JPS6318975Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は化粧料が充填された収納皿の交換を容
易に行なえ、且つ、薄く構成できるコンパクトケ
ースを提供する事を目的としている。

〔従来の技術〕

従来より化粧料が充填された収納皿は器体に穿
設された収納凹所に挿嵌され、底面に貼付された
粘着剤などによつて止着されていた。そして化粧
料を消費し終えた際など新しい収納皿と交換する
時収納凹所底面に開孔させていたピン穴にピンを
押し込み、収納皿を粘着剤の粘着力に抗して押し
上げて収納皿を取り外し新しい収納皿を装填する
という煩雑な操作を行なつていた。

そこで実開昭51−94636号公報の第４実施例に
提案されているカバー部に凹状溝を設けこの凹状
溝に係合するレール状の凸条を本体に突設した電
子卓上計算機収納具、及び、実開昭58−163104号
公報に提案されているように蓋体に蝶着した装着
基部にアリ溝を設け、化粧料収納部を有する化粧
料収納枠体に係合突条を構成して装着する構成の
コンパクトケースがある。この構成は化粧料が充
填された化粧料収納枠体を装着基部に対して摺動
させれば容易に脱着できるものであつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしアリ溝と係合突条に凹部、凸部等のスト
ツパー機構を構成してもズレは防止できるが弾性
を有していない為ガタツキが発生したりする事が
あつたり、又、化粧料収納枠体に化粧料収納皿を
装着する構成である為、厚みのある構成になつて
しまうものであつた。

本考案は以上の点に鑑がみて考案されたコンパ
クトケースである。

〔問題点を解決する為の手段〕

器体１と蓋体２の中間に装着基部３を位置さ
せ、この装着基部３には摺動孔４を穿設し、更に
該摺動孔４に貫通する摺動溝５が上面より穿設し
てある。又、前端壁５の摺動面７には凹溝８を刻
設し且つ感応突部９を突設する。

この装着基部３に装着される収納皿１０は薄肉
金属製で上端周りに庇部１１を構成し、且つ前記
装着基部３の摺動孔４に挿入されるカール部１２
を前記庇部１１の一辺縁部を延長して形成する。
該カール部１２と収納皿１０の側壁１３の距離を
前記装着基部３の前端壁６の厚みとほぼ同寸法に
構成する。そして前記凹溝８と係合し感応突部９
を乗り越える係合突部１４が側壁１３に突設して
ある。前記器体１、蓋体２及び収納皿１０が装着
した装着基部３は軸孔１６を貫通軸支する枢軸１
７により開閉自在に蝶着する。

〔作用〕

本考案は以上構成のコンパクトケースである。
薄肉金属による収納皿１０であるが庇部１１が構
成されている為装着基部３の摺動孔４に挿入され
たカール部１２を摺動させる脱着操作をしても変
形したりする事のない強度を有している。

カール部１２を装着基部３の摺動孔４に挿入さ
せて装着した時カール部１２と収納皿１０の対面
する側壁１３に装着基部３の前端壁６は弾性を有
して挾持された状態となる。又、係合突部１４も
装着時には摺動面７に刻設された凹溝８に係合し
て挾持を確実にしている。

〔実施例〕

パフ等の塗布具１５を収納する器体１と内面に
鏡２２が貼付された蓋体２は中間に装着基部３を
位置させそれぞれに軸孔１６を穿設し該軸孔１６
を貫通軸支する枢軸１７によつて開閉自在に蝶着
されている。この装着基部３は第１図に示すよう
に摺動してきたカール部１２が当接する当接端１
８を有する摺動孔４が穿設されている。

この摺動孔４に貫通する摺動溝５は摺動面７に
ではなく装着基部３上面より穿設してある。摺動
面７を有する前端壁６は上端が削られ且つ、摺動
面７には凹溝８が刻設されこの凹溝８に感応突部
９が突設されている。

化粧料１９を収納する収納皿１０は肉厚0.6mm
のアルミニウム板材で形成されている。そして上
端は庇部１１となり屈曲し折り返されている。

尚、装着基部３と係合する装着部位は第３図に
示すように庇部１１より屈曲した切片が前記摺動
孔４に挿入されるカール部１２となつている。

カール部１２と対面する収納皿１０の側壁１３
の距離は前記装着基部３の前端壁６の厚みとほぼ
同寸法に構成されている。

又、カール部１２と対面する収納皿１０の側壁
１３には、前記前端壁６の摺動面７に刻設された
凹溝８と係合し、カール部１２が摺動孔４に挿入
されカール部１２端が摺動孔４の当接端１８に当
接する直前に感応突部９を乗り越える係合突部１
４が突設している。

尚、装着基部３の摺動孔４に当接端１８を設け
ず貫通した孔とし、凹溝８の刻設を収納皿１０の
係合突部１４が感応突部９を乗り越えた位置まで
としておいても装着時のストツパ部２０とする事
が可能となる。

又、装着基部３の前端壁６の摺動孔４入口付近
を削除して収納皿１０装着時にカール部１２を挿
入し易くする事も可能である。

さらに第４図に示すように前端壁６の厚みをカ
ール部１２と収納皿１０側壁１３の間隔より薄く
し、収納皿１０の係合突部１４を大きくし係合突
部１４とカール部１２で前端壁６を挾持する構成
とした場合は、第８図、第９図、第１０図、に示
すよう前端壁６が、弾性を有して屈曲できるよう
に切り欠き部２１，２１′，２１″を穿設しておく
と装着時に収納皿１０の庇部１１と前端壁６との
双方の弾性を利用した挾持となり、より確実な保
持とる事ができるものである。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、カール部１２を
装着基部３の摺動孔４内に摺動させるという簡単
な操作で収納皿１０を交換する事ができるのみで
なく、携帯時及び使用時に器体１に対するガタツ
キを防止し且つ、係合突部１４が摺動溝５の感応
突部９を弾性による抵抗力をもつて乗り越えてい
る為使用時化粧料１９をパフ等の塗布具１５で摩
擦する多少の摺動方面への押圧力が作用しても不
用意な抜脱は防止される。

さらに、収納皿１０は化粧料１９の厚みと皿体
の肉厚の厚みしかなく薄く構成する事のできるコ
ンパクトケースを提供するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の分解斜視図、第２図
は、本考案実施例の側断面図、第３図、第４図
は、本考案実施例の装着基部と収納皿を装着した
時の部分断面図、第５図、第６図、第７図、第８
図、第９図、第１０図は、本考案実施例の装着基
部の斜視図。 １……器体、２……蓋体、３……装着基部、４
……摺動孔、５……摺動溝、６……前端壁、７…
…摺動面、８……凹溝、９……感応突部、１０…
…収納皿、１１……庇部、１２……カール部、１
３……側壁、１４……係合突部、１５……塗布
具、１６……軸孔、１７……枢軸、１８……当接
端、１９……化粧料、２０……ストツパ部、２
１，２１′，２１″……切り欠き部、２２……鏡。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) パフ等の塗布具１５を収納する器体１と、 該器体１と蓋体２の中間に位置して摺動孔４
   を穿設し、該摺動孔４に貫通する摺動溝５が上
   面より穿設され、上端が削られた前端壁６の摺
   動面７には凹溝８が刻設され、さらに感応突部
   ９が突設された装着基部３と、 薄肉金属によつて皿状に形成され、上端は庇
   部１１となつて屈曲し、前記装着基部３の摺動
   孔４に挿入されるカール部１２が庇部１１の一
   辺縁部を延長して形成され、前記カール部１２
   と対面する収納皿１０の側壁１３との距離が、
   前記装着基部３の前端壁６の厚みとほぼ同寸法
   に構成され、前記側壁１３は前記凹溝８と係合
   し感応突部９を乗り越える係合突部１４が突設
   した収納皿１０とからなり前記器体１、蓋体２
   及び収納皿１０が装着した装着基部３は軸孔１
   ６を貫通軸支する枢軸１７により開閉自在に蝶
   着してなるコンパクトケース。 (2) 前端壁６の厚みをカール部１２と収納皿１０
   側壁の間隔より薄くし、係合突部１４とカール
   部１２で前端壁６を挾持する構成に於いて装着
   基部３の前端壁６が弾性を有して屈曲できる切
   り欠き部２１を穿設した事を特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のコンパクトケー
   ス。