JPS63192821A - 車両用ブレ−キデイスク材の製造方法 - Google Patents

車両用ブレ−キデイスク材の製造方法

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JPS63192821A
JPS63192821A JP2533587A JP2533587A JPS63192821A JP S63192821 A JPS63192821 A JP S63192821A JP 2533587 A JP2533587 A JP 2533587A JP 2533587 A JP2533587 A JP 2533587A JP S63192821 A JPS63192821 A JP S63192821A
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graphite
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iron
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JP2533587A
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Taro Tsujimura
太郎 辻村
Shuji Manabe
真鍋 修二
Tomoji Ashikawa
芦川 友治
Takeshi Mitsuya
三ツ矢 彪
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MEIDEN CHUKO KK
Railway Technical Research Institute
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
MEIDEN CHUKO KK
Railway Technical Research Institute
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 A、産業上の利用分野 本発明はブレーキ用部材の製造方法に係り、特に車両用
ブレーキディスク材の製造方法に関するものである。
B2発明の概要 本発明は、球状黒鉛鋳鉄(以下PCD鋳鉄という)及び
コンパクテド・バーミキュラー黒鉛鋳鉄(以下FCCV
C鉄Vいう)を基材とし、これらに恒温変態熱処理を施
した高速車両用オーステンパー処理FCD鋳鉄ブレーキ
ディスク材及び高速車両用オーステンパー処理FCCV
鋳鉄ブレーキディスク材を製造することにより、 摩擦
性能。
材料強度、耐熱損傷性に優れた車両用ブレーキディスク
材を提供するものである。
C1従来の技術 従来、時速1100K/h前後の車両のディスクブレー
キ方式に採用されているブレーキディスク材は、JRS
番号12209−1に基づく引張強さ274MPa以上
、硬さHB183〜269の普通鋳鉄であり、最高時速
210Km/hの高速車両では、車両の高速化とメンテ
ナンスの省力化に対応して、JR9番号12209−2
に基づく引張強さ245MPa以上、硬さHB210〜
280の1.0〜2.0%Ni−0.3〜0.6%Cr
−0゜3〜0.5%Mo低合金鋳鉄(以下N0M鋳鉄と
いう)がブレーキディスク材として開発され実用に供さ
れている。
上記速度条件の車両におけるN0M鋳鉄ブレーキディス
ク材の特色は、常用ブレーキ時(ブレーキ初速度35K
m/h)と非常ブレーキ時(ブレーキ初速度最大210
Km/h)のいずれでも規定を満足するブレーキ力をえ
るために適切°かつブレーキ中安定した摩擦係数と低摩
耗特性を示すことに加えて、高頻度または高負荷の摩擦
条件下においても摺動面の耐熱亀裂性の点で従来の普通
鋳鉄に勝っていたことにあった。
D、発明が解決しようとする問題点 近年、最高時速220Km/hまたは240Km/hが
実現し、さらにより高速化が指向されている現状におい
ては、N0M鋳鉄ブレーキでイスク材にも新たな問題が
生じつつある。すなわち非常時このような高速車両のブ
レーキディスクに高負荷の過酷なブレーキがかけられた
場合、摺動−面の耐熱亀裂性はN0M鋳鉄においてもも
はや十分に対処でき難くなった。
N0M鋳鉄は熱応力の吸収または緩和部とじて作用する
組織中の片状黒鉛の形状を大きくし、数を増して、一方
それによる強度低下をNi、 Cr。
Moの添加による基地組織の強化によって補ったもので
、強度的にはJ I 5F025級の鋳鉄材質であるが
、熱伝導性も良好で、熱負荷による機械的損傷に対して
極めて優れた材料である。しかしながら、上記ブレーキ
条件による衝撃的に大きな熱負荷にともなう強大な熱応
力の発生に対しては、もはや根本的に材料強度の面で問
題があるといわざるをえない。このため高強度、高靭性
の材料によって熱亀裂の発生を抑制しようとする考えに
沿って、最近鍛鋼ブレーキディスク材が開発されて実用
の緒についている。しかしながら、元来鋳鉄が鋼と比較
してブレーキ材料として実用される理由は、ブレーキ中
安定して適正な値を保持する摩擦係数と低摩耗特性とに
よって代表される摩擦性能の優秀性であって、これには
鋳鉄の材料構成物質にR離の黒鉛が含まれていることが
本質的かつ最大の理由である。したがって鍛鋼ブレーキ
ディスク材では摩擦性能の低下、とくにブレーキ中にお
ける摩擦係数の不安定性が指摘される。また加えて使用
中材料の永久変形が鋳鉄よりも大きくなることも問題と
される点である。
このような状況の中にあって、車両のより高速化が指向
される現状において、これに使用されるブレーキディス
ク材に要求される特性すなわち摩擦性能9材料強度、耐
熱損傷性を材料設計の面からより合理的に解決し、走行
時の安定性を一層確実なものにしたという要望が強まっ
ている。
また前記鍛鋼ブレーキディスク材あるいは鋼−鋳鉄系複
合材料によるブレーキディスク材では現状において非常
に高価となり、設計上バネ下重量の増加も招き易いので
、高性能、低価格の鋳鉄系ブレーキディスク材の出現が
強く要望されている。
E0問題点を解決するための手段 本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、先ず
、3.2〜3.8%C(雪景%、以下同じ)。
2.4〜3.0 % Si、0.2 〜0.4 %M口
、<o、i%P(0,1f[量%以下を意味する、以上
同じ)、<0.03S%、残部Feからなる鋳鉄元請を
、Mgを含む黒鉛球状化剤と接種剤の適正量によって処
理して、引張強さ440〜490MPa、伸び7%以上
5硬さHB170〜240を有するFCD鋳鉄の基材を
溶成後鋳造し、これを1143〜1193K、60〜9
0分間のオーステナイト化後K、598〜673K、6
0〜90分間のオーステンパー処理を施して、その後水
冷または空冷してなる高速車両用オーステンパー処理ベ
ーナイト地FCD鋳鉄ブレーキディスク材を得る。この
場合のブレーキディスク材の鋳鉄組織は粗目の針状組織
の下部ベーナイトとやや多目の残留オーステナイトから
なる基地に球状黒鉛を分布した状態を呈し、引張強さ9
30〜1050MPa、伸び10%以上。
硬さHB270±20.のらのである。また本発明の他
の一つは、先ず3.2〜3.8%G、2.4から3.0
%Si、0.2〜0.4%Mn、<0.1%P、〈0.
03%S、残部Feからなる鋳鉄元場を、CV黒鉛(コ
ンパクテド・バーミキュラー黒鉛)化剤と接種剤の適当
量によって処理して、引張強さ320〜360MPa、
伸び5%以上、硬さHB140〜180を有するFCC
VC鉄V基材を溶成後鋳造し、これを1143〜119
3K、60〜90分間のオーステナイト化後K、573
〜648.60〜90分間のオーステンパー処理を施し
て、その後水冷または空冷してなる。高速車両用オース
テンパー処理ベーナイト地FCCV鋳鉄ブレーキディス
ク材を得る。この場合のブレーキディスク材の鋳鉄組織
は細目の針状組織の下部ベーナイトとやや少目の残留オ
ーステナイトからなる基地にコンパクテド・バーミキュ
ラー黒鉛を分布した状態を呈し、引張強さ750〜90
0MPa、伸び7%以上、硬さHB250±20のもの
である。また本発明には前記基材となるFCD鋳鉄及び
FCCVC鉄V対するオーステンパー処理がブレーキデ
ィスクの肉厚部分にも、より確実に及ぶために鋳造後の
基材の化学成分中に0.6〜0.7%CuまたはNiと
03%程度のMoを含有させる場合のあることもその構
成として含まれる。
F1作用 最高時速220Km/h以上の高速車両用ブレーキディ
スク材を鋳鉄系材料に基づいて摩擦性能。
材料強度、耐熱損傷性の面から材料設計を行うと、先ず
ブレーキ中の適切な値の摩擦係数μとその安定性の維持
に関しては、摩擦面の黒鉛量と基地組織の剪断強さτS
及び圧縮降伏応力σyとの綜合効果に依存するもので、
この場合他に要求される性能とも関連して黒鉛は太き目
で数の多い球状またはコンパクテド・バーミキュラー黒
鉛が選択され基地は微細パーライト以上の高強度、高靭
性の組織が選択される。
また摩耗特性に関しては摩擦面の黒鉛形状、黒鉛量と基
地組織の硬さHっまり圧縮降伏応力σyとの綜合効果に
依存するもので、この場合も他に要求される性能とも関
連して、上記黒鉛、基地組織が選択される。
つぎに材料強度に関しては、先ずN0M鋳鉄よりも高強
度でかつ安価の鋳鉄を模索すればFCD及びFCCVC
鉄V挙げられるが、これらの通常のものは鋳造後の基地
組織に多量のフェライトを析出しているので摩擦性能の
上から好ましくない。
したがってこれらの鋳鉄にオーステンパー処理を施し基
地組織をベーナイトとすることによって著しく高強度か
つ高靭性のFCD鋳鉄及びFCCv鋳鉄がえられ、その
強靭性は侵に鍛鋼に匹敵するものである。
ところで、このよううなオーステンパー処理ベーナイト
地F’CD鋳鉄及びFCCVC鉄V摩擦すれば、ブレー
キ中摩擦面の発熱によって摩擦面及びその近傍の基地組
織Φベーナイトは崩壊して粒状化することが考えられる
が、この場合基地が微細パーライト以上の高強度、高靭
性の組織であれば同時に存在する黒鉛とともにその摩擦
性能に関しては鍛鋼より優れていることが予想され、あ
えてベーナイトのままであることに固執するものではな
い。すなわちオーステンパー処理ベーナイト地F、CD
鋳鉄及びFCCVC鉄V適用は、材料強度と後述する耐
熱損傷性の面に特に注目した材料設計に他ならない。
最後に耐熱損傷性に関しては、基本的に高強度。
高靭性のこれらの材料によって対処すると同時K、鋳鉄
の材料構成物質である黒鉛の高伝熱性と熱応力の吸収1
gl和作用も最大限に活用すべきと考えられる。したが
って、太き目で数の多い球状またはコンパクテド・バー
ミキュラー黒鉛を含有するオーステンパー処理ベーナイ
ト地FCD鋳鉄及びFCCVC鉄V当然選択される。
G、実験 以上の材料設計とそれに基づく作用、すなわち高速車両
用ブレーキディスク材としての性能を実証するため、先
ず実験によって材料設計に合致した組織と機械的性質を
有するオーステンパー処理ベーナイト地FCD鋳鉄及び
オーステンパー処理ベーナイト地FCCV鋳鉄を見出し
、つぎに実施例において、上記実験によって見出された
鋳鉄材質をもつ供試材に対して高負荷の定速摩擦試験を
実施して、高速車両用ブレーキディスク材としての性能
を確認した。
実験について説明すると、第1図は鋳造後の化学成分が
第1表の如き基材F’CD鋳鉄とFCCVC鉄V顕微m
組織を示すものである。第1図からこの状態の組織を呈
すFCD鋳鉄はJISF’CD50に該当し、またFC
CVC鉄V引張強さ330 MPa程度のいずれも最も
汎用的な材質のものである、基材としてはこの程度のF
CD鋳鉄及びFCCVC鉄V、その後のオーステンパー
処理を容易にすることが経験的にわかっており、製造法
での材質上のばらつきを勘案すると、基材FCD鋳鉄と
しては、3.2〜3.8%C,2,4〜3.0%Si、
0.2〜0.4%Mn、<0.1%p、<o、。
3%S、残部Feからなる鋳鉄光陽を、Mgを含む黒鉛
球状他剤と接種剤の適当量によって処理して、引張強さ
440〜490MPa、伸び7%以上、硬さHB 17
0〜240の材質を有するものが選択される。
また基材FCCVC鉄Vしては、3.2〜3.8%C,
2,4〜3.0%Si、0.2〜0.4%Mn、<0.
1%P、<0.03%S、残部Feからなる鋳鉄光陽を
、CV黒鉛(コンパクテド・バーミキュラー黒鉛)他剤
と接種剤の適当量によって処理して、引張強さ320〜
360MPa、伸び5%以上、硬さHB140〜180
の材質を有するものが選択される。さらにまたこれら基
材における鋳造品としてのブレーキディスクの肉厚部分
にも、オーステンパー処理がより容易に確実になされる
ためK、鋳造後の基材の化学成分中に0.6〜0.7%
CuまたはNiと0.3%程度のMoを含むこともある
低合金元素におけるこれらの含有量はOCT変態図にお
けるパーライト変態域を遅らせるので、オーステンパー
処理がよ、り容易となり、またこの程度の含有量では合
金元素の偏析も生じないことが経験的にわかっている。
つぎに第1表の化学成分で、第1図の如き組織の基材F
CD鋳鉄とFCCVC鉄V1173K(900°C)、
60分間オーステナイト化後K、オーステンパー処理温
度573K(3006C)、623K(350°C)、
673 K(400℃)、オーステンパー処理時間30
分間、60分間、90分間、120分間、180分間と
して、都合15処理条件のオーステンパー処理を行った
ここでオーステナイト化加熱条件を1173K(900
℃)、60分間とした理由は、非合金FCD、FCCV
鋳鉄に対するオーステンパーの第1段階としてのオース
テナイト化には、この程度の加熱条件がオーステナイト
の炭素含有量とその均一化に最適であることが経験的に
わかっているからである。また前記したようK、オース
テンパー処理を容易にするためK、0.6〜0.7%C
uまたはNiと0.3%程度のMoを基材が含む場合に
は、オーステナイト化の加熱条件は緩和され1143〜
1193K、60〜90分間の範囲に拡張される。 第
2図は基材FCD鋳鉄、第3図は基材r’ccv鋳鉄の
そ゛れぞれ15処理条件のオーステンパー処理を行った
場合の顕微鏡組織を示すものである。変態温度を573
K(300°C)から673K(400°C)と高くす
るにつれて下部ベーナイトの針状組織は粗くなり、残留
オーステナイトは増加する。また変態時間を30分間か
ら180分間と長くするにつれて変態温度が低い場合に
は変態完了に長時間を要し、変態温度が高い場合には変
体完了は早くなることが認められる。
ここで高速車両用ブレーキディスク材としての材料設計
に合致した組織と機械的性質を有するオーステンパー処
理ベーナイト地FCD鋳鉄及びオーステンパー処理ベー
ナイト地FCCv鋳鉄をこのなかから選択するとすれば
、オーステンパー処理ベーナイト地FCD鋳鉄について
は、高強度化。
高硬度化よりも組織内の球状黒鉛とその分布に由来する
耐熱損傷性により重点をおいて、高靭性化を指向すべき
であり、その組織としては粗目の針状組織の下部ベーナ
イトとやや多目の残留オーステナイトに球状黒鉛が分布
した状態が良く、その組織は第2図から598K(32
5℃)〜673K(400℃)、60〜90分間のオー
ステンパー処理によってえられ、またこの場合機械的性
質は引張強さ930〜1050MPa、伸び10%以上
硬さHB270±20かえられる。つぎにオーステンパ
ー処理ベーナイト地FCCV鋳鉄については、組織内の
コンパクテド・バーミキュラー黒鉛に由来する良好な耐
熱損傷性はオーステンパー処理ベーナイト地FCD鋳鉄
より本質的にすぐれているので、高強度化により重点を
おくべきであり、その組織としては細目の針状組織の下
部ベーナイトとやや少目の残留オーステナイトにコンパ
クテド・バーミキュラー黒鉛が分布した状態が良く、そ
の組織は第3図から573K(300℃)〜648K(
375°C)、60〜90分間のオーステンパー処理に
よってえられ、またこの場合機械的性質は引張強さ75
0〜900MPa、伸び7%以上。
硬さHB250±20カメ得られる。
H8実施例 実施例では、第1表の化学成分で第1図の組織をもつ基
材FCD鋳鉄及びF’CCV鋳鉄を、1173K(90
0℃)、60分間のオーステナイト化後K、648K(
375°C)、60分間のオーステンパー処理を施した
直径200 mm、厚さ12mの円板状試験片を供試材
として相手ライニングに銅系焼結合金を用いて高速摩擦
試験を行った。供試材はいずれも前記実験によって見出
された最適範囲の材質と目されるオーステンパー処理ベ
ーナイト地FCD鋳鉄とオーステンパー処理ベーナイト
地FCCV鋳鉄である。
第4図は摩擦速度と平均摩擦係数どの関係、第5図は摩
擦速度X摩擦係数と摩耗量との関係を示すものである。
摩擦条件としては、定速摩擦速度7 m/s、 14 
m/s、21 m/sで、ライニングの押付圧を0.5
MPa/cm2に一定とし、1回の摩擦時間を608(
秒)間として、各々の摩擦条件の試験を25回繰返した
上記の定速摩擦試験において、供試材の単位面積が60
s間に受ける摩擦負荷は、時速220に+/h以上の高
速車両の非常停止ブレーキ時の負荷に優に匹敵する。し
たがってブレーキディスク材の評価をこの試験によって
行うことは妥当である。第4図、第5図では、比較とし
てN0M鋳鉄、基材FCD鋳鉄、基材FCCV鋳鉄につ
いての結果も示しである。第4図、第5図からオーステ
ンパー処理ベーナイト地FCD鋳鉄(記号B−F’CD
)及びオーステンパー処理ベーナイト地FCCV鋳鉄(
B−);’CCV)の摩擦性能は良好である。
材料強度に関しては、この試験において裏面で測定した
供試材の温度が、B−FCDの場合、2In/sの定速
試験において最高723K(450℃)を示したことが
あったが、21’m/sで、ベーナイトの粒状化の開始
する350℃以上になる時間範囲は毎回20s程度であ
るから、供試材の昇温による材質変化は摩擦面近傍に限
定される。実際の熱容量の大きなブレーキディスクでは
この問屋はさらに軽減され、オーステンパー処理ベーナ
イト地F’CD及びFCCv鋳鉄としての材料強度は保
持される。とくにB−FCCVの場合にはその昇温はN
0M鋳鉄と同程度である。耐熱損傷性に関しては、第6
図に試験後のNCM、F’CD、B−FCDの摩擦面の
熱亀裂の発生状態を示す。ここに示めしてないがF’C
CV、B−FCCVの摩擦面の熱亀裂はこれらに比べて
著しく軽微であった。
第6図から、NCMでは数が少ないが長く発達した熱亀
裂が認められ、PCD、B−FCDでは数が多いが、亀
裂は微細であって、熱応力の緩和作用が大きい。とくに
B−FCDでは球状黒鉛がFCDより太き目であるため
、熱亀裂の数も少なくなる。
(以下余白) 第1表 ■1発明の効果 本発明は上述の如くであって、実施例における請求の範
囲を代表するオーステンパー処理ベーナイト地FCD鋳
鉄とオーステンパー処理ベーナイト地FCC■鋳鉄は、
従来のN0M鋳鉄と比較して、摩擦係数と摩耗量によっ
て代表される摩擦性能に優れており、材料強度はオース
テンパー処理による下部ベーナイトとオーステナイトで
構成される基地となっているため、現状の鋳鉄材質では
最高の強度と靭性を有しており、またこの強靭性の基地
に太き目で数の多い球状黒鉛またはコンパクテド・バー
ミキュラー黒鉛を分布させているので耐熱損傷性にも優
れている。したがって高速車両用ブレーキディスク材と
して有効な特性をもつものである。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は基材とした球状黒鉛鋳鉄の顕微鏡組織、
第1図(B)は基材としたコンパクテド・バーミキュラ
ー黒鉛鋳鉄の顕微鏡組織、第2図は基材である球状黒鉛
鋳鉄にそれぞれ15条件処理のオーステンパー処理を行
った場合の顕微鏡組織、第3図は基材であるコンパクテ
ド・バーミキュラー黒鉛鋳鉄にそれぞれ15条件処理の
オーステンパー処理を行った場合の顕微鏡組織、第4図
は定摩擦速度と摩擦係数の関係を示したグラフ、第5図
は摩擦速度×摩擦係数と摩耗量との関係を示したグラフ
、第6図(A)〜(C)は定速摩擦試験後のオーステン
パー処理ベーナイト地球状黒鉛鋳鉄の摩擦面、球状黒鉛
鉄の摩擦面およびN i −Or −Mo低合金鋳鉄の
摩擦面の熱亀裂の発生状態を示す100倍の拡大写真で
ある。 第4図 摩も2i$%

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)炭素3.2〜3.8重量%、けい素2.4〜3.
    0重量%、マンガン0.2〜0.4重量%、りん0.1
    重量%以下、硫黄0.03重量%以下にして残部鉄から
    なる鋳鉄元湯を、マグネシウムを含む黒鉛球状化剤と、
    接種剤によって処理して球状黒鉛鋳鉄の基材を溶成後鋳
    造し、この球状黒鉛鋳鉄を1143〜1193K、60
    〜90分間のオーステナイト化後に、598〜673K
    、60〜90分間のオーステンパー処理を施して、その
    後水冷または空冷してオーステンパー処理ベーナイト地
    球状黒鉛鋳鉄作り、該オーステンパー処理ベーナイト地
    球状黒鉛鋳鉄組織が粗目の針状組織の下部ベーナイトと
    やや多目の残留オーステナイトからなる基地に、球状黒
    鉛を分布した状態を呈しさせてなることを特徴とする車
    両用ブレーキディスク材の製造方法。
  2. (2)炭素3.2〜3.8重量%、けい素2.4〜3.
    0%、マンガン0.2〜0.4重量%、りん0.1重量
    %以下、硫黄0.03重量%以下にして残部鉄からなる
    鋳鉄元湯を、コンパクテド・バーミキュラー黒鉛化剤と
    接種剤によって処理して、コンパクテド・バーミキュラ
    ー黒鉛鋳鉄の基材を溶成後鋳造し、該鋳鉄を1143〜
    1193K、60〜90分間のオーステナイト化後に、
    573〜648K、60〜90分間のオーステンパー処
    理を施して、その後水冷または空冷してオーステンパー
    処理ベーナイト地コンパクテド・バーミキュラー黒鉛鋳
    鉄を作り、該オーステンパー処理ベーナイト地コンパク
    テド・バーミキュラー黒鉛鋳鉄組織が細目の針状組織の
    下部ベーナイトとやや少目の残留オーステナイトからな
    る基地に、コンパクテド・バーミキュラー黒鉛を分布し
    た状態を呈しさせてなる車両用ブレーキディスク材の製
    造方法。
  3. (3)炭素3.2〜3.8重量%、けい素2.4〜30
    0重量%、マンガン0.2〜0.4重量%、りん0.1
    重量%以下、硫黄0.03重量%以下にして残部鉄から
    なる鋳鉄元湯をマグネシウムを含む黒鉛球状化剤と、接
    種剤によって処理して球状黒鉛鋳鉄の基材を溶成後鋳造
    し、該基材に0.6〜0.7重量%の銅またはニッケル
    とほぼ0.3重量%のモリブデンを合金元素して含有さ
    せた球状黒鉛鋳鉄を1143〜1193K、60〜90
    分間のオーステナイト化後に、598〜673K、60
    〜90分間のオーステンパー処理−を施して、その後水
    冷または空冷してオーステンパー処理ベーナイト地球状
    黒鉛鋳鉄作り、該オーステンパー処理ベーナイト地球状
    黒鉛鋳鉄組織が粗目の針状組織の下部ベーナイトとやや
    多目の残留オーステナイトからなる基地に、球状黒鉛を
    分布した状態を呈しさせてなることを特徴とする車両用
    ブレーキディスク材の製造方法。
  4. (4)炭素3.2〜3.8重量%、けい素2.4〜3.
    0%、マンガン0.2〜0.4重量%、りん0.1重量
    %以下、硫黄0.03重量%以下にして残部鉄からなる
    鋳鉄元湯を、コンパクテド・バーミキュラー黒鉛化剤と
    接種剤によって処理して、コンパクテド・バーミキュラ
    ー黒鉛鋳鉄の基材を溶成後鋳造し、該基材に0.6〜0
    .7重量%の銅またはニッケルとほぼ0.3重量%のモ
    リブデンを合金元素として含有させた鋳鉄を1143〜
    1193K、60〜90分間のオーステナイト化後に、
    573〜648K、60〜90分間のオーステンパー処
    理を施して、その後水冷または空冷してオーステンパー
    処理ベーナイト地コンパクテド・バーミキュラー黒鉛鋳
    鉄を作り、鋳鉄組織が細目の針状組織の下部ベーナイト
    とやや少目の残留オーステナイトからなる基地に、コン
    パクテド・バーミキュラー黒鉛を分布した状態を呈しさ
    せてなる車両用ブレーキディスク材の製造方法。
JP2533587A 1987-02-05 1987-02-05 車両用ブレ−キデイスク材の製造方法 Pending JPS63192821A (ja)

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CN115094328A (zh) * 2022-07-08 2022-09-23 东风商用车有限公司 一体化成型的球墨铸铁推力杆及其制造方法

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