JPS63194269A - 電子写真用キヤリア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真法等において静電潜像を現像するた
めに用いられる磁気ブラシ現像用キャリアに関する。さ
らに詳しくは、本発明は、トナーフィルミングに基づく
キャリアの帯電付与能の劣化を起こし難く、かつ被覆強
度の高い樹脂コートキャリアに関する。

〔従来の技術〕

従来、電子写真法としては米国特許第２２９７６９１号
などに記載された方式が周知である。これは、一般には
、光導電性絶縁体（フォトコンドラムなど）を利用し、
コロナ放電などにより該光導電性絶縁体上に一様な静電
荷を与え、様々な手段により該光導電性絶縁体上に光像
を照射することによって静電潜像を形成し、次いで該潜
像をトナーと呼ばれる微粉末を用いて現像可視化し、必
要に応じて紙等にトナー画像を転写した後、加圧、加熱
、溶剤蒸気、光等により該トナー画像を溶融させて紙等
に定着させ、印刷物を得るものである。

これらの静電潜像を現像するトナーとしては、従来より
天然または合成高分子物質よりなるバインダー樹脂中に
カーボンブラックなどの着色剤等を分散させたものを１
〜３０μｍ程度に微粉砕した粒子が用いられる。かかる
トナーは、通常、鉄粉、ガラスピーズなどの担体物質（
キャリア）と混合され、静電潜像の現像に用いられる。

キャリアとして鉄粉もしくは他の強磁性体粒子を用いた
場合、トナーとキャリアとからなる現像剤は、現像装置
内で混合攪拌されることにより摩擦帯電し、さらに現像
装置内のマグネットロールにより保持されて磁気ブラシ
を形成し、該マグネットロール゛が回転することにより
磁気ブラシが光導電性絶縁体上の潜像部分に運ばれ、帯
電したトナーのみが電気的吸引力により潜像に付着する
ことによって現像がおこなわれる。

ここで、トナーを構成するバインダー樹脂は紙等への定
着の過程ですばやく溶融し、良好な定着性を示す必要が
あることから、溶融温度の低い低分子量の、−ｉにオリ
ゴマーと称される高分子樹脂が広く用いられている。し
かし、トナーを構成するバインダー樹脂の溶融温度を低
くすると、トナーは軟質となり、現像装置内でトナーと
キャリアを混合攪拌する際にトナー、キャリア間に働く
衝撃力によってキャリア表面にトナーが粘着するという
、いわゆるトナーフィルミングと呼ばれる現象が生じ、
現像剤を長期間使用するとキャリア表面はトナーの被膜
によって完全に被覆されてしまう。このようにトナーに
より被覆されたキャリアはトナーと混合攪拌しても摩擦
帯電を起こさず、現像能力を全く失ってしまい、現像剤
の交換が必要となる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

現像剤の交換を頻繁に行うことはランニングコストの上
昇につながるため好ましくなく、キャリア表面をシリコ
ーン樹脂やフッ素系樹脂（テフロン樹脂など）の表面エ
ネルギーの低い樹脂で被覆することによりキャリア表面
へのトナーの粘着を防止し、現像剤の交換周期を延ばす
ことが提案されている。しかし、キャリアの被覆樹脂と
してこのような表面エネルギーの低い樹脂を用いると、
樹脂の有する非粘着性のため、キャリア表面にたいする
トナーの粘着はある程度防止できるものの、逆に、非粘
着性のゆえに、これらの樹脂はキャリアコア材に対する
密着性が悪く、長期にわたり現像剤を使用していると、
混合攪拌の衝撃力によりキャリアコア材から被覆樹脂の
剥離が生じ、この結果キャリアの有する電気的特性、特
に帯電特性に変化をきたし、良好な現像能力が維持でき
なくなるという問題が生じる。

さらに、このような低表面エネルギー樹脂の内、強いマ
イナス帯電特性を有することから、プラス帯電付与キャ
リアの被覆材として多用されているテフロンなどのフッ
素系樹脂では、キャリアコア材に樹脂を塗布後、樹脂の
融点である３００〜４００℃という非常に高い温度に加
熱し、キャリアコア材に樹脂を融着させる工程が必要で
あり、多くの熱エネルギーが必要となることから製造コ
ストが高くなり、またキャリアの帯電特性が僅かな熱処
理温度の違いにより敏感に影響されるため、製造安定性
に欠けるという欠点がある。

本発明は、以上の実情に鑑みなされたもので、キャリア
の被覆樹脂として硬化性含フッ素重合体を用い、該重合
体を被覆後架橋させることにより、キャリア表面に対し
非粘着性を有し、かつ、キャリアコア材との密着性に優
れる被覆層を形成せしめ、製造安定性に優れ、長期にわ
たり帯電特性が安定した長寿命な電子写真用キャリアを
提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明によれば従って電子写真用キャリアが提供される
のであって、このキャリアは、磁性粒子を、フルオロオ
レフィン、アルキルビニルエーテル、シクロヘキシルビ
ニルエーテルおよびグリシジルビニルエーテルもしくは
ヒドロキシアルキルビニルエーテルから構成される硬化
性含フッ素共重合体により被覆したことを特徴とする。

本研究者らは、研究の結果、キャリア被覆樹脂としてフ
ルオロオレフィン、アルキルビニルエーテル、シクロヘ
キシルビニルエーテルおよびグリシジルビニルエーテル
もしくはヒドロキシアルキルビニルエーテルから構成さ
れる硬化性含フッ素共重合体を用いることにより上記目
的が達成されることを見出し、本発明を完成するにいた
った。

フルオロオレフィン、アルキルビニルエーテル、シクロ
ヘキシルビニルエーテルおよびグリシジルビニルエーテ
ルもしくはヒドロキシアルキルビニルエーテルから構成
される含フッ素重合体は、その構成単位に基づく以下の
特性を有している。

まず、フルオロオレフィンの存在により、該硬化性フッ
素共重合体の表面エネルギーは低下し、トナーに対し良
好な非粘着性を発揮する。本研究者らの研究の結果、こ
の効果を良好に発揮させるためには、該硬化性フッ素共
重合体中のフルオロオレフィンのモル％は４０％以上、
望ましくは５０％以上である必要がある。

次に、シクロヘキシルビニルエーテルおよびグリシジル
ビニルエーテルの存在により、該共重合体に硬化性が付
与される。特に、グリシジルビニルエーテルに基づ（エ
ポキシ基がアミン、カルボン酸、フェノール類、アルコ
ール類の存在下で容易に反応して架橋、硬化するため、
２００℃程度の比較的温和な条件下で強固な被膜を形成
する。あるいは、シクロヘキシルビニルエーテルおよび
ヒドロキシアルキルビニルエーテルの存在により、該共
重合体に硬化性が付与される。特に、ヒドロキシアルキ
ルビニルエーテルに基づくヒドロキシル基を含有するた
めメラミン硬化剤、尿素樹脂硬化剤などの硬化剤を用い
ることにより常温で架橋、硬化させることができる。そ
して、これによって、キャリア表面に長期にわたり耐摩
耗性に優れる被覆を容易に形成することができる。

本発明者らの研究によれば、架橋、硬化を温和な条件下
で進行させるためには、該硬化性フッ素共重合体中のグ
リシジルビニルエーテルのモル％は５〜２０％であるこ
とが望ましい。この理由は、グリシジルビニルエーテル
のモル％がこれ以下であると、架橋、硬化させるために
高温度もしくは長時間の熱処理が必要となり基材との密
着性が悪くなる傾向があるとともに製造コストも高くな
るためである。また、モル％がこれ以上であると、コー
チイングツニスのポットライフが短くなり、安定したコ
ーティングを行い難くなる傾向があるためである。一方
、架橋、硬化を常温で進行させるためには、該硬化性フ
ッ素共重合体中のヒドロキシアルキルビニルエーテルの
モル％は５〜２０％にすることが望ましい。この理由は
、ヒドロキシアルキルビニルエーテルのモル％がこれ以
下であると、架橋、硬化させるために熱処理が必要とな
り基材との密着性が悪くなる傾向があるとともに製造コ
ストも高くなるためである。また、モル％がこれ以上で
あると、コーチイングツニスのポットライフが短くなり
、安定したコーティングを行い難くなる傾向があるため
である。

また、シクロヘキシルビニルエーテルのモル％は１０％
以上であることが望ましい。これはシクロヘキシルビニ
ルエーテルのモル％がこれ以下であると被覆の硬度が低
下しすぎるためである。

さらに、アルキルビニルエーテルを含むことから、該共
重合体に適度な可とう性が付与され、現像剤攪拌の際に
生じる衝撃によりキャリア表面から被覆層が剥離するこ
とが防止される。この効果を発揮させるためにはアルキ
ルビニルエーテルのモル％は１０％以上であることが望
ましい。

このように、フルオロオレフィン、アルキルビニルエー
テル、シクロヘキシルビニルエーテルおよびグリシジル
ビニルエーテルもしくはヒドロキシアルキルビニルエー
テルから構成される硬化性含フッ素共重合体を電子写真
用キャリアの被覆樹脂として用いることにより、長期に
わたり帯電特性が安定した長寿命な電子写真用キャリア
を得ることができる。

尚、本発明に有用な磁性粒子材料の具体例としては、鉄
粉やフェライト、マグネタイト等の強磁性金属粉がある
。

〔実施例〕

以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明する。

実施例１ 硬化性含フッ素樹脂としてトリフルオロエチレン、ブチ
ルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテルおよ
びグリシジルビニルエーテルを５０　：　１５　：　２
５　：　１０のモル比率で含む共重合体を用い、該硬化
性含フッ素樹脂１５ｇをメチルエチルケトン３１中に溶
解し、これに硬化剤としてアミノエチルピペラジン０．
３ｇを加えてコーチイングツニスを調製した。調製後の
ワニスを、平均粒径６０μｍの球状フェライト粉５　ｋ
ｇを入れたポットに注ぎ、ロータリードライ法によるコ
ーティングを行った。

次に、コーテイング後のフェライト粉を取出し、粒径１
２０μｍ以上のものを除去してから、焼入れ炉で２００
℃、３０分間の加熱処理を行い、コーティングキャリア
Ａを得た。

実施例２ ワニス中にマグネタイト粉末１０ｇを分散させたものを
コーティングに用いた以外は実施例１と同様にしてコー
ティングキャリアＢを得た。

このようにして得られた、キャリアＡの電気抵抗は５Ｘ
１０”Ω・ｃｍ（電界強度１００ｖ／ａｍ）であり、ま
たポリエステル系トナーと組合せた時の帯電量は１２μ
Ｃ／ｇであった。この現像剤を卓上型レーザプリンタに
搭載して初期印字評価を行ったところ、かぶりの少ない
良好な印字品位を示し、１０万シート印刷後もその印字
品位はほとんど低下しなかった。なお、１０万シート印
刷後の帯電量は１０μＣ／ｇであった。

また、キャリアＢの電気抵抗は２Ｘ１０’Ω・口（電界
強度１００ｖ／ａｍ）であり、またポリエステル系トナ
ーと組合せた時の帯電量は１６μＣ／ｇであった。この
現像剤を同様にレーザプリンタに搭載して初期印字評価
を行ったところＡキャリアに比べ、黒ベタ印刷性が向上
した更に良好な印字品位を示し、この印字品位は２０万
シートまで持続した。なお、１０万シ一ト印字後の帯電
量は１２μＣ／ｇであった。

実施例３ 硬化性含フッ素樹脂としてトリフルオロエチレン、エチ
ルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルおよ
びヒドロキシブチルビニルエーテルを５０　：　１５　
：　２５　：　１０のモル比率で含む共重合体を用い、
該硬化性含フッ素樹脂１５ｇをメチルエチルケトン３１
中に溶解し、これに硬化剤としてヘキサメチレンジイソ
シアネート１．０ｇとジブチルチンジラウレート２．０
　Ｘ　１０−’　ｇを加えてコーチイングツニスを調製
した。調製後のワニスを平均粒径６０μｍの球状フェラ
イト粉５　ｋｇを入れたポットに注ぎ、ロータリードラ
イ法によるコーティングを行った。

次に、コーテイング後のフェライト粉を取出し、粒径１
２０μｍ以上のものを除去してから、６０℃で３０分間
の乾燥処理を行い、その後２昼夜放置することにより被
覆を完全に硬化せしめてコーティングキャリアＣを得た
。

実施例４ ワニス中にマグネタイト粉末Ｌｏｇを分散させたものを
コーティングに用いた以外は実施例３と同様にしてコー
ティングキャリアＤを得た。

このようにして得られた、キャリアＣの電気抵抗は２Ｘ
１０”Ω・ａｌ（電界強度１００　ｖ　／　ｃｔｓ　）
であり、またポリエステル系トナーと組合せた時の帯電
量は１５μＣ／ｇであった。この現像剤を卓上型レーザ
プリンタに搭載して初期印字評価を行ったところ、かぶ
りの少ない良好な印字品位を示し、５万シート印刷後も
その印字品位はほとんど低下しなかった。なお、５万シ
ート印刷後の帯電量は１８μＣ／ｇであった。

また、キャリアＤの電気抵抗は２Ｘ１０”Ω・ａｍ（電
解強度１００Ｖ／ａｍ）であり、またポリエステル系ト
ナーと組合せた時の帯電量は２０μＣ／ｇであった。こ
の現像剤を同様にレーザプリンタに搭載して初期印字評
価を行ったところＣキャリアに比べ、黒ベタ印刷性が向
上した更に良好な印字品位を示し、この印字品位は１２
万シートまで持続した。なお、１２万シ一ト印字後の帯
電量は１６μＣ／ｇであった。

〔発明の効果〕

本発明によれば、耐トナーフィルミング性に優れ、耐久
性に優れた樹脂被覆電子写真用キャリアを提供すること
ができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、磁性粒子を、フルオロオレフィン、アルキルビニル
   エーテル、シクロヘキシルビニルエーテルおよびグリシ
   ジルビニルエーテルもしくはヒドロキシアルキルビニル
   エーテルから構成される硬化性含フッ素共重合体により
   被覆したことを特徴とする電子写真用キャリア。 ２、前記被覆共重合体層中に導電性分散剤を含む、特許
   請求の範囲第１項記載の電子写真用キャリア。 ３、前記導電性分散剤がマグネタイト粉である、特許請
   求の範囲第１項記載の電子写真用キャリア。