JPS6317043B2 - - Google Patents

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JPS6317043B2
JPS6317043B2 JP53100050A JP10005078A JPS6317043B2 JP S6317043 B2 JPS6317043 B2 JP S6317043B2 JP 53100050 A JP53100050 A JP 53100050A JP 10005078 A JP10005078 A JP 10005078A JP S6317043 B2 JPS6317043 B2 JP S6317043B2
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JP
Japan
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piperazinecarboxamide
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methyl
test
present
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JP53100050A
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Hitoshi Inoe
Shizuo Shimada
Yoshinori Imaizumi
Miki Ikuro
Hidehiro Ito
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は1―ピペラジンカルボキサミド誘導体
またはその医薬として許容される塩を有効成分と
することを特徴とする免疫賦活剤に関するもの
で、その目的とするところは免疫機能を賦活せし
める医療用薬剤、とりわけ癌の免疫療法剤すなわ
ち担癌宿主の免疫機能を賦活することにより癌患
者の自覚的または他覚的症状を緩解せしめ、治療
する医療用薬剤を提供することにある。 癌の免疫療法剤として従来より用いられている
ものは、BCG菌製剤、溶連菌製剤(ピシバニー
ル)のように菌体をそのまま用いる薬剤あるい
はカワラタケ菌抽出物製剤(クレスチン)、
BCG細胞壁骨格(CWS)、人型結核菌体抽出物質
(SSM、いわゆる丸山ワクチン)のように菌体抽
出成分を用いる薬剤などがあるが、これらはいず
れも生物学的製剤である。従つてこれらは生物学
的製剤であるために多くの問題点を有している。
例えばこれらがいずれもヒトにとつて異種生物
の高分子物であるため、副作用としてアレルギー
反応の生ずることが避け難いこと、肝毒性、潰
瘍形成、発熱などの強い副作用をもつものがある
こと、複雑な成分を含有する組成物であるため
に再現性よく同一物を得ることが難しく、また保
存安定性など品質管理が容易でないことなどの点
がある。これらの問題点を解決する方法の一つと
しては、低分子合成化合物の免疫賦活剤を用いる
ことが考えられ、この方向に沿つて現在世界的に
広く研究が進められている薬物としては、レバミ
ゾール(levamisole)などがある。しかしこれら
の化合物は毒性が強く、臨床試験においても多種
でなおかつ重篤な副作用がみられている。例え
ば、レバミゾールの臨床試験においてはかゆみ、
皮診、脱毛、胃腸障害などの副作用が高率に出現
する(参考文献1および2参照)ばかりでなく、
無顆粒球症のような極めて重篤な副作用が報告さ
れている(参考文献3および4参照)。 本発明者らは、低毒性で副作用の少ない低分子
合成化合物の免疫賦活剤を得ることを目的として
鋭意研究の結果、全く意外にも従来より抗フイラ
リア活性を有することが知られている1―ピペラ
ジンカルボキサミド誘導体が強力な免疫賦活活性
および制癌活性を有することを知り、本発明を完
成するに至つた。 本発明は、1―ピペラジンカルボキサミド誘導
体またはその医薬品として許容される塩を有効成
分とする免疫賦活剤、を提供する。 本発明の免疫賦活剤の有効成分である1―ピペ
ラジンカルボキサミド誘導体は、 (1) 1―ピペラジンカルボキサミドのカルバモイ
ル基の水素原子が低級アルキル基で一置換され
ているか、または同種もしくは異種の低級アル
キル基で二置換されている誘導体;及び (2) 上記(1)項に記した誘導体または1―ピペラジ
ンカルボキサミドのピペラジン核の4位の窒素
原子に結合している水素原子が、更に低級アル
キル基で置換されている誘導体 である。 上記の1―ピペラジンカルボキサミド誘導体は
その免疫賦活活性および制癌作用は強力であつ
て、レバミゾールのそれよりも強く、また毒性は
レバミゾールのそれより弱く、極めて有用な薬剤
である。本発明の医薬の成分として用い得る1―
ピペラジンカルボキサミド誘導体の若干を以下に
例示する。なお化合物番号は以下の説明において
これを引用する。 化合物番号 化学名 1 N,N―ジメチル―1―ピペラジン
カルボキサミド 2 N,N―ジエチル―1―ピペラジン
カルボキサミド 3 N―メチル―4―メチル―1―ピペ
ラジンカルボキサミド 4 N―エチル―4―メチル―1―ピペ
ラジンカルボキサミド 5 N,N―ジメチル―4―メチル―1
―ピペラジンカルボキサミド 6 N,N―ジメチル―4―メチル―1
―ピペラジンカルボキサミドクエン
酸塩 7 N―エチル―N―メチル―4―メチ
ル―1―ピペラジンカルボキサミド 8 N―エチル―N―メチル―4―メチ
ル―1―ピペラジンカルボキサミド
リン酸塩 9 N,N―ジエチル―4―メチル―1
―ピペラジンカルボキサミド 10 N,N―ジエチル―4―メチル―1
―ピペラジンカルボキサミド塩酸塩 11 N,N―ジエチル―4―メチル―1
―ピペラジンカルボキサミドクエン
酸塩 12 N,N―ジエチル―4―メチル―1
―ピペラジンカルボキサミドリン酸
塩 13 N,N―ジイソプロピル―4―メチ
ル―1―ピペラジンカルボキサミド 14 N,N―ジイソブチル―4―メチル
―1―ピペラジンカルボキサミド 15 N,N―ジエチル―4―エチル―1
―ピペラジンカルボキサミド 16 N,N―ジエチル―4―エチル―1
―ピペラジンカルボキサミド塩酸塩 17 N,N―ジエチル―4―イソプロピ
ル―1―ピペラジンカルボキサミド 18 N,N―ジエチル―4―イソブチル
―1―ピペラジンカルボキサミド なお、例示した化合物はすべて公知のものであ
る。 本発明の医薬の有効成分である1―ピペラジン
カルボキサミド誘導体は遊離塩基のまま製剤原料
として使用することも可能であるが、安定性、製
剤化の容易さの点なども考慮しさらに、例えば注
射剤のように水溶性であることが要求される場合
には、例えば塩酸塩、クエン酸塩、リン酸塩など
の医薬として許容される種類の塩として、これを
製剤原料に用いることが好ましい。 本発明の医薬は通常の免疫賦活剤または制癌剤
と同様の剤型および投与方法によりこれを用いる
ことができる。例えば経口投与剤としては、カプ
セル剤、顆粒剤、丸剤、細粒剤、錠剤、シロツプ
剤などとして用いることができる。また直腸内投
与剤としては坐剤が適当であり、注射剤としては
皮下、筋肉内、または静脈内投与剤などを用いる
ことができる。 本発明の免疫賦活剤の適用疾患としては、免疫
機能の低下または異常を伴うことが知られている
疾患、例えば全身性エリテマトーデス、慢性関節
リウマチ、多発性筋炎などの自己免疫疾患、各種
の感染症、各種の癌などがあり、その疾患の患者
の免疫機能の回復または正常化が期待できる。制
癌剤として投与することが適当な疾患としては、
例えば胃癌、大腸癌、直腸癌、乳癌、肝癌、子宮
癌などの癌腫、細網肉腫、リンパ肉腫などの肉
腫、白血病などの疾患があり、自覚的または他覚
的症状の緩解が期待できる。 本発明の医薬の投与法および剤型はその疾患の
種類、患者の状態などに応じて適宜選択すること
が望ましい。投与量は経口投与の場合には体重1
Kgあたりの1日量は1mgないし100mg、好ましく
は1mgないし20mgが適当であり、直腸内投与の場
合には1mgないし100mg、静脈内投与の場合には
1mgないし10mg、皮下投与または筋肉内投与の場
合には1mgないし30mgがそれぞれ適当であるが、
これらの投与量についてはその疾患の種類、患者
の状態などに応じてさらに適当量を選定すること
が望ましい。またその疾患の種類、患者の状態に
よつては必要に応じて他の薬剤を併用することに
より、本発明の有効成分の治療効果を増大させる
ことも可能である。例をあげれば癌の化学療法
剤、例えばアルキル化剤、代謝拮抗剤などが患者
の免疫能を低下させる副作用を持つているので、
そのような薬剤を投与する場合に本発明の有効成
分を併用することにより、それら薬剤の副作用の
発現を防止して相乗的に治療効果を高めることが
期待できる。 製剤の製造方法は一般の免疫賦活剤または制癌
剤において通常よく用いられる処方および製造方
法に従つてよい。本発明の有効成分の製剤の製造
方法の若干を実施例により詳述する。 実施例 1 N,N―ジエチル―4―メチル―1―ピペラジ
ンカルボキサミドクエン酸塩を有効成分とする
錠剤 N,N―ジエチル―4―メチル―1―ピペラジ
ンカルボキサミドクエン酸塩(化合物番号11)50
g、乳糖38g、トウモロコシデンプン35gおよび
結晶セルロース20gをよく混合し、これをヒドロ
キシプロピルセルロース5gを水100mlに溶解し
た液で練合造粒し、50℃で4時間乾燥する。これ
にステアリン酸マグネシウム2gを加えよく混合
し、打錠機を用い1錠あたり150mgの重量で打錠
し錠剤を得る。 実施例 2 N,N―ジメチル―4―メチル―1―ピペラジ
ンカルボキサミドクエン酸塩を有効成分とする
カプセル剤 N,N―ジメチル―4―メチル―1―ピペラジ
ンカルボキサミドクエン酸塩(化合物番号6)
100g、乳糖94g、トウモロコシデンプン60g、
結晶セルロース40gおよびステアリン酸マグネシ
ウム6gをよく混合する。これをカプセル充填機
にて硬カプセルに300mg宛充填し、カプセル剤を
得る。 実施例 3 N―エチル―N―メチル―4―メチル―1―ピ
ペラジンカルボキサミドリン酸塩を有効成分と
する顆粒剤 N―エチル―N―メチル―4―メチル―1―ピ
ペラジンカルボキサミドリン酸塩(化合物番号
8)100g、乳糖152g、トウモロコシデンプン
140gおよび結晶セルロース80gをとりよく混合
し、これをヒドロキシプロピルセルロース20gを
水400mlに溶解した液で練合造粒し、50℃で4時
間乾燥する。これを12メツシユのスクリーンにて
整粒した後、ステアリン酸マグネシウム8gを加
えよく混合し、顆粒剤とする。 実施例 4 N,N―ジイソプロピル―4―メチル―1―ピ
ペラジンカルボキサミドを有効成分とする坐剤 N,N―ジイソプロピル―4―メチル―1―ピ
ペラジンカルボキサミド(化合物番号13)10gお
よびウイテツプゾルW−35(デイナミル・ノー
ベル・ケミカルズ、西ドイツ国)90gをとり、60
℃に加熱溶解してよく混合する。これを鋳型に1
個あたり1.5gまたは3gの重量となるように流
し込み、冷却して固まらせて坐剤とする。 実施例 5 N,N―ジエチル―4―メチル―1―ピペラジ
ンカルボキサミド塩酸塩を有効成分とする注射
剤 N,N―ジエチル―4―メチル―1―ピペラジ
ンカルボキサミド塩酸塩(化合物番号16)10gお
よび塩化ナトリウム0.4gをとり、これを適量の
注射用蒸留水に溶解し、全量を100mlとし、注射
剤とする。この注射剤は静脈内投与に適する。 本発明の医薬の有効成分は動物実験において強
力な免疫賦活活性および制癌活性を有し、その毒
性は弱く、医薬として極めて有用である。以下に
このことを試験例をもつて説明する。 動物を用いて免疫賦活作用を試験するために多
数の実験系が常用されているが、その中で最も代
表的な試験である遅延型過敏反応の増強試験の結
果を以下に試験例として例示する。 塩化ピクリル(2―クロロ―1,3,5―トリ
ニトロベンゼン)を皮膚に塗布することによりマ
ウスに誘導される遅延型過敏症は典型的な細胞性
免疫現象として知られており、実験系としては世
界的に汎用されている系の一つである(参考文献
5参照)。この実験系を遅延型過敏症増強試験に
用いた。 試験例1 遅延型過敏反応の増強試験 試験方法:ICR系雄性マウス体重30g前後のも
のを1群6匹として使用した。感作は、オリーブ
油とアセトンを4:1に溶かした液に7%となる
ように塩化ピクリルを溶解したものを、剃毛した
マウスの腹部に、1週間間隔で2回塗布して行つ
た。感作と同時に、本発明の医薬の有効成分であ
る化合物10mgを4mlの生理食塩液に溶解または懸
濁したものを、マウスの背部皮下に体重10gあた
り0.1ml、すなわち体重1Kgあたり25mgの投与量
で投与した。対照群は生理食塩液を同様に投与し
た。 遅延型過敏症の惹起(チヤレンジ)は、2回目
の感作から10日後に、1%の塩化ピクリルを溶解
したオリーブ油を浸み込ませたフエルト紙を鉗子
に巻いたもので、マウスの耳をはさんで塗布して
行つた。 チヤレンジ前とチヤレンジの24時間後のマウス
の耳の厚さ(10-3cm)を測定し、厚さの増加(6
匹の両耳の平均値±標準偏差)を表1に示した。
なお比較としてレバミゾール塩酸塩を用いて同様
に試験した結果も同様に示した。試験結果につい
てF、t検定を行い、対照群に対して危険率P<
0.05で有意のものには※印、p<0.01で有意のも
のには※※印を付した。 結果:本発明の医薬の有効成分を感作と同時に
投与すると、チヤレンジにより惹起される遅延型
過敏反応は増強され、しかも統計学的に有意であ
つた。レバミゾールにおいても増強される傾向が
あつたが統計学的に有意ではなかつた。 すなわち本発明の医薬の有効成分はマウスの細
胞性免疫反応を賦活する作用(免疫賦活作用)を
有し、その強さはレバミゾールより強いと考えら
れる。
【表】 現在、癌の免疫療法は担癌状態において低下し
た特異的あるいは非特異的な免疫機能を何らかの
機作により上昇させ、生体に癌に対する抵抗性を
賦与せしめ治療する方法と考えられているが、そ
の機構におけるマクロフアージの関与は必須のも
のである。すなわち活性化されたマクロフアー
ジは癌細胞傷害性を持つことマクロフアージは
抗体依存の細胞傷害性(antibody―
dependentcell−mediated cytotoxicity)の有力
なエフエクター細胞の一つであることさらに癌
細胞に対する特異的な免疫が成立しキラーT細胞
が誘導される場合、癌細胞上の癌抗原がT細胞に
引き渡され抗原として認識される必要があるが、
そのための第1ステツプとしては,の機作に
より傷害された癌細胞がさらにマクロフアージに
より貧食処理されねばならないことなどは癌の免
疫療法におけるマクロフアージの重要性を物語つ
ている。 本発明の医薬の有効成分のマクロフアージに対
する作用を試験した結果を試験例2に示す。本試
験では分離したマクロフアージとEL−4白血病
細胞を混合培養し、この時培地に 3H−チミジン
を添加してEL−4細胞に取り込まれる 3H―チ
ミジン量を測定して、マクロフアージの活性を試
験した。本発明の医薬の有効成分の投与によりマ
クロフアージが活性化すると、EL−4細胞の増
殖抑制すなわちマクロフアージによる癌細胞破壊
貧食現象がみられるので、EL−4細胞への 3H
―チミジンの取り込み量を測定してそれが減少し
ていれば、マクロフアージが活性化したことが知
られるのである。 試験例 2 マクロフアージの試験管内腫瘍細胞増殖抑制試
験 試験方法:ddY系雌性マウス(体重25g)1群
3匹に、本発明の医薬の有効成分2mgを5mlの生
理食塩液に溶解または懸濁した液0.5mlを腹腔内
投与した。従つて体重1Kgあたりの投与量は8mg
である。対照群は0.5mlの生理食塩液を同様に投
与した。4日後に腹腔侵出細胞を採取し、プラス
チツクシヤーレに付着せしめて、マクロフアージ
を採取した。 このようにして得られたマクロフアージ1×
106個とC57BL/6JマウスのEL―4白血病細胞1
×105個を、10%牛胎児血清添加RPMI 1640培地
内で24時間混合培養(37℃5%CO2存在下)の
後、 3H―チミジン0.1μCiを加えてさらに16時間
培養した。この培養液から紙上に細胞を集め、
とり込まれれた 3H―チミジンの量を液体シンチ
レーシヨンカウンターにて測定した。とり込み率
(%)は下記の式により算出した。 とり込み率=(混合培養のカウント)−(マクロフア
ージ単独培養のカウント)/(EL−4単独培養のカウン
ト)×100% 1群3匹のとり込み率の平均値(%)を表2に
示した。なお比較としてレバミゾール塩酸塩につ
いて同様に試験した。 結果:本発明の有効成分はEL−4白血病細胞
による 3H−チミジンの取り込みを著明に抑制し
たのに対して、レバミゾール塩酸塩は作用をほと
んど示さなかつた。 すなわち、本発明の医薬の有効成分はマクロフ
アージを活性化せしめ、癌細胞の破壊貧食を惹起
せしめる作用を持つと考えられる。これに対しレ
バミゾールはそのような作用をほとんど有さな
い。
【表】
【表】 次に本発明の医薬の有効成分を用いて動物の癌
の治療を行つた試験結果について試験例3および
4にこれを示す。 試験例 3 経口投与によるザルコーマ180に対する制癌試
験 試験方法:ICR系雌性マウス1群6匹を用い、
ザルコーマ180腫瘍細胞(2×106個)を皮内に接
種し、その24時間後から1日1回連続10日間、生
理食塩液に溶解または懸濁した薬物を体重10gあ
たり0.1ml経口投与した。対照群では生理食塩液
を同様に投与した。薬物の投与量は体重1Kgあた
り100mgとした。腫瘍の直径(D)(mm)を測定し、
その平均値および生存数(N)(匹)を表3に示
した。 結果:接種した腫瘍細胞は増殖し、一旦腫瘍塊
を形成するが、本発明の医薬の有効成分を連続し
て経口投与することによりその腫瘍塊は退縮ある
いは消失した。 比較としてレバミゾール塩酸塩を薬物として同
様に用いたが、その制癌作用はほとんど認められ
なかつた。
【表】 試験例 4 皮下投与によるザルコーマ180に対する制癌試
験 実験方法:投与方法を皮下投与とし、投与量を
体重1Kgあたり20mgとした以外はすべて試験例3
と同様に行つた。 結果:各群の腫瘍の直径の平均(D)(mm)の変化
および生存数(N)(匹)を表4に示した。 本発明の医薬の有効成分は、皮下投与によつて
も著明な制癌活性を示し、しかも経口投与時の投
与量の5分の1で有効であつた。これに対しレバ
ミゾール塩酸塩ではほとんど制癌活性が認められ
なかつた。
【表】 試験例3および4の結果を、試験例1および2
の結果と総合すると、本発明の医薬の有効成分は
担癌宿主の免疫機能を賦活することにより制癌作
用を現わすものと考えられ、その強さはレバミゾ
ールのそれよりも強力であつた。次に本発明の医
薬の有効成分の毒性試験について、試験例5にこ
れを示す。 試験例5 経口投与による急性毒性試験 試験方法:ddY雄性マウス、1群3匹を用い生
理食塩水に溶解または懸濁した薬物を経口投与し
た。投与後7日間経過を観察し、推定LD50値を
求めた結果を表5に示した。 結果:本発明の医薬の有効成分の推定LD50
は600〜1500mg/Kgの範囲内であつた。この値は
レバミゾール塩酸塩の推定LD50150〜200mg/Kg
に比べるとはるかに大きく、本発明の有効成分の
毒性は弱いと考えられる。
【表】
【表】 本発明の医薬の有効成分の中でもN,N―ジエ
チル―4―メチル―1―ピペラジンカルボキサミ
ドクエン酸塩はクエン酸ジエチルカルバマジンま
たはクエン酸ジエチルカルバマジン錠として日本
薬局方に記載され、フイラリア症の治療薬剤とし
て用いられている。 従つてその副作用についても詳細に研究されて
おり、報告も多数あるが、1例として鹿児島大学
の福島教授らの報告(参考文献6参照)を引用す
る。総計917例の患者における副作用は、めまい
(出現率21.1%)、頭痛(同18.4%)、食欲不振
(同5.5%)、腹痛(同4.8%)、悪心(同4.2%)、嘔
吐(同1.1%)、全身倦怠感(同0.7%)などであ
つた。重篤な副作用はなく、また出現した副作用
も充分耐えられるものであつて、腹薬終了により
消失するものであつた。 これによつてレバミゾールの副作用は例えば、
米国スローン―ケタリング記念癌センターのハー
シヨー博士らの報告(参考文献1参照)から引用
すれば、総計30例の患者における副作用は、味覚
異常(出現率40%)、むかつき(同37%)、悪心
(同37%)、腹部けいれん(同17%)、下痢(同17
%)、疲労感(同17%)、嘔吐(同23%)、不眠症
(同17%)、頭痛(同10%)、おくび(同10%)、め
まい(同3%)、瘋痒症(同3%)となつている。
また大阪府立成人病センターの小松原博士の報告
(参考文献2参照)によれば、「高率に副作用が発
現し、かゆみ、皮診、脱毛、胃脹障害が主で、血
液像にも若干の変化が認められた。」とされてい
る。さらに極めて重大な副作用である無顆粒球症
がレバミゾール投与により発症することが認めら
れている(参考文献3および4)。このようにレ
バミゾールは多様かつ高率の副作用を出現させる
ばかりでなく、重篤な副作用も発現させるのに対
して、クエン酸ジエチルカルバマジンの副作用は
はるかに軽微なものである。 本発明の医薬の有効成分は、医薬としての有効
性の面では試験例1,2,3および4に示したよ
うに免疫賦活剤または制癌剤としての活性が強力
であり、また医薬としての安全性の面では試験例
5および副作用について示したように安全である
と考えられ、いずれの面においても従来の薬剤を
凌駕しており、極めて有用な薬剤である。 参考文験 1 Hirshaut,Y.et al:Phase I evaluation
of immune effects of levamisole.,“Control
of neoplasia by modulation of the immune
system”,(ed.)Chirigos,M.A.,Raven
Pr.,New York.1977,pp.147−158 2 小松原良雄他:慢性関節リウマチに対するレ
バミゾールの臨床試用、第22回日本リウマチ学
会総会抄録、東京、1978、p.60 3 Clara,R.and Germanes,J.:
Levamisoleand agranulocytosis.,Lancet,
1,47−48(1977) 4 Leca,A.−P.et al:Agranulocytose
aucours d′une polyarthrite rhumatoide
traite′e le le′vamisole.,Nouv.Presse Me′d.
5,1212(1976) 5 Asherson,G.L.and Ptak,W.:Contact
and delayed hypersensitivity in the mouse.
I.Active sensitization and passive
transfer.,Immunology,15,405−416(1968) 6 福島英雄他:フイラリア症に関する研究(第
4報)バンクロフト系状虫症の集団治療に関す
る研究 1 Diethylcarbamazineの投与法と
副作用との関係について、鹿児島大学医学雑誌
19、407−438(1967)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 1―ピペラジンカルボキサミド誘導体または
    その医薬として許容される塩を有効成分とし、前
    記1―ピペラジンカルボキサミド誘導体が一般式
    (1) (式中、R1R2及びR3は水素原子、メチル基、
    エチル基又はイソプロピル基である。)で示され
    る化合物であることを特徴とする免疫賦活剤。 2 制ガン剤であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の免疫賦活剤。
JP10005078A 1978-08-18 1978-08-18 Immunizator containing 1-piperazinecarboxyamide derivative as effective ingredient Granted JPS5527152A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10005078A JPS5527152A (en) 1978-08-18 1978-08-18 Immunizator containing 1-piperazinecarboxyamide derivative as effective ingredient

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JP10005078A Granted JPS5527152A (en) 1978-08-18 1978-08-18 Immunizator containing 1-piperazinecarboxyamide derivative as effective ingredient

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