JPS6318430Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈考案の技術分野〉 本考案は、例えば造粒処理、コーテイング処理
等に適用する粉体処理装置に関する。

〈考案の背景〉 出願人は、以前、処理すべく粉粒体を収容する
回転ドラムに対し、その回転軸中を導通して減圧
機構および噴霧機構を連設し、減圧乃至真空条件
下の粉粒体に対し液体を噴霧する装置を提案（特
願昭57−59858号）した。この装置では、ドラム
内に開口した給、排気管のフイルタの目詰り防止
にあたり、一定時間排気の後、瞬間的に給気する
ことを間欠的に行ない、フイルタの目詰りを防止
している。

ところが、上記の如くドラムに対し、排気およ
び瞬間的な給気を繰返すとき、軸受部分における
回転ドラム側と固定側、所謂、給、排気管との軸
受隙間に圧力差が生じ、この圧力差によつて処理
中の粉粒体、軸受中の潤滑材等が出没して汚損
し、その清掃に長時間を要すと共に、特に製品の
品質を低下する虞れがあることが判つた。

〈考案の目的〉 本考案は、軸受部分に簡単な構成を施こすこと
により、上記の問題を一挙に解消し、清掃作業の
省力化および製品の品質向上に効果を発揮する新
規な粉体処理装置を提供することを目的とする。

〈考案の構成および効果〉 上記目的を達成するため、本考案では回転ドラ
ムの軸受筒と、該軸受筒中へ緊密且つ回転自由に
嵌挿された給、排気管との間に、給、排気管を囲
み一周する中空室を設け、対応する管壁に通気孔
を穿設して給、排気管に連設してなる。

上記構成によれば、中空室は通気孔、給、排気
管により回転ドラムに連通し、常にドラム内と同
圧力に保たれる。従つて、前記した如く、軸受部
分の圧力差による粉粒体の侵入、潤滑材の汚損が
なく、清掃作業の省化力および製品の品質向上に
効果を奏する。

〈実施例の説明〉 第１図は本考案に係る粉体処理装置の全体概略
図を示す。該装置は、基台１上に軸受架１１およ
び回転ロール１２によつて回転ドラム２が軸承配
備され、駆動装置２１を連繋して、正転、逆転す
るようになしている。回転ドラム２は、前面にハ
ツチ型開閉扉２２を有す密閉型ドラムであつて、
壁面には加熱装置、撹拌羽根（図示せず）を設け
ると共に、該ドラム２には、第２図に示す如く、
軸受筒２３中を緊密且つ回転自由に導通してドラ
ム内に連通した給、排気管３および該給、排気管
３内を貫通して液送管４が配備してなる。給、排
気管３の先端はドラム２内に開口してフイルタ３
１を取付け、基端は導管３６を介してコールドト
ラツプ３２に接続し、コールドトラツプ３２の排
気口を弁３３を介して真空ポンプ３４に接続しド
ラム２内の減圧機構を構成している。前記フイル
タ３１は、基端を排気管３の内孔に開口した支持
パイプ３７に取付け固定すると共に、支持パイプ
３７の内孔を弁孔３８となし、開口端縁に弁座３
９を形成している。排気管３の内孔には、先端が
前記弁孔３８中に開口し、基端を排気管３の外部
に突出させ、給気弁４４を取付けた給気管３５を
管軸方向にスライド可能に配備し、この給気管３
５の外周に弁４５を配設し且つ、バネ４６によつ
て前記弁座３９に弾圧附勢して給気機構を構成し
ている。前記液送管４の先端はドラム２内に開口
して噴霧ノズル４１を取付けると共に、管軸上に
はポンプ４２、液給タンク４３を介してコールド
トラツプ３２の液排出口に接続し、噴霧機構を構
成している。本考案は軸受筒３２の内孔に給、排
気管３を囲み１周する中空室５を形成し、該中空
室５に対応して管壁に内外に連通する通気孔５１
を穿設し、中空室５、回転ドラム２を給、排気管
３を介して連通してなるものである。

然して、粉体処理に際しては、造粒しようとす
る粉体をドラム内へ収容する。給気管３５は鎖線
で示す如く、バネ４６に抗して後退し、弁孔３８
を解放しドラム２と排気管３を連通している。こ
の状態において、ドラムを回転して均一混合を行
ないつつ真空ポンプ３４を作動するとき、給、排
気管３の吸引ａによりドラム内は減圧し、フイル
タ３１には粉体が附着する。粉体附着により排気
量が減少した場合、ドラム内の排気を止め、給気
管３５を前進させて、第２図に示す如く、弁４５
と弁座３９によつて弁孔３８を塞いだ後、給気弁
４４を瞬時に開放するとき、ドラム２内は既に減
圧状態のため、給気弁４４の開口と同時に外気ｂ
が流入し、フイルタ３１を瞬間的に通過して附着
粉体を脱落させた後、再び減圧を行なう動作を繰
返す。

上記ドラム２内の排気、給気の繰返し動作にお
いて、ドラム２内を軸受部分の中空室５は通気孔
５１の連通により常に同圧力が保たれており、従
つて、軸受部分への粉体の侵入、潤滑材の滲出が
なく、大がかりな清掃作業を要しない。

ドラム内が所定真空度に達したとき、噴霧ノズ
ルにより溶媒または溶液を噴霧することにより、
造粒がなされる。かかる溶媒噴霧中或いは噴霧終
了後、ドラム内を一定温度に加熱乾燥し、混合、
減圧を適当時間に亘り継続することにより、造粒
品は安定化する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案粉体処理装置の全体概略図、第２
図は回転ドラムの軸受部分の拡大断面図である。 ２……回転ドラム、２３……軸受筒、３……
給、排気管、５……中空室、５１……通気孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 処理すべき粉粒体を収容する回転ドラム２に減
   圧機構および噴霧機構を連設し、減圧乃至真空下
   の粉粒体に液掛けする装置であつて、基台に軸承
   された回転ドラム２の軸受筒２３と該筒中に緊密
   且つ回転自由に挿通された給、排気管３との間
   に、給、排気管３を囲み周回した中空室５が設け
   られ、該中空室５は、対応する管壁に通気孔５１
   を穿設して給、排気管３に連通して成る粉体処理
   装置。