JPS6317867Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車等の車体側と車輪側との間に配
してあるシヨツクアブソーバのうち、懸架スプリ
ングを備えて該スプリングの下端を支持するスプ
リングガイド付のシヨツクアブソーバにおける当
該スプリングガイドに関するものである。

懸架スプリングを設けたシヨツクアブソーバの
一例を示すと、第１図の如く、シヨツクアブソー
バのシリンダ部ａにスプリングガイドｂを設け、
ピストンロツド上部のガイドと上記スプリングガ
イドｂとの間に懸架スプリングｃを配し、ピスト
ンロツドを常時伸び方向に附勢すると共に車輪の
振動を早期に減衰させて車体側に振動が極力伝わ
らないような構成としてある。

上記懸架スプリングｃとしては、端部を平滑加
工することなく、スプリングｃの端部を該スプリ
ングの断面形状と同一断面形状のままとし、スプ
リングガイドｂで受けるようにしてある。そのた
め、この種スプリングｃのスプリングガイドｂと
しては、従来第２図及び第３図に示す如く、スプ
リングｃの螺旋形状に合わせて円周方向に傾斜さ
せると共に、１個所に高さ方向の段差部ｄを設
け、スプリングガイドｂのスプリング座面ｅ上面
に沿わされたスプリングｃの端を上記段差部ｄに
位置させてスプリングｃを受けるようにしてあ
る。

ところが、スプリングガイドｂは自動車等の外
部に位置しているため、降雨時の走行や洗車時等
でスプリングｃの内側とスプリングガイドｂのス
プリング座面ｅコーナー部との間に水が溜り、こ
れが原因で発錆し、この発錆によりスプリングガ
イド自体の強度低下を招くことになる。

従来は、この点に着目し、水抜き性を良くする
ため、第４図に部分拡大図で示す如く、スプリン
グガイドｂのコーナー部に、プレス金型押し、あ
るいはドリル孔にて水抜き孔ｆを設け、第３図の
如く円周方向の適数個所に水抜き孔ｆを設けるよ
うにしていた。

しかしながな、かかる水抜き孔ｆをスプリング
ガイドｂに穿設することは、該水抜き孔ｆ部への
応力集中による疲労強度低下を招くと共に、水抜
き孔ｆ部が腐食し易く、徐々に孔ｆが拡大してス
プリングガイドｂ自体の寿命が短かくなる等の欠
点があつた。

本考案は、かかる従来の欠点を解消するため、
水抜け性を良くし且つ強度低下、寿命延長を達成
できるシヨツクアブソーバ用スプリングガイドを
提供することを目的とするものであり、その目的
達成のため、従来の水抜き孔の穿設を改め、スプ
リングガイドのコーナ部からスプリングガイドの
周辺に向け半径方向に延びる凹溝を形成し、該凹
溝に沿つて水抜けができ、応力集中を避け、更に
腐食し難くしたものである。

以下、第５図〜第７図に基づき本考案のスプリ
ングガイドを説明する。

第２図と同様にスプリングｃの端部を受けるス
プリング座面をスプリング端部の傾斜に合わせて
徐々に傾斜させ且つ１個所にスプリング端を位置
させる段差部ｄを設けた構成のスプリングガイド
において、第５図乃至第７図に示す如く、スプリ
ングガイド１のスプリング座面２に、円周方向に
直交す方向（半径方向）に水抜き用凹溝３を、円
周方向の適数個所にプレス金型等にて設け、スプ
リングｃとスプリング座面２間に溜つた水を適数
個の凹溝３を通して外方へ流し水抜きできるよう
にする。

上記構成としてあるので、降雨時の走行や洗車
等により懸架スプリングｃの下端内面部とスプリ
ングガイドのスプリング座面２との間に入り込ん
だ水は、上記スプリングｃ下端と座面２との接触
部をスプリング座面２の円周方向に沿う傾斜に沿
い移行し、その途中で凹溝３内に流し込み、該凹
溝３に沿い半径方向外方へ流れてスプリングガイ
ド周辺より流下する。これにより水がスプリング
座面２に溜つたままということがなくなり、スプ
リング座面２やスプリングｃ下端に発錆等のおそ
れをなくすことができる。この際、水抜けを凹溝
３で行うので、水の流路面積を拡大できて水抜け
効率を高めることができる。又、スプリング座面
２に孔をあけることがないので、応力集中を避
け、強度低下を防止することができる。

なお、凹溝３を円周方向に３個設けた場合を示
したが、これに限定されるものではないこと、凹
溝３の幅寸法はスプリングｃの受けに支障を来た
さない範囲内で広くすれば有利であること、その
他本考案の要旨に逸脱しない範囲内で変更を加え
得ること、等は勿論である。

以上述べた如く、本考案のスプリングガイドに
よれば、従来の水抜き孔に代えて水抜き用凹溝を
スプリング座面に設けた構成としてあるので、次
の如き優れた効果を奏し得る。

(i) 流路面積を拡大でき、排水効果がアツプす
る。

(ii) 上記(i)により発錆や腐食のおそれが少なくな
り、寿命が延長する。

(iii) 水抜き孔を設けた場合に生ずる応力集中を避
け得て強度アツプが図れる。

(iv) プレス金型で水抜き孔を形成する場合、プレ
ス金型水抜き孔用ピンの寿命が短かいが、凹溝
とすることによりプレス金型自体の寿命の延長
が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のシヨツクアブソーバの一例を示
す部分断面図、第２図は従来のシヨツクアブソー
バのスプリングガイドの側面図、第３図は従来の
スプリングガイドを示す平面図、第４図は第３図
のＡ−Ａ矢視拡大図、第５図は本考案のスプリン
グガイドの側面図、第６図は第５図の平面図、第
７図は第６図のＢ−Ｂ矢視図である。 １……スプリングガイド、２……スプリング座
面、３……水抜き用凹溝、ｃ……懸架スプリン
グ、ｄ……段差部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) スプリング座面を円周方向に傾斜させ、１個
   所にスプリングの端を受け止める段差部を形成
   してなるシヨツクアブソーバ用スプリングガイ
   ドにおいて、上記スプリング座面の適宜個所
   に、半径方向に延びる水抜き用凹溝を形成した
   ことを特徴とするシヨツクアブソーバ用スプリ
   ングガイド。 (2) 凹溝が３個設けられている実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のシヨツクアブソーバ用スプ
   リングガイド。