき
、基板26を水槽に挿入し浸していったが、逆に水面下
から垂直に引き上げるようにして基板26上にフラボト
キシン膜を形成するようにしてもよい。
次に上記と同様の方法で、上記第1電子伝達蛋白質膜2
8上に金属薄膜を電子伝達蛋白質が破壊されないほどの
低温で作成し、電極30を得る。
続いて、水槽の水面にチトクロームC溶液を滴下し、水
面にチトクロームCの単分子膜を形成する。
そして上記第1電子伝達蛋白質28及び電極30が作成
された基板26を、チトクロームC膜を有する水槽に垂
直に挿入し浸して行くと、第1電子伝達蛋白質膜28上
にチトクロームC膜が付着接合し、電極30に接合した
第2電子伝達蛋白質膜29が作成される。同様にして基
板26の第2電子伝達蛋白質1fI29上にフラボトキ
シン膜を付着接合して第3電子伝達蛋白質膜31を作成
し、さらにこの上に電極32を作成する。
なお、上記電子伝達蛋白質膜は、単分子膜であっても、
また別の電子伝達蛋白質の膜をこれに重ねたものであっ
てもよい。このとき、例えば第1電子伝達蛋白質膜を2
層累積して形成する場合は、該2層の両電子伝達蛋白質
間のレドックス電位差は、第1.第2の両電子伝達蛋白
質間のレドックス電位差より小さいものを選定する。各
種の電子伝達蛋白質のレドックス電位は、「高野 常広
著;蛋白質核酸酵素、  27.  P1543.19
82年」に記載されており、チトクロームCとフラボト
キシンのレドックス電位差は約665mVである。
また、上記製法において水面に滴下する電子伝達蛋白質
溶液に予め脂質又は脂肪酸のいずれかを混合し、該混合
溶液を水面に滴下して水面上に膜を形成し、これを基板
に付着接合させるようにしてもよく、これによれば上記
脂質又は脂肪酸が電子伝達蛋白質の分子の支持体として
作用し、電子伝達蛋白質の配向が整えられる。
また、金属電極と電子伝達蛋白質膜間の電子の授受を良
好にするためには、金属電極を4,4゛−ビピリジル(
bipyridyl )、2.2′−ビピリジルなどで
化学修飾しておいてもよい。
その他電子伝達蛋白質膜の作成法としては、金属電極あ
るいは有機分子で表面を修飾した金属電極上を蛋白1を
溶液に浸漬して蛋白質分子を上記電極上に吸着させる方
法も考えられる。この方法においては、上記した蛋白質
を吸着させる電極以外に1ないし2本の電極を溶液中に
浸漬し、蛋白質を吸着させる電極と蛋白質溶液との間に
正または負の電位を印加して蛋白質分子の電極への吸着
を制御することも可能である。
次に作用効果について説明する。
第10図において、電極27と電極30間に第1電子伝
達蛋白質膜28が介在しているが、第1電子伝達蛋白質
膜28だけであれば、誘電体として作用するので両電極
27.30間の絶縁は保たれる。しか−し、上記のよう
に第1.第2及び第3電子伝達蛋白質膜が配向を整えら
れて累積され、接着接合されると、電極27と32間の
電子の授受が可能となる。即ち、電極30は第2電子伝
達蛋白質膜29に対して絶縁的であるが、この電極30
に電圧を印加することにより、第2の電子伝達蛋白質膜
29に対して電気的形容を与えることができる。即ち電
極30は従来のFETのゲート電極に相当し、電極27
.32はそれぞれソース電極、ドレイン電極に相当する
第12図(alは本第1例のスイッチ素子の電圧印加状
態を示す模式図で、同図(′b)はこのときの各電子伝
達蛋白質膜のレドックス電位状態を示す図である。同図
(1))において、実線で示すC状態のレドックス電位
は電圧■1及び■2を印加していない状態を表し、−点
鎖線で示すb状態のレドックス電位は電圧■、を印加せ
ず、かつ電圧■2を電)j27に対し負電圧として印加
したときの状態(オフ状態)を表し、破線で示すC状態
のレドックス電位は電圧■2をb状態と同様に印加する
とともに、電圧V、を電極27に対して負電圧として印
加したときの状態(オン状態)を表し、b状態では蛋白
質31のレドックス電位が■2 “だけ負方向に増大し
ており、C状態ではさらに蛋白質29のレドックス電位
がVl’だけ負方向に増大している。
b状態では電極27と電極32との間で電子は流れず、
C状態では電子が流れる。即ち、電極27と32との間
に一定の負電圧■2を印加しておき、電極27と30と
の間の一定の負電圧V1をオン−オフすることにより、
電極27と32との間に流れる電流をオン−オフするこ
とが可能であり、スイッチ特性を実現できる。図中、■
。はチトクロームCとフラボトキシンのレドックス電位
の差であり、約665mVである。
第12図(C)は上記電圧■1を様々に変えた場合の電
圧■2と電流■との関係を示し、■1=0の場合、電流
は■2を増大しても流れず、■1をd。
e、  fと負方向に増大していくと、より多くの電流
が流れ、■1の大きさによって決まる飽和電流値を持つ
上記構成及び電圧印加によるレドックス電位の変化は、
従来の半導体トランジスタ(p−n−p接合タイプ)と
同様と考えられ、上記構成によれトランジスタ素子を分
子レベルの超微細な大きさの素子として実現でき、該素
子を用いて高密度化。
高速度化が可能な集積回路が得られる。
また、本素子において電極と電子伝達蛋白質膜との間に
脂肪酸等の有機薄膜を形成するようにすれば、該薄膜の
有機分子は蛋白質分子の支えとなり、電子伝達蛋白質の
配向を整えることができる。
これを第19図の模式図を用いてモデル的に説明すると
、有機薄膜33.34を設けることにより、液膜の有機
分子の凸部33a、34aとフラボトキシンの凹部28
a、3Laがはまりあい、これにより各蛋白質分子の配
向が整えられることになる。また電極と電子伝達蛋白質
とを直接接合させると、それらの間の電子の授受が困難
となったり、蛋白質が変性してしまうことがある。本例
ではそのような不具合も解消され、信頬性の高い素子を
形成できる。なお、これは第2電子伝達蛋白質に接続さ
れる電極の両面にも上記同様の有機薄膜を設けるように
してもよい。
次に第2例について説明する。
第13図は第2例のスイッチ素子を示し、上記第1例と
比較して第2電子伝達蛋白質膜に接続する電極の構成の
みが異なる。図において、第12図(a)と同一符号は
同一部分を示し、30a、30bはそれぞれ第2電子伝
達蛋白質膜29に、電子伝達通路Eに電気的影響を与え
るように接続された1対の電極である。そして本例にお
いては、第1電子伝達蛋白質膜28と第3電子伝達蛋白
質膜31との間に金属電極27.32を介して電圧■2
を印加するとともに、第2電子伝達蛋白質膜29に対し
ては上記一対の金属電極30a、30bを介して電圧V
、を印加する。
本第2例の作用効果は第1例のそれとほぼ同様であるが
、同じ電圧■1で上記レドックス電位の変化分■、′を
より大きくすることができる。
なお上記第1.第2例のスイッチ素子では2種類の蛋白
質の累積膜でスイッチ素子を構成した場合について説明
したが、これは3種類以上の蛋白質の累積膜として構成
してもよい。
次に、第3例について説明する。第14図は本発明者ら
が開発した第3例のスイッチ素子が組み込まれた装置の
模式的断面構成図であり、図において、46は絶縁特性
を持つ例えばガラス装基板、47は基板46上に形成さ
れたAg、Au、Alなどの金属!!!!電極、48は
この電極47上に電子伝達蛋白質であるフラボトキシン
で作成された第1電子伝達蛋白質膜、49は電子伝達蛋
白質であるチトクロームCで作成された第2電子伝達蛋
白質膜で、第1電子伝達蛋白質膜48に累積して接着接
合されている。50は上記第1電子伝達蛋白質膜48上
に形成された電極、51は第2電子伝達蛋白質膜49上
に形成された電極である。
このように構成された素子は、図に示すような一定方向
に電子伝達通路Eを有し、電極47.51はそれぞれ電
子伝達通路Eと交わるように蛋白質膜に接続され、また
電極50は電子伝達通路Eと交わらないように、即ち電
子伝達通路Eに電気的影響を与えるように接続されてい
る。
また上記のようにして形成された素子に対し、本例では
第15図(alに示すように電圧が印加される。即ち、
上記第1電子伝達蛋白質膜48と第2電子伝達蛋白質膜
49との間に電極47.51を介して電圧v2が印加さ
れ、また第1の電子伝達蛋白質膜48と第2の電子伝達
蛋白質膜49との間に電極47.50を介して電圧■、
が印加されるようになっている。図中、55.56は電
圧印加手段としての電源であり、電rA55はその出力
電圧が制御できるようになっている。
次に作用効果について説明する。
第15図(alは本例のスイッチ素子の電圧印加状態を
示す模式図で、同図(blはこのときの各電子伝達蛋白
質膜のレドックス電位を示す図である。同図(′b)に
おいて、実線で示すC状態のレドックス電位は電圧■1
及び■2を印加していない状態を表し、−点鎖線で示す
b状態のレドックス電位は電圧■1を印加せず、かつ電
圧V2を電極47に対し負電圧として印加したときの状
、態(オフ状態)を表し、破線で示すC状態Φレドック
ス電位は電圧■2をb状態と同様に印加するとともに、
電圧■1を電極47に対して負電圧として印加したとき
の状c、(オン状態)を表す。
b状態では電極47と電極51との間で電子は流れず、
C状態では電子が流れる。即ち、電極47と51との間
に一定の負電圧■2を印加しておき、電極47と50と
の間の一定の負電圧■1をオン−オフすることにより、
電極47と51との間に流れる電流をオン−オフするこ
とが可能であり、スイッチ特性を実現できる。図中、■
oはチトクロームCとフラボトキシンのレドックス電位
の差であり、約665mVである。
第15図(C1は上記電圧■1を様々に変えた場合の電
圧■2と電流Iとの関係を示し、V+=Oの場合、電流
はv2を増大しても流れず、■1をd。
e、fと負方向に増大していくと、より多くの電流が流
れ、■、の大きさによって決まる飽和電流値を持つ。
上記構成によっても上記第1.第2例のスイッチ素子と
同様、トランジスタ素子を分子レベルの超微細な大きさ
の素子として実現でき、該素子を用いて高密度化、高速
度化が可能な集積回路が得られる。
次に第4例について説明する。
第4例は、上記第3例と比較して第2電子伝達蛋白質膜
に接続する電極の構成のみが異なる。即ち第16.17
図において、第14図と同一符号は同一部分を示し、5
0a、50bはそれぞれ第2電子伝達蛋白質膜49に、
電子伝達蛋白質に電気的影響を与えるように接続された
1対の電極である。そして本実施例においては、第1電
子伝達蛋白質膜48と第2電子伝達蛍白質膜49との間
に金属電極47.51を介して電圧■2を印加するとと
もに、第2電子伝達蛋白質膜49に対しては上記一対の
金属電極50a、50bを介して電圧v1を印加する。
本例の作用効果は上記第3例のそれとほぼ同様であるが
、同じ電圧■1で上記蛍白質49のレドックス電位の変
化分Vl’をより大きくすることができる。
なお、上記スイッチ素子においては、電子伝達蛋白質へ
の電子の供給に酵素を利用するようにしてもよい。
また、各電子伝達物質は、異種電子伝達物質間では一定
方向のみに電子が流れるという性質を利用して電子伝達
物質分子単位で、累積膜に垂直な方向には電子が流れ、
上記累積膜に平行な方向で隣接する電子伝達物質分子間
では電子の授受が起こらないような所定の分子配置をと
るようLB法などで配向させることが望ましい。
また、電子伝達蛋白質としては、非ヘム−銖・硫黄蛋白
質、チトクロームC系蛋白質、チトクロームb系蛋白質
、チトクロームa、フラボドギシン、プラストシニアン
、チオレドキシンなどがあり、これらのうちから第1.
第2の電子伝達蛋白質を選択するにあっては、分子間で
の配向と、電極が形成された基板に対する配向とが電子
伝達に適したものを選定する。
あるいは、上記電子伝達蛋白質の代わりに、該電子伝達
蛋白質にアミノ酸又はアミノ酸誘導体を結合してなるも
の、又は人工的なを機合成法により電子伝達蛋白質の機
能を模倣してなる有機分子又は有機金属錯体分子を用い
てもよい。ここで、上記アミノ酸誘導体としては、例え
ばアミノ酸のHをF又はCH,に、あるいはCをStに
置換してなるもの、上記有機分子又は有機金属錯体分子
としては、例えば酸化1元反応をポリマーで取り囲んで
形成したもの、さらにはポリマーとπ電子を持つ物質と
酸化1元反応をする物質とを結合じてなるものなどがあ
る。
本願の第3の発明は、上記第1〜第4例に示す構成のス
イッチ素子において、咳素子を構成する複数種類の電子
伝達蛋白質のうち少な(とも1つに、天然電子伝達蛋白
質を部位特異的変異操作で改変してなるものを用いたも
のであり、本発明では改変された蛋白質を用いているの
で、上記第1〜第4例のスイッチ素子に比し、より電子
伝達性能の良いスイッチ素子を得ることができる。
また木筆3の発明の製造方法2作用効果等は上記第1〜
第4例のスイッチ素子と同様である。
なお、部位特異的変異操作により改変する天然電子伝達
蛋白質は、非ヘム−鉄・硫黄蛋白質、チトクロームC系
蛋白質、チトクロームb系蛋白質、チトクロームa、電
子伝達フラビン蛋白質、プラストシアニン、又はチオレ
ドキシンのいずれであってもよい。
また、以上では、改変電子伝達蛋白質を用いて、整流素
子、スイッチ素子を構成した場合について説明したが、
本願発明では生物電気素子回路を構成するための抵抗、
コンデンサ等の素子及び配線。
さらにはこれらを相互に絶縁するための絶縁体をも構成
することができる。
即ち、例えば抵抗素子は、 (1)  上記整流素子を構成するのに用いた電子伝達
複合体を、一対の電極間にその電子伝達通路が電界ベク
トル方向に対して所定の角度をなすよう配置する (2)上記電子伝達複合体を、逆方向に並列して接合し
、これを、あるいはこれを複数並列して接合したものを
一対の電極間に配置する (3)上記整流素子を構成するのに用いた各蛋白質分子
を、それぞれを所定の距離だけ離して、あるいはそれぞ
れの電子伝達通路が所定の角度をなすように、一対の電
極間に配置する ことにより構成することができる。
またコンデンサ素子は、 (1)上記電子伝達複合体を、その電子伝達通路が対向
する一対の電極間に該電極と平行となるよう配置する (2)電子伝達機能を有さない生体材料あるいは擬似生
体材料を対向する一対の電極間に配置する(3)複数個
の活性中心を有する1個の蛋白質分子の両側に対向した
一対の電極を設けることにより構成することができる。
また配線は、 (1)全方向に電子伝達可能な蛋白質分子を用いる (2)一定方向に電子伝達可能な複数種類の蛋白質分子
をそれぞれのレドックス電位の大きさの順に配置する ことにより構成することができる。
また絶縁体は、上記電子伝達蛋白質の電子伝達能をエネ
ルギービームの照射、あるいは他の人工的手段により失
活させて絶縁体とすることにより構成することができる
また本願発明の生物電気素子を用いてこれらの素子のみ
からなるモノリシック生物電気回路素子を構成すること
もでき、さらにこれを半導体素子と一体化したハイブリ
ッド回路素子を構成することもでき、さらにはI2L等
の複合化機能回路を構成することもできる。
〔発明の効果〕
以上のように本願の第1の発明によれば、天然電子伝達
蛋白質の特定部位が部位特異的変異操作により改変され
た改変電子伝達蛋白質を用いて電気素子を構成したので
、電子伝達速度やレドックス電位などの改良された生物
電気素子を得ることができる効果がある。
また、本願の第2の発明によれば、相互にレドックス電
位の異なる第1.第2の電子伝達蛋白質であって、少な
くとも一方が部位特異的変異操作により改変されたもの
からなる第1.第2の電子伝達蛋白質膜を接着接合し、
これにより整流特性を呈するようにしたので、整流素子
のサイズを生体分子レベルの超微細な大きさに近づけ、
該素子を用いた集積回路の高密度、高速度化を図ること
ができる。しかも改変電子伝達蛋白質を用いたため、よ
り電子伝達性能の良い整流素子を得ることができる効果
がある。
また、本願の第3の発明によれば、相互にレドックス電
位の異なる第1.第2.第3の電子伝達蛋白質であって
、少なくとも1つが部位特異的変異操作により改変され
たものからなる第1.第2゜第3の電子伝達蛋白質膜を
接着接合し、各電子伝達蛋白質のレドックス電位の差異
を利用してトランジスタ特性又はスイッチング特性を呈
するようにしたので、スイッチ素子のサイズを生体分子
レベルの超微細な大きさに近づけ、該素子を用いた集積
回路の高密度、高速度化を図ることができる。
しかも改変電子伝達蛋白質を用いたため、より電子伝達
性能の良いトランジスタ素子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図co)は本願の第1の発明の第1実施例による生
物電気素子の構成に用いる改変電子伝達蛋白質分子を示
す模式図、第1図(a)はその天然型分子を示す模式図
、第2図(b)は本願の第1の発明の第2実施例による
生物電気素子に用いる改変電子伝達蛋白質複合体を示す
模式図、第2図(alはその天然型複合体を示す模式図
、第3図は部位特異的変異操作の方法を説明するための
図、第4図は本願の第2の発明の一実施例による生物電
気素子である整流素子が組み込まれた装置を示す模式的
断面構成図、第5図(C1及び(d)は上記整流素子を
示す模式図及びそのレドックス電位状態を示す図、第5
図(al、 (blはその天然型の場合のものを示す図
、第6図は上記整流素子を組み込んだ装置の分解斜視図
、第7図(a)、(ト))は上記整゛流素子の電圧−電
流特性を示す図、第8図(a)及び(blはA−B型電
子伝達蛋白質複合体の模式図及びそのレドックス電位状
態を示す図、第9図は上記整流素子中に形成された有機
薄膜の作用効果を説明するだめの模式図、第10図は本
願の第3の発明の第1例によるスイッチ素子が組み込ま
れた装置を示す模式的断面構成図、第11図は該装置の
分解斜視図、第12図fa)は上記スイッチ素子の電圧
印加状態を示す模式図、第12図(b)はその各電子伝
達蛋白質のレドックス電位状態を示す図、第12図(C
1と上記スイッチ素子の電圧−電流(V−1)特性を示
す図、第13図は本願の第3の発明の第2例のスイッチ
素子の電圧印加状態を示す模式図、第14図は本、願の
第3の発明の第3例によるスイッチ素子が組み込まれた
装置を示す模式的断面構成図、第15図(alは該スイ
ッチ素子の電圧印加状態を示す模式図、第15図(b)
はその各電子伝達蛋白質のレドックス電位状態を示す図
、第15図(C1は上記スイッチ素子の電圧−電流(V
−1)特性を示す図、第16図は本願の第3の発明の第
4例のスイッチ素子が組み込まれた装置を示す模式的断
面構成図、第17図は該スイッチ素子の電圧印加状態を
示す模式図、第18図は上記スイッチ素子の重態と電子
伝達蛋白質膜との間に有機薄膜を設けた例を示す模式的
断面構成図、第19図は該有機薄膜との電子伝達蛋白質
膜との接合を示す模式的断面構成ビ、第20図(al及
び(blはA−B−A型電子伝達蛋白質複合体の模式図
及びそのレドックス電位状態を示す図、第21図は従来
の〜<OS構成の整流素子を示す断面図である。 図において、1,10,18b!よチトクロームC分子
、la、10a、18aは改変チトクロームC分子、2
,12は活性中心、11はチトクロームCペルオキシダ
ーゼ分子、llaは改変チトクロームCペルオキシダー
ゼ分子、18,28゜48は第1電子伝達蛋白質膜、1
9,29.49は第2電子伝達蛋白質膜、31は第3電
子伝達蛋白質膜、17,20,27,30.30a、3
0b、32,47,50.50a、50b、51は電極
である。 なお図中同一符号は同−又は相当部分を示す。

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)一定方向に電子伝達可能な電子伝達蛋白質を用い
    て構成してなる生物電気素子であって、上記電子伝達蛋
    白質は、部位特異的変異操作により天然電子伝達蛋白質
    の特定部位を改変してなるものであることを特徴とする
    生物電気素子。
  2. (2)上記部位特異的変異操作は、遺伝子操作であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の生物電気素
    子。
  3. (3)上記天然電子伝達蛋白質は、非ヘム−鉄・硫黄蛋
    白質、チトクロームc系蛋白質、チトクロームb系蛋白
    質、チトクロームa、電子伝達フラビン蛋白質、プラス
    トシアニン、又はチオレドキシンであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項又は第2項記載の生物電気素子
  4. (4)電子を一定方向に伝達可能な第1の電子伝達蛋白
    質で作成された第1電子伝達蛋白質膜と、上記第1電子
    伝達蛋白質のレドックス電位と異なるレドックス電位を
    有する第2の電子伝達蛋白質で作成され、上記第1電子
    伝達蛋白質膜上に累積して接着接合された第2電子伝達
    蛋白質膜と、それぞれ上記第1、第2電子伝達蛋白質膜
    に接続された第1、第2の電極とを備え、 上記第1、第2の電子伝達蛋白質のうち少なくとも1つ
    が部位特異的変異操作で天然電子伝達蛋白質を改変して
    なるものであり、上記2種類の電子伝達蛋白質のレドッ
    クス電位の差異を利用して整流特性を呈するようにした
    ことを特徴とする生物電気素子。
  5. (5)上記天然電子伝達蛋白質は、非ヘム−鉄・硫黄蛋
    白質、チトクロームc系蛋白質、チトクロームb系蛋白
    質、チトクロームa、電子伝達フラビン蛋白質、プラス
    トシアニン、又はチオレドキシンであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第4項記載の生物電気素子。
  6. (6)上記電子伝達蛋白質膜は単分子膜であることを特
    徴とする特許請求の範囲第4項又は第5項に記載の生物
    電気素子。
  7. (7)上記電子伝達蛋白質への電子の供給に酵素を利用
    するようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第4項
    ないし第6項のいずれかに記載の生物電気素子。
  8. (8)上記各電極は金属電極であることを特徴とする特
    許請求の範囲第4項ないし第7項のいずれかに記載の生
    物電気素子。
  9. (9)上記各電極は、金属電極を有機分子で化学修飾し
    たものであることを特徴とする特許請求の範囲第4項な
    いし第7項のいずれかに記載の生物電気素子。
  10. (10)上記各電子伝達蛋白質膜は、その電子伝達蛋白
    質が、各膜が累積された方向と垂直な方向に電子が流れ
    、水平方向の隣接する電子伝達蛋白質分子間では電子の
    授受がなされないよう配向されていることを特徴とする
    特許請求の範囲第4項ないし第9項のいずれかに記載の
    生物電気素子。
  11. (11)上記電子伝達蛋白質の配向用支持体として、脂
    質又は脂肪酸のいずれかを用いたことを特徴とする特許
    請求の範囲第4項ないし第10項のいずれかに記載の生
    物電気素子。
  12. (12)上記電子伝達蛋白質と電極との間には、それら
    の間の電流の授受を良好なものとし、かつ上記電子伝達
    蛋白質を配向支持する有機分子又は有機金属錯体からな
    る薄層が形成されていることを特徴とする特許請求の範
    囲第4項ないし第11項のいずれかに記載の生物電気素
    子。
  13. (13)電子を一定方向に伝達可能な第1の電子伝達蛋
    白質で作成された第1電子伝達蛋白質膜と、上記第1電
    子伝達蛋白質のレドックス電位と異なるレドックス電位
    を有する第2の電子伝達蛋白質で作成され、上記第1電
    子伝達蛋白質膜上に累積して接着接合された第2電子伝
    達蛋白質膜と、上記第2電子伝達蛋白質と異なるレドッ
    クス電位を有する第3の電子伝達蛋白質で作成され、上
    記第2電子伝達蛋白質膜上に累積して接着接合された第
    3電子伝達蛋白質膜と、 それぞれ上記第1、第2、第3電子伝達蛋白質膜に接続
    された第1、第2、第3の電極とを備え、上記第1、第
    2、第3の電子伝達蛋白質のうち少なくとも1つが部位
    特異的変異操作で天然電子伝達蛋白質を改変してなるも
    のであり、上記各電子伝達蛋白質のレドックス電位の差
    異を利用してトランジスタ特性又はスイッチング特性を
    呈するようにしたことを特徴とする生物電気素子。
  14. (14)上記天然電子伝達蛋白質は、非ヘム−鉄・硫黄
    蛋白質、チトクロームc系蛋白質、チトクロームb系蛋
    白質、チトクロームa、電子伝達フラビン蛋白質、プラ
    ストシアニン又はチオレドキシンであることを特徴とす
    る特許請求の範囲第13項記載の生物電気素子。
  15. (15)上記電子伝達蛋白質膜は単分子膜であることを
    特徴とする特許請求の範囲第13項又は14項記載の生
    物電気素子。
  16. (16)上記電子伝達蛋白質への電子の供給に酵素を利
    用するようにしたことを特徴とする特許請求の範囲第1
    3項ないし第15項のいずれかに記載の生物電気素子。
  17. (17)上記第1、第2、第3の電極は金属電極である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第13項ないし第16
    項のいずれかに記載の生物電気素子。
  18. (18)上記第1、第2、第3の電極は、金属電極を有
    機分子で化学修飾したものであることを特徴とする特許
    請求の範囲第13項ないし第16項のいずれかに記載の
    生物電気素子。
  19. (19)上記各電子伝達蛋白質膜は、その電子伝達蛋白
    質が、各膜が累積された方向と垂直な方向に電子が流れ
    、水平方向の隣接する電子伝達蛋白質分子間では電子の
    授受がなされないよう配向されていることを特徴とする
    特許請求の範囲第13項ないし第18項のいずれかに記
    載の生物電気素子。
  20. (20)上記電子伝達蛋白質の配向用支持体として、脂
    質又は脂肪酸のいずれかを用いたことを特徴とする特許
    請求の範囲第13項ないし第19項のいずれかに記載の
    生物電気素子。
  21. (21)上記電子伝達蛋白質と電極との間には、それら
    の間の電流の授受を良好なものとし、かつ上記電子伝達
    蛋白質を配向支持する有機分子又は有機金属錯体からな
    る薄層が形成されていることを特徴とする特許請求の範
    囲第13項ないし第20項のいずれかに記載の生物電気
    素子。
  22. (22)上記第1の電極と第2の電極とは相互に直角に
    配置されていることを特徴とする特許請求の範囲第13
    項ないし第21項のいずれかに記載の生物電気素子。
  23. (23)上記第1及び第2の電極は、それぞれ複数の平
    行な線状電極群であることを特徴とする特許請求の範囲
    第22項記載の生物電気素子。
  24. (24)上記第2の電極と第3の電極とは相互に直角に
    配置されていることを特徴とする特許請求の範囲第13
    項ないし第23項のいずれかに記載の生物電気素子。
  25. (25)上記第2及び第3の電極は、それぞれ複数の平
    行な線状電極群であることを特徴とする特許請求の範囲
    第24項記載の生物電気素子。
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Cited By (4)

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