JPS6318265B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は先に同一出願人の提出になる特願昭―
51―124567号の改造に係わるものである。

前記特願昭51―124567号（以下先願という）に
おいては、ハウジング内に収容されたテープが通
常のカセツトに使用しているテープの半幅分を使
用したために生じる新たな効用にもとずいてその
構造がきめられたものであつた。本願においては
これを更に改造し従来この種エンドレスカセツト
では不可能とされていた逆転を可能にした構造の
ものを提供することにある。

元来前記先願においても使用中のカセツトのＡ
面を一度取り出しＢ面を上にして挿入しても可成
りの時間Ｂ面を駆動しうることが確かめられてい
る。その理由は先願においてもこの種カセツトに
使用する標準テープ巾ａの半巾即ち1/2ａのもの
を使用したためにエンドレステープのリールの内
層と外層との交差個所でａなる高さの空間を占有
することができ、そのため標準巾ａのテープをエ
ンドレス状に形成して収容するものに比して前記
交差個所で無理がかゝらないということが基本的
な理由であつた。そこで本願ではこの性質を利用
し上下面即ちＡ面とＢ面を逆にして使用したさい
のテープの落下を防止するためのつばを設け、前
記テープの交差個所でテープの巻層部の最も内側
から引き出されて出る部分が巻層部とリールのつ
ばの間で圧迫され、テープの走行が不可能な程度
になるまでの可成りの時間駆動を可能ならしめる
ようなエンドレステープを提供することを目的と
したものである。

従来この種のエンドレステープはその一周が例
えば３分間あるとすると、これを再生中一部聞き
もらした所があつた場合に、その瞬間にテープを
止めても前の部分を逆転して聞くことはできなか
つた。これを聞こうとするにはもう一度テープを
正常方向にまわし、即ち３分間まわして聞く以外
になかつたのである。しかしこれでは不便である
のでこのさいにテープをカセツトごと機械から取
出し上下逆にして再び挿入してＢ面を駆動するこ
とによりＡ面で使用していたテープの逆行を少く
も20〜30秒間を可能とし、そこでテープを止め機
械からテープを取出し、通常の挿入方法即ちＡ面
を上にして挿入することによつて、最初に止めた
位置から約20〜30秒以前の位置からの通常の再生
を可能とするようにしたものである。

以下本願カセツトの構造及びその作用について
説明するが、その基本的構造はすべて先願と同じ
であるものであるから、本願においてはこれに付
加した改造の部分を追加説明することにする。

第１図は、従来までの通常のエンドレステープ
の構造を示している。○イの部分でテープ出口部分
とテープロール１０′即ち巻層部分とが交差し、
その部分は理論的にいえばテープ幅の２倍の高さ
が必要になるところをテープを斜めにすることに
よつて、これを同一の高さを有するケース内に押
し込めて収容し、摩擦力に勝つために大きな駆動
力に期待をかけて走行させていたものである。第
２図に示すような外観形状のカセツトケース内に
おいて本願では第３図（内面図）のように同じハ
ウジング内に1/2幅のテープを使用し上記1/2巾の
テープを巻きつける少くとも倍の高さを有するエ
ンドレスリール７を原リールハブ４の外周にこれ
と同心且つ回動自在に装填し、これにテープを巻
きつけてエンドレステープ１０を形成したのであ
る。従つてその出口と入口の部分が交差して最悪
の場合倍の高さになつても、元のハウジング内に
十分納まる高さ以内であり上部ハーフ２内面に当
たつてテープがすれるようなことがない。第４図
はガイドローラー３の拡大図であり、ガイドロー
ラー３の下半分の直径が上半分より小さく加工し
てあり、テープ１０はこのガイドローラーの下部
を通つて走行するのである。次に第５図はテープ
の通過路の要部を示すが、通常この種カセツトに
おいては図示のようにテープ通過路において、ガ
イドピン２６とハーフ前面の壁２とで規制された
空間内をテープが通過していたものである。本願
ではこのガイドピンの上部に図で示すようなキヤ
ツプ１３をかぶせることにより、テープ１０がガ
イドピン２６の下半分のみ通り上半分に侵入しな
いようにしたのである。これによつて、前述のガ
イドローラー３とあいまつてテープの従来までの
通過路の下半分を円滑に走行することが出来るよ
うになるのである。したがつて、本願エンドレス
テープを装填するには、この上下ハーフが標準型
のフイリツプスのカセツトハーフであつても又、
マイクロカセツト用のハーフであつても、相手の
ヘツドの電極が下半分にあるものでなければ、こ
れは使用不可能ということになる。しかし幸いな
ことに、ほとんどのカセツトテープレコーダー及
びマイクロカセツトテープレコーダーが、ヘツド
の下半分が電極（ギヤツプ）を形成しているもの
が標準型になつているから、本願のような構造の
ものが実用上何ら支障なく使用することが出来る
のである。なお、カセツトを裏返しにした場合に
は使用することが出来ないことは従来のエンドレ
ステープと同様である。

次に本願において新たに先願を改造した部分に
ついて詳述する。

第６図は先願に記載された第３図のＸ―Ｙ部の
横断面図を示している。図においては１はハウジ
ング、７は上下につば部７―１，７―２を有する
リール、４はハブ部分で、リール軸のテープ巻回
壁がＡ面に対しＶ字状に傾斜形成される。そして
リールに巻き込まれたエンドレステープの最内層
部から導き出されるｍ部とその外層に巻かれ行く
ｎ部とが実体図で示されている。その巻層部はエ
ンドレステープの一周が例えば数10秒あるものと
すれば10数層となるが、説明の便宜上４層の縦線
で図示してある。この巻層部が、外周から内周に
向つて厚味を増すように形成した下のつば部７―
１上において最外層から内層部に向つて順序正し
く巻層部を形成し、その最内層部からテープのｍ
部がらくに導き出されるようになつている。これ
がカセツトのＡ面が上になつている場合のテープ
状態図を示している。

次に第７図ア，イは上記第６図のＡ面を下にし
Ｂ面を上にした場合のテープの巻層部の実体図を
示している。即ち第７図アではｍ部とｎ部とが図
のような配置になつているが、巻層部は密着して
巻かれているためにカセツトのＡ面とＢ面とを逆
にしたのみでは下へ落下することはない。しかし
ながらこれをキヤプスタンとピンチローラーで圧
接してドライブするさいには、巻層部は第７図イ
のように徐々に層間がずれて自重で下方に前記傾
斜巻回壁に抗して落下していくことになり、遂に
はテープのｍ部を巻層部で圧迫することになる。
元来通常のエンドレステープにおいてはテープ幅
ａのものでエンドレス状のテープを形成していた
ために、このｍ部は最初からカセツトの上ハーフ
内面と巻層部分の間で殆んど平になる角度まで捩
られるまで圧接されていたのであり、本願のよう
に１／２ａ＋１／２ａで示すような空間を占有できなか つたものである。しかしこれが更に極端に圧接さ
れて巻層部でテープ導出部ｍが圧迫されることに
なると、遂にテープの駆動に無理がかゝりキヤプ
スタンとピンチローラーでは駆動ができなくな
る。しかし、こゝまでになるまでには可成りの時
間が必要とされる。通常この種エンドレステープ
は一周３分位のものが限度であるから、これを或
る区間巻戻して再生中聞きもらした所を再び聞き
直すためには、最大限テープの半周が逆転されゝ
ば十分であり、それ以上巻戻す必要はない。何故
ならばそれ以上巻戻す必要があれば最初から逆転
することなく正常方向に回転すれば又もとの個所
をそのまゝ再生することができるからである。従
つて上述のような場合の実用上の限度は、１周３
分のものにおいてはその10％即ち20秒位を逆行さ
せれば実用上充分である。本願では上述のような
説明によつて明らかなようにこのような用法を可
能としたものである。

以上のように本願は、従来のエンドレステープ
において使用していた標準テープの巾を1/2幅と
することによつて、狭小なマイクロカセツトのケ
ース内においても一周数分のエンドレステープを
形成することができるようになつたものである。
従来マイクロカセツト内においてエンドレステー
プを収容するために１、２の公知例があつたがこ
れらはリール上に数分の長さのテープの巻層部を
形成しそれを横断してテープの導出部ｍを設ける
ような構造にすることができず僅か一周数秒のエ
ンドレステープを直接ためこむに過ぎなかつたの
である。本願では1/2幅のテープでエンドレステ
ープを形成しそのガイド部をヘツドの下のギヤツ
プに合わせてガイドするという新規な方法を採用
することによりこのような跼蹐されたハウジング
内においても一周数分のエンドレステープを形成
することができるようにしたものであり、更にそ
れに加えて本願においては前記リールに上下のつ
ばを設けることにより再生中聞きもらした個所を
即座に停止してリールを上下に嵌め変えることに
よつてその逆行を可能ならしめ、再びリールの上
下面をもとに戻すことによりその部分の再生を可
能ならしめたものでありこの種カセツトにおける
実用上の効果を大いに高めたものということがで
きるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来までのカセツト内エンドレステー
プの斜視図、第２図は従来のカセツトテープ（マ
イクロカセツト）の斜視図、第３図は本願のエン
ドレス用カセツトテープの内容を示す斜視図、第
４図は第３図中ガイドローラーの拡大断面図、第
５図は第３図中のテープ通過部の拡大断面図、第
６図は本願の第３図のＸ―Ｙ部の拡大断面図、第
７図アは前記第６図におけるリールとハウジング
の上下を逆にした実体図、第７図イは前記第７図
甲におけるテープの走行中のテープの状態を示す
実体図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ エンドレステープを形成するための幅ａの磁
   気テープと、 該テープを多層状に巻込むための立上り部が少
   なくとも約2aの高さを有し、その上下面にテー
   プがすべり落ちないでなめらかに走行するための
   つば部を設けるとともに、リールのテープ巻回壁
   をカセツトのＡ面に対しＶ字状に傾斜形成し、巻
   取用ハブの外周に篏挿される構造のテープリール
   と、 上記リール及びエンドレステープを収容するた
   めの上下対称で内のりが各々ａ以上の深さを有す
   るハウジングハーフと、 上記エンドレステープを上記リールに巻込んで
   その内側端部を上記上下ハーフを組立てたハウジ
   ング内の前面の開口部にガイドし、これを上記リ
   ールの外側に導いてエンドレステープを形成させ
   るためのテープガイド手段と、 上記幅ａのテープがガイドされるにさいし前記
   開口部では上ハーフにはみ出さないように下ハー
   フのみを正しく水平に走行できるように規制する
   ためのテープ走行規制手段と、 上記エンドレステープをテープレコーダーに装
   填したさい、該エンドレスリールの中心孔に緩入
   し、且つその中心部がテープデツキ用巻取用スピ
   ンドルと係合する上記ハウジング内ハブ部と、 上記エンドレステープを通常方向に駆動するた
   めのキヤプスタン及びピンチローラとから成り、 上記テープを再生中に既に過ぎ去つた僅か前の
   部分を再び再生聴取するさいには、カセツトごと
   外して今までの裏面を上にしてテプレコーダーに
   装填した後駆動状態にすることによりキヤプスタ
   ンピンチローラのみで該テープが該リール上巻層
   内をスリツプして走行し、これまでの上のつば部
   でテープ巻層部の落下と外れを防止しつつスムー
   ズな走行を可成りの期間可能ならしむることを特
   徴とするエンドレステープカセツト。 ２ 上記１においてテープ幅がリール幅の半幅で
   あることにより、これがエンドレス状に交差した
   まゝさかさにして走行し、テープ巻層部がすべり
   落ち始めても前記テープの交差部がつば部で圧迫
   されるまでの可成りの期間はキヤプスタンとピン
   チローラで前記テープとは逆方向に駆動を可能な
   らしむるように構成されたことを特徴とする前記
   １に記載したエンドレステープカセツト。