JPS6315221Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は電子部品の選別装置に係り、特に振動
ボウルフイーダからリード部を下方にして送り出
されてくるトランジスタ等の電子部品の本体部の
向きを揃えるようにした電子部品の選別装置に関
する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般にホツパ内に貯蔵されているトランジスタ
等の電子部品を使用場所へ給送する際に振動ボー
ルフイーダが広く使用されている。この振動フイ
ーダとして振動ボウルフイーダが多用され、ボウ
ル内に貯蔵されたトランジスタ等の電子部品はス
パイラル状の給送トラツク上を電磁振動により内
方から外方に向つて送り出される。さらに、振動
ボウルフイーダから離れた場所へ部品を搬送する
必要があるときにはボウルフイーダの出口側に適
当な長さの直進フイーダか接続される。

電子部品が頭部と脚部とを有する部品、例えば
トランジスタのように本体部から細いリード線が
出ているような電子部品の場合には、直進フイー
ダで搬送するときにリード線を下方にして起立さ
せた姿勢で搬送した方が次工程における各種の処
理がしやすい。そのために、従来は直進フイーダ
の給送トラツクの支持面の中央に沿つて案内溝を
形成しておき、この案内溝内にリード線を落し込
んでいる。このように、本体部の下面を給送トラ
ツクの支持面上に支持させることによりトランジ
スタはリード線を下方に向けた起立姿勢を保持さ
せることができる。

また、トランジスタの種類によつては、本体部
の端面の形状がリード線を含む面に関して非対称
のものがあり、この種のトランジスタは直進フイ
ーダの給送トラツク上を給送するときに同じ向き
に統一して送つた方が次工程の作業上能率が良
い。ところが振動ボウルフイーダから送られてく
るときの姿勢は区々であつて異なつた向きのもの
が混合した状態で送られてしまう。そのために振
動ボウルフイーダの出口のところで同じ向きの電
子部品のみを選別して送り出すことが望まれる。

〔考案の目的〕

そこで本考案の目的は、リード線が突出する本
体部の端面の形状がリード線を含む面に関して非
対称の電子部品の向きの揃つたものを選別して送
り出せるようにした電子部品の選別装置を提供す
ることにある。

〔考案の概要〕

上記目的を達成するために、本考案は、本体部
から複数本のリード線が突出し、この本体部の端
面の形状がリード線を含む面に関して非対称な電
子部品を振動ボウルフイーダの給送トラツクに沿
つて振動輸送し、この給送トラツクの給送路を挟
むようにして両側に固定ガイド板と可動ガイド板
とを配置し、両者の間に電子部品の本体部を通過
案内する案内路を形成し、この案内路の出口側に
ナイフエツジ状のセレクタ板を尖端を内方に向け
て配置したことを特徴とするものであり、電子部
品の本体部が同じ向きの電子部品のみをセレクタ
板で選別して送り出すことができる。

〔考案の実施例〕

以下本考案による電子部品の選別装置の実施例
を図面を参照して説明する。

第１図において、符号１は振動ボウルフイーダ
を示し、この振動ボウルフイーダ１はそれ自体公
知のものであつて、渦巻形の振動ボール２内には
底部から外周縁に向うスパイラル状の給送トラツ
ク３が形成されている。この振動ボウル２の下面
には、部品を送るための電磁振動を発生させる電
磁石と、ボウルを支持し輸送性の振動に変換させ
る振動板ばねとコントローラが装備されている。
したがつて、電磁石を励磁したときに振動ボウル
２内に貯蔵されたトランジスタ等の電子部品４を
給送トラツク３に沿つて内方から外方へ送出する
ことができる。

本考案で対象とする電子部品４はトランジスタ
であつて、第２図に示されるように本体部５の端
面５ａから３本のリード線６が突出し、この本体
部５の端面５ａの形状は第３図に示したようにリ
ード線６を含む面Ｐ−Ｐに関して非対称である。
すなわち、一方の側に切欠面７が形成されていて
この切欠面７から上記面Ｐ−Ｐまでの距離ｍと、
反対側の円筒面の頂点から面Ｐ−Ｐまでの垂直距
離ｎとの間にはｍ＜ｎの関係がある。

このような電子部品４は、第１図に示されたよ
うに、給送トラツク３上をボウルの内側から外側
に向つて振動輸送され、アツトランダムに送り出
され、リード線６を傾斜したバンク８に沿つて下
降させた状態で給送路９の上を出口に向つて搬送
される。この給送路９の出口側には、給送路９を
挟むようにして固定ガイド板１０と可動ガイド板
１１とが配置され、両者の間に案内路１２が形成
されている。この案内路１２の幅は入口１２ａか
ら出口１２ｂに向つて先細りとなるように形成さ
れ、入口部におけるトランジスタ４の導入を容易
にし出口近くでトランジスタ４の本体部４ａの姿
勢を一定の向きに整合するようになつている。し
かして、本考案によれば、上記案内路１２の出口
１２ｂの側にナイフエツジ状のセレクタ板１４が
配置されている。このセレクタ板１４の尖端１５
は案内路１２の上流側に向けて配置されている。
上記セレクタ板１４の尖端１４ａの設定位置は重
要であつて、固定ガイド板１０の内縁から尖端部
１４ａまでの距離Ｓがｍ＜Ｓ＜ｎの関係を満たす
ように設定されている。

また、上記セレクタ板１４と向い合う位置には
直進フイーダを構成する搬送トラツク１５が平行
に配置され、両者間には一定の姿勢向きに選別さ
れたトランジスタ４を矢視方向へ搬出するための
給送溝１６が形成されている。

次の上述のように構成された電子部品の選別装
置の作動について説明する。

振動ボウルフイーダ１を加振駆動すると、ボウ
ル内のトランジスタ４は給送トラツク３に沿つて
内方から外方に向つて搬送され、給送トラツク３
の出口近くでリード線６を傾斜したバンク８に沿
つて下降させた状態で給送路９の上を選別機構に
向つて供給される。すなわち、トランジスタ４を
案内路１２の入口１２ａに達し、固定ガイド板１
０と可動ガイド板１１の内縁によつてトランジス
タ４の切欠面７がガイドされ下流に向つて送られ
る。この状態ではトランジスタ４の切欠面７は内
側を向いているときもあるし、反対に外側を向い
ているときもあつて区々である。ところがトラン
ジスタ４のリード線６がセレクタ板１４の尖端１
４ａに達したところでリード線６が尖端１４ａの
外側を通るものと内側を通るものとに選別され
る。すなわち、図示の例では、トランジスタ４の
切欠面７が固定ガイド板１０の側に押しつけられ
たものだけが給送溝１６に沿つて下流側へ送られ
る。反対の向きのトランジスタ４はセレクタ板１
４の尖端１４ａによつて排出シユートへ導かれ、
図示を省略した排出路を通してボウルフイーダ１
内に戻される。

上記実施例はトランジスタを例にとつて説明し
たが、本考案はこれに限定されることなくリード
線が非対称位置に設けられた電子部品に対して広
く適用できる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、案内路の出口側に尖端を上流側に向けたナイ
フエツジ状のセレクタ板を設けたから、固定ガイ
ド板の内側案内面からのリード線の距離の差を利
用して同じ向きの電子部品と反対向きの電子部品
とを選別することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による電子部品の選別装置の一
実施例を示した平面図、第２図は選別の対象とな
るトランジスタを示した斜視図、第３図は同トラ
ンジスタの底面図である。 １……振動ボウルフイーダ、３……給送トラツ
ク、４……電子部品、５……本体部、６……リー
ド線、７……切欠面、９……給送路、１０……固
定ガイド板、１１……可動ガイド板、１２……案
内路、１４……セレクタ板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体部から複数本のリード線が突出し、この本
   体部の端面の形状がリード線を含む面に関して非
   対称な電子部品を振動ボウルフイーダの給送トラ
   ツクに沿つて振動輸送し、この給送トラツクの給
   送路を挟むようにして両側に固定ガイド板と可動
   ガイド板とを配置し、両者の間に電子部品の本体
   部を通過案内する案内路を形成し、この案内路の
   出口側にナイフエツジ状のセレクタ板を尖端を内
   方に向けて配置したことを特徴とする電子部品の
   選別装置。