JPS6318445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は乾燥機の運転中にあつては排塵筒を排
塵風の風圧作動で自動的に開路状態として良好な
排塵作用を行わせると同時に排塵風に強制的な旋
回作用を付与し、排塵風中に混入された塵埃を旋
回による遠心分離作用で効率的に分離収集せしめ
ると共に、乾燥機の運転を停止した時には付勢弾
力で直ちに排塵筒内を自動的に閉路状態にして鼠
の進入や塵埃の逆流を未然に防止したことを目的
とする乾燥機における集塵装置に関する。

従来、乾燥機の排塵部に排塵筒と周壁適所に集
塵窓を開設した集塵筒とを順次接続して、排塵筒
を介し集塵筒内に排出された排塵風中に含まれた
塵埃を排風より分離収集して外部には清浄風のみ
排出するようにした乾燥機における集塵装置は本
出願前良く知られている。

ところで集塵筒を接続した排塵筒の内部は単に
空胴状に形成されているので、乾燥機より排出さ
れた排塵風は略直線的に集塵筒に供給され、その
結果排風と塵埃との分離が正確に行われず、集塵
筒より外部に排出される排風中には多くの塵埃が
含まれ、塵埃公害を起していた。その上、排塵
部、排塵筒および集塵筒の内部は共に空胴となつ
て連通されていただけであるので乾燥機の運転停
止時にあつては、この空胴部より鼠が多く乾燥機
内部に進入して各部を喰い荒して破損させるは勿
論のこと不衛生状態となつたり、さらには強い風
の時などには集塵筒の吐出側付近に舞い上がつた
塵埃が集塵筒を介して乾燥機内へ逆流する事故を
起す欠点があつた。

本考案は上記公知の乾燥機における集塵装置の
欠点を速かに解決するために、排塵筒の内部に排
塵風の風圧作動で開路状態となり、又排塵風の風
圧作動が働かない時には付勢弾機の弾力で自動的
に排塵筒内部を閉路状態ならしめる開閉弁を設け
て乾燥機の停止時における鼠の進入や塵埃の逆流
を防止せしめると共に、排塵筒内を流通する排塵
風に強制的な旋回作用を付与せしめながら集塵筒
へ供給して、排塵風中に混入した塵埃を旋回によ
る遠心分離作用で効率的に分離し、集塵袋内へ自
動的に収集し、外部には清浄風のみが連続して排
出できる乾燥機における集塵装置を得ることを目
的としたものである。

本考案は前記に鑑み、上記目的を容易に達成さ
せるため、その構成を、乾燥機の排塵部に、排塵
筒と周壁適所に集塵袋を装着した集塵窓を開設し
た集塵筒とを順次接続し、上記排塵筒内には中央
に排風口を開口した風向筒を装着し、該排風口の
対向側に付勢弾機で排風口を閉口する側へ押圧さ
れ、しかも排風口側に面した表面に複数の放射案
内羽根を付設した傘状開閉弁を案内軸に沿い移動
自在に遊架した乾燥機における集塵装置であつ
て、かかる乾燥機における集塵装置によれば乾燥
機の運転中にあつては排塵部から排塵筒内に排出
された排塵風の風圧作動で傘状開閉弁を案内軸に
沿い排風口より遠ざかる如く移動させて排風口を
自動的に開口して集塵筒へ向け排出させることが
できると共に、排塵風は排風口を通過する際に複
数の放射案内羽根の案内作用により強制的な旋回
作用が付与され、集塵筒内周に沿い旋回できるの
で、排塵風中に混入した比重の重い塵埃等は排風
と分離して集塵筒内周に沿つて旋回移行中に集塵
窓より集塵袋内へ収集され、清浄な排風のみを外
部に排出し、塵埃公害を発生させることなく乾燥
作業を行うことができる許りか、乾燥機の運転を
停止した際には付勢弾機の弾力で自動的に排風口
を閉口して鼠の進入或は舞い上がつた塵埃が集塵
筒を介し乾燥機内へ逆流するのを確実に防止でき
る効果を奏する。

以下に本考案に係る乾燥機における集塵装置を
添附図面に示された好適な一実施例について説明
する。

１は、穀物が竪流下する際に、該穀物に乾燥熱
風を浴びせてこれを速かに乾燥することができる
乾燥機であつて、該乾燥機１の低位側一側には乾
燥機１内部において発生した塵埃や排熱風等を吸
引排風機３により外部へ集中排塵させるための排
塵部２が設けられている。４は乾燥機１の一側に
付設された循環用の昇降機である。

上記排塵部２の吐出側には両端をそれぞれ開放
した排塵筒５と集塵筒６とが共に取外し自在とな
るよう順次接続されており、該排塵筒５の内部に
は、排塵風の流通方向に沿い次第に絞つて中央に
排風口８を開口した風向筒７を装着すると共に、
該排風口８の対向側には傘状開閉弁９を位置さ
せ、この傘状開閉弁９を排風口８の中心部を通る
ように排塵筒５内に支持具１０，１０を介して横
架した案内軸１１へ前後移動可能に遊架せしめる
と共に、前記傘状開閉弁９の表面即ち排風口８側
に面した側には複数の放射案内羽根１２…を付設
して排風口８を通過する排塵風に強制的な旋回作
用を付与せしめる。そして傘状開閉弁９は、傘状
開閉弁９の裏側と案内軸１１に装着した受止金具
１３との間に円錐状の付勢弾機１４を案内軸１１
に巻着された状態のもとに介在して傘状開閉弁９
を排風口８が閉口されるよう押圧せしめる。なお
上記付勢弾機１４の付勢弾力は吸引排風機３によ
つて起風された排塵風の風圧よりも弱いものを使
用する。排塵筒５の吐出側に接続された集塵筒６
の吐出側は幾分絞るように小径に形成せしめると
共に、集塵筒６の周壁適所には適当大きさの集塵
窓１５を開口して、これが集塵窓１５に通気性に
富んだ集塵袋１６を取外し自在に装着せしめる。

次にその作用について説明する。

今、乾燥機１内へ所定量の穀物を搬入すると共
に、該穀物を昇降機４を介し循環流動させながら
乾燥熱風により乾燥熱風を浴びせて乾燥作業を行
わせる。この様に乾燥機１が運転状態の時には吸
引排風機３も回転され、乾燥機１内に発生した塵
埃等を排熱風と共に吸引して排塵筒５内へ排出す
る。この様に排塵筒５内に排塵風が排出されると
付勢弾機１４の弾力で排風口８を閉口状態に維持
していた傘状開閉弁９は排風口８部に集中される
排塵風の風圧作動を受けて付勢弾力に打勝ち案内
軸１１に沿い排風口８より遠ざかるよう移動して
排風口８を自動的に押し開き排塵風を排風口８を
通つて集塵筒６へ向け排出する。しかしながら傘
状開閉弁９の表面には複数の放射案内羽根１２…
が付設されているので、排風口８を通過する排塵
風は放射案内羽根１２…に案内され、強制的な旋
回作用が付与される。したがつて集塵筒６内に排
出された排塵風は強制的に集塵筒６内周に沿い旋
回しながら吐出側に向け排出される。その結果、
排塵風中に混入された比重の大きな塵埃は遠心作
用を受けて排風と分離し、集塵筒６内周に沿い旋
回しながら移行する間に集塵窓１５より集塵袋１
６内に入り収集されると共に清浄化された排風は
旋回しながら吐出側より外部に排出され、良好な
選別作業を達成せしめる。

次に穀物の乾燥作業が終了し、吸引排風機３の
運転を停止すると、前記排塵風の風圧は零となる
ので、傘状開閉弁９は付勢弾力で直ちに排風口８
側へ移動し、排風口８を正確にしかも自動的に閉
口させることができる。

したがつて、乾燥機１がその運転を停止してい
る間は排塵筒５内部が完全な閉路状態となるよう
自動的に維持されているため、鼠の進入や或は強
い風のため舞い上がつた塵埃の一部が集塵筒６よ
り乾燥機１内部に逆流することなく良好に保持さ
せることができるは勿論のこと排風口８の開閉動
作が自動的になされるため、操作忘れによる事故
を皆無ならしめることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る乾燥機における集塵装置の
一実施例を示すものであつて、第１図は全体の斜
視図、第２図は要部の一部破断した拡大側面図、
第３図は第２図を左側より見た正面図である。 １……乾燥機、２……排塵部、５……排塵筒、
６……集塵筒、７……風向筒、８……排風口、９
……傘状開閉弁、１１……案内軸、１２……放射
案内羽根、１４……付勢弾機、１５……集塵窓、
１６……集塵袋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乾燥機の排塵部に、排塵筒と周壁適所に集塵袋
   を装着した集塵窓を開設した集塵筒とを順次接続
   し、上記排塵筒内には中央に排風口を開口した風
   向筒を装着し、該排風口の対向側に付勢弾機で排
   風口を閉口する側へ押圧され、しかも排風口側に
   面した表面に複数の放射案内羽根を付設した傘状
   開閉弁を案内軸に沿い移動自在に遊架したことを
   特徴とする乾燥機における集塵装置。