JPS631919B2 - - Google Patents

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JPS631919B2
JPS631919B2 JP57093755A JP9375582A JPS631919B2 JP S631919 B2 JPS631919 B2 JP S631919B2 JP 57093755 A JP57093755 A JP 57093755A JP 9375582 A JP9375582 A JP 9375582A JP S631919 B2 JPS631919 B2 JP S631919B2
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JP
Japan
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wastewater
solution
cucl
concentration
cyanide
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JP57093755A
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JPS58210892A (ja
Inventor
Akira Yamamoto
Shuichi Mori
Sadaoki Kaneda
Sakae Katayama
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KATAYAMA KAGAKU KOGYO KENKYUSHO KK
Original Assignee
KATAYAMA KAGAKU KOGYO KENKYUSHO KK
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Publication date
Application filed by KATAYAMA KAGAKU KOGYO KENKYUSHO KK filed Critical KATAYAMA KAGAKU KOGYO KENKYUSHO KK
Priority to JP9375582A priority Critical patent/JPS58210892A/ja
Publication of JPS58210892A publication Critical patent/JPS58210892A/ja
Publication of JPS631919B2 publication Critical patent/JPS631919B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はシアン及び/又はチオシアン含有廃水
の処理剤に関する。更に詳しくは、廃水中のシア
ン分やチオシアン分を除去する能力が優れ、しか
も品質が安定したシアン及び/又はチオシアン含
有廃水の処理剤に関する。 ハロゲン化第1銅溶液は廃水中のシアン分やチ
オシアン分を除去する能力が優れており、これら
の成分を除去するための廃水処理剤として用いる
ことができる。一般にシアン分を不溶性物質に転
化して沈澱させる場合、廃水中にチオシアン分が
共存していると該不溶性物質の廃水に対する溶解
度が増大しシアン分の除去が困難になる傾向があ
るが、ハロゲン化第1銅溶液は特にこのような廃
水の処理剤として優れた性能を示す。しかしなが
ら、ハロゲン化第1銅溶液を用いて廃水中のシア
ン分やチオシアン分を除去する場合、処理後の廃
水中の残留シアン濃度や残留チオシアン濃度のば
らつきが大きく、ハロゲン化第1銅溶液の性能が
安定していないという欠点がある。 本発明者らは、このような欠点を改善すべく鋭
意研究の結果、ハロゲン化第1銅溶液調製に用い
た溶媒中の溶存酸素、及びハロゲン化第1銅溶液
が空気に曝露される状況の差異及び経過時間等が
ハロゲン化第1銅溶液の性能に影響を与える事実
を見出し、さらに研究を重ねた結果このような影
響を防止して安定した性能を保つにはハロゲン化
第1銅溶液に、フエーリング液を還元できる還元
性物質を添加すればよいこと、並びにこのような
還元性物質を添加したハロゲン化第1銅溶液は、
その性能が安定するのみにとどまらず、処理され
た廃水中の残留シアン濃度を著しく低下させるこ
とができることを見出し、本発明に到達した。 かくして本発明によれば、ハロゲン化第1銅溶
液に、フエーリング液を還元しうる還元性物質を
含有させてなる安定性や処理効率の改良されたシ
アン及び/又はチオシアン含有廃水の処理剤が提
供される。 本発明の廃水処理剤においては、ハロゲン化第
1銅を溶液として用いる。ここに用いるハロゲン
化第1銅としては、フツ化第1銅、塩化第1銅、
臭化第1銅、及びヨウ化第1銅が挙げられ、何れ
を用いてもよいが、経済性を考慮すると塩化第1
銅が最も好ましい。廃水中で均一に反応させるた
めに、ハロゲン化第1銅を溶液にするが、ハロゲ
ン化第1銅は実質上水に不溶とされており、適当
な溶媒例えば、塩化水素水、ハロゲン化アルカリ
金属水溶液、エタノール等を用いるのが適当であ
る。より具体的には例えば塩化第1銅に対しては
塩化水素水、塩化アルカリ金属水溶液、エタノー
ル等が適当であり、ヨウ化第1銅に対しては塩化
水素水やヨウ化アルカリ金属ことにヨウ化カリウ
ム水溶液を溶媒として用いるのが適当である。な
お、かような溶媒として用いられる塩化水素水中
の塩化水素の濃度や、ハロゲン化アルカリ金属水
溶液中のハロゲン化アルカリ金属の濃度はできる
だけ高いことが、ハロゲン化第1銅の溶解性の点
で好ましい。なお、ハロゲン化第1銅の濃度は通
常1重量%〜飽和迄が適当である。 本発明における溶媒は、上記ハロゲン化第1銅
との適合性と後述する還元性物質との適合性を鑑
みて適宜選択することが好ましい。 本発明において、ハロゲン化第1銅溶液に添加
する還元性物質はフエーリング液を還元できる物
質から選べばよい。好ましく用いられる還元性物
質として、 亜硫酸及びその塩(例えば、H2SO3
Na2SO3、K2SO3、(NH42SO3、Li2SO3
NaHSO3、KHSO3、(NH4)HSO3、LiHSO3
等) ピロ亜硫酸塩(例えば、Na2S2O5、K2S2O5
等) 亜二チオン酸塩(例えば、(NH42S2O4
Na2S2O4、K2S2O4等) 次亜燐酸及びその塩(例えば、HPH2O2
Zn(H2PO22、Al(H2PO23、(NH4)H2PO2
KPH2O2、Ca(PH2O22、Co(PH2O22、Fe
(PH2O22、〔Fe3(PH2O26〕(PH2O23
NaPH2O2、Pb(PH2O22、Ni(PH2O22、Ba
(PH2O22、Mg(PH2O22、Mn(PH2O22等) 亜燐酸及びその塩(例えば、H2PHO3
(NH42PHO3、(NH4)HPHO3、K2PHO3
KHPHO3、CaPHO3、CaH2(PHO32
CoPHO3、FePHO3、Fe2(PHO33
Na2PHO3、NaHPHO3、BaPHO3、BaH2
(PHO32、(N2H6)PHO3、N2H6〔H
(PHO3)〕2、MgPHO3、MgH2(PHO32等) 塩化第一錫 ホスフイン類(例えば、PH3、PH3の酸付加
塩、RPH2(但し、Rは炭化水素基)及びその
酸付加塩、RR′PH(但しR、R′は炭化水素基で
両者は同一でも相異つてもよい)及びその酸付
加塩、RR′R″P(但しR、R′、R″は炭化水素基
でこれらは同一でも相異つてもよい)及びその
酸付加塩等) ヒドラジン類(例えば、NH2NH2
NH2NH2・H2O、ヒドラジンの酸付加塩、
NHRNH2(但し、Rは炭化水素基)及びその
酸付加塩、NHRNHR′(但し、R、R′は炭化水
素基で両者は同一でも相異つてもよい)及びそ
の酸付加塩、NRR′NH2(但し、R、R′は炭化
水素基で両者は同一でも相異つてもよい)、等) ヒドロキシルアミン類(例えば、NH2OH及
びその酸付加塩、NHROH(但し、Rは炭化水
素基)及びその酸付加塩等) ヒドロキノン類(例えば、ヒドロキノン、ヒ
ドロキノンのベンゼン核にアルキル基・ハロゲ
ン・スルホン基等の如き置換基を有する化合物
等) カテコール類(例えば、カテコール、カテコ
ールのベンゼン核に炭化水素基・ハロゲン・ス
ルホン基等の如き置換基を有する化合物、ピロ
ガロール等) o−アミノフエノール類(例えば、o−アミ
ノフエノール及びN−メチル−o−アミノフエ
ノール並びにこれらの酸付加塩、o−アミノフ
エノール或はN−メチル−o−アミノフエノー
ルのベンゼン核に炭化水素基・ハロゲン・スル
ホン基・水酸基等の如き置換基を有する化合物
及びその酸付加塩等) p−アミノフエノール類(例えば、p−アミ
ノフエノール及びN−メチル−p−アミノフエ
ノール並びにこれらの酸付加塩、p−アミノフ
エノール或はN−メチル−p−アミノフエノー
ルのベンゼン核に炭化水素基・ハロゲン・スル
ホン基・水酸基等の如き置換基を有する化合物
及びその酸付加塩) o−フエニレンジアミン類(例えば、o−フ
エニレンジアミン及びその酸付加塩、N−アル
キル−o−フエニレンジアミン及びその酸付加
塩、N・N′−ジアルキル−o−フエニレンジ
アミン及びその酸付加塩、o−フエニレンジア
ミン・N−アルキル−o−フエニレンジアミン
或はN・N′−ジアルキル−o−フエニレンジ
アミンのベンゼン核に炭化水素基・ハロゲン・
スルホン基・水酸基等の如き置換基を有する化
合物及びその酸付加塩等) p−フエニレンジアミン類(例えば、p−フ
エニレンジアミン及びその酸付加塩、N−アル
キル−p−フエニレンジアミン及びその酸付加
塩、N・N′−ジアルキル−p−フエニレンジ
アミン及びその酸付加塩、p−フエニレンジア
ミン・N−アルキル−p−フエニレンジアミン
或はN・N′−ジアルキル−p−フエニレンジ
アミンのベンゼン核に炭化水素基・ハロゲン・
スルホン基・水酸基等の如き置換基を有する化
合物及びその酸付加塩等) 1−フエニル−3−ピラゾリドン類(例え
ば、1−フエニル−3−ピラゾリドン、及びこ
れらの酸付加塩) p−オキシフエニルグリシン類(例えば、p
−オキシフエニルグリシン、並びにこれらの酸
付加塩もしくはアルカリ金属塩) ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレー
ト(ロンガリツトとも呼ばれるもの) 等が例示される。これらはフエーリング液を通
常、常温下で効率良く還元しうる能力を有してい
る。これらの還元性物質は1種のみを用いても2
種以上を併用してもよい。 好ましい還元性物質の選択には、ハロゲン化第
1銅用溶媒に対する安定性と溶解度を考慮すべき
であることは言うまでもない。例えば、塩化水素
水を溶媒として用いる場合には、次亜燐酸、亜燐
酸、及び上記グループ〜からなる群より選ぶ
のが好ましく、ハロゲン化アルカリ金属水溶液を
用いる場合には、グループ〜及びホスフイン
類のうち酸付加塩の形態である化合物、o及びp
−フエニレンジアミン類のうち酸付加塩の形態で
ある化合物、グループ〜並びにグループ〜
からなる群より選ぶのが好ましく、エタノール
を用いる場合、亜硫酸、次亜燐酸、亜燐酸及びグ
ループ〜からなる群より選ぶのが好ましい。 ハロゲン化第1銅溶液に対する前記還元性物質
の添加割合は、該溶液1リツトル当り0.02当量以
上にする。該割合が0.02当量/よりも少ないと
前記還元性物質添加の効果が余り顕著でないので
好ましくない。前記還元性物質のより好ましい添
加割合は0.05当量/以上、とりわけ、0.1当
量/以上である。添加割合を増加させる程、ハ
ロゲン化第1銅溶液の経時安定性が増す傾向があ
るが、実際上は該溶液に対する還元性物質の飽和
溶解度により上限が規制されてしまう。通常、ハ
ロゲン化第1銅溶液に対して前記還元性物質の2
当量/以下の添加で充分である。 なお、かような添加量は、溶液中のハロゲン化
第1銅の濃度にほとんど左右されない。これは、
溶液中に存在する溶存酸素等の酸化性物質による
酸化作用を抑制するように上記還元性物質が作用
するためであり、基本的にハロゲン化第1銅溶液
中の溶存酸素総量に直接関係するものであるため
と信じられる。従つて、通常上記のごとく該溶液
の容量に対応して含有量を決定することが適当で
ある。 ハロゲン化第1銅溶液の調製及びハロゲン化第
1銅溶液への前記還元性物質の添加混合は不活性
ガス(例えばN2、CO2等)雰囲気中で実施する
のが好ましい。また溶液を調製するのに用いる溶
媒は成るべく溶存酸素の少ないものが好ましい。
しかしながら、溶媒中の溶存酸素や、溶液混合時
及び前記還元性物質を添加混合する際に接触或は
混入する酸素と反応し、これを除去する量の前記
還元性物質を余分に添加するならば、溶存酸素を
含有しない溶媒を用いて不活性ガス雰囲気中で調
製された、前記還元性物質含有ハロゲン化第1銅
溶液と同等の性能を有するものを調製し得ること
は言うまでもない。 本発明の廃水処理剤(即ち前記還元性物質含有
ハロゲン化第1銅溶液)は、単に調製時から長時
間品質が安定しているのみにとどまらず、調製直
後に廃水中のチオシアン分(SCN-)やシアン分
(遊離シアン及び錯シアン)の除去に使用しても、
前記還元性物質を含有しないハロゲン化第1銅溶
液にくらべ、チオシアン分やシアン分を除去する
性能がすぐれていることが判つた。換言すれば、
調製直後のハロゲン化第1銅溶液を用いて廃水中
のチオシアン分やシアン分を除去する場合でも、
前記還元性物質を0.02当量/以上含有するハロ
ゲン化第1銅溶液を用いた方が、処理後の廃水中
の残留チオシアン分濃度や残留シアン分濃度が低
くなり、また得られた数値のバラツキも小さくな
る傾向がある。その理由は不明であるが、ハロゲ
ン化第1銅溶液を廃水に添加混合する際に、空気
と接触したり廃水中の溶存酸素の影響をうけるの
かも知れない。 工場外へ排出される廃水中のチオシアン分濃度
の規制は、チオシアン分の毒性がシアン分にくら
べて著しく弱いので、シアン分のように厳しくな
いが、シアン分濃度の規制は極めて厳しく0.2
mg/以下にすることが要望されている。稀釈し
て排出することが許されているとはいえ、残留シ
アン分濃度が1mg/以下の領域では、該濃度が
0.1mg/程度低下しても、稀釈倍率に大きな影
響を与えるので実用上の意義は極めて大きい。か
かる観点から、本発明の廃水処理剤で処理した廃
水中の残留シアン分濃度が低くなることは、実用
上極めて有意義な、しかも予期されなかつた効果
である。 本発明の廃水処理剤は廃水中のチオシアン分及
びシアン分を除去するのに用いられるが、廃水中
に硫黄イオン(S2-)が含有されていると、硫黄
イオンとも反応して沈澱を形成し、ハロゲン化第
1銅が浪費される。これを避けるためには、硫黄
イオンを含有する廃水に対しては、例えば予め第
1鉄イオン(Fe2+)或は第2鉄イオン(Fe3+
により硫化鉄の沈澱を形成させてこの沈澱を分離
除去する等の方法で、予め硫黄イオンを除去して
おくことが好ましい。 廃水中にシアン分が錯シアンの形で存在してい
ても、本発明の廃水処理剤を用いれば、シアン分
が沈澱を形成して分離除去できることが判つた。
従つて、本発明方法では遊離シアン・イオンと錯
シアン・イオンとの合計である全シアン分を、す
べて遊離シアンであると仮定して取り扱うことが
できる。それ故に、本発明の廃水処理剤を用いて
廃水処理を行う場合には、ハロゲン化第1銅に対
する Cu++SCN-→CuSCN ……(式) Cu++CN-→CuCN ……(式) 2Cu++S2-→Cu2S ……(式) の反応を考慮して、使用量を定めればよい。即
ち、本発明の廃水処理剤の場合、チオシアン分及
びシアン分を除去するのに必要なハロゲン化第1
銅の化学量論的当量は 〔ハロゲン化第1銅のモル数〕=〔SCN-のグラムイオン
数〕+〔CN-のグラムイオン数〕 +2〔S2-のグラムイオン数〕 ……(式) (但し、CN-は錯シアンを包含する全シアンと
する) となる。廃水中にチオシアン分、シアン分或は硫
黄イオンを含有しない場合には式において当該
イオンのグラムイオン数を零として取り扱えばよ
いことは言うまでもない。廃水中のチオシアン分
の減少を目的とする場合は前記化学量論的当量よ
りも少ない量のハロゲン化第1銅を廃水中に添加
してもよいが、他の場合には通常は前記化学量論
的当量或はこれよりも過剰量のハロゲン化第1銅
を廃水中に添加するのが好ましい。 廃水中にアンモニアが存在するとハロゲン化第
1銅を廃水中に添加した際に〔Cu(NH32+なる
錯イオンが形成されてCu+とチオシアン分或はシ
アン分との反応生成物の溶解度が増し、チオシア
ン分或はシアン分の除去効率が低下するおそれが
ある。これを避けるには、例えばホルムアルデヒ
ドを廃水中に添加してアンモニア及び/またはア
ンモニウム・イオン(化学平衡により常に少量の
アンモニアを生ずる)をヘキサメチレンテトラミ
ンに転化する方法等により、廃水中のアンモニア
を不活性化しておくことが好ましい。但し、この
ような問題に注意を払う必要があるのは、通常
は、廃水がアンモニア或はアンモニウム・イオン
を含有し、且つアルカリ性を呈する場合である。 廃水中に酸化性成分があると、ハロゲン化第1
銅を廃水中に添加した際にCu+が酸化されてCu2+
に転化され、チオシアン分やシアン分との反応生
成物の溶解度が増してこれらの除去効率が低下す
る恐れがある。本発明の廃水処理剤には或る程度
の還元性物質を含有せしめて、廃水処理剤中に含
有されるCu+がCu2+に転化するのを防いでいる
が、廃水処理の際に廃水中に無視できない量の酸
化性成分が含有されていると、このような問題が
生ずる。これを避けるには、ハロゲン化第1銅を
添加する前に廃水に予め還元性物質を添加して、
酸化性成分を処理しておくことが好ましい。 本発明の廃水処理剤を用いた廃水処理は、アル
カリ性の強い条件下で実施するとハロゲン化第1
銅に好ましくない副反応が起り易くなるので、PH
9以下で実施するのが好ましい。より好ましく
は、第1銅イオンとチアシアン分或はシアン分と
の反応が実質上定量的に進行する条件であるPH
8.1以下で処理するべきである、しかしながら、
PHが8.1より大であつてもPH9以下であれば、第
1銅イオンを少し過剰に添加すれば廃水処理の目
的を達成し得る。PHが9よりも高いと、第1銅イ
オンをかなり過剰に添加することになる。そして
前記廃水処理剤が溶媒として塩酸を用いたもので
あれば、前記廃水処理剤を廃水に添加したあとの
PHが9以下(より好ましくは8.1以下)であれば
よいが、前記廃水処理剤に用いた溶媒が塩酸以外
のものであるときは、前記廃水処理剤を添加する
前に予め廃水のPHを9以下(より好ましくは8.1
以下)にしておくことが好ましい。一方、酸性を
呈する廃水に対しては、予めPHを調整することな
く処理できる。 ハロゲン化第1銅と廃水中のチオシアン分やシ
アン分との反応は常温で進行するので、本発明の
廃水処理剤を用いて廃水を処理する際に、廃水を
特に加温したり冷却したりしなくてもよい。 生成した沈澱を処理水から分離するには過、
遠心分離、或は沈澱槽で沈澱物と上澄液に分離、
等の如き従来公知の任意の固液分離手段を用いる
ことができる。この固液分離もPH9以下、とりわ
けPH8.1以下で実施するのが好ましい。 本発明の廃水処理剤を用いて処理した後の廃水
中には銅イオンが含有されている。銅イオンを除
去するには従来公知の方法を採用すればよく、例
えば硫化水素或は硫化ナトリウムを銅イオンに対
して化学量論的当量或はそれより僅かに過剰に添
加して硫化銅の沈澱を生成させてこの沈澱を除去
する方法等により容易に除去できる。 本発明の廃水処理剤は、フエーリング液を還元
することができる還元性物質を含有するので、廃
水中のチオシアン分やシアン分(遊離シアン・イ
オン及び錯シアン・イオン)を除去する能力が著
しく改善され、処理後の廃水中の残留チオシアン
濃度や残留シアン濃度のばらつきが減少し、しか
も廃水処理剤の性能の時間的劣化が著しく改善さ
れ、廃水処理剤を空気雰囲気下で取り扱つてもそ
の性能が安定しているという特徴がある。 以下、実施例により本発明を詳述する。 なお、チオシアン酸イオンは、チオシアン酸イ
オンとFe3+との反応により生成した〔Fe(NCS)〕
2+による赤色を吸光光度光度法により波長480nm
で測定した。 また、シアン・イオンはJIS−K−0102(1981)
−38.3に示された4−ピリジンカルボン酸−ピラ
ゾロン吸光光度法により測定した。従つて、遊離
シアンのみならず錯シアンを包含する、いわゆる
全シアン分を測定している。 廃水処理剤中に含有される前記還元性物質を定
量する方法は、通常の酸化還元滴定に用いる酸化
剤溶液(例えばKMnO4水溶液、K2Cr2O7水溶液
等)の中から廃水処理剤のPH等に応じて適宜選択
された試薬を用いて還元性物質とCu+とが酸化さ
れた当量数を求め、他方で廃水処理剤中に含有さ
れる銅分を定量しておき、前記酸化剤溶液で酸化
された当量数のうち、銅分が全部、Cu+からCu2+
に転化されたとして算出される当量数を差し引い
た残りを廃水処理剤中に含有されている前記還元
性物質の量とする方法を用いた。 実施例1及び比較例1 調製直後の塩化第1銅溶液によるシアン分除去
の効果を確認し易いように、遊離シアン、〔Fe
(CN)64-、〔Fe(CN)63-、Na+、K+、Ca2+
Mg2+、Cl-及びSO4 2-を含有するPH6のモデル廃
水を作成した。該モデル廃水中の全シアン分は10
mg/で、その内遊離シアンは4mg/、残りは
錯シアンで〔Fe(CN)64-の形になつているシア
ン分が3mg/(〔Fe(CN)64-としては4.07mg/
)、〔Fe(CN)63-の形になつているシアン分が
3mg/(〔Fe〔CN)63-としては4.07mg/)で
あつた。 塩化第1銅溶液は還元性物質含有率の異なる次
の4種類のものを調製した。 CuCl溶液A:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、残りは水より成る。 CuCl溶液B:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、ヒドロキノン濃度2.20g/
(0.04当量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液C:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、ヒドロキノン濃度4.40g/
(0.08当量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液D:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、ヒドラジン濃度0.64g/(0.08
当量/)、残りは水より成る。 先ず、煮沸した熱水800gを窒素雰囲気下に置
き、NaCl150gを該熱水中に溶解し、次いで
CuCl19.04gを溶解させたあと放冷し、更に必要
に応じてヒドロキノン或はヒドラジン(水和物の
形で用いた)所定量を添加溶解させ、そのあと、
煮沸したあと窒素雰囲気下で放冷した水を加え
て、全体を1にし、廃水に添加する直前まで窒
素雰囲気中に置き、調製後1時間以内に廃水に添
加した。 空気雰囲気中に曝露されているモデル廃水100
当り前記CuCl溶液所定量(第1表参照)を加
えてよく撹拌した後、30分間静置して生成した沈
澱を沈降させ、しかる後沈澱を過し、得られた
液の全シアン分を測定した。同一条件の実験
を、モデル廃水のロツト及びCuCl溶液のロツト
を変えて、3回反復した。得られた液の残留シ
アン濃度の最大値、最小値及び平均値を第1表に
示す。なお実験番号1〜4が、モデル廃水中の全
シアン分に対してCuCNを形成するに必要な化学
量論的当量のCuClを添加した実験である。
【表】 以上の結果から、 CuCl溶液を廃水中に添加すると、廃水中の
遊離シアン・イオンのみならず錯シアン・イオ
ンも除去できること、 ヒドロキノン或はヒドラジンを添加した
CuCl溶液を用いると、液中の全シアン分濃
度が低下し、その上、廃水やCuCl溶液のロツ
トが異ることによる全シアン分濃度のバラツキ
が減少すること、 ヒドロキノンとヒドラジンは、その還元の当
量数が等しいように添加すれば、全く同じ効果
を発揮すること、 等が判る。 実施例2及び比較例2 前記CuCl溶液A及びCを、それぞれ、調製後
直ちに空気雰囲気下で貯蔵タンクに移し、空気雰
囲気のままで該タンクを蓋で密閉して24時間貯蔵
した後、実施例1及び比較例1で用いたと同じ組
成のモデル廃水に、実施例1及び比較例1と同じ
操作条件で添加してシアン分を除去した。同一条
件の実験を、モデル廃水のロツト及びCuCl溶液
のロツトを変えて、3回反復した。CuCl溶液の
添加量及び液の全シアン分濃度を第2表に示
す。
【表】 以上の結果を第1表の結果と比較すると、還元
性物質を含有しないCuCl溶液を空気雰囲気下に
密閉して貯蔵すると、シアン分を除去する性能が
顕著に低下するが、CuCl溶液に還元性物質を含
有せしめると、この欠点が改善されることが判
る。 実施例3及び比較例3 SCN-を111.5mg/含有するほかCl-、SO4 2-
CH3COO-、Na+、K+、Ca2+及びMg2+を含有す
るPH6.5のモデル廃水を作成した。 実施例1及び比較例1で用いたCuCl溶液A及
びCを、このモデル廃水に添加してよく撹拌した
後、30分間静置して生成した沈澱を沈降させ、し
かる後沈澱を過し、得られた液のチオシアン
分を測定した。 この際、CuCl溶液A及びCは、調製後1時間
以内に廃水に添加することとし廃水に添加する直
前まで窒素雰囲気中に置いた場合と、調製後直ち
に空気雰囲気下で貯蔵タンクに移し空気雰囲気の
ままで該タンクを蓋で密閉して24時間貯蔵した後
に廃水に添加した場合との2通りを実験した。実
験条件及び液のチオシアン分濃度を第3表に示
す。なお、これらの実験ではCuClを、CuSCNを
形成させるための化学量論的当量だけ添加してい
る。
【表】 以上の結果から、還元性物質を含有しない塩化
第1銅溶液は空気に曝露されるとチオシアン分を
除去する性能が低下するが、ヒドロキノンのよう
な還元性物質を添加するとこの欠点が改善される
ことが判る。 実施例 4 実施例1でCuCl溶液に添加した還元性物質
(即ちヒドロキノン或はヒドラジン)の代りに他
の還元性物質を添加したCuCl溶液を用いて、実
施例1で用いたと同じモデル廃水中のシアン分を
除去した。 調製したCuCl溶液の組成は次の通りである。 CuCl溶液E:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、Na2SO3濃度5.04g/(0.08当
量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液F:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、K2S2O5濃度4.45g/(0.08当
量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液G:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、Na2S2O4濃度2.32g/(0.08当
量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液H:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、NaPH2O2濃度1.76g/(0.08当
量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液I:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、Na2PHO3濃度5.04g/(0.08当
量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液J:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、カテコール濃度4.40g/(0.08
当量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液K:CuCl濃度19.04g/、NaCl濃度
150g/、CH2OHSO2Na・2H2O濃度3.08
g/(0.08当量/)、残りは水より成る。 先ず、煮沸した熱水800gを窒素雰囲気下に置
き、NaCl150gを該熱水中に溶解し、次いで
CuCl19.04gを溶解させたあと放冷し、更に還元
性物質所定量を添加溶解させ、しかる後に、煮沸
後窒素雰囲気下で放冷した水を加えて、全体を1
にし、廃水に添加する直前まで窒素雰囲気中に
置き、調製後1時間以内に廃水に添加した。 空気雰囲気中に曝露されているモデル廃水(実
施例1及び比較例1に用いたと同じ組成のもの)
100当り、前記CuCl溶液所定量(第4表参照)
を加えてよく撹拌した後、30分間静置して生成し
た沈澱を沈降させ、しかる後沈澱を過し得られ
た液の全シアン分を測定した。得られた結果を
第4表に示す。なお実験番号21〜27はモデル廃水
中の全シアン分に対してCuCNを形成するのに必
要な化学量論的当量のCuClを添加した実験であ
る。
【表】
【表】 また、CuCl溶液E〜Kを、それぞれ、調製後
直ちに空気雰囲気下で貯蔵タンクに移し、空気雰
囲気のままで該タンクを蓋で密閉して24時間貯蔵
した後で廃水に添加する以外は実験番号21〜34と
同様に操作して、液の全シアン分濃度を測定し
たところ、実験誤差範囲内で第4表の結果と一致
した。 以上の結果を第1表の実験番号3、4及び7、
8並びに第2表の実験番号14存び16と比較する
と、CuCl溶液E〜KもCuCl溶液C及びDと同等
の性能を有することが判る。 実施例5及び比較例4 空気雰囲気中で次のような配合割合のCuCl溶
液を調製した。 CuCl溶液L:CuCl濃度39.6g/(0.4モル/
)、NaCl濃度200g/、残りは水より成る。 CuCl溶液M:CuCl濃度39.6g/(0.4モル/
)、NaCl濃度200g/、SnCl2濃度18.97
g/(0.2当量/)、残りは水より成る。 先ず、空気雰囲気下で熱水650gにNaCl200g
を溶解させ、次いで放冷したあとCuCl39.6gを加
えて溶解させ、更に溶液Mに対してのみSnCl2
添加し、しかる後に水を加えて全体を1にし
た。得られたCuCl溶液を空気雰囲気下に貯蔵タ
ンクに移し、空気雰囲気のままで該タンクを蓋で
密閉して24時間貯蔵したあと廃水に添加した。 廃水は、SCN-を290mg/、全シアン分を65
mg/、NH4 +を54mg/の割合で含有するほ
か、Cl-、SO4 2-、Zn2+、Fe2+、Ca2+、Mg2+
Na+、及びK+を含有し、PHは6.5であつた。 また、廃水に添加する直前のCuCl溶液M中に
含有される還元性物質(Cu+を除く)は0.14当
量/であつた。 廃水100当りCuCl溶液2.25を添加して撹拌
したあと、30分間静置して生成した沈澱を過
し、得られた液のチオシアン分及び全シアン分
を測定した。得られた結果を第5表に示す。
【表】 これらの実験では、廃水中のチオシアン分と全
シアン分との合計に対して必要な化学量論的当量
の120%のCuClを添加している。第5表の結果か
ら、還元性物質を含有しないCuCl溶液の場合に
は貯蔵による品質の低下が認められるが、還元性
物質を含有せしめるとこの欠点を改善できること
が判る。しかも、全シアン分の除去に関しては、
還元性物質を含有するCuCl溶液を用いた場合と
還元性物質を含有しないCuCl溶液を用いた場合
とで効果に顕著な差異がある。 実施例6及び比較例5 次のような組成を有するCuCl溶液を調製した。 CuCl溶液N:CuCl濃度95.19g/、HCl濃度
245g/、残りは水より成る。 CuCl溶液O:CuCl濃度95.19g/、HCl濃度
245g/、ヒドロキシルアミン濃度6.61g/
(0.2当量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液P:CuCl濃度95.19g/、HCl濃度
245g/、o−アミノフエノール濃度10.9
g/(0.2当量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液Q:CuCl濃度95.19g/、HCl濃度
245g/、N−メチル−p−アミノフエノー
ル硫酸塩濃度17.2g/(0.2当量/)、残り
は水より成る。 CuCl溶液R:CuCl濃度95.19g/、HCl濃度
245g/、o−フエニレンジアミン濃度10.8
g/(0.2当量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液S:CuCl濃度95.19g/、HCl濃度
245g/、p−フエニレンジアミン濃度10.8
g/(0.2当量/)、残りは水より成る。 CuCl溶液T:CuCl濃度95.19g/、HCl濃度
245g/、1−フエニル−3−ピラゾリドン
濃度16.2g/(0.2当量/)、残りは水り成
る。 CuCl溶液U:CuCl濃度95.19g/、HCl濃度
245g/、p−オキシフエニルグリシン濃度
16.7g/(0.2当量/)、残りは水より成
る。 先ず35%濃塩酸700gを窒素雰囲気下に置き、
CuCl95.19gと所定の還元性物質所定量とを添加
溶解させ、更に水を加えて全体を1にした。得
られたCuCl溶液の一部は廃水に添加する直前ま
で窒素雰囲気下に置き且つ調製後1時間以内に廃
水に添加した。CuCl溶液の残部は調製後直ちに
空気雰囲気下で貯蔵タンクに移し、空気雰囲気の
ままで該タンクを蓋で密閉して1週間貯蔵した後
で、廃水に添加した。 廃水は実施例1及び比較例1で用いたのと同じ
組成のモデル廃水を使用し、空気雰囲気中に曝露
されている該モデル廃水100当り前記CuCl溶液
所定量(第6表参照)を添加し撹拌した後30分間
静置して生成した沈澱を過し、得られた液の
全シアン分を測定した。得られた結果を第6表に
示す。なお実験番号37〜44はモデル廃水中の全シ
アン分に対してCuCNを形成するのに必要な化学
量論的当量のCuClを添加した実験である。
【表】 以上の結果から、本発明の廃水処理剤では、還
元性物質を含有しないCuCl溶液とくらべ、廃水
中のシアン分を除去する性能が優れ、しかも貯蔵
中の品質低下が著しく改善されることが判る。 実施例7及び比較例6 実施例6及び比較例5で調製したCuCl溶液N、
O、Q、S及びUを用いて廃水中のチオシアン分
の除去を行つた。チオシアン分含有廃水として
は、実施例3及び比較例3で用いたのと同じ組成
のモデル廃水を使用した。 このモデル廃水に対し、所定のCuCl溶液(調
製後1時間以内のもの、或は1週間貯蔵したも
の)を添加してよく撹拌した後、30分間静置して
生成した沈澱を沈降させ、しかる後沈澱を過
し、得られた液のチオシアン分を測定した。得
られた結果を第7表に示す。なお、これらの実験
では、CuClを、CuSCNを形成させるための化学
量論的当量だけ添加している。
【表】 以上の結果から、本発明の廃水処理剤では、還
元性物質を含有しないCuCl溶液とくらべ、貯蔵
中の品質低下が著しく改善されることが判る。 実施例8及び比較例7 次のような組成を有するCuCl溶液を調製した。 CuCl溶液V:CuCl濃度200g/、HCl濃度315
g/、残りは水より成る。 CuCl溶液W:CuCl濃度200g/、HCl濃度315
g/、ヒドラジン濃度3.2g/(0.4当量/
)、残りは水より成る。 先ず、35%濃塩酸900gを窒素雰囲気下に置き、
該塩酸に対しCuCl200gを添加溶解させ、更に溶
液Wに対してのみヒドラジン3.2g(水和物の形
で用いた)を添加し、しかる後に水を加えて全体
を1にした。得られたCuCl溶液の一部は廃水
に添加する直前まで窒素雰囲気下に置き且つ調製
後1時間以内に廃水に添加した。CuCl溶液の残
部は調製後直ちに空気雰囲気下で貯蔵タンクに移
し、空気雰囲気のままで該タンクを蓋で密閉して
2週間貯蔵した後で廃水に添加した。 廃水は、実施例5及び比較例4で用いたのと同
じ組成のものを用いた。 また2週間貯蔵後のCuCl溶液W中に含有され
る還元性物質(Cu+を除く)は0.31当量/であ
つた。 廃水100当りCuCl溶液0.4を添加して撹拌し
たあと、30分間静置して生成した沈澱を過し、
得られた液のチオシアン分及び全シアン分を測
定した。得られた結果を第8表に示す。なお、こ
れらの実験ではチオシアン分と全シアン分との合
計に対して必要な化学量論的当量の約106.7%の
CuClを添加している。
【表】 以上の結果から、本発明の廃水処理剤では、還
元性物質を含有しないCuCl溶液とくらべ、全シ
アン分を除去する性能が著しく優れ、また貯蔵中
の品質低下が著しく改善されることが判る。 実施例 9 次のような組成を有するCuCl溶液を調製した。 CuCl溶液X:CuCl濃度200g/、HCl濃度315
g/、H2PHO332.8g/(0.8当量/)、
残りは水より成る。 先ず、35%濃塩酸900gを窒素雰囲気下に置き、
該塩酸に対しCuCl200gを添加溶解させ、更に
H2PHO3(水溶液の形で用いた)を添加し、しか
る後に水を加えて全体を1にした。得られた
CuCl溶液は直ちに空気雰囲気下で貯蔵タンクに
移し、空気雰囲気のままで該タンクを蓋で密閉し
て4週間貯蔵した後で廃水に添加した。4週間貯
蔵後のCuCl溶液X中に含有される還元性物質は
0.69当量/であつた。 廃水は、或るメツキ工場のものを使用した。こ
の廃水の水質は次の通りであつた。 全シアン分 88.5mg/、鉄 32mg/ (遊離シアン 2.0mg/) ニツケル 5mg/
総クロム分 105mg/ 亜鉛 1.6g/ (6価クロム 93mg/) 硫酸イオン 285
mg/ 銅 0.1mg/、塩素イオン 62mg/ PH 6.4 この廃水をクロム処理槽に導き、6価のクロム
を還元処理して3価クロムとした後PHを8.6に調
整して水酸化クロムの沈澱を生成させ、この沈澱
を除去した。沈澱を除去した後の廃水をシアン処
理槽に導き、廃水1000当りCuCl溶液X3.0を
添加して撹拌した後、30分間静置した。生成した
沈澱を過した後の液中に残留する全シアン分
の濃度は0.07mg/であつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ハロゲン化第1銅溶液に、フエーリング液を
    還元しうる還元性物質を含有させてなる安定性や
    処理効率の改良されたシアン及び/又はチオシア
    ン含有廃水の処理剤。 2 還元性物質が、亜硫酸及びその塩、ピロ亜硫
    酸、亜二チオン酸塩、次亜燐酸及びその塩、亜燐
    酸及びその塩、塩化第1錫、ホスフイン類、ヒド
    ラジン類、ヒドロキシルアミン類、ヒドロキノン
    類、カテコール類、o−アミノフエノール類、p
    −アミノフエノール類、o−フエニレンジアミン
    類、p−フエニレンジアミン類、1−フエニル−
    3−ピラゾリドン類、p−オキシフエニルグリシ
    ン類並びにホルムアルデヒドナトリウムスルホキ
    シレートよりなる群から選ばれた1種又は2種以
    上の化合物である特許請求の範囲第1項記載の処
    理剤。 3 ハロゲン化第1銅溶液が、塩化水素水、ハロ
    ゲン化アルカリ金属水溶液又はエタノールを溶媒
    とするハロゲン化第1銅の1重量%〜飽和溶液で
    ある特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の処
    理剤。 4 還元性物質が、ハロゲン化第1銅溶液1当
    り0.02当量以上含有されてなる特許請求の範囲第
    1〜3項いずれかに記載の処理剤。
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