JPS6316588B2

JPS6316588B2 -

Info

Publication number: JPS6316588B2
Application number: JP54115536A
Authority: JP
Inventors: Kazuichi Nishitsuji; Kanji Yamamoto; Hiroki Shindo
Original assignee: Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1979-09-08
Filing date: 1979-09-08
Publication date: 1988-04-09
Also published as: JPS5641473A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は潤滑油の給油構造を改良した密閉形圧
縮機に関する。

一般に、密閉形圧縮機においてはその本体の内
底部に潤滑油を収容し、この潤滑油を電動機部の
動力を圧縮機構部に伝達しこれを駆動する駆動シ
ヤフトの回転により吸引しこれを前記駆動シヤフ
ト軸受部に供給してその回転を円滑化ならしめる
ようにしている。

ところで、駆動シヤフトの軸受部に潤滑油を給
油する給油ポンプ機構として従来から駆動シヤフ
トの下端部中央位置に中央穴、この中央穴に対し
て偏心位置に偏心穴、この偏心穴と中央穴との間
を連結する横穴をそれぞれ形成するとともに、駆
動シヤフトの偏心穴の下面開口部および横穴の側
面開口部をそれぞれ閉塞する状態で駆動シヤフト
の下端部にポンプケースを一体的に取着し、この
ポンプケースの下面中央に駆動シヤフトの中央穴
に連通する吸込口を形成させて駆動シヤフトの回
転にともないポンプケースの吸込口から駆動シヤ
フトの中央穴を介して吸込まれた潤滑油を駆動シ
ヤフトの偏心穴に導き、この偏心穴を介して駆動
シヤフトの軸受部に給油する構成にしたものが知
られている。この場合、駆動シヤフトの給油孔は
中央穴、横穴および偏心穴によつて形成されてい
る。

しかしながら、従来のものはポンプケースを単
に潤滑油内に浸漬させてその吸引を行なつていた
ため、たとえば起動時のフオーミング現象などに
より、潤滑油の油面がポンプケースより低下しそ
の後回復するとポンプケースの外側部の遠心力に
よつて潤滑油が外方へ跳ね飛ばされ、ポンプケー
スの吸込口の近傍に過流が生じ吸込口が負圧状態
となる。このため、給油孔およびポンプケース内
に冷媒ガスが吸込まれてしまいポンプケースの吸
込口から潤滑油を吸込ことができず軸受部が焼付
けを起こす虞れがあつた。

なお、潤滑油が回収されその油面のヘツド圧が
ポンプケースの吸込口の負圧より高くなると、潤
滑油は再び吸引されるが、このときの吸引量は正
常時の３分の１位しか回復しない。

本発明は上記事情に着目してなされたもので、
その目的とするところは、軸受部に遮蔽板を設
け、この遮蔽板によつてポンプケースの外側部と
吸込口との間を遮蔽することにより、ポンプケー
スの外側部によつて発生する遠心力を吸込口に作
用させることなく吸込口から潤滑油を良好に吸込
むことができるようにした密閉形圧縮機を提供し
ようとするものである。

以下、本発明の一実施例を第１図乃至第３図に
もとづいて説明する。図中１は密閉形圧縮機の本
体で、この本体１内上部には電動機部２、下部に
は圧縮機構部３が設けられている。上記電動機部
２は固定子４と回転子５によつて構成され、上記
圧縮機構部３はシリンダ６とこのシリンダ６内に
摺動自在に設けられたピストン７によつて構成さ
れている。また、上記電動機部２の回転子５と上
記ピストン７のロツド８とは駆動軸としてのクラ
ンクシヤフト（駆動シヤフト）９を介して連結さ
れている。上記クランクシヤフト９の中途部は主
軸受け１０によつて回転可能に軸支され下端部は
副軸受け１１によつて回転可能に軸支されてい
る。

また、１３は上記シリンダ６に設けられたシリ
ンダヘツドで、このシリンダヘツド１３には吸込
弁１４および吐出弁１５が設けられている。な
お、１６は消音機構で、１７は吸込管、１８は吐
出管である。

一方、上記本体１の内底部には潤滑油１９が収
容され、この潤滑油１９には第２図にも示すよう
に副軸受け１１およびこの副軸受け１１によつて
軸支されるクランクシヤフト９の下端部が浸漬さ
れている。また、クランクシヤフト９の下端部中
央位置には中央穴２０ａが形成されている。さら
に、このクランクシヤフト９には中央穴２０ａに
対して偏心位置に偏心穴２０ｂ、この偏心穴２０
ｂと中央穴２０ａとの間を連結する横穴２０ｃが
それぞれ形成されている。また、クランクシヤフ
ト９の下端部には偏心穴２０ｂの下端開口部およ
び横穴２０ｃの側面開口部をそれぞれ閉塞する状
態でポンプケース２１が嵌着されている。このポ
ンプケース２１の下面中央にはクランクシヤフト
９の中央穴２０ａに連通する吸込口形成用の円筒
状の吸込口体２２が下方向に向けて突設されてい
る。そして、クランクシヤフト９の中央穴２０
ａ，横穴２０ｃおよび偏心穴２０ｂによつて給油
孔２０が形成されており、クランクシヤフト９の
回転にともない第２図中に矢印で示すようにポン
プケース２１の吸込口体２２からクランクシヤフ
ト９の中央穴２０ａを介して吸込まれた潤滑油を
遠心力によつてクランクシヤフト９の偏心穴２０
ｂに導き、この偏心穴２０ｂを介してクランクシ
ヤフト９の副軸受け１１および主軸受け１０に給
油する給油ポンプ機構Ａが形成されている。

また、副軸受１１にはクランクシヤフト９の下
方に離間対向状態で副軸受け１１の下方の下面開
口部を閉塞する遮蔽板２３が設けられている。こ
の遮蔽板２３の中央には潤滑油導入用の通孔２４
が形成されている。そして、ポンプケース２１の
吸込口体２２は遮蔽板２３の通孔２４に挿通させ
た状態で配設されている。

しかして、上述した構成において、電動機部２
に通電すると、回転子５が回転され、これによ
り、クランクシヤフト９が回転されてピストンロ
ツド８を介してピストン７が摺動される。このピ
ストン７の摺動により冷媒ガスが吸込管１７から
吸込まれ、さらにシリンダヘツド１３の吸込弁１
４を介してシリンダ６内に吸込まれる。しかるの
ち、この冷媒ガスはピストン７によつて圧縮され
高圧冷媒ガスとして吐出弁１５から吐出され、消
音機構１６を介して吐出管１８から吐出される。

一方、この運転時には上記クランクシヤフト９
の回転により遠心力によつて潤滑油１９がポンプ
ケース２１の吸込口体２２を介してクランクシヤ
フト９の給油孔２０内に流入され上方へ吸引され
る。この吸引された潤滑油１９は給油孔２０を介
して副軸受け１１および主軸受け１０に供給され
ることになる。

この給油時において、たとえば起動時のフオー
ミング現象などにより潤滑油１９の油面が一旦ポ
ンプケース２１より低下すると、その後潤滑油１
９が回収されて油面が上昇した場合にはポンプケ
ース２１の外側部２１ａの遠心力により潤滑油１
９を外周方向へ跳ね飛ばすが、副軸受け１１の内
部空間を遮蔽板２３によつて上下に仕切り、この
副軸受け１１内における遮蔽板２３の上側空間内
に流入されている潤滑油がポンプケース２１の回
転にともない回転してもこの遮蔽板２３の上側空
間内の潤滑油の回転が副軸受け１１内における遮
蔽板２３の下側空間内に流入されている潤滑油側
に伝達されるおそれがない。そのため、クランク
シヤフト９の回転時にはポンプケース２１に遮蔽
板２３の通孔２４に向けて突設させた吸込口体２
２の吸込口の近傍に渦流が生じるおそれがないの
で、ポンプケース２１の吸込口が負圧状態になる
ことがなく、潤滑油１９は吸込口体２２から良好
に吸込まれ給油孔２０を介して給油されることに
なる。

なお、潤滑油１９の油面高さと給油量との関係
を示すと、第３図に示すようになる。第３図中ａ
線は油面低下時における給油量の変化を示し、ｂ
線は油面回復時における給油量の変化を示し、ｃ
は従来の油面回復時における給油量の変化を示す
ものである。この第３図のグラフからも分るよう
に油面回復時における給油量は従来と比較し大で
ある。

なお、本発明は上記一実施例に限られるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変
形実施できることは勿論である。

本発明は以上説明したように、軸受部の内部空
間を遮蔽板によつて上下に仕切り、この軸受部内
における遮蔽板の上側空間内に流入されている潤
滑油が駆動シヤフトとともに回転するポンプケー
スの回転にともない回転してもこの遮蔽板の上側
空間内の潤滑油の回転が軸受部内における遮蔽板
の下側空間内に流入されている潤滑油側に伝達さ
れることを遮断するようにしたから、潤滑油の油
面が一旦上記ポンプケースより低下して再び回復
してもポンプケースの外側部の遠心力によつて吸
込口部に渦流を生じることがない。したがつて、
ポンプケースの吸込口を負圧状態にすることがな
く、吸込口から潤滑油を良好に吸込んで給油で
き、軸受部の焼付を確実に防止できる。また、潤
滑油を安定して供給できるから圧縮機の振動、騒
音を低下できるとともに、その回転数も良好に維
持できるという効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本以明の一実施例を示すも
ので、第１図は密閉形圧縮機を示す縦断面図、第
２図は要部を示す縦断面図、第３図は給油量の変
化を示すグラフ図である。３……圧縮機構部、９……クランクシヤフト
（駆動シヤフト）、２０ａ……中央穴、２０ｂ……
偏心穴、２０ｃ……横穴、２１……ポンプケー
ス、Ａ……給油ポンプ機構、２２……吸込口体、
２３……遮蔽板、２４……通孔。

Claims

【特許請求の範囲】

１圧縮機構部を駆動する駆動シヤフトの下端部
中央位置に中央穴、この中央穴に対して偏心位置
に偏心穴、この偏心穴と前記中央穴との間を連結
する横穴がそれぞれ形成されるとともに、前記駆
動シヤフトの偏心穴の下面開口部および横穴の側
面開口部をそれぞれ閉塞する状態で前記駆動シヤ
フトの下端部にポンプケースが一体的に取着さ
れ、このポンプケースの下面中央に前記駆動シヤ
フトの中央穴に連通する吸込口が形成されて前記
駆動シヤフトの回転にともない前記ポンプケース
の吸込口から前記駆動シヤフトの中央穴を介して
吸込まれた潤滑油を前記駆動シヤフトの偏心穴に
導き、この偏心穴を介して前記駆動シヤフトの軸
受部に給油する給油ポンプ機構が形成された密閉
形圧縮機において、前記軸受部の下面開口部を閉
塞する遮蔽板を前記駆動シヤフトの下方に離間対
向状態で設け、この遮蔽板の中央に潤滑油導入用
の通孔を形成するとともに、前記ポンプケースに
吸込口形成用の吸込口体を前記遮蔽板の通孔に向
けて突設させたことを特徴とする密閉形圧縮機。