JPS6317974A - 無機質系建材保護剤及びその調製方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、無機質系建材に１Ｂ水及び防食性を付与する
ために用いられるアルカリ水溶性の保護剤に関するもの
である。

〔従来の技術〕

無機質で吸水性のある建材、例えばモルタル、コンクリ
ート、スレート、Ａ　Ｌ　Ｃ、レンガ、瓦等は吸水性だ
けでなく透水性も大きいので、実用上大きな障害となる
ため、種々の保護処理が試みられている。その一つとし
てシリコーン系処理剤による表面処理が知られている。

その代表例として、ジメチルポリシロキサンオイル、そ
の？容液またはそのエマルジョン、Ｊ−１−）レハイド
ロジェンボリシロキサンオイル、その溶液またはそのエ
マルジョン、オルガノシランとケイ酸の縮合物等による
表面処理剤が知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、これらの処理剤は建材の表面に単に皮膜を形成
するのみで、建材と何ら化学的結合物を形成せず、また
は親和性がなく、初期撥水効果が不充分である、あるい
は持続性が劣るなどの欠点がある。また、これら建材は
水ばかりでなく、外気にも曝されるため、腐食性物質、
例えば亜硫酸ガス、二酸化窒素塩分等が材料に深く浸透
すると、建材の痛みは更に激しくなる。

特に、鉄筋コンクリート構造物においては、鉄筋はコン
クリートの高いアルカリ性雰囲気によって防錆保護され
ているが、長期間、水及び腐食性物質に曝されると、コ
ンクリート自体が中性化され、鉄筋に錆が生じる。この
鉄錆の体積膨張によって、コンクリートに亀裂が入り、
亀裂部がら水及び腐食性物質が、より容易に、より深（
進入して、錆の発生をさらに促進させる。この繰り返し
によって、コンクリート構造物は順次破壊され、構造物
としての用を供さなくなり、時として人身事故等のおお
きな災害に発展しかねない。

これらの問題点を解決すべく、ケイ酸塩化合物系処理剤
が考案されたが、耐水性がもっとも良好とされるケイ酸
リチウムは亜硫酸ガスなどの腐食性ガスと容易に反応し
て無機質系建材を保護はするがアルカリ性が強く且つ有
機物質との親和性に乏しいため、有機化合物である埋め
戻し剤の剥離を促す。

このような無機質系建材、特にセメント製品に撥水性及
び防食性を付与するには、（１）アルカリ性組成物であ
る、（２）無機質と化学結合し、または親和性を有する
一方、有機物質である埋め戻し剤と共に化学的に結合す
るか親和性を有する、（３）建材からの水離れ効果を有
するガス透過性被覆層を形成できる、（４）腐食性ガス
を捕捉可能である等の条件が必要である。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上記問題点を解決するとともに、これらの条
件を満たす無機質系建材保護剤として、式：　　　　Ｒ
’ｎ５ｉ（ＯＲ２）４−ｎ（但し、Ｒ１はメチル、エチ
ル、アミル、フェニル、またはビニル、Ｒ２はメチル、
エチル、プロピル、ブチルまたはアセチルであり、ｎは
１〜３の整数である）で表されるオルガノアルコキシシ
ランまたはオルガノアセトキシシランの少なくとも１種
類、ケイ酸リチウム及び他のケイ酸塩化合物の少なくと
も１種類、及びアルカリ性水溶液に可溶な金属酸化物を
含有する組成物が、最適であることを見出した。

さらに一般にオルガノシランは、アルカリ性水溶液中で
は短期間で不溶化するとされているが、本発明の過程で
、オルガノシランを酸性または中性水溶液に均一に溶解
した後、ケイ酸塩水溶液でアルカリ性に急激に変化させ
ることで、長期間保存に安定な水溶液を得ることを見出
した。

すなわち、本発明は上記式で表されるオルガノシランの
少なくとも１種類を酸性または中性の水溶液に溶解し、
ケイ酸リチウム及び他のケイ酸塩の少なくとも１種類を
溶解した水溶液を添加し、該水溶液をｐＨｌｌ〜１２の
アルカリ性に調整し、次いで金属酸化物を溶解する無機
質系建材保護剤の調製方法である。

本発明は、無機質系建材、特にセメント製品に撥水及び
防食性を付与し、その耐用年数を大幅に改善するととも
に、劣化した鉄筋コンクリートなどの補修、増強にも供
せられるものである。

本発明を以下にさらに詳細に説明する。

本発明の無機質系建材保護剤に含有するオルガフシラン
は、ガス透過性被覆層を形成する物質として有用である
。

このオルガノシランは、前記式で表される化合物であり
、具体的には、 Ｃ１ｈＳｉ　（ＯＣＨ３）　３、ＣＨ３５ｉ　（ＯＣ２
１１５）　ｓ、（Ｃ１ｈ）ｚｓｉ（ＯＣＨ３）ｚ　、Ｃ
ｚｌｌ、５ｉ（ＯＣＪｓ）ｓｎ−Ｃ３１１１１Ｓｉ（Ｏ
ＣｚＨｓ）ａ　、ＣＪ５Ｓｉ（ＯＣＪｓ）ａＣＨｚ＝Ｃ
ｔｌＳｉ　（ＯＣＨ３）　３　、Ｃ）Ｉｚ□ＣｔｌＳｉ
　（ＯＣｚＨｓ）　３Ｃｔｈ、ＣＨ３１（ＯＣＯＣＨ３
）　３等がその例である。

このオルガノシランは保護剤１００部中に少なくとも１
種類１〜３０部含有することが好ましい。

オルガノシランが１部未満の場合は被覆性が劣り、他方
３０部を超える場合は水溶液としての安定性が悪（、ポ
ットライフが短くなり実用に供せな（なる。

本発明に含有するケイ酸塩としては、腐食性ガスを捕捉
して不溶化するケイ酸リチウムの他に、アルカリ性を付
与し、かつ建材と親和性を有するものが好ましく、この
ような化合物の例として、例えばケイ酸カリウム、ケイ
酸ナトリウム等の水溶性化合物が挙げられる。このゲイ
酸リチウム及び他のケイ酸塩は併せて０．５〜２０部含
有することが好ましい。

これらケイ酸塩化合物が０．５部未満の場合は建材との
親和性に欠け、２０部を超える場合にはオルガノシラン
の被覆性を悪くする。

金属酸化物としては、アルカリ性水溶液に可溶な酸化亜
鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化チタン、
酸化タングステン等が使用可能であるが、建材との親和
性、経済及び無害性等を考慮すると、酸化アルミニウム
または酸化チタンの使用が好ましい。金属酸化物は０．
５〜１５部含有することが好ましい。

金属酸化物が０．５部未満の場合、被覆性が悪化し、他
方１５部を超える場合は、オルガノシランのゲル化を促
進し、ボットライフを低下させる。

本発明の保護剤を得るには、例えば中性または弱酸性の
水にオルガノシランを均一に溶解し、これにケイ酸塩を
添加溶解する。ケイ酸塩が溶解し難い場合は、あらかじ
めオルガノシラン水溶液を水酸化カリウム等でアルカリ
性とした後、添加するとよい。ケイ酸塩を溶解した後、
水溶液をｐＨｌｌ〜１２のアルカリ性に調整し、次いで
金属酸化物を？容解する。

ｐＨが１１より低いアルカリ性領域及びｐＨが１２より
高い領域においてはオルガノシランは安定性に欠け、時
間の経過と共にオルガノシランが自己縮合しゲルを生成
する。よって水溶液をｐ）１１１〜１２のアルカリ性に
調整する際にはにはｐＨを急激に変化させることが好ま
しい。

各成分を溶解する際に発熱が認められるが、水温を３０
℃以下に保ち、かつオルガノシランを均一に溶解させる
ことが望ましい。

本発明の保護剤は、前記必須成分の他に必要に応じて他
の添加物を加えることができる。

本発明の保護剤は、塗布または被覆等の通常の方法によ
り無機質系建材に使用することができるが、塗布する方
法が簡便なので望ましい。無機質系建材に塗布する方法
としては、ハケ、ローラー、スプレー等の常用されてい
る方法を用いることができるが、均一に充分塗布するこ
とが必要である。

また、乾燥は自然乾燥で充分であるが、乾燥が早すぎる
と無機質系建材に保護剤が充分に浸透せず、予定通りの
効果が発現できない場合もあるので、直射日光により加
熱された夏場には施工面に水打ち等を行い、冷却するこ
とが望ましい。

次に、本発明の調製方法及び実際の使用例を実施例によ
り説明する。実施例中、「部」は重量部を意味する。

〔実施例〕

実施例１゜ 無機質系建材保護剤の調製： 水７８部に、オルガノシランとしてメチルトリメトキシ
シラン４部を用い、攪拌しながらゆっくりと添加した。

水溶液が均一透明になったところで、ケイ酸リチウム１
２部とケイ酸ナトリウム２部を添加し、均一になるまで
攪拌した後、水酸化ナトリウ１、でｐＨヲ１２に調整し
た。さらに、酸化アルミニウム２部を添加して、均一な
透明液体を得た。この液体は長期保存に対して安定であ
った。

無機質系建材への使用： 前記方法によって調製した保護剤を、ＪＩＳＡ−１４０
４に準じたモルタル板（５０Ｘ　５０　Ｘ　２５ｍ＋ｎ
）全面に２５０１１Ｉｌ／耐の割合で均一に塗布し、室
内（２０〜２５℃）で７日間養生した。

この検体をブランク（無処理）のモルタルと同時に２５
℃の水中に２４時間浸漬し、吸水量を測定して吸水率を
求めた。さらに測定に使用した検体を屋外に６ケ月間暴
露後、改めて同一条件で吸水量を測定した。吸水率は処
理検体のブランクに対する吸水量の比で表した。

実施例２〜７ オルガノシラン、ケイ酸リチウム、ケイ酸すチウｌ、以
外のケイ酸塩、金属酸化物、及び水の配合側合を変えた
以外は、実施例１と同様の方法で保護剤を調製し、同様
に養生直後と暴露後のモルタル板に対する吸水率を求め
た。

これらの結果を表に示した。尚、表中のオルガノシラン
は日本ユニカーの製品を使用した。括弧内の符号はその
商品名を示す。

比較例Ａ及びＢ 本発明の無機質系建材保護剤の代わりに、市販品のポリ
メチルハイドロジエンシロキサン系処理剤を４００　ｍ
ｆｆ１／ｍ　＜比較例Ａ）、及びケイ酸リチウム系処理
剤を５００　ｍｆｆ１／ｒＪ　（比較例Ｂ）使用して、
実施例１と同様に養生直後と暴露後のモルタル板に対す
る吸水率を求めた。これらの結果も表に示した。

表から明らかなように、市販品と比較して本発明の保護
剤は、養生直後及び暴露後ともに、モルタルに対する吸
水率が格段に低い。

〔発明の効果〕

本発明の無機質系建材保護剤は、従来のシリコーン系処
理剤、ケイ酸塩系処理剤に比べて、初期撥水効果が充分
であり、また持続性に優れている。

従って、本発明の無機質系建材保護剤は、無機質系建材
に防水及び防食性を付与し、その耐用年数を大幅に改善
すると共に、劣化した鉄筋コンクリートなどの補修、増
強にも供することができる。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）式： Ｒ＾１＿ｎＳｉ（ＯＲ＾２）＿４＿−＿ｎ （但し、Ｒ＾１はメチル、エチル、アミル、フェニル、
   またはビニル、Ｒ＾２はメチル、エチル、プロピル、ブ
   チルまたはアセチルであり、ｎは１〜３の整数である）
   で表されるオルガノアルコキシシランまたはオルガノア
   セトキシシランの少なくとも１種類、ケイ酸リチウム及
   び他のケイ酸塩化合物の少なくとも１種類、及びアルカ
   リ性水溶液に可溶な金属酸化物を含有する無機質系建材
   保護剤。
2. （２）オルガノアルコキシシランまたはオルガノアセト
   キシシランを１〜３０部、ケイ酸リチウム及び他のケイ
   酸塩化合物を併せて０．５〜２０部、及び金属酸化物０
   ．５〜１５部を含有する特許請求の範囲第１項記載の無
   機質系建材保護剤。
3. （３）式： Ｒ＾１＿ｎＳｉ（ＯＲ＾２）＿４＿−＿ｎ （但し、Ｒ＾１はメチル、エチル、アミル、フェニル、
   またはビニル、Ｒ＾２はメチル、エチル、プロピル、ブ
   チルまたはアセチルであり、ｎは１〜３の整数である）
   で表されるオルガノアルコキシシランまたはオルガノア
   セトキシシランの少なくとも１種類を酸性または中性の
   水溶液に溶解したる後、該水溶液にケイ酸リチウム及び
   他のケイ酸塩化合物の少なくとも１種類を添加・溶解し
   、該水溶液をｐＨ１１〜１２のアルカリ性に調整し、金
   属酸化物を溶解する無機質系建材保護剤の調製方法。
4. （４）オルガノアルコキシシランまたはオルガノアセト
   キシシランを１〜３０部、ケイ酸リチウム及び他のケイ
   酸塩化合物を併せて０．５〜２０部、及び金属酸化物０
   ．５〜１５部を含有する特許請求の範囲第３項記載の調
   製方法。