JPS631736Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のエンジンフード、トランク
リツド、テイルゲイト、等の施錠装置又は傾倒式
シートの固定装置等として用いられるロツク装置
に関する。

一般に、自動車のエンジンフード等の施解錠に
用いられるロツク装置は、蓋体側に取付けられた
ロツクピン機構と、車体側に固着されたラツチ機
構とからなり、両者が係合して施錠されるように
なつている。

ロツクピン機構は、通常、第１図に示すよう
に、ベースプレートａに切設されためねじｂに、
ロツクピンｃの基端に切設されたおねじｄを螺挿
し、その先端に、ワツシヤｅを介してナツトｆを
締着して構成されている。

ロツクピンｃの遊端には、頂面の中央にすり割
ｇが切設されたほぼ円錐形の拡径ヘツドｈが連設
され、このヘツドｈの下側には、環状をなすリテ
イナーｉが嵌挿されている。このリテイナーｉと
前記ベースプレートａとの間におけるロツクピン
ｃまわりには圧縮コイルばねｊが縮設されてい
る。

上述したような従来のロツクピン機構は、ロツ
クピンのねじ部においてゆるみ等が発生し易く、
かつ、部品点数が多いという欠点がある。また、
組付けに際して、ロツクピンｃにリテイナーｉ及
び圧縮コイルばねｊを嵌合した状態で、ロツクピ
ンｃをベースプレートａに螺合し、さらに、ロツ
クピンｃにナツト５を螺合しなければならず、そ
れらの螺合作業が煩雑であるという難点がある。

本考案は、組立てが容易で、かつねじゆるみ等
のない改良されたロツク装置におけるロツクピン
機構を提供しようとするものである。

以下本考案を、第２図乃至第５図に示す一実施
例に基づいて、詳細に説明する。

１はロツクピン機構で、これは第３図に示すよ
うに、概略的に述べると、取付け部２と、圧縮コ
イルばね３及びリテイナー４の三者から構成され
ている。

取付け部３は、横長の六角形をなすベースプレ
ート５と、このベースプレート５の中央に穿設さ
れた孔５ａにその基部６ａが挿入され、かつかし
めによつて固着された円柱状のロツクピン６とか
ら構成されている。

ロツクピン６の軸部６ａの上端には、軸径より
若干拡径された底面を有する円錐状のヘツド６ｂ
が連設されている。

圧縮コイルばね３は、その内径が前記ヘツド６
ｂの底面の直径よりも大きく、かつその全長は、
ロツクピン６の軸長さより若干長くなつている。

リテイナー４は、中央部に、ロツクピン６のヘ
ツド６ｂが嵌合し得る円形の凹部６ｂを形成され
た本体４ａの外周縁を下向折曲させることによ
り、凹部６ｂの外側に下向き開口する環状溝４ｃ
を形成され、かつ本体４ａの中央より半径方向に
向けて、ロツクピン６の軸部６ａの径より広い幅
を有する切欠部４ｄを切設されてなつている。

第２図に示すように、ロツクピン６に、圧縮コ
イルばね３を遊挿した後、これを強く圧縮した状
態で、ロツクピン６におけるヘツド６ｂの下方の
軸部６ａに、リテイナー４の切欠部４ｄを側方よ
り嵌合する。ついで、圧縮コイルばね３の圧縮を
解いて、その上縁部をリテイナー４の環状溝４ｃ
内に嵌合させると、圧縮コイルばね３の復元力に
よつて、リテイナー４は上方に押し上げられ、リ
テイナー４の凹部４ｂ内に、ロツクピン６のヘツ
ド６ｂが嵌合し、ロツクピン機構１が組立てられ
る。

このように組立てられたロツクピン機構１は、
圧縮コイルばね３の上端がリテイナー４の環状溝
４ｃに嵌合し、かつロツクピン６のヘツド６ｂが
リテイナー４の凹部４ｂに嵌合しているので、リ
テイナー４や圧縮コイルばね３が、ロツクピン６
から妄りに外れることはない。

また、ロツクピン６をベースプレート５に固着
した後に、リテイナー４や圧縮コイルばね３をロ
ツクピン６に組付けることができるので、ベース
プレート５へのロツクピン６の固着が簡単に行な
える。従つて、従来のようにねじ式としなくと
も、かしめやその他の簡単な固着手段を採用する
ことができる。

次に、上述のような構成とした本考案のロツク
ピン機構１と、ラツチ機構との関係について説明
する。

第４図及び第５図に示す７はラツチ機構で、前
述したロツクピン機構１と対向する側、例えばロ
ツクピン機構１を固定体側に取付けた場合には、
可動体側に取付けられる。このラツチ機構７はす
でに公知であるから、その構成については簡単に
説明する。

８は、上面を開口した矩形箱状のケースで、こ
のケース８の左右の上縁には、取付け用の鍔部８
ａが連設されている。

ケース８の内底面８ｂには、円孔９が穿設され
るとともに、この円孔９に鍔部を有する円筒状の
ロツクピンガイド１０が下より嵌着されている。
ロツクピンガイド１０の上端開口１１は、緩衝材
としてのゴムパツト１２により閉塞され、かつロ
ツクピンガイド１０の側壁には、所要の高さを有
する円弧状の切欠窓１３が穿設されている。

１４はラツチで、その中位部は、軸１５をもつ
て、ケース８の内底面８ｂに枢着されている。

ラツチ１４の右端部には切起し片１４ａが連設
され、この切起し片１４ａと、内底面８ｂから切
り起こされた突片１６との間には、引張りコイル
ばね１７が張設され、ラツチ１４は、常時第４図
反時計方向に付勢されている。

ラツチ１４の左端部には垂下片１４ｂが連設さ
れ、この垂下片１４ｂがケース８の左内壁に当接
することによつて、ラツチ１４の反時計方向の回
動を規制している。

また、垂下片１４ｂに近接したラツチ１４の上
面には、図示しない操作ハンドルと連係したワイ
ヤー１７の一端１７ａが止着され、操作ハンドル
を引くことによつて、ラツチ１４を第４図時計方
向に回動しうるように構成されている。

以上のように構成されたラツチ機構７は、これ
と対向して設けられた前記ロツクピン機構１と係
合するようになつている。

第４図及び第５図に示すように、可動体と固定
体とを閉じた場合には、ロツクピン６のヘツド６
ｂがロツクピンガイド１０に下方より侵入し、ヘ
ツド６ｂの底面にラツチ１４の上部側縁が係止す
ることによつて、施錠が行なわれる。

第４図に示すように、ハンドル操作によりワイ
ヤー１７を引張ると、軸１５を中心にラツチ１４
が時計方向に回動して、ロツクピンガイド１０と
ラツチ１４の係合が解かれ、圧縮コイルばね３の
復元力によつて、リテイナー４がケース８を押し
上げ、解錠される。

以上詳細に説明したように、本考案によるロツ
ク装置のロツクピン機構は、ロツクピンの軸部の
基部をベースプレートに固着し、かつリテイナー
に、ロツクピンのヘツドが嵌合し得る凹部を形成
するとともに、ロツクピンの軸部の径より広い幅
を有する半径方向の切欠部を設けてあるので、上
述のように、ベースプレートにロツクピンを固着
した後に、リテイナーや圧縮コイルばねを組付け
ることができ、ロツクピンとベースプレートとの
固着が容易となるとともに、組付け作業が簡単と
なり、かつ従来のようにナツト等を用いる必要が
ないので、部品点数が少なくてすみ、低コストで
製造できる等の利点がある。

また、ロツクピンはベースプレートに直接固着
できるので、従来のようなねじゆるみ等が生じる
恐れもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のロツクピン機構を示す断面
図、第２図は、本考案の一実施例を示す斜視図、
第３図は、同じく分解斜視図、第４図は、本考案
の上記実施例とラツチ機構との係合状態を示す一
部切欠平面図、第５図は、第４図のＸ−Ｘ線にお
ける縦断面図である。 １……ロツクピン機構、２……取付け部、３…
…圧縮コイルばね、４……リテイナー、４ａ……
本体、４ｂ……凹部、４ｃ……環状溝、４ｄ……
切欠部、５……ベースプレート、６……ロツクピ
ン、６ａ……軸部、６ｂ……ヘツド、７……ラツ
チ機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸部の遊端に拡径されたヘツドを備えるロツク
   ピンの軸部の基端をベースプレートに立設すると
   ともに、前記ロツクピンの軸部に嵌合されたリテ
   イナーと前記ベースプレートとの間に、圧縮コイ
   ルばねを縮設してなるロツク装置におけるロツク
   ピン機構において、前記ロツクピンの軸部の基端
   をベースプレートに固着し、かつ、前記リテイナ
   ーに、前記ロツクピンのヘツドが嵌合し得る凹部
   を形成するとともに、前記ロツクピンの軸部の径
   より広い幅を有する半径方向の切欠部を設けたこ
   とを特徴とするロツク装置におけるロツクピン機
   構。