JPS6119221Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスプリングシートに関し、更に詳しく
はスプリングの当接支持面の同一円周上に設けた
母材と一体な複数個の切り起し部にてスプリング
内周をガイドするようにしたダンパーにおける懸
架スプリング支持用に好適なスプリングシートに
関する。

この種従来のスプリングシートの一つとして第
１図のものが知られている。これはダンパー１の
外周にラツパ型スプリングシート２の基端３を溶
接させ、水平なスプリング支持面４の外周に彎曲
した環状のガイド部５を形成し、このガイド部５
の内周がスプリング６のコイル外径を担持するよ
うにしたものである。このスプリングシート２に
よれば、ガイド部５が外方に張出している為に外
径が大きく、材料費がかさみ、重量が重くなると
共に、外部に張出した分スペースを多くとり、こ
の為ダンパーを取り付けた自動車のタイヤを邪魔
し、この場合にはガイド部の一部を切欠く必要が
生じ、こうすると今度は逆にバランスがくずれダ
ンパーの左右違いが出来る欠点がある。

又第２図のような公知のスプリングシート７は
下方に拡大するラツパ型のものであり、この場合
は上方に起立する基端８をダンパー１外周に溶接
させ、スプリング支持面９の内側に彎曲した環状
のガイド部１０を形成し、このガイド部１０の内
周でスプリング１１のコイル内側全周を担持する
ものである。この場合には、ガイド部１０が内方
にある分第１図のスプリングシート２に比べると
外径が小さくなる反面、スプリング１１の上から
の荷重に対して弱く、スプリングシート７等が下
方に撓んでスプリング１１が外部に脱落するおそ
れがあり、又強度を持たせるためには板厚を多く
する必要があり、トータル的には肉厚にした分重
量が重くなり、材料費もかさむという欠点があ
る。

従つて本考案の目的は、スプリングの内周を規
制するガイド部としてスプリングシートの母材と
一体に複数個の切り起し部を形成し、スプリング
シートの重量軽減とコストダウンを計れるように
したダンパー用に好適なスプリングシートを提供
することである。

以下本考案の実施の一態様を図面について説明
する。

本考案の好適な実施例が第３図に示されてい
る。これは截頭円錐型又はする鉢状の連結部１２
の下端に該連結部１２と同芯の円筒状のダンパー
結合部１３を垂直にプレス成形し、連結部１２の
上端には水平に環状のスプリング当接支持面１４
を一体にプレス成形している。

支持面１４から連結部１２側にかけてコ字状の
切り込み１５を形成し、この切り込み１５により
四角状に形成された板片を垂直に起立させて当接
支持面１４と同一円周上に切り起し部１６を複数
設け、又この切り起し部１６に対向する部分を切
り込み１５より内方に膨出させてリブ１７を複数
設けている。

即ち懸架スプリングの当接支持面の同一円周上
にスプリングシートの母材と一体に複数個の垂直
な切り起し部１６を形成したもので、リブ１７は
連結部１２の補強のため必要に応じて設けるもの
である。

円筒状の結合部１３にはダンパー１を挿入した
後、ダンパー１の外周に溶接等で固定して連結部
１２がダンパー１と同芯になるようにされる。

なお、切り起しは成形曲げ後に行なう為、切り
起し部１６、リブ１７はダンパー中心軸に対して
直交平面上に垂直に位置するようにした方が加工
が容易となるものである。

上記のスプリングシートでは、連結部１２と結
合部１３がダンパー１に対して同芯に挿通固定さ
れ、ダンパー外周に配設された懸架スプリングの
下端が支持面１４で担持され、又コイルスプリン
グの内周が同一円周上に形成された切り起し部１
６の外周で芯出しされながら支持される。

第６図、第７図は本考案の他の実施態様に係
り、これは第３図のスプリングシートを逆さにし
たもので、作用、効果は実質的に同じである。

即ち、する鉢状又は截頭円錐状の連結部１８を
スカート状に下方に向けて広がるようにし、連結
部１８の上端に円筒状のダンパー結合部１９を一
体にプレス成形し、又連結部１８の下端には環
状、鍔又はフランジ状のスプリング当接支持面２
０を水平に連接してプレス成形している。連結部
１８には母材自体を上方又は下方に膨出して溝状
の補強リブ２１を複数形成し、更に当接支持面２
０から連結部１８側にかけて複数の切り込み２２
を形成し、この切り込み２２により連結部１８か
ら分割された板体を垂直に起して切り起し部２３
を当接支持面２０と同一円周上に複数設けてい
る。

上記のスプリングシートではダンパー結合部１
９内にダンパーを挿入し、この結合部１９をダン
パー外周に溶接等で結合させる。ダンパー外周に
配設した懸架スプリングの下端を支持面２０上に
担持させ、又このスプリングのコイル内周を切り
起し部２３の外周で芯出ししながら支持させるも
のである。

次に第８図はスプリングシートの他の実施態様
に係り、これはコイルスプリングの下端にリード
角を有するものに使用できるようにしたものであ
る。

即ち、第３図と同じく、すり鉢状の連結部２４
の下端に円筒状のダンパーに対する結合部２５を
一体にプレス成形し、連結部２４の上端には水平
方向に還状のスプリング当接支持面２６を形成さ
せている。支持面２６はコイルスプリングの下端
リード角に沿うように円周方向に傾斜させ、支持
面２６の一部に段付部２７を形成させている。

支持面２６から連結部２４にかけてコ字状、又
はＵ字状、その他同様の切り込み２８を形成し、
この切り込み２８により連結部２４から分割され
た板片を垂直に起立させて切り起し部２９を複数
設け、この切り起し部２９に対向する位置に切り
込み２８より内方に膨出させた補強リブ３０を設
けている。

第８図のスプリングシートではリード角を有す
る懸架スプリングの下端を支持面２６上で担持さ
せ、切り起し部２９の外周でコイルスプリングの
内周を支持させ、結合部２５はダンパー外周に挿
入しておくものである。

同様に第９図はスプリングシートの他の実施態
様に係る。

これは第８図と同じく、すり鉢状の連結部３１
の下端にダンパーに対する円筒状結合部３２を垂
設させ、連結部３１の上端にスプリング当接支持
面３３を水平方向に形成させ、この支持面３３は
リード角のあるコイルスプリングを担持させるた
めリード角に沿つて円周方向に傾斜すると共に段
付部３４が設けられている。

支持面３３はスプリング下端が水平に形成され
ている場合には傾斜させたり、段付部３４を設け
る必要がない。

支持面３３にはコ字状、Ｕ字状又は半円状の切
り込み３５を形成し、この切り込み３５により支
持面３３より分割された板片を垂直に起立させて
切り起し部３６を設けている。

このスプリングシートでは結合部３２にダンパ
ーを挿入固定させ、ダンパー外周に配設した懸架
スプリングの下端を支持面３３に担持させ、コイ
ルスプリングの内周を切り起し部３６の外周で支
持させるものである。

以上のように本考案はスプリングシートの重量
軽減とコストダウンを行なう為、懸架スプリング
の当接支持面と同一円周上に母材と一体に形成し
た複数個の切り起し部を起立し、これらの切り起
し部にてスプリング内周をガイドするようにし、
スプリングの芯ずれ防止用のガイド部をスプリン
グシート母材を増加又は付加することなく形成し
たものである。

この為スプリングシート外径をコイル中心径近
くまで小さく出来、且つ切り起し部による内周ガ
イド方式の為、通常の内側全周ガイド方式と異な
り強度面での問題もなく、軽量かつ安価なスプリ
ングシートが得られるものである。即ち、スプリ
ングシートの母材の一部を切り起して芯ずれ防止
ガイドとしたので、必要最小限の材料によりスプ
リングシートを作ることができ、重量の軽減と材
料費の減少を図り得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来のスプリングシートの縦
断側面図、第３図は本考案の一実施態様に係るス
プリングシートの斜視図、第４図は第３図の縦断
側面図、第５図は第３図の拡大平面図、第６図は
他の実施態様に係るスプリングシートの斜視図、
第７図は第６図の縦断側面図、第８図、第９図は
それぞれ他の実施態様に係るスプリングシートの
斜視図である。 １……ダンパー、１３，１９，２５，３２……
結合部、１４，２０，２６，３３……支持面、１
５，２２，２８，３５……切り込み、１６，２
３，２９，３６……切り起し部、１７，２１，３
０……補強リブ、２７，３４……段付部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ダンパーへの筒状結合部と懸架スプリングの
   当接支持面とが形成されたスプリングシートに
   於て、上記当接支持面と同一円周上に母材と一
   体に複数個の切り起し部を起立させ、これらの
   切り起し部の外周にてスプリングの内周を支持
   させるようにしたスプリングシート。 (2) ダンパーへの筒状結合部とスプリング当接支
   持面との連結部に母材と一体に補強リブを形成
   した実用新案登録請求の範囲第１項記載のスプ
   リングシート。 (3) スプリング当接支持面が水平である実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のスプリングシー
   ト。 (4) スプリング当接支持面が円周方向に傾斜し、
   一部に段付部を設けた実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のスプリングシート。 (5) 補強リブは母材を上方又は下方に膨出させて
   形成した実用新案登録請求の範囲第２項記載の
   スプリングシート。