JPS63186778A - 金属表面処理組成物 - Google Patents

金属表面処理組成物

Info

Publication number
JPS63186778A
JPS63186778A JP1954287A JP1954287A JPS63186778A JP S63186778 A JPS63186778 A JP S63186778A JP 1954287 A JP1954287 A JP 1954287A JP 1954287 A JP1954287 A JP 1954287A JP S63186778 A JPS63186778 A JP S63186778A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
chromium
group
acid
coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1954287A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Miyosawa
三代沢 良明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP1954287A priority Critical patent/JPS63186778A/ja
Publication of JPS63186778A publication Critical patent/JPS63186778A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アルコキシ(又はアルコキシアルコキシ)シ
ラン基を樹脂骨格中に必須成分として含有する有機系樹
脂と粒径が500mJL以下のシリカ粒子とを反応させ
てなる複合体樹脂に、6価クロムよりなるクロム化合物
を混合してなる組成物を金属表面に塗布し、高度の耐食
性と塗装下地性を有する処理表面を与えることを目的と
する金属表面処理組成物に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする問題点]従来、
金属の耐食性と塗装下地性を付与する目的で、リン酸塩
処理またはクロム酸塩処理が一般的方法として古くから
利用されている。また、近時、公害対策を目的として6
価クロム化合物、フッ素化合物、リン酸化合物などを利
用しない表面処理剤の開発がなされている。この目的の
表面処理剤として本出願人は水分散性シリカと水性有機
重合体樹脂とを主成分とする無機−有機複合体組成物を
提案した(たとえば、特公昭54−34406号公報、
特公昭54−34783号公報、特公昭54−3478
4号公報、特公昭55−41711号公報、特公昭55
−41712号公報、特公昭55−41713号公報、
特公開57−30867号公報、特開昭60−1990
74号公報等参照)、かかる組成物は従来のリン酸亜鉛
処理、クロム酸塩処理に匹敵する効果が得られ、また、
塗布無水洗型であるため処理工程の省力化が図られるな
どの効果から無公害型の金属表面処理剤として実用化さ
れている。
しかしながら、その効果は従来公知の一般的表面処理技
術と同等ないしはやや良好な程度であること、皮膜の形
成に焼付けが必要であり、硬化不足では皮膜の耐水性、
耐薬品性(たとえば、耐アルカリ性、耐酸性、耐有機溶
剤性など)が劣るなどの欠点が生じるため比較的高温の
焼付炉の設置が必要であることなどさらに改善する余地
が残されている。
[問題を解決するための手段] そこで、本発明者らは上記の欠点を改良し、さらに従来
公知の方法に比べて格段に優れた耐食性と塗装下地性を
付与する表面処理組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた
結果、本出願人の開発になる上記無機−有機複合体組成
物(以下このものを単に「シリカ複合体」と略称する)
にさらに6価クロムよりなるクロム化合物を混合含有せ
しめた組成物を金属表面に塗布して乾燥することにより
形成した皮膜が、従来のクロム醜塩処理皮膜[たとえば
、反応型クロメート系や、シリカ−クロメート(特公昭
45−38891号公報参照)、有機樹脂−クロメート
(特公昭56−39393号公報参照)などの塗布無水
洗型クロメート系など]、リン酸亜鉛処理皮膜、シリカ
複合体処理皮膜に比べて、耐塩水噴霧試験(JIS−2
371)における耐久性が数倍にも達する憬れた耐食性
を示すとともに塗装下地性としても優れた密着性を示す
こと、並びに出願人が先に提案したシリカ複合体処理に
比較して低温度で硬化させ得ることを見出し本発明を完
成するに至った。
本発明による組成物は、塗布無水洗型であるため、有害
成分である6価クロムの流出、飛散あるいは排水、スラ
ッジ発生などの問題がなく且つ低公害型、処理工程の省
力化などの優れた特徴を備えている。
かくして本発明に従えば、ジまたはトリ(アルコキシ又
はアルコキシアルコキシ)シラン基を有機樹脂骨格中に
含有せしめた有機系樹脂(以下「シラン化樹脂」と称す
る)とシリカ粒子とを水と無機酸又は有機酸の存在下に
、10℃以上沸点以下の温度範囲で反応せしめてなる有
機−無機複合体樹脂(以下、「複合体樹脂」と称する)
組成物に6価クロムよりなるクロム化合物を混合してな
る金属表面処理組成物が提供される。
本発明で用いる複合体樹脂はたとえば下記の方法によっ
て合成することができる。
(A)水分散性シリカ、水溶性もしくは水分散性のシラ
ン化樹脂、水および無機酸又は有451酸からなる混合
物を10℃以上沸点以下の温度範囲で反応せしめる。
(B)有機溶剤分散性シリカ、有機溶剤溶解(もしくは
分散)性のシラン化樹脂、有機溶剤、水および無機酸又
は有機酸からなる混合物を10℃以上沸点以下の温度範
囲で反応せしめる。
以下に、該複合体樹脂の製造方法についてさらに詳細に
説明する。
(1)シリカ粒子 本発明で用いるシリカ粒子とは、−次粒子径が5〜50
mル、二次粒子径が500mg以下の超微細な無定形の
シリカ粒子が好適に用いられ、粒子表面にシラノール基
を有しており、市場への供給形態によってたとえば下記
の3種類に分類され、いずれも本発明に用いることがで
きる。
(1)−1シリカ微粉末ニ一般に乾式シリカと称される
一次粒子径が5〜50mILのもので、四塩化ケイ素の
燃焼によって製造される。このシリカ微粉末は上記の合
成方法(A)、(B)に従って、水分散液又は有機溶剤
分散液のいずれかの形態にして使用される。具体的には
デグサ社の商品名「アエロジル」などが利用できる。
(1)−2水分散性シリカ:いわゆるコロイダルシリカ
であって、水ガラスの脱ナトリウム(イオン交換法、酸
分解法、解膠法)によって製造され。
−次粒子径が5〜50mpで、このものは通常水性分散
液として供給されており、それをそのまま前記合成方法
(A)に使用することができる。
該コロイダルシリカは、水分散液の状態で酸性側、塩基
性側のいずれであっても用いることができ、水溶性もし
くは水分散性のシラン化樹脂との反応は酸性領域で行な
うため、酸性側のコロイダルシリカ、例えば商品名スノ
ーテックス−〇またはスノーテックスOL(日産化学工
業■製)で市販されている非安定化シリカ(pH2〜4
)が利用できる。一方、塩基性側のコロイダルシリカと
しては、微量のアルカリ金属イオン、アルミニウムイオ
ン、アンモニウムイオン又はアミンの添加によって安定
化したシリカ(pH8、4〜10)があり、商品名スノ
ーテックス20、スノーテックスC、スノーテックスN
(以上は日産化学工業■製)などをあげることができる
(1)−3前記合成方法CB)で用いる有機溶剤分散性
シリカ(以下、このものを「オルガノシリカゾル」と称
す)は、例えば米国特許第2.285.449号に記載
された有機溶剤に分散されたものがあげられる。すなわ
ち、水性コロイダルシリカを有機溶剤で置換したメタノ
ール又はインプロパツール、ブトキシエチルアルコール
などのアルコール分散媒体が実用的に供されており、具
体的には触媒化成工業■製の商品名「オスカル」などが
あり、本発明ではいずれのタイプも使用することができ
る。
(2)シラン化樹脂 これは、上記シリカ粒子と反応せしめて複合体樹脂を製
造するためのものであって、有機樹脂骨格に、ジまたは
トリ(アルコキシまたはアルコキシアルコキシ)シラン
基(以下「アルコキシシラン基」と略称する)を結合せ
しめてなるものである。
該シラン化樹脂は、1分子中に2〜3個のアルコキシシ
ラン基および少なくとも1個の後述する特定官能基を有
してなるアルコキシシラン化合物を、それ自体で重合、
もしくは重合性不飽和ビニル単量体と共に共重合せしめ
るか、または有機樹脂と反応せしめることによって得ら
れる。
(2)−1アルコキシシラン化合物 1分子中に2〜3個のアルコキシシラン基と少なくとも
1個の特定官能基とを有する化合物であって、該特定官
能基として、例えばビニル基(CH2=CH−)、アミ
ノ基(NH2−) 、グカプト基(HS−)などがあげ
られ、該化合物は、いわゆるファンクショナルシラン化
合物またはシランカップリング剤とも称されており、下
記一般式で表わされるものから選ばれた1種もしくは2
種以上が使用できる。
一般式 %式%) [式中、R′は前記特定官能基を有するもので、ビニル
基、γ−アミノプロピル基、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピル基、γ−メルカプトプロピル基、γ−グ
リシドキシプロビル基、γ−メタクリルオキシプロピル
基、Kは炭素数1〜8のアルキル基、アルキルアルコキ
シ基、アリル(Al 1yl)基、アリール(Aryl
)基およびこれらのアルコキシル基、nは1〜2の整数
である] かかる一般式で示されるアルコキシシラン化合物として
、例えば、ジビニルジェトキシシラン、ジビニル−β−
メトキシエトキシシラン、ジ(γ−グリシドプロピル)
ジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル
トリス−β−メトキシエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロビルトリメトキシシラン、β(3,4エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタク
リルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシランなどをあげることができ
る。
本発明において、上記一般式で示されるアルコキシシラ
ン化合物のうち、特に好適に使用できるものとして、γ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエト
キシ)シラン、γ−グリシドキシプロビルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが
あげられる。
(2)−2ビニル単量体 これは、重合性不飽和結合を少なくとも1個有する単量
体であって、前記アルコキシシラン化合物のうち、ビニ
ル基を有する化合物と反応(共重合)せしめてシラン化
樹脂を製造するのに有用である。該ビニル単量体として
は、例えば以下に列挙するものが使用できる。
アクリル酸のアルキル(炭素数1〜22)エステル単量
体類、メタクリル酸のアルキル(炭素数1〜22)エス
テル単量体類、カルボキシル基含有ビニル単量体類、ア
ミノ基含有ビニル単量体類、グリシジル基含有ビニル単
量体類、その他のビニル単量体類(たとえば、スチレン
、ビニルトルエン、アクリロニトリル、塩化ビニル、酢
酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブテン、フチレン、
インブチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン、塩
化ビニリデンなど)などがある。
本発明において、シラン化樹脂の製法の一例としてビニ
ル基含有アルコキシシラン化合物のみを重合せしめるこ
とがあげられるが、それによって得られるシラン化樹脂
の硬さ、柔軟性、架橋性などを付与する目的で、上記し
た各種ビニル単量体を共重合せしめることが好ましい、
ビニル単量体を共重合させる割合は、ビニル基含有アル
コキシシラン化合物との合計量にもとづいて、30重量
%以下、好ましくは5〜20重量%が適している。そし
て、これらの重合ならびに共重合は、通常の溶液重合、
エマルジョン重合、懸濁重合などによって行なわれる。
かかる重合もしくは共重合反応によって得られた生成樹
脂(シラン化樹脂)の骨格には、ビニル基を有するアル
コキシシラン化合物に含まれる2〜3個のアルコキシシ
ラン基が結合しているのである。また、この重合体をア
ルキド、エポキシ、ポリブタジェン、ポリウレタン、フ
ェノール樹脂もしくはアミン樹脂などによって変性した
ものも使用できる。
(2)−3有機樹脂 これは、前記アルコキシシラン化合物が有する特定官能
基(例えば、アミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基
など)と反応する官能基、例えばエポキシ基、メチロー
ル基、−NHCONHCH20H、カルボキシル基、エ
ステル基、アルデヒド基、カルボニル基、ハロゲン元素
、アミノ基、水酸基、不飽和結合、インシアネート基、
メルカプト基などから選ばれた1種もしくは2種以上の
官能基を側鎖および(または)主鎖に有する有機樹脂で
ある。
かかる官能基を有する有機樹脂としては、例えば、アク
リル系共重合体樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノキシ樹脂、ポリブタジェン樹脂、−塩基酸(脂肪酸
も含む)もしくは多塩基酸変性ポリブタジェン、メチロ
ール化フェノール樹脂、メチロール化尿素樹脂、メチロ
ール化メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、墳化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、アルカノールアミン変性ポリ
ウレタン樹脂、アミンまたはポリアミン変性エポキシ樹
脂、アミン−ウレタン変性エポキシ樹脂、α拳オレフィ
ンーα・β不飽和カルボン酸共重合体、ポリカルボン醸
樹脂、アルデヒド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、不飽
和結合を導入したアクリル樹脂、アルキド樹脂ならびに
エポキシ樹脂、ポリビニルアセタール類、合成乾性油、
マレイン化油、合成ゴムおよびこれらの2種以上の混合
物、付加縮合物などがあげられ、これらは水溶化(もし
くは水分散化)が可能なものあるいは有機溶剤に可溶な
もののいずれでも使用でき、水溶性(もしくは水分散性
)の樹脂は前記(A)による複合体樹脂の製造に、また
有機溶剤可溶型樹脂は前記(B)による複合体樹脂の製
造に使用される。前記した樹脂の中で1本発明に好適な
ものは、有機溶剤可溶で、分子内に水酸基を含有する樹
脂であり、中でもアクリル系共重合体、アルキド樹脂、
エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール
類が好適である。
上記のアルコキシシラン化合物と有機樹脂とを反応せし
めて、アルコキシシラン基を共有結合的に有せしめてな
るシラン化樹脂を製造するにあたり、アミン基(特定官
能基)を有するアルコキシシラン化合物に対しては、例
えば、エポキシ基、メチロール基、−NHCONHCH
20H。
カルボキシル基、アルデヒド基、カルボニル基、ハロゲ
ン元素などを有する有機樹脂を反応させることが好まし
い、また、グリシドキシ基含有アルコキシシラン化合物
に対しては、例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基
などを有する有機樹脂を反応せしめることが好ましい、
さらに、メルカプト基を有するアルコキシシラン化合物
に対しては、例えば重合性不飽和結合、インシアネート
基、メルカプト基などを有する有機樹脂を反応せしめる
ことが好ましい。
このような反応は、後記する酸触媒などの存在下で、付
加または縮合などの反応で行なわれる。
このように、アルコキシシラン化合物は、それ自体また
はビニル単量体もしくは有機樹脂との間に、重合反応、
付加反応、縮合反応などによって結合しており、その結
果、アルコキシシラン基を共有結合的に樹脂骨格中に導
入してなるシラン化樹脂が得られるのである。
所望により、これらのシラン化樹脂を水溶化もしくは水
分散化するには、樹脂骨格中に導入された官能基(水酸
基、カルボキシル基及びアミ7基)に応じて、酸性樹脂
の場合にはアミン化合物(例えばモノエチルアミンに代
表される脂肪族アミン類、ジェタノールアミンに代表さ
れるアルカノールアミン類、ピリジンなどの環状アミン
類)、アンモニア水又はアルカリ金属水酸化物で中和す
ることによって、一方、塩基性樹脂の場合には酢酸、乳
酸などの脂肪酸やリン酸などの鉱酸で中和することによ
って達成することができる。
本発明で用いるシラン化樹脂において、′有機樹脂(ア
ルコキシシラン化合物以外の構成するビニル単量体も含
む)とアルコキシシラン化合物との構成割合は、固形分
の重量百分比で、有機樹脂が70〜99%、好ましくは
80〜95%、アルコキシシラン化合物が30〜1%、
好ましくは20〜5%であって、アルコキシシラン化合
物が1%未満ではシリカ粒子との架橋効果が十分でなく
、また、30%を越えて添加しても、架橋効果を更に著
しくすることはできない。
(3)複合体樹脂 これは、上記したシリカ粉末とシラン化樹脂とを、水お
よび無機酸または有機酸の存在下で10℃以上、沸点以
下の温度範囲で反応せしめることによって得られる。
本発明での複合体樹脂製造におけるシリカとシラン化樹
脂との配合割合は、固形分の重合百分比で5:95ない
しは75:25、好ましくは20:80ないしは60:
40である。シリカが5重量%未満であると形成被膜の
耐食性が低下し、シリカが75%を越えると形成皮膜の
たわみ性、連続皮膜性が十分でなく亀裂を生じ易く、皮
膜内部での凝集破壊が起り易く上塗塗膜との付着性が十
分に得られない。
本発明における複合体樹脂を製造するに際しては、まず
、シラン化樹脂のアルコキシシラン基中のアルコキシ基
を加水分解してシラノール基(Si−OH)とすること
が必須条件となる。かかる加水分解触媒とて水および無
機酸あるいは有機酸が必要である0反応系中における水
の存在割合が反応速度に及ぼす影響は一般には特に著し
いものではないが、極端に少くない場合、たとえば、0
.1重量%未満では加水分解が緩慢にすぎ、実用性は乏
しい。
加水分解触媒として用いられる無機酸または有機酸は解
離定数値(PKa)が7以下の水溶性酸類が好ましい、
具体的には塩酸、硫酸、硝酸、塩素酸、リン酸、オルト
リン橢、蟻醜、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、乳酸
、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、没食子酸
などをあげることができる。また、反応は緩慢ではある
が塩基性触媒(金属水酸化物、アンモニア、アミン類)
も使用することができる。
複合体樹脂を製造するには、まず、シラン化樹脂をその
形態に応じて、水又は有機溶剤に溶解又は分散させて固
形分40重量%以下として反応容器に仕込み、攪拌しな
がら加水分解触媒の水溶液を滴下する。引続いて、水分
散又は有機溶剤分散したシリカ成分を加え十分に混合す
る。この混合液は常温下、好ましくは10℃以上で熟成
することによって複合体樹脂とすることができるが、強
じんな被膜を得るめには混合液を50℃以上。
沸点(通常105〜110℃程度)以下の温度で連続的
に加熱することが望ましく、具体的には50〜90℃で
加熱することによって2成分(シラン化樹脂、シリカ)
間の結合が充分に行われる。加熱を継続するにしたがっ
て混合液の粘度は徐々に上昇するが、遂にはほぼ一定と
なり変化が認められなくなるから、その時期をもって終
点とし加熱を停止すれば良い0通常は終点に至るまでに
0.5〜5時間を必要とする。
本発明においては、上記のシリカ複合体に、必須成分と
して6価クロムよりなるクロム化合物が添加されるが、
かかる化合物として下記に例示するものなどがある。
一ジ量」−匹差ゴし色物: 無水クロム酸(Cr03)、クロム酸リチウム(Li2
 CrO4*2H20)、クロム酸ナトリウム(Na2
 CrO4a l0H20)、クロム酸カリウム(K2
 Crom ) 、クロム酸アンモニウム(、(NH4
)2 Cr04)、重クロム酸ナトリウム(Na2 C
r20.e 2H20)、重クロム酸カリウム(K2 
Cr207)、ffiクロム酸アンモニウム((NH4
)2Cr207)、クロム酸ストロンチウム(s rC
r04 )、クロム酸バリウム(BaCro4 )、 
クロム酸鉛(PbCrO4)、 クロム酸カルシウム(
CaCrO<)、塩基性クロム酸亜鉛(Z nCr 0
4 ・4Zn (OH) 2 ) 、塩基性クロム酸亜
鉛カリウム(K2O・4ZnO・4Cr03  * 3
H20)、Iy、ド拳シリコクロメート (S i 0
2  ・P bCro4)など。
クロム  ロム   ニ クロム酸クロムは6価クロムと3価クロムよりなる複合
化合物である。かかる化合物を製造する方法は特に限定
されるものでなく、上記の水溶性クロム酸及び塩類をメ
タノール、エタノールなどの1価アルコール類;でん粉
、ソルビトール、エチレングリコール、グリセリンなど
の多価アルコール類;ハイドロキノン、カテコールなど
の芳香族多価アルコール;しょ糖、グルコースなどの多
糖類;ホルマリンなどのアルデヒド類;過酸化水素、ヒ
ドラジンなどの無機化合物など酸化分解生成物が残存し
ない化合物で還元することによって得られる。これらの
還元剤の使用量はクロム酸クロム中の6価クロムの所望
量に応じて化学量論的に定められ、加熱することによっ
て還元反応をおこなうことができる0本目的に好適なり
ロム化合物としては可溶性金属類を含まない無水クロム
酸を用いることが好ましい。
本発明におけるクロム化合物の配合量は、シリカ複合体
の固形分の比率で40重量%以下、好ましくは1〜30
重量%の範囲である。添加量が40重量%を越えると部
分的に凝集物が生じて均一な組成物が得られなくなると
ともに、皮膜の耐水性が低下しブリスター発生を引き起
し、さらに6価クロムが溶出する恐れがある。一方、添
加量が1重量%以下では十分な耐食効果が得られない。
本発明の組成物のすぐれた耐食性の効果については、未
だこれを十分に明らかにするに至っていないが、下記の
作用機構が予想される。すなわち、組成物中の6価クロ
ム化合物による金属表面における不f@態化膜の形成、
及びシリカ複合体中のシリカ成分との複合的作用による
防錆皮膜の形成が考えられる0例えば、本発明の組成物
を金属板に塗布したのち、有機溶剤(塩化メチレン)及
びイオン交検水にて反覆処理して塗布膜を除去し、金属
表面をけい光X線分析、X線マイクロアナライザー分析
、光電子分光分析等により観察したところ、クロム、ケ
イ素の元素が検出された。このことは本発明の組成物を
金属に塗布すると同時にクロム、ケイ素(コロイダルシ
リカ及びシラン化合物に由来する)が金属面に選択的に
配向して皮膜を形成することを示唆している。
また1本発明の組成物を塗布した処理板の硬化成膜過程
で、クロム化合物中の3価クロムおよび6価クロムの酸
化還元反応によって生じた3価クロムとシリカ複合体中
の官能基(水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、ア
ミ7基など)との架橋反応によって、形成塗膜が緻密化
され、腐食形成要因物質を遮断する障壁的皮膜となり且
つ前記のクロム−ケイ素よりなる皮膜との相剰的効果に
よって、優れた耐食性を示すものと考えられる。
本発明において上記の必須および所望成分の他に必要に
応じて下記の物質を併用し更に硬化性、防食性、被膜の
潤滑性、通電性などを付与することができる。すなわち
、特公昭55−41711号公報に記載の如きチタン、
ジルコニウム、アルミニウムなどのキレート化合物、特
公昭57−30887号公報及び特開昭55−6297
1号公報に記載の如き酸素酸塩類、金属塩類等を併用す
ることによって、低温硬化が可能となる。
また、通常公知の防錆用顔料(例えば、鉛丹、亜酸化鉛
、シアナミド鉛、鉛庸カルシウム、塩基性硫酸鉛、リン
酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カリウム、メ
タホウ酸バリウムなど)や防錆剤(フェノール性カルボ
ン酸類、有機リン酸類、フィチン酸、尿素誘導体類、イ
ミダゾール誘導体類、亜硝酸塩類など)などを添加して
防食性を向上させることが可能である。また、二硫化モ
リブデン、ポリエチレン樹脂粉末、フッ素樹脂粉末など
を併用して被膜の潤滑性を高め加工性を向上させること
も可能である。
また、導電性物質を混合して通電性皮膜を形成する組成
物とすることもでき、それによって電気溶接性、電気泳
動塗装性を付与することができる。かかる導電性物質と
しては、例えば亜鉛、アルミニウム、鉄、コバルト、ニ
ッケル、マンカン、クロム、モリブデン、タングステン
、銅、鉛、錫などの金属粉末及びそれらの合金粉末、導
電性カーボン、黒鉛の粉末、リン化鉄粉末、アルミニウ
ムドープ酸化亜鉛粉末、酸化スズ−酸化チタン、酸化ス
ズ−硫酸バリウム、酸化ニッケルーアルミナなどの半導
体酸化物などがあげられる。
また、通常の加飾用に用いられる有彩色顔料あるいは体
質顔料あるいは染料等を分散させて、有彩色透明皮膜あ
るいは光学的隠ぺい性を有する皮膜を形成する組成物と
することもできる。
該複合体樹脂の樹脂酸化が40以上の場合には、アルカ
リ成分(たとえば、アンモニア、アミン、金属水酸化物
等)で中和処理することにより水溶化または水分散化す
ることも可能である。
さらに必要に応じて、従来公知の有機溶剤系又は水系有
機樹脂のうち該複合体樹脂と相溶する樹脂を混合し、併
用して諸性能を向上させることもできる。
本発明の組成物が塗装に供される被塗物としては、通常
の金属(素材または成形品)であれば良く、例えば鉄、
アルミニウム、亜鉛、錫、銅、ニッケル、クロム及びそ
れらの金属の合金類(合金金属としては、例えば、亜鉛
、アルミニウム、クロム、ケイ素、コバルト、ジルコニ
ウム、スズ、チタン、鉄、鉛、ニッケル、マグネシウム
マンガン、モリブデン、リンなどの一種又は2種以上に
よりなる)及びこれらの金属の複層金属板(2層以上の
多層)、更にこれらの金属類に金属の防錆、塗装下地性
を付与する目的で行われる一般公知の金属表面処理を施
した金属類、例えばリン酸鉄、リン酸亜鉛、リン酸鉄亜
鉛、リン酸カルシウムなどのリン酸塩処理、クロム酸、
クロム酸クロム、リン酸クロム、電解クロメートなどの
クロム酸塩処理、陽極酸化処理、ベーマイト処理などを
施した表面処理金属をあげることができる。
本発明によって得られた表面処理組成物は、特にクロメ
ート系表面処理を施した上に塗布すると、耐水性、耐湿
性、耐アルカリ性は言うに及ばず、すこぶる顕著な耐食
性を示す皮膜を形成する。クロメート系表面処理を施す
に際して、省力化、合理化、低公害化を目的とする場合
や、自動車防錆鋼板を対象とした片面防錆処理を目的と
する場合には、特公昭45−38891号公報に記載さ
れているような無水洗塗布型のクロメート処理が好適で
あり、片面処理の場合には電解クロメート法も有効であ
る。
本発明に係る表面処理組成物は、前記した複合体樹脂か
ら選ばれた1種もしくは2種以上を主成分とし、さらに
必要に応じてエポキシ樹脂および(または)アミノ樹脂
、キレート化合物、酸素酸塩類、金属塩類、防錆顔料、
防錆剤、樹脂粉末、導電性物質、有彩色顔料1体質顔料
、中和剤などを添加して調製する。
そして、該表面処理組成物は、固形分濃度を5〜40重
量%、好ましくは15〜30重量%溶液に調製し、前記
金属被塗物に従来公知の方法で塗装することによって該
金属の表面処理が行われるのである。該組成物塗1r1
1I!lI厚は特に制限されないが、通常は乾燥膜厚を
基準として1〜30ミクロンとすることが好ましい。
塗装方法としては1例えばへヶ塗り、スプレー塗り、ロ
ール塗り、電着塗装、浸せき塗りなどの方法が利用でき
るので、コイル塗装から複雑な形状物、屋外構築物など
広範囲の用途に応用できる。
本発明の組成物の硬化は、複合体樹脂の製造に用いる、
有機樹脂を構成する成分の種別と性質に応じて、例えば
常温〜300℃の温度で2秒〜30程度度の自然乾燥な
いしは加熱によって行なわれる。
また、複合体樹脂中の有機樹脂に重合体不飽和二重結合
を導入したものを用いれば、電子線または紫外線硬化法
を用いることによって、通常の電子線照射装置(100
〜300KeV、30〜100 mA)または紫外線照
射装置(30〜120W / c層高圧水銀ランプ)で
硬化させることもできる。
このようにして塗装して形成せしめた本発明に係る表面
処理組成物の被膜は塗装下地処理性に浸れている。すな
わち、従来、公知のリン酸塩、クロメート処理被膜に比
べて該処理被膜面に塗装した塗膜との6付着性と耐食性
などがすぐれており、かつ、無公害であることも大きな
利点である。
また、本発明者が前記特公昭53−5914号公報など
で提案した有機−コロイダルシリカ複合体による表面処
理被膜に比べ、本発明による被膜は耐水性、耐アルカリ
性、その表面に塗装した塗膜との付着性、耐有機溶剤性
などがすぐれているのである0本発明に従って表面処理
して形成された被膜面に塗装する塗料は特に制限されず
、公知の溶剤系、水系、無溶剤系、粉体系などのいずれ
も塗布することができ、塗装目的によって単層被覆から
二、三層重ね塗り等の多層被覆のいずれも可能である。
また、これらの塗料の塗装方法、焼付も、スプレー、浸
漬、ロール、電気泳動、静電等いずれの塗装も可能であ
り、焼付は上塗塗料の種類に応じて、常温硬化から加熱
硬化(約350℃まで可能)、赤外線硬化、紫外線硬化
、電子線硬化などいずれの方法でも可能である。上塗塗
料の塗装系としては、例えば、自動車用などの電着塗装
−中塗塗装−上塗塗装システム、プレコートメタルなど
のプライマー塗装−トップコートシステム、電化製品、
鋼製製品などのワンコートシステム、船舶、橋梁、パイ
プなどの重防食塗装システム、塗料以外の樹脂ライニン
グ、樹脂ラミネートシステムなども可能である。
[実施例] 以下に実施例及び比較例を示す、これらの例は本発明を
より詳細に説明するためのものであって、本発明の範囲
を制限するものではない0部及び%は重量部及び重量%
を示す。
1、 ロム クロム  ・ 無水クロム酸44.8 gを水150gに溶解し。
小麦澱粉3.9gを加え、引き続き30分間沸騰して部
分還元した0分析の結果、生成した溶液はpH1,9で
6価クロムと全クロムとの比率は0.68:1であった
。さらに6価クロムと全クロムとの比率を化学量論的に
設計し、上記方法にもとすいて6価クロムの比率の異な
ったクロム酸クロム液を各種調製した。
2、シランヒ シラン −アクリル    、      1温度計、
攪拌機、冷却器、滴下ロートを備えた300−の四ツ目
フラスコにイソプロピルアルコール100部を入れ、フ
ラスコ内の空気を窒素ガスで置換後、フラスコ内の温度
を85℃に調整し、スチレン18部、メチルメタクリレ
ート25部、n−ブチルアクリレート20部、N−n−
ブトキシメチルアクリルアミド7部、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート10部、アクリル酸10部、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業
■製、商品名rKBM503J)10部、およびアゾビ
スイソブチロニトリル3部よりなる単量体混合物を滴下
ロートより約2時間を要して滴下する0滴下終了後、同
温度にて1時間保ち、ついでアゾビスジメチルバレロニ
トリル1部とイソプロピルアルコール43部を滴下して
、同温度にて4時間反応を続けると重合率がほぼ100
%、固形分約41%の無色透明な樹脂溶液を得た。
シランヒーアルキド      ? フラスコ中にアマニ油100部、トリメチロールプロパ
ン70部、リサージ0.07部を入れ、攪拌しながら窒
素気流中で220℃まで加熱し、この温度で30分間反
応させた後、冷却し、70℃になったところで無水フタ
ル酸110部、キジロール13部を加え、撹拌しながら
220℃まで加熱し、キジロール還流下で反応させ、酸
価が15まで下がったときに反応を打切り、80℃まで
冷却したときにキジロール38部、エチレングリコール
モノエチルエーテル32部を加え、固形分約70%で、
酸価15、水酸基価的48のアルキド樹脂溶液を得た。
つづいてこのアルキド樹脂溶液をエチレングリコールモ
ノエチルエーテルで固形分が40%になるまで希釈し、
このアルキド樹脂溶液110部とγ−グリシドキシプロ
ビルトリメトキシシラン(信越化学工業■製、商品名r
KBM403J )5部を加え、窒素気流中で200℃
まで昇温し、この温度で2時間加熱還流して、固形分約
42%、の無色透明な樹脂溶液を得た。
シラン −エポキシ      3 エポキシ当量950を持つビスフェノールAタイプのエ
ポキシ樹脂(シェル化学■製、商品名、エピコート10
04)50部をエチレングリコールモノエチルエーテル
25部とブチルカルピトール25部の混合溶剤に溶解し
、この溶液に撹拌下でγ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン(信越化学工業■製、商品名rKBM602J 
)5部を滴下する。この混合物を窒素気流中で120℃
に昇温し、この温度で2時間還流下で加熱した後、冷却
し70℃まで下ったときにエチレングリコールモノエチ
ルエーテル25部を加え、固形分約40%の無色透明な
樹脂溶液を得た。
シランヒーアミン  エポキシ  の   4エポキシ
当量500を持つビスフェノールAタイプのエポキシ樹
脂(シェル化学■製、商品名エピコート1001)50
部をエチレングリコールモノエチルエーテル25部とブ
チルカルピトール25部の混合溶剤に溶解し、この溶液
に攪拌下でジイソプロピルアミン5部、ジェタノールア
ミン2部、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン5部
を順次滴下混合する。ついでこの混合物を窒素気流中で
120℃に昇温し、この温度で2時間還流下で加熱した
後、冷却し、70℃まで下がったときにエチレングリコ
ールモノエチルエーテル20部を加え、固形分約38%
の無色透明な樹脂溶液を得た。
シラン化樹脂の合成例1で得たシラン化アクリル共重合
体系樹脂溶液500部に対してジメチルアミノエタノー
ル108部を混合し、加水し充分に攪拌することによっ
て、固形分20%、pH約10のアクリル共重合系樹脂
水分散液を得た。この水分散液300部をフラスコに仕
込み、窒素ガス気流下で十分攪拌しながら、40%オル
トリン酸水溶液20gを徐々に滴下する。つづいてコロ
イダルシリカ(日産化学工業■製、商品名、「スノーテ
ックス−NJ)の固形分20%の水分散液200部を徐
々に滴下する。この混合物を85℃に加熱して、同温度
で2時間還流下で保持して反応せしめ、固形分約20%
の無色透明な水分酸性の複合樹脂液lを得た。
の     2 シラン化樹脂の合成例1で得たシラン化アクリル共重合
体樹脂溶液の固形分をエチレングリコールモノエチルエ
ーテルで30%に調整した溶液200部をフラスコ中に
仕込み、窒素ガス気流下で十分攪拌しながら、40%オ
ルトリン酸水溶液20gを徐々に滴下する。つづいて、
オルガノシリカゾル(触媒化成工業■製、商品名「オス
カル」)の固形分20%のイソプロピルアルコール分散
液200部を徐々に滴下する。この混合物を、85℃に
加熱して、同温度で4時間還流下で保持して反応せしめ
、固形分約20%の無色透明な溶剤分散性の複合体樹脂
液2を得た。
の     3〜5 複合体樹脂の合成例1及び2において、組成物原料を表
−1に記載した配合量及び合成条件として、それ以外は
該合成例1及び2と同様にして合成し、それぞれの複合
体樹脂3〜5を得た。
表−1複合体の合成、配合例および条件D 日産化学工
業輛製、商品名「スノーテックス0」”  muuLL
劇−製、商品名「オスカル」9 日本アエロジノl勾製
、商品名「アエロジル200」実施例1 前記で合成したシリカ複合体組成物lの100部(固形
分)に対し無水クロム酸2部を添加して攪拌混合せしめ
て本発明の金属表面処理組成物を調製した。
ついで、上記組成物を陰極電解脱脂(5%炭酸ナトリウ
ム水溶液、75℃、電解電流密度8A/drn’、通電
10秒間)した溶融亜鉛メッキ鋼板(亜鉛メッキ量片面
t o o g7rrr)に、乾燥膜厚で2ミクロンに
なるように塗布し、100℃の熱風で30秒間焼付けし
た。この塗板に塩水噴霧試験を行なったところ、表−3
に示したように480時間経過しても白サビの発生が認
められなかった。
実施例2〜10 前記で合成したシリカ複合体組成物100部(固形分)
に対して後記表−2に示すクロム化合物を添加して、実
施例1と同様にして本発明の金属表面処理組成物を得た
。このものを用いて実施例1と同様にして塗板を作成し
、塩水噴霧試験を行なった。その結果を後記表−3に示
す。
表−2 実施例11〜20 実施例1〜10によって作成した複合体表面処理板にア
ミノアルキド塗料(関西ベイン)H製、商品名「アミラ
ック」)を塗布し、120℃で20分間加熱して、全膜
厚20ミクロンの塗板を作成した。この塗板の塩水噴霧
試験による耐食性は、現行のリン酸亜鉛処理亜鉛鋼板に
比べて著しくすぐれた性能を示した。その結果を後記表
−4に示した。また、塗膜付着性も全く異常なく優れて
いた。
比較例1〜14 前記のシラン化樹脂の合成例1により作成したシラン化
アクリル樹脂組成物を、乾燥膜厚で2ミクロンになるよ
う塗布し、180℃で5分間焼付けした亜鉛メッキ鋼板
(比較例1):また、比較例1の組成物10部(固形分
)に対して無水クロム酸0.2部を添加した組成物に替
えて比較例1と同様に作成した亜鉛メッキ鋼板(比較例
2):合成例2にもとずくシラン化アルキド樹脂10部
(固形分)に塩基性クロム酸亜鉛0.5部を添加した組
成物を用いて比較例1に準じて作成した亜鉛メッキ鋼板
(比較例3)二合成例3にもとず〈シラン化エポキシ樹
脂10部(固形分)にクロム酸ストロンチウム1.5部
添加した組成物を用いて比較例1に準じて作成した亜鉛
メッキ鋼板(比較例4):合成例4にもとずくシラン化
−アミン変性エポキシ樹脂10部にクロム酸バリウム2
.0部を添加した組成物を用いて比較例1に準じて作成
した亜鉛メッキ鋼板(比較例5)ニクロム酸クロム−シ
リカ処理した亜鉛メッキ鋼板(処理剤:関西ペイント■
製、商品名「フスマ−150J、付着量200mg/r
n”)  (比較例6);前記の複合体樹脂の合成例1
にもとず〈組成物を乾燥膜厚で2ミクロン塗布し、10
0℃で30秒間焼付した亜鉛メッキ鋼板(比較例7);
比較例1〜7の処理板に実施例11〜20に記載した塗
装系の塗板(比較例1→比較例8.比較例2→比較例9
、比較例3→比較例10、比較例4→比較例11、比較
例5→比較例12、比較例6→比較例13、比較例7→
比較例14)をそれぞれ作成し、これらについて塩水噴
霧試験、湿潤試験、塗膜付着試験をおこなった結果を後
記表−3、表−4に示す。
実施例21〜30 アルカリ脱脂(日本パー力うイジング■製、パーコクリ
ーナーN365)した冷間圧延鋼板(GIS、G−31
41,0,5mm厚)に前記表−1に示した実施例1〜
10の組成物を乾燥膜厚で5ミクロンになるように塗布
し、100℃で30秒間焼付した。この塗板の塩水噴霧
試験をおこなったところ、表−5に示すごとく優れた耐
食性が認められた。
比較例15〜21 前記比較例1〜7において被塗金属を冷間圧延鋼板に置
き替えた他は、同じ要領にて塗板を作成し塩水噴霧試験
をおこなった結果を表−5に示す。
実施例31〜40 実施例1−10において被塗金属をアルミニウム板(J
 I S、AlF2)に置き替えた他は、同じ要望にて
塗板を作成し、キャス試験法により耐食性を試験したと
ころ、表−6に示すごとく優れた耐食性が認められた。
比較例22〜28 前記比較例1〜7において被塗金属をアルミニウム板(
J I S、 At Ps )に置き替えた他は。
同じ要領にて塗板を作成し、キャス試験をおこなった結
果を表−6に示す。
表−3 注ω J l5−Z−2371塩水噴霧試験法による。
注9 金属の腐食の進行は白サビ発生を経て最終的には
赤サビ発生になる。
注9 塗膜表面にそれぞれ1諺1間隔で各11本づつ直
交し、かつ素地面に達する直線状の1目を鋭いナイフを
用いてつくり、100個のごばん目が得られるように処
理したのち、エリクセン押出試験機にかけて裏面から深
さ5mmまで押出し変形させた。ごばん目部分の中心と
押出しの中心とは一致させた。つぎにごばん目部分の被
膜表面に巾20鳳鳳のセロハン粘着テープを手で強く押
し付けて密着させ、急速に引きはがして除かれずに残っ
たごばん目の数を調べ、その数で試験成績を表示した。
表−4 注 “ 平面部/クロスカット部はく離巾am。
いずれもセロテープはく離試験による。
表−5 表−6 注 ”  JIS−H−8601、キャス試験法による
[発明の効果] 以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、従
来のリン酸塩およびクロメート表面処理剤と同等以上の
性能を示すシリカ−有機樹脂複合体組成物に、更にクロ
ム化合物を併用することによって、より高性能の金属防
錆皮膜を形成する。
この皮膜は塗装下地用皮膜としても優れた性能を示し、
上塗塗膜との付着性および耐食性で著しい効果を示す、
又、作業環境面でも塗布・無水洗型の省力化的及び低公
害的表面処理組成物として期待される発明である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、ジ又はトリ(アルコキシ又はアルコキシアルコキシ
    )シラン基を有機樹脂骨格中に含有せしめた有機系樹脂
    とシリカ粒子とを、無機酸又は有機酸の存在下に10℃
    以上沸点以下の温度範囲で反応せしめてなる複合体樹脂
    に6価クロムよりなるクロム化合物を混合したことを特
    徴とする金属表面処理組成物。 2.6価クロムよりなるクロム化合物が無水クロム酸、
    クロム酸塩、重クロム酸塩、6価クロムと3価クロムよ
    りなるクロム酸クロム又はその塩であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の金属表面処理組成物。
JP1954287A 1987-01-29 1987-01-29 金属表面処理組成物 Pending JPS63186778A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1954287A JPS63186778A (ja) 1987-01-29 1987-01-29 金属表面処理組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1954287A JPS63186778A (ja) 1987-01-29 1987-01-29 金属表面処理組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPS63186778A true JPS63186778A (ja) 1988-08-02

Family

ID=12002198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1954287A Pending JPS63186778A (ja) 1987-01-29 1987-01-29 金属表面処理組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS63186778A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63262477A (ja) * 1987-04-21 1988-10-28 Kansai Paint Co Ltd 金属防食用組成物
JPH1060315A (ja) * 1996-08-14 1998-03-03 Nippon Parkerizing Co Ltd 亜鉛系めっきを施した鋼材もしくは鋼構造物用の表面処理剤
JP2015113381A (ja) * 2013-12-10 2015-06-22 株式会社栗本鐵工所 金属管用塗料組成物およびそれを塗布してなる金属管

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5434406A (en) * 1977-08-15 1979-03-13 Matsushita Electric Works Ltd Controlling of green sheet quality of paper making machine
JPS5541711A (en) * 1978-09-15 1980-03-24 Matsushita Electric Works Ltd Device for connecting terminal of cord reel
JPS5556165A (en) * 1978-10-19 1980-04-24 Kansai Paint Co Ltd Chipping-resistant anti corrosive intercoating composition

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5434406A (en) * 1977-08-15 1979-03-13 Matsushita Electric Works Ltd Controlling of green sheet quality of paper making machine
JPS5541711A (en) * 1978-09-15 1980-03-24 Matsushita Electric Works Ltd Device for connecting terminal of cord reel
JPS5556165A (en) * 1978-10-19 1980-04-24 Kansai Paint Co Ltd Chipping-resistant anti corrosive intercoating composition

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63262477A (ja) * 1987-04-21 1988-10-28 Kansai Paint Co Ltd 金属防食用組成物
JPH1060315A (ja) * 1996-08-14 1998-03-03 Nippon Parkerizing Co Ltd 亜鉛系めっきを施した鋼材もしくは鋼構造物用の表面処理剤
JP2015113381A (ja) * 2013-12-10 2015-06-22 株式会社栗本鐵工所 金属管用塗料組成物およびそれを塗布してなる金属管

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4330446A (en) Aqueous dispersion for metal coating from colloidal silica, alkoxy silane, and polymer
CN102257178B (zh) 金属材料用表面处理剂
TWI261610B (en) Coating composition for forming titanium oxide film, method of forming titanium oxide film and metal substrate coated with titanium oxide film
JP2564345B2 (ja) 表面処理用ディスパージョン
JP4683582B2 (ja) 水系金属材料表面処理剤、表面処理方法及び表面処理金属材料
JP4972240B2 (ja) 表面処理鋼板
JP6315750B2 (ja) 水性金属表面処理剤
JP2792324B2 (ja) 複層亜鉛系めっき鋼板
TWI668327B (zh) Aqueous metal surface treatment agent and metal surface treatment method
WO2001020058A1 (en) Pre-paint treatment of metal and product thereof
JPS6160766A (ja) 潤滑性塗膜形成用水系組成物
JP6564036B2 (ja) 水系処理剤、亜鉛めっき鋼材又は亜鉛合金めっき鋼材および塗装亜鉛めっき鋼材又は塗装亜鉛合金めっき鋼材
JPH029067B2 (ja)
JPH04202481A (ja) 金属表面処理用組成物
JPS63186778A (ja) 金属表面処理組成物
JP5097311B2 (ja) 表面処理鋼板及び有機樹脂被覆鋼板
JPS6136547B2 (ja)
JPH041070B2 (ja)
JPS63186777A (ja) 高耐食性金属表面処理組成物
JP2002363768A (ja) 高温多湿環境下での耐食性に優れた有機被覆鋼板
JP6323424B2 (ja) 耐食性に優れた表面処理溶融亜鉛めっき鋼板
JP2521462B2 (ja) 高耐食性複層被覆鋼板
JPS60197773A (ja) 金属表面処理組成物及びこのものを用いた金属の表面処理方法
JPH0126384B2 (ja)
ZA200302123B (en) Method for pretreating and coating metal surfaces, prior to forming, with a paint-like coating and use of substrates so coated.