JPH111726A - 銀金属及びメルカプト−s−トリアジンの回収方法 - Google Patents

銀金属及びメルカプト−s−トリアジンの回収方法

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JPH111726A
JPH111726A JP5311598A JP5311598A JPH111726A JP H111726 A JPH111726 A JP H111726A JP 5311598 A JP5311598 A JP 5311598A JP 5311598 A JP5311598 A JP 5311598A JP H111726 A JPH111726 A JP H111726A
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triazine
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Jr Charles S Christ
エス クリスト,ジュニア チャールズ
Albert R Szembrot
アール スゼンブロット アルバート
Robert Ciamarra
シアマラ ロバート
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    • C07D251/12Heterocyclic compounds containing 1,3,5-triazine rings not condensed with other rings having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D251/26Heterocyclic compounds containing 1,3,5-triazine rings not condensed with other rings having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with only hetero atoms directly attached to ring carbon atoms
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C22BPRODUCTION AND REFINING OF METALS; PRETREATMENT OF RAW MATERIALS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メルカプト−s−トリアジン沈殿法による、
銀金属及びメルカプト−s−トリアジンの回収方法を提
供することを目的とする。 【解決手段】 約5より高いpHを有する銀−メルカプ
ト−s−トリアジン沈殿のスラリーに還元剤を添加し、
次いで、銀−メルカプト−s−トリアジンを銀金属及び
溶解性メルカプト−s−トリアジン又はその塩に還元す
ることを含む、沈殿から銀金属及びメルカプト−s−ト
リアジンを回収する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液、例えば、シ
ーズニングされた写真処理溶液から銀を回収する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真製品の処理の際には、
銀は、定着液又は漂白定着液と接触させることにより写
真フィルム及び写真紙から除去される。銀は、一般にチ
オサルフェートイオンと反応することにより可溶化され
る。このような処理により、溶解性銀が豊富な溶液が得
られる。
【0003】定着液及び漂白定着液中の銀を回収する主
な理由は二つある。第一に、取締り条例に従う必要があ
るからである。第二に、溶液中の銀は金銭的価値がある
からである。銀回収の別の理由は、限られた資源の再利
用である。多くの場合、回収銀は写真製品を製造するの
に再利用される。したがって、銀回収はリサイクルプロ
セスの一工程である。
【0004】銀を写真溶液から回収するための多くの技
法がある:電気分解銀回収、金属置換、イオン交換、化
学的還元及び沈殿。電気分解による銀回収は、銀回収の
ための最も普及した方法の一つであるが、条例に適合す
る方法で作動するフォトプロセッサーは一般に満足でき
るものではない。電気分解法では通常銀を写真溶液から
約100ppmより低い濃度まで除去することができな
い。それに続く又は第二の銀回収法、例えば、金属置換
をもまた必要とする場合が多い。イオン交換法は、銀含
有流、例えば、洗浄水を希釈するのに、より適してい
る。
【0005】最近、メルカプト−s−トリアジンとして
知られている化学沈殿剤を用いて銀を回収する沈殿方法
が、米国特許第5,288,728号、米国特許第5,
437,792号、米国特許第5,476,593号及
び米国特許第5,496,474号に開示されている。
トリメルカプト−s−トリアジン(TMT)は好ましい
沈殿剤であり、塩の形で用いられることが多い。この沈
殿法は、第一及び第二の銀回収の両者を、銀沈殿、凝集
及び濾過を用いる単一工程に代えた連続方法である。こ
の方法は、使用が簡単で、簡潔で、かつ写真流出液中の
銀レベルに関してフォトプロセッサーが常に取締り条例
を満たすものとなる。銀−メルカプト−s−トリアジン
沈殿物は精製するのが容易で、ある種の精製操作用の良
好な供給物であると考えられている。
【0006】メルカプト−s−トリアジン沈殿法は高価
であるが、これはTMTのようなメルカプト−s−トリ
アジンのコストの故であり、そのためその使用が限定さ
れている。メルカプト−s−トリアジンのコストを引き
下げるための可能な方法は、銀−メルカプト−s−トリ
アジン沈殿からメルカプト−s−トリアジンを回収する
ことによるものであろう。現在、銀−メルカプト−s−
トリアジン沈殿の精製方法は、沈殿を先ず加熱し次いで
固体中のメルカプト−s−トリアジン部の分解及び消失
による。メルカプト−s−トリアジン部をリサイクルで
きるような精製方法を提供することが望まれている。
【0007】銀を写真溶液から回収するのに用いられる
別の技法として、還元剤を銀含有溶液と接触させる方法
がある。多くの場合、反応は均質反応であり、すなわ
ち、反応は溶解銀種と溶解還元剤との間に起こる。これ
らの方法は、写真処理業界では広く用いられていない。
これは、使用される還元剤が、水溶媒を還元して水素気
体を発生させるには、余りに強力であることが多いから
である。このような還元剤の使用及び取扱は、安全性の
観点から、その場で広く用いることは普及していない。
不均一還元反応の例が、米国特許第5,372,631
号に開示されているが、単なるAg還元のみを含むもの
で、沈殿剤のリサイクル工程は含まないものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】メルカプト−s−トリ
アジン沈殿法により銀回収コストを低減することが本発
明の目的である。銀−メルカプト−s−トリアジン沈殿
から銀を精製する方法であって、沈殿内のメルカプト−
s−トリアジンを回収する方法を提供することが本発明
の別の目的である。
【0009】銀−メルカプト−s−トリアジン沈殿から
銀を精製する方法であって、沈殿内のメルカプト−s−
トリアジン沈殿の少なくとも一部がリサイクル可能であ
る方法を提供することが、本発明のさらなる目的であ
る。さらなる目的は、以下の発明の詳細な記載及び特許
請求の範囲から明らかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的は、銀−メルカ
プト−s−トリアジン沈殿を還元して比較的高純度の銀
金属沈殿とメルカプト−s−トリアジン溶液を生成す
る、本発明方法により達成される。得られる高純度の銀
固形物は、大部分の他のリサイクルされた銀資源に比べ
て、容易に精製可能であり、しかもこのメルカプト−s
−トリアジン溶液は、再生工程の後、写真溶液のような
溶液から銀を沈殿させるのに再使用することができる。
【0011】還元剤は、二つの目的のために用いる。第
一に、還元剤は銀をAg+1状態からAg金属状態に還元
するのに用いる。第二に、還元剤はメルカプト−s−ト
リアジン沈殿剤の再可溶化を可能にするので、この沈殿
剤を金属回収剤として再使用することができる。工程全
体は、2−生成物リサイクル方式として見ることがで
き、さらなる精製を行うのにより少ないエネルギーでさ
らに純度の高い銀を提供し、かつ新たな沈殿溶液に容易
に転化することができる溶液を提供する。溶液からの銀
回収はその場で行うことができ、その間メルカプト−s
−トリアジンのリサイクルは、望ましい場合は、その設
備の中心部で達成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明方法に用いられる銀−メル
カプト−s−トリアジン沈殿は、米国特許第5,43
7,792号、第5,288,728号、第5,47
6,593号及び第5,496,474号に記載されて
いるような銀回収法から得られる。これらは、溶解性銀
イオン及び式Iのメルカプト−s−トリアジンから得ら
れる:
【0013】
【化1】
【0014】(式中、Rは水素、−NH4 、−OH、炭
素数1〜8のアルキル、炭素数1〜8のアルコキシ、フ
ェニル、シクロヘキシル、オキサジニル、フェノキシ、
NR’2 又はSR”であり、式中、R’は水素、炭素数
1〜8のアルキル、フェニル、シクロヘキシル、ナフチ
ル又はベンジル;であり、R”は炭素数1〜8のアリ
ル、フェニル、シクロヘキシル、ナフチル又はベンジル
であり;mは1〜3の整数であり;nは0又は1〜2の
整数である)。
【0015】4つのファクターが、本発明方法の効率に
影響を与える:すなわち、反応温度、還元剤の量、還元
剤の濃度及び還元剤の還元力(power of re
ducing agent)であり、反応スラリーのp
Hに関連することがある。温度は、反応速度に影響す
る。本発明は15℃〜100℃の反応温度で実施してよ
いが、さらに効果的な範囲は30℃〜75℃であり、発
明の最適範囲は45℃〜65℃である。最適範囲より低
い温度では、反応が起こるのに長時間を要し、最適範囲
より高い温度では、可溶化されたメルカプト−s−トリ
アジンの分解が反応中に起こることがある。
【0016】以下のトリメルカプト−s−トリアジン
(TMT)についての一般反応によれば、Ag1モル当
たり少なくとも1モル当量の適切な還元剤が、銀−メル
カプト−s−トリアジン沈殿を銀金属及び可溶化銀−メ
ルカプト−s−トリアジンに転化させるのに必要であ
る: Agx TMT(xモルAg)+xRed(水性)−−→
xAg(s)+TMT3-(水性)+xRed+ (水性)
(式中、x≦3) 最も簡単な形では、この反応はAg+ のAg金属への1
電子還元として記載することができる。
【0017】Ag+ + e- −−→ Ag(s) 前記式中、Ag+ はAg−TMT沈殿物の形で供給さ
れ、そして電子は適切な還元剤により供給される。唯一
の複雑なファクターは、Ag+ がTMT又は他のメルカ
プト−s−トリアジンと共に不溶性沈殿中に取り込まれ
ることである。沈殿の理論上の組成はAg x TMT(x
=3)であるが、実際には、沈殿の典型的組成は、3よ
り幾分小さいx値を有するであろう。したがって本発明
の所望結果を達成するのに必要な還元剤の最小必要量を
得るには、Ag含有量の観点から沈殿を特徴づけること
が助けになる。銀TMT沈殿は3を超えるx値を有する
ことは決してないので、沈殿がAg3 TMTであるとい
う仮定に基づいて還元剤の量を算出すると、反応に必要
な最低理論量を超える還元剤となるであろう。銀含有量
のさらに正確な算定は、AA(Atomic Abso
rption、原子吸収)又はICPAES(Indu
strial Coupled Plasma Ato
mic Emission Spectroscop
y)を用いて得ることができる。
【0018】理論上は、Ag1モル当たり僅か1モル当
量の適切な還元剤が、銀−メルカプト−s−トリアジン
沈殿を銀金属及び可溶化メルカプト−s−トリアジンに
転化するのに必要である。実際には、妥当な期間(1か
月未満)内に所望の反応を達成するのに必要な還元剤の
量は、理論量を超える。超える理由は、本発明の特定の
制限又は要件より、むしろ還元剤濃度により多く関連す
る。
【0019】還元剤濃度は、本発明の反応速度に強い影
響を与える。NaBH4 の場合は、0.1M未満の濃度
では、銀−メルカプト−s−トリアジン沈殿の銀金属及
び可溶化メルカプト−s−トリアジンへの転化速度は遅
くなる。約0.6Mを超える濃度では、約50℃を超え
る温度と組合わさって有意に良好な速度となる。約55
℃〜60℃の温度と約0.75Mを超えるNaBH4
度で最良の結果が期待できる。Na2 2 4 について
は、0.1Mを超える濃度で満足な結果が得られるが、
0.3Mのより高い濃度が好ましく、最良濃度は0.4
Mを超える濃度である。同様の濃度がNa2 2 4
ついても好ましいと期待されるが、最も好ましい濃度
は、0.4Mを超える濃度である。一般に、還元剤の妥
当な有効濃度は、約0.05Mを超え、好ましい濃度は
0.3Mを超え、最良濃度は0.4Mを超え、上限は還
元剤の溶解度である。
【0020】本発明方法において有効であるためには、
還元剤の還元力は、標準水素電極(NHE)に対して約
−0.9Vよりさらに負でなければならない。反応は約
pH5以上で行うことができる。pHの下限は、十分に
プロトン化された状態のメルカプト−s−トリアジンの
沈殿(約6より低いpHで発生し始める)に関連する。
さらに、pH非依存性還元電位を有するある種の還元剤
は水と反応して水素を生成する。このような還元剤で
は、約11より高いpHが好ましく、これは水の還元に
ついての熱力学推進力が無視しうるものだからである。
約12より高いpHを維持することが最適である。pH
依存性還元電位を有する還元剤については、pHは、N
HEに対して約−0.9Vよりさらに負の値に維持しな
ければならない。以下に例を示す: SO4 2- +H2 O+2e - −−→SO3 2- +2OH-0 =−0.93及びE=E0 +0.059*pOH したがって、pH11(pOH=3)ではSO3 2- の還
元力はNHEに対して−0.753Vまで低下する。こ
のためpH11では、SO3 2- は本発明反応のための良
好な還元剤ではないが、一方pH14ではSO3 2- は許
容可能な還元剤である。
【0021】対照的に、 2SO3 2- +2H2 O+2e -−−→ S2 4 2- +2
OH-0 =−1.12V したがって、pH11(pOH=3)では、S2 4 2-
の還元力はNHEに対して−0.943Vまで低下する
が、なお本発明反応を実施するのに十分な還元力を有す
る。
【0022】より低いpHで操作すると、還元剤の還元
力を低下させる効果が一般的にあり、そして銀−メルカ
プト−s−トリアジン沈殿剤を用いる反応の速度は低下
するであろう。さらに、水溶媒を還元するのに十分な還
元力を有するこれらの還元剤については、pHがより低
いと、水の還元がおこる速度が高くなるであろう。その
結果として、還元剤は、望ましくない副反応に消費され
て、反応速度に好ましくない影響を与える。
【0023】pHは、還元剤の選択にかなりの影響を与
えることがある。反応は、約6から14より高いpHま
での各種のpH条件下で実施することができる。下限
は、溶液からメルカプト−s−トリアジン生成物が沈殿
するpH(pH6)により定められる。上限は約14で
ある。許容可能なpH範囲は6より上であるが、好まし
いpHは約12より上であり、最良のpHは約14であ
り、最も重要なファクターは還元剤の還元力であり、こ
の還元力はNHEに対して約−0.9Vよりさらに負で
なければならない。TMT沈殿溶液の再生 還元剤と銀−メルカプト−s−トリアジン沈殿との反応
が完了し、そして銀固体をメルカプト−s−トリアジン
含有溶液から分離した後、メルカプト−s−トリアジン
のレベル及び溶液pHを調整することにより、メルカプ
ト−s−トリアジン溶液のリサイクルを達成することが
できる。メルカプト−s−トリアジン溶液の通常用いら
れる形態の一つは、TMT15(約15%のNa3 TM
Tを含有する水溶液)である。例として、本発明完了
後、pH14の、約5%のNa3 TMTを含有する濾液
1Lが得られる場合は、溶液中のTMTの量を、溶液中
のNa3 TMTの%が約15%であるように調整するこ
とができる。このことは、TMT55(約55%のNa
3 TMTを含有する固体)の添加により達成することが
できる。
【0024】十分な酸を溶液に添加してTMT15のさ
らに特徴的なpH(pH=12.5)に到達させてもよ
く、前記酸は、約12.5までpHを調整して下げるこ
とができる各種酸から選択できる。酸、例えば、重炭酸
塩、燐酸又は硼酸が推奨されるが、これは米国特許第
5,476,973号に開示されているような別の利点
をメルカプト−s−トリアジン溶液に与えるからであ
る。得られたTMT溶液はリサイクルされたNa3 TM
T約33%を含有し、そして沈殿による金属の回収に適
している。
【0025】さらなる詳細については、当業者は前記を
参照してその最高程度まで本発明を利用することができ
るものと信じる。以下の好ましい具体例は、したがって
単に説明のためのものであり、開示を限定するものでは
ない。前記及び以下の実施例において、すべての温度
は、特に断らない限り、摂氏度で補正せずに示すもので
あり、すべての部及び%は重量部及び重量%である。
【0026】前記又は以下に引用したすべての出願、特
許及び公報のすべての開示を、引用することにより本願
明細書に包含する。
【0027】
【実施例】実施例1 50mLの三口丸底フラスコに、テフロン(登録商標)
被覆磁気攪拌棒と、1gのAg−TMT沈殿(52%
銀)を投入した。Ag−TMT沈殿を1MのNaOH約
20mLにスラリーとして懸濁させた。約72時間かけ
て、約0.5gの無水NaBH 4 を直接Ag−TMTス
ラリーに添加した。NaBH4 濃度は、初期には0.1
3Mであったが、反応は緩慢であり、溶液濃度を約0.
66Mまで増加させた。還元剤濃度を高くしたことに加
えて、溶液温度を約50℃まで高めた。溶液濃度及び溶
液温度を高める前に、反応は徐々に進行した。反応体濃
度及び温度を高めた後は、反応は迅速に進行した。
【0028】約72時間後、フラスコの底に光沢のある
固体状の球体が認められた。溶液の外観はもはやスラリ
ーではなかった。固体上の溶液は透明で僅かに黄色がか
っていた。この固体を溶液から濾別し、真空乾燥し、次
いで秤量したところ、0.52g、ほぼ理論量のAg金
属(96%Ag)を得た。濾液を10%燐酸2mLで中
和した。酸を添加すると、過剰のNaBH4 の故に水素
気体が発生し、溶液の最終pHは約12であった。濾液
をイオンクロマトグラフィにより分析(分解)して、濾
液22mL中に0.36g(収率75%)のNa3 TM
Tを得た。
【0029】本例は、45℃より高い反応温度及び約
0.4Mより高い還元剤濃度が、本発明の反応速度を加
速することを明らかに示している。さらに、本例はAg
−TMT沈殿のスラリーに還元剤を添加することによ
り、ほぼ純粋な銀金属を単離してTMT沈殿剤を含有す
る溶液を生成することができることを示している。反応
混合物のpHは、反応過程中約14であり、還元剤の還
元電位はNHEに対し−1.24Vであった。実施例2 気体排出口及び添加口を備えた4mLのマイクロフラス
コにテフロン被覆磁気攪拌棒及び0.5gのAg−TM
T沈殿(52%銀)を投入した。NaBH4 (105m
g、9倍過剰)を1MのNaOH3mLに溶解し、直接
Ag−TMT沈殿ーに添加した。NaBH4 とAg−T
MT沈殿の混合物は、淡黄色スラリーであった。NaB
4 の濃度は0.93Mであった。この溶液を40℃で
攪拌した。反応混合物のpHは反応中約14であり、還
元剤の還元電位はNHEに対して−1.24Vであっ
た。約4時間後、このスラリーは目視上さらに暗色にな
ったが、反応容器中の暗色固体の迅速沈殿は、攪拌を停
止した場合起こらなかった(還元剤と沈殿間の反応の完
了を示すものは、暗色固体生成物の迅速沈殿である)。
【0030】約24時間後、このスラリーは暗褐色にな
ったが、なお溶液中に懸濁した微粉砕固体であるように
見えた。還元剤濃度を約0.93Mまで増加しても尚、
反応速度は実施例1と比較すると僅かしか増加しなかっ
た。温度を高め、約24時間後約53℃の温度で、攪拌
を停止したところ、光沢のあるきらきらした固体が、フ
ラスコの底に急速に沈殿した。溶液は透明で僅かに黄色
であった。この固体を溶液から濾別し、真空乾燥しそし
て秤量したところ、Ag金属(96%Ag)0.245
g(94%収率)を得た。濾液を10%燐酸0.5mL
で中和した。50%NaOH数滴を溶液に添加して最終
溶液pHを約12とした。この溶液をイオンクロマトグ
ラフィにより分析して、濾液3mL中にNa3 TMT
0.12g(収率約50%)を得た。
【0031】本例は、還元剤濃度を高めると、反応速度
が適度に増加することを示している。しかしながら、反
応速度増加にさらに影響するファクターは反応温度を高
めることである。実施例3 気体排出口及び添加口を備えた4mLのマイクロフラス
コにテフロン被覆磁気攪拌棒及び0.5gのAg−TM
T沈殿(52%銀)を投入した。NaBH4 (76m
g、5倍過剰)を1MのNaOH3mLに溶解し、直接
Ag−TMT沈殿に添加した。NaBH4 とAg−TM
T沈殿の混合物は、淡黄色のスラリーであった。NaB
4 の濃度は0.67Mであった。以下の工程日中、反
応温度を徐々に高めた。反応温度経過
【0032】
【表1】
【0033】23時間後、攪拌を停止したところ、光沢
のあるきらきらした固体が急速にフラスコの底に沈下し
た。溶液は透明でわずかに黄緑色であった。この固体を
溶液から濾別し、真空乾燥しそして秤量したところ、A
g金属(96%Ag)0.241g(93%収率)を得
た。濾液pHは約11.5であったので中和操作は不要
であり、未反応のNaBH4 は溶液中に残留していなか
った。溶液をイオンクロマトグラフィにより分析して、
濾液3mL中にNa3 TMT0.13g(収率約50
%)を得た。
【0034】本例の重要な特徴は、反応時間の減少であ
り、これは反応温度を65℃まで高め、かつ過剰のNa
BH4 を低減した結果として達成されたものである。反
応混合物のpHは、反応時間の間低下し、還元剤の最終
還元力はNHEに対して約−1.1であった。実施例4 4mLの反応バイアルに以下を添加した:0.5gのA
g−TMT沈殿(42%銀)、0.24gのNa2 2
4 (50%過剰、0.67M)、及び1.6MのNa
OH溶液2mL。このバイアルを70℃の油浴に入れそ
して磁気攪拌を行った。直ちに、溶液は暗緑色スラリー
に変わった。1分以内に黒色固体が溶液から分離した。
この溶液は緑色透明であった。2.5時間後、黒灰色固
体がバイアルの底に沈下し、透明暗緑色液体が上に残っ
た。溶液を0.22μmフィルターで濾過した。この固
体を40℃の真空炉で一晩乾燥した。固体塊は0.17
3gであり、その99%がAg金属(81%収率)であ
った。濾液は淡橙色であり、pH=12。2.20g/
LのNa3 TMT溶液約8.5mLを回収した(6.4
5%収率)。
【0035】本例は、約70℃の高温では、約0.67
Mの濃度で還元剤が僅か50%過剰で反応が迅速に進行
することを示している。反応温度が高ければ反応速度が
増加するが、望ましくない副反応のためにTMT収率は
低い。反応中、pHは変動するが、反応の最後であって
さえも、還元力はなおNHEに対して約−1.0Vであ
った。実施例5 4mLの反応バイアルに以下を添加した:0.253g
のAg−TMT沈殿(42%銀)、0.120gのNa
2 2 4 (40%過剰、0.35M)、及び1.75
MのNaOH溶液2mL。このバイアルを25℃の油浴
に入れそして磁気攪拌を行った。直ちに、溶液は暗緑色
スラリーに変わった。15分以内に黒色固体が溶液から
分離した。この溶液は緑色透明であった。24時間後、
溶液はもはや透明ではなく、幾分かの黒灰色固体が残っ
た。溶液を遠心分離し、固体をリンスし、次いで再び遠
心分離にかけた。液体を0.22μmフィルターを介し
て濾過し、固体を40℃の真空炉で一晩乾燥した。固体
塊は0.103gであり、その92%がAg金属(89
%収率)であった。濾液は淡黄色であった。pH=1
4。5.26g/LのNa3 TMT溶液約9.7mLを
回収した(34.8%収率)。
【0036】本例は、25℃の低温で、そして僅か40
%過剰の還元剤でさえ、本発明の反応が起こることを示
している。反応混合物のpHは、少なくとも14であっ
たので、還元力は常にNHEに対して−1.12Vであ
った。実施例6 4mLの反応バイアルに以下を添加した:0.25gの
Ag−TMT沈殿(42%銀)、0.078gのNa2
2 4 (25%過剰、0.41M)、及び1.5mL
の1.75MのNaOH溶液。このバイアルを70℃の
油浴に入れそして磁気攪拌を行った。41時間後、溶液
は灰コロイド状懸濁液であり、反応は完了したように見
えた。その時点で、反応を停止し、溶液を0.22μm
フィルターを介して濾過した。濾過された固体は黒色ペ
ーストであった。このペーストを40℃の真空炉で一晩
乾燥した。固体塊は0.135gであり、その70%が
Ag金属(90%収率)であった。濾液は淡黄色であっ
た。pH=14。2.51g/LのNa3 TMT溶液約
4.7mLを回収した(8.14%収率)。
【0037】還元力がより低い還元剤(NHEに対して
−0.9V)は、本発明方法における効果が少ないが、
有意量のAg−TMT沈殿出発材料が銀金属に転化した
が、70℃の高温での副反応のためにTMT収率は低か
ったことを、本例は示している。還元剤を僅か25%過
剰で用いることにより、転化が起こった。実施例7 TMTが、本発明反応の結果として得られることを示す
ため、幾つかの例から得られる濾液を、溶解銀を含有す
る漂白定着液又は定着液に添加した。それぞれの場合、
銀−含有溶液と接触させると直ちに黄色沈殿が形成さ
れ、これはAg−TMT固体の形成を示すものである。
【0038】本例は、沈殿剤TMTが、本発明方法によ
り可溶化された後にも、期待されるように、なお機能す
ることを実証するものである。前記例で用いられたもの
について、一般論として又は具体的に述べた本発明の反
応体及び/又は操作条件を変えることにより、前記実施
例を同様の成功裏に反復することができる。好ましい実施態様 態様1.約5より高いpHを有する銀−メルカプト−s
−トリアジン沈殿のスラリーに還元剤を添加し、次い
で、銀−メルカプト−s−トリアジンを還元して銀金属
及び溶解性メルカプト−s−トリアジン又はその塩にす
ることを含む、沈殿から銀金属及びメルカプト−s−ト
リアジンを回収する方法。
【0039】態様2.銀−メルカプト−s−トリアジン
を銀金属及び溶解性メルカプト−s−トリアジン又はそ
の塩に還元する間、前記スラリーの温度を15℃〜10
0℃の範囲に維持する態様1記載の方法。 態様3.前記スラリー内の還元剤濃度を0.05モル濃
度より高く維持する態様2記載の方法。
【0040】態様4.前記還元剤が、標準水素電極に対
して約−0.9Vよりさらに負の還元力を有する態様3
記載の方法。 態様5.前記還元剤を、前記スラリー内の銀1モル当た
り少なくとも1モル当量の量用いる態様4記載の方法。 態様6.銀−メルカプト−s−トリアジンを銀金属及び
溶解性メルカプト−s−トリアジンに還元する間、前記
スラリーの温度を45℃〜65℃の範囲に維持する態様
1記載の方法。
【0041】態様7.前記スラリーのpHが約11より
高い態様1記載の方法。 態様8.前記スラリーのpHが約14より高い態様1記
載の方法。 態様9.前記スラリー内の還元剤濃度を0.4Mより高
く維持する態様1記載の方法。 態様10.前記還元剤がpHに依存する還元電位を有す
る態様8記載の方法。
【0042】態様11.前記還元剤が、NaBH4 、N
2 2 4 及びNa2 SO3 から選ばれる態様1記載
の方法。 態様12.前記メルカプト−s−トリアジンが、トリメ
ルカプト−s−トリアジン及びその三ナトリウム塩から
なる群より選ばれる態様1記載の方法。 態様13.標準水素電極に対して約−0.9Vよりさら
に負の還元力を有する還元剤を、約11より高いpHを
有する銀−メルカプト−s−トリアジン沈殿の水性スラ
リーに添加し、次いで、銀−メルカプト−s−トリアジ
ンを還元して銀金属及び溶解性メルカプト−s−トリア
ジン又はその塩にすることを含む、銀−メルカプト−s
−トリアジン沈殿からトリメルカプト−s−トリアジン
及びその塩を回収する方法。
【0043】態様14.銀−メルカプト−s−トリアジ
ンを銀金属及び溶解性メルカプト−s−トリアジン又は
その塩に還元する間、前記スラリー内の還元剤濃度をを
0.4Mより高く、そして前記スラリーの温度を30℃
〜75℃の範囲に維持する態様13記載の方法。 態様15.前記還元剤を、前記水性スラリー内の銀1モ
ル当たり少なくとも1モル当量の量用いる態様14記載
の方法。
【0044】態様16.前記還元剤が、NaBH4 、N
2 2 4 及びNa2 SO3 から選ばれる態様15記
載の方法。 態様17.態様1記載の方法を含む銀の精製方法。 態様18.溶解性メルカプト−s−トリアジン又はその
塩を含有する溶液から銀金属を分離し、次いで前記溶液
内の溶解性メルカプト−s−トリアジン又はその塩の濃
度を約5重量%より高い値に調整し、そして溶解性メル
カプト−s−トリアジン又はその塩の溶液のpHを約1
2.5の値に調整するさらなる工程を含む態様1記載の
方法。
【0045】態様19.前記銀−メルカプト−s−トリ
アジン沈殿中のメルカプト−s−トリアジンの50%よ
り多くを、溶解性メルカプト−s−トリアジンとして回
収する態様1記載の方法。 前記記載から、当業者は、本発明の必須の特徴を容易に
確認し、その精神及び範囲から逸脱することなく、各種
の用途及び条件に適合するように本発明を変更及び修正
することができるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート シアマラ アメリカ合衆国,ニューヨーク 10707, トゥッカホエ,ダンテ アベニュー 255

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 約5より高いpHを有する銀−メルカプ
    ト−s−トリアジン沈殿のスラリーに還元剤を添加し、
    次いで、銀−メルカプト−s−トリアジンを還元して銀
    金属及び溶解性メルカプト−s−トリアジン又はその塩
    にすることを含む、沈殿から銀金属及びメルカプト−s
    −トリアジンを回収する方法。
JP5311598A 1997-03-05 1998-03-05 銀金属及びメルカプト−s−トリアジンの回収方法 Pending JPH111726A (ja)

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US08/812,366 US5759410A (en) 1997-03-05 1997-03-05 Process for recovering mercapto-s-triazines from silver precipitate
US08/812366 1997-03-05

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EP0863138A1 (en) 1998-09-09

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