JPS631500A - 石油精製工場の悪臭を持つタンク堆積スラツジと汚水の処理方法 - Google Patents

石油精製工場の悪臭を持つタンク堆積スラツジと汚水の処理方法

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JPS631500A
JPS631500A JP61145723A JP14572386A JPS631500A JP S631500 A JPS631500 A JP S631500A JP 61145723 A JP61145723 A JP 61145723A JP 14572386 A JP14572386 A JP 14572386A JP S631500 A JPS631500 A JP S631500A
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JP
Japan
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sewage
tank
sludge
water
gypsum
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Application number
JP61145723A
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English (en)
Inventor
Etsuo Asanagi
麻薙 悦男
Osamu Terajima
修 寺島
Ikuo Okabayashi
郁夫 岡林
Kyoji Fujita
藤田 享志
Zenichi Mashino
間篠 善一
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Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Original Assignee
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、石油精製工場の悪臭を持つタンクスラッジと
汚水を処理する方法に関するものである。
〔技術の背景〕
石浦精製工場では、最後部のタンクがタンカーの揚げ残
った油などの集積するタンク(ギャザリンタンク)や、
タンカーの揚荷後のタンク内に残った残油を水洗した際
の汚油水または汚水をためるスロソプタンクとして一般
的に用いられている.該タンクは,脱塩、蒸留、分解,
改質、脱硫などの精製工程から排出される凝縮水、冷却
水、洗浄水などのスロップの集積も行われる.該タンク
の長時間の使用によりタンクの菩蔵物は悪臭を持つもの
で、上層が油分、中間層が汚水、下層がスラソジの状態
となる.該タンクのスラッジ層と汚水層は脱臭し,タン
ク外に取り出し、該タンクの機能を回復する必要がある
。しかし、該堆積スラッジと汚水は、(1)その量が莫
大であり、(2)悪臭を持ち,(3)油分を含有し,(
4)その取扱いが容易ではない,(5)スラッジはセメ
ントの水和反応の阻害物質を含む等の諸事情があり、ま
た該堆積スラッジと汚水の処理で得られる固形物や排水
が,2次的な公害が生じることがなく、しかも、特殊な
後処理を必要としないように経済的に施すことが困難で
ある等の問題がある6 〔目   的〕 本発明は,前記の*Uを総括的に解決するために、(1
)タンク中の悪臭を持つ堆精スラッジ層と汚水層を効果
的に脱臭処理し、(2)また、得られる脱臭スラッジを
更に円滑に同化処理することにより、(3)処理固化物
と、排水が(ア)2次公害が生じることがなく、(イ)
また、特殊な後処理も必要としない状態で排出すること
のできる技術を提供するものである. 〔構  成〕 本発明者らは,前記の目的を達成するために、鋭意研究
を重ねた結果、本発明に到達した.すなわち本発明によ
れば、(ア)タンク中の悪臭を持つ堆積スラッジ層と汚
水層に水溶性の2価鉄塩とアルカリをρ11値5〜8に
維持するように作用させて脱臭処理し,(イ)得られた
脱臭スラッジを更に、セッコウ、ポゾラン物質及びポル
トランドセメントからなる固化剤で固化処理する方法が
提供される。
本発明において悪臭を持つ堆積スラッジ層と汚水層の蓄
蔵物を脱臭処理するためには、該蓄蔵物に、ρH値が5
〜8、より好ましくは6.5〜7.5範囲に維持できる
条件で、水溶性の2価鉄塩とアルカリを加えて悪臭原因
物質と反応させることが重要である。水溶性の2価鉄塩
としては、無機,有機のいずれの塩も使用できるが、最
も好ましい水溶性の2価鉄塩としては硫酸第1鉄が挙げ
られる。硫酸第1鉄はチタン製造時に大量に副生される
ので、このものの利用は,産業廃棄物の有効利用の面か
ら考えても望ましい.この2価鉄塩は悪臭の原因物質で
ある硫化水素やメルカブタン及びアンモニアやアミン類
を反応により固定する。また,本発明で用いるアルカリ
は,カセイソーダ、カセイカリ等のアルカリ金肩水酸化
物質及び消石灰である.この内、消石灰を使用すると下
記の堆積スラッジの同化処理がより好ましく遂行できる
.本発明では、反応系のpH値を5〜8に!!I1!1
することが必要であるが、このpH値は、反応系の溶液
が均一に混合された時の値である.反応系のρH値が5
以下では,悪臭の原因物質である硫化水素やメルカブタ
ン類と水溶性の2価鉄塩との反応が不完全になるので好
ましくない。一方、反応のpH値を8以上とすると,水
溶性の2価鉄塩と硫化水素及びメルカブタン類との反応
が遅くなることと,悪臭の原因物質である未解離状態の
アンモニア,アミン類の中和反応が不完全になるので望
ましくない。
本発明における悪臭を持つ脱臭反応は複雑であるが、お
およそ次の如くである。
すなわち、(1)水溶性の2価鉄塩は,脱臭操作が所定
のPll値に低下する迄、悪臭の原因物質である硫化水
素やメルカブタン類及びアンモニアやアミン類は次の反
応により脱臭される。
H. S + 2 NH, + Fe”= FeS↓+
2 NH4”−・・・・・−・・−−−− (1)HS
−十NH,+Fe”=FeS↓+NIr,”・・−・・
−−−−−−−−−−・−<2)ZRSH+2NH,+
Fe”=(RS),Fe↓+2 NH−−・−−−−(
3)H, S + 2 R’ NH,+ FeF”= 
FeS↓+2R′NH3+・・・・・・(4)HS−+
R’ NH2+Fe”=FeS↓+R′NH,”・・−
・・−・・−(5)2 R S H + 2 R’ N
 Hz + F e”=(R S )2 F e↓+2
R’ NH,”・・・・・(6) (2)以上の脱臭反応によりPll値を所定の値にした
後は,アルカリを加えてpH値を一定に維持するが、こ
の時は下記の反応により泥水の脱臭が行なわれる. H,S+Fe”+20H−=FeS↓+2 H. O−
・・−−−−−・−−−・・−(7)H,S−+Fe”
+OH−=FeS↓+2 H. O−−−−・−・−−
−−−−−−−(8)2RSH+Fa”+20H−=(
RS)2Fe↓+2 H. O・−・−−−− (9)
本発明の脱臭処理においては前記の如く水溶性の2価鉄
塩とアルカリを使用するが、アルカリは水への溶解熱が
高いので、水に溶かしたものを取り扱うことが望ましい
.水溶性の2価鉄塩とアルカリ水溶液を脱臭剤として作
用させる方法としては、種々の方法がある。その代表例
としては次の手法が挙げられる. (1)タンクから汚水を抜き取り、該汚水に水溶性の2
価鉄塩を溶かし、タンクに注入し、一方、他の導管より
アルカリ水溶液をタンクに注入し、所定のpH値を維持
させる。これらの2価鉄塩及びアルカリの水溶液の注入
は、連続方式、回分方式のいずれの方式でもよい。
(2)タンク中の汚水を連続的に抜き取り、該汚水に水
溶性の2価鉄塩とアルカリを連続的に添加・混合し処理
液をタンクに戻す操作を緑返す。この場合(ア)循環ポ
ンプの入口部に2価鉄塩水溶液を注入し,循環ポンプの
出口にアルカリ水溶液を注入する.アルカリ水溶液の注
入量は、タンクに戻す汚水のpH値を測定することによ
り:Amを行う。
(イ)また、連続的に抜き取った汚水を槽に送入し、こ
の槽に2価鉄塩水溶液とアルカリ水溶液を連続的に添加
・混合し、処理汚水をタンクに戻す。アルカリ水溶液の
注入量は(ア)の方式と同様である。
これらの方法により汚水中の悪臭原因物質が反応により
除去されると、必然的に他のスラッジ層や油層に含まれ
る悪臭原炉物質は汚水層に移行し,最経的にはタンク内
の油層、汚水層、スラッジ層に含まれる悪臭物質は除去
される。当然のことではあるが、タンクの内部をかきま
ぜるとスラッジ層や油層中の悪臭原因物質は効率よく除
去することができる。
次に,脱臭処理を施した後,タンクから油分と汚水を抜
き取り、脱臭スラッジをセツコ.ウ、ポゾラン物質及び
ポルトランドセメントからなる固化剤で処理する.しか
し、脱臭工程において、タンク内のかきまぜが不充分な
ために、悪臭原因物質である硫化水素やメルカブタン類
などが1部分スラッジ層に残存していることがある。こ
の場合,脱臭した汚水の大部分をタンクから取り出し、
この残部について前記の方法で脱臭処理を繰返し行う。
この時、固化剤に用いる「セッコウ、又はセッコウとポ
ゾラン物質」(添加剤A)の1部または全部を共存させ
て、十分にかきまぜながら脱臭処理することが望ましい
.「セッコウ,又はセッコウとポゾラン物質」を共存さ
せて脱臭処理を行うと、スラッジ層、汚水層及び油層の
分離性が向上し、しかもスラッジ層の含水率が小さくな
り、スラノジの総量を下げることができるという利点が
ある。
本発明のタンクスラッジの固化処理は、脱臭処理を施し
た後に油層を除いた後に行う。この場合、タンクの中で
直接固化処理したり,又はタンク外にスラッジを取り出
してから同化処理するなど種々の方法で行うことができ
る。本発明の固化処理の対象となるスラッジには種々の
有機物や無機物などを含むので、ポルトランドセメント
や生石灰などでは固化の目的を果すことは困難である。
従ってこのような特殊なものを固化処理するためには,
特別に開発した固化剤を用いることが必要である。この
特殊な要件に最も好ましい固化剤は、セッコウ,ポルト
ランドセメント及び反応性の高いポゾラン物質の3素材
とし,この3素材を添加剤Aと添加剤已に区分して、そ
の配合割合を特定することが重要である。
本発明のタンクスラッジ同化処理に好都合な固化剤は次
の固化剤(1)と(II)の2種類に大きく分けられる
固化剤〔I〕 添加剤A: セッコウ 添加剤B: ポルトランドセメントと微細粒径のポゾラ
ン物質の混合物 固化剤(I1) 添加剤A: セッコウと微細粒径のポゾラン物質の混合
物 本発明に用いるポゾラン物質は、微細急冷高炉滓やフラ
イアッシュである.これらのポゾラン物質は,硫酸によ
り変成すると、タンクスラッジの固化反応はより効果的
に遂行される。本発明の固化剤素材の1つであるポゾラ
ン物質としての微細急冷高炉滓は、製鉄高炉から副生ず
る高炉滓(スラグ)を急冷して得た粗粒状のものを更に
粒径100μm以下に粉砕したものである。高炉滓の急
冷法としては、通常、水で急冷粒状化する湿式が主力と
なっている.しかしその他に空気と小量の水を利用した
半乾式法、空気冷却を利用した乾式による高炉滓の急冷
の方法がある.湿式法により得られるいわゆる高炉水滓
は粒径l〜51程度の砂状ないし粒状となっている。急
冷高炉滓の組成は鉄鉱石の?分やその高炉の操作条件に
よって若干異なるが、おおよそ次のような重量組成であ
る。
Sin.  30−35%、AQ20.13−18%、
CaO  38〜45%、Fe,Os  o.s−t.
o%、Mg○ 3〜6%、s  o.s〜i.o%.M
n○ 0.5〜1.5%、Tie20.5〜1.0%。
この微細急冷高炉滓は、アルカリなどの刺激作用により
水硬性を発揮し得る潜在水硬性をもつものである。この
ような潜在水硬性は、高炉溶融スラグを急冷することに
よって得ることができる。
高炉溶融スラグを徐冷して得たものは結品質のものとな
る.この徐冷滓は、メリライト(ゲーレナイトCa, 
A Q 2Sin■・オケルマナイトCa, MgSi
O,系固溶体)とオルトケイ酸カルシウムを主要構成鉱
物とする緻密な結晶貿で、潜在水硬性がない。このため
に、例え徐冷滓を微粉化しても、反応剤としての作用と
効果が望めない.従って、該徐冷滓は本発明の固化剤素
材のポゾラン物質素材に用いることは不適当である。本
発明では、急冷高炉滓を反応素材として利用するために
、急冷高炉滓をできるだけ微細な状態として用いること
が望ましい.高炉水滓は、その粒径が1〜5■の粗粒状
であるので、その反応に寄与する表面積が小さ過ぎて反
応性が著しく低下する.従って,本発明の場合には,急
冷したガラス化率の高い100μI以下の高炉滓を用い
ることが重要である. また,本発明の固化剤素材の1つであるポゾラン物質と
して用いられるフライアッシュは、日本工業規格JIS
 A6201(1977年)に準ずるものである。
該フライアッシュの粉末度はブレーン法による比表面積
が2,400aJ/gのものを使用する。該フライアッ
シュは石炭灰の1種であり,石炭の燃焼時に,灰分が溶
融揮敗し球状に冷却凝固したもので、粉炭燃焼を行う火
力発電所などで多量に得られる。
フライアッシュの化学成分は,石炭の種類や燃焼条件な
どによって多少の差はあるが、その差は小さい。その組
成重量の割合は,一般的に. Si0.40 〜60%
. [1,0, 20 〜35%、Fe,0, 5〜2
5%、Ca01−15%. MgO O.5%〜4%、
K,0とNa,O I〜4%の範囲にあると言われてい
る.このフライアッシュを構成する鉱物の各相には,ガ
ラス,ムライト,石英,赤鉄鉱、カーボン等の相から成
っているが、最も多量の相はガラス相である。そのため
に、フライアソシュは、アルカリや硫酸塩などの刺激作
用により水硬性を発揮し得る潜在木硬性の特性を持って
いる. 次に,前記の微細高炉滓やフライアッシュなどのポゾラ
ン物質を硫酸で変成する場合、該ポゾラン物質に硫酸を
直接に作用させてよい。使用する硫酸は,市販の硫酸で
よいが、経済性及びエコロジイの面からは、各種化学工
場から徘出される廃硫酸の使用が好ましい。この硫酸処
理は種々の方法で行うことができる。例えば,(ア)希
硫酸水溶液を高炉滓に散布・付着したり、(イ)また,
希硫酸水溶液に高炉滓を浸漬させる方法等がある。微細
急冷高炉滓やフライアッシュ等のポゾラン物質に硫酸を
接触させると,シリカ分とアルミナ分は活性化され、硫
酸の大部分は最終的に2水セッコウとなる。この場合、
ポゾラン物質中のアルカリ成分は一部硫酸と反応し溶解
するが、硫酸カルシウムの溶解度が他の硫酸塩より小さ
いので、最終的には硫酸塩の大部分は2水セッコウの結
晶に変り,硫酸変成した高炉滓に付着して残る.また、
固化剤素材の1つであるセッコウとしては,2水セッコ
ウ又は不溶性無水セッコウ(■型無水セッコウ、硬セッ
コウを含む)が用いられる。
しかし,場合によっては、半水セッコウや可溶性無水セ
ッコウを、これらのセッコウの1部と置換したものを使
用することもある。2水セッコウの場合,その粒度は特
に制約されず,粉末あるいは粒状物であればよい。本発
明においては、天然セッコウ、各種のプロセスから副生
ずる種々の化学セッコウを用いることができる。排煙脱
硫セッコウは、工程から最終的に遠心分離機などから分
離・回収したものを、乾燥したり、水洗するなどの二次
的な工程を加えることがなく、回収時の形態で使用する
こともできる。また、不溶性無水セッコウを用いる場合
には、その溶解速度の関係から、その粒度を100μm
以下の粉末とする必要がある。
本発明においては、ほたる石を濃硫酸にて加熱分解して
フフ化水素を製造する際に副生する不溶性無水セッコウ
(フソ酸セッコウ)を直接使用することができる。それ
は,フッ酸セッコウが粒径100μm以下の乾燥した粉
末として産出されるからである。
次に,固化剤素材の1つであるポルトランドセメントは
,日本工業規格JIS R5210に準ずるもので,一
般的には、その内の普通ポルトランドセメントに相当す
るものを用いる。しかし、処理の条件によっては、中庸
ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント及び
超早強ポルトランドセメント等の規格に準ずるポルトラ
ンドセメントの単独、又はこれらの混合物を用いたり、
上記のポルトランドセメントにアルミナセメントなどの
特殊セメント及び塩化カルシウム等の硬化促進剤を添加
したものを使用することもある。アルミナセメミントを
ポルトランドセメントを混合したものを素材として用い
た固化剤は、スラッジの初期強度が急激に上昇するが、
その後の強度増加の延びが停止するという特性を示すの
で、スラッジを単に運搬、投棄することを目的とする場
合などには、本発明でよく用いる. 本発明を好ましく実施するためには、前記のようにセッ
コウ,ポルトランドセメント及び反応性の高いポゾラン
物質を3素材とし、この3素材を前記の固化剤(1)と
(IIIの如く、各素材の特性と効果を生かすように添
加剤Aと8に分け、その組成重量割合を特定することが
重要である。該固化剤の素材として(1)微細急冷高炉
滓を使用する場合の重量割合は、セッコウ5〜40%(
無水物としての値、微細急冷高炉滓15〜65%、ポル
トランドセメント10〜35%で、(2)また、フライ
アッシュを用いる場合の重量割合は、セッコウ8〜40
%(無水物としての値),フライアッシュ10〜35%
、ポルトランドセメント50〜75%とするのがよい。
本発明においては,添加剤Aをタンクスラッジに添加し
、該スラッジのコロイド分を凝結・凝集して水を分離・
除去(以下「濃縮工程」と記す)した後に添加剤Bを添
加・混合する。タンクスラッジの固化処理に必要な固化
剤使用量は、所望する固化物の強度と処理するスラッジ
の含水率に大きく左右される。そのために、タンクスラ
ッジの濃縮は重要である。「濃縮工程」において、添加
剤Aを添加・混合したタンクスラッジは(ア)該スラッ
ジ中のコロイド分が凝結・凝集した後に脱水機により脱
水して分離するか、(イ)該混合物を静置して固形分を
沈降させ,遊離した余水を分離・除去する。
本発明の場合,添加剤Aを添加・混合することにより、
コロイド分の凝結・凝集作用が起こり,固形分の沈降や
脱水効果は著しく向上される。このことにより固形分が
20〜40重量%の濃縮スラッジとして分離できる。該
濃縮スラッジは、(.)添加剤八がその中に均一に分散
され、(b)微細土粒子や有機物質が陽イオン交換され
た状態となり,(c)ポルトランドセメントの永和反応
に悪影響を及ぼす有機物などの反応阻害物がマスキング
されるという効果がある。
水の分離又は脱水方法としては、公知の固液分離方法、
例えば、沈降分離法や遠心分離法等が採用される。
次に、添加剤Aを添加・混合し、水を分離・除去した濃
縮スラッジに添加剤Bを添加・混合すると,添加剤Bに
含まれるポルトランドセメントの永和反応を引き金とし
て、固化剤中の各素材及び土粒子との諸反応が誘発され
、濃縮スラッジの同化反応が達成される。この同化反応
としては、微細土粒子や有機物のイオン交換反応、エト
リンガイトC3CaO・A Q 20, ・3CaSO
, ・28〜32H20)生成反応、トベルモライト鉱
物類似相(3CaO・2SiO2・3H20)などを生
成するポゾラン反応、諸反応による非結晶ゲル化物質の
生成反応が挙げられる。本発明の場合、前記の如く、「
濃縮工程」で得られる濃縮スラッジが反応性の向上した
不溶性固形分となっている。
それ故に、濃縮スラッジは,固化反応を誘発するポルト
ランドセメントが添加されると、ポルトランドセメント
の永和反応が円滑に遂行され、固化の諸反応が極めて効
果的に達成される。濃縮スラッジの固化工程(以下「固
化工程」と記す)において,固化時間を短縮するために
は、(a)塩化カルシウムのような促進剤を補助的に添
加したり、(b)ポルトランドセメントとして、超早強
ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントを使
用したり、(c)また,アルミナセメント等の特殊セメ
ントをポルトランドセメントの1部に置き換えるなどの
手法がとられる. 本発明においては、濃縮スラッジを運搬、投棄すること
を目的とする固化処理では,その改良強度は1軸圧縮強
さ0.3kgf/aJ以上あれば充分であるが,ハンド
リングあるいは運搬時の振動による液状化防止の意味か
らは、1軸圧縮強さで0.5kgf/cd以上が必要と
される。通常は、運搬、投棄を目的とする場合は、1軸
圧縮強さの改良目標値を0.5〜1.0kgf/aJに
よる例が多い。また、スラッジ固化物を処分地に搬入し
たあと、重機の走行を可能にする固化強度は重機の種類
、大きさによるがここでも一般な1軸圧縮強さで0.5
〜1,Okgf/aJを確保すれば充分である. 本発明において、濃縮スラッジを同化処理する場合,該
スラッジの含水率と質(固形分の粒度,無機物の含量と
成分及び有機物含有量とその種類、その他)及び固化物
の目標強さにより相違するが,1軸圧縮強さ0.5〜1
.Okgf/aJを目標とする時は,通常固化剤80〜
120kgを濃縮スラッジIM3当りに添加する. 〔効  果〕 本発明によれば、石油精製工場の各種のスロープや汚水
等を入れた、いわゆるスロープタンクの悪臭を持つ堆積
スラッジと汚水を、(1)効果的に脱臭処理でき、(2
)また、得られた脱臭スラッジを更に円滑に同化処理で
きる。また、この処理により排出される固化物と排水は
、(ア)2次公害が生じることがな<,(イ)特殊な後
処理を必要としない。
しかも、本発明で用いる処理剤が安価であるために、そ
の処理コストも低いという利点があるので、産業的な意
義は大きい。
〔実施例〕
次に実施例により更に詳細に説明する。
実施例1 石油精製所のスロープタンクから、悪臭を持つ汚水を抜
き取り,脱臭処理の供試汚水に用い、該汚水に硫酸第1
鉄−カセイソーダ水溶液を加えて悪臭原因物質の主体と
なっている硫化水素の蒸気圧変化をガスクロマトグラフ
ィーにより測定した。
供試汚水は全硫化水素濃度C(H2S)(H,S, H
S−、S2−の総濃度)が870ppm.全アンモニア
濃度C (NH3 ) (NII3、NH4及びアンモ
ニア錯体の総濃度)が500ppmで、ρ■値7.88
であった。この汚水に硫酸カセイソーダを添加してpH
値を変化させた時の250℃における硫化水素とアンモ
ニアの平衡蒸気圧は第1図と第2図のような値を示した
。供試汚水に所定量の15重量%硫化第1鉄溶液20重
量%をカセイソーダ溶液でpH値を維持しながら添加し
,残存Fe”+濃度と、25℃における硫化水素平衡蒸
気圧P (H. S)及び汚水pl1値の関係を謂定し
た。その結果は第3図の如くである。また、汚水のi!
iJJ!を10〜35℃の範囲で変化させた時の硫化水
平衡蒸気圧関係を第4図に示す。
第4図は,汚水のpH値を残存Fe” ” 濃度が一定
である時の、25℃を基準とする硫化水素の平衡蒸気圧
比〔実温度ノP(II,IS)+25℃ノp(++2s
))、すなわち汚水温度変化の25℃基準とする補正係
数である.?上の結果から、硫化水素とアンモニアの平
衡蒸気圧は、汚水中の全硫化水素濃度C(O2S)と全
アンモニア濃度C(NH,)及び汚水温度が一定の場合
に、汚水のpH値に大きく影響されることが分かる。硫
化水素の平衡蒸気圧P(}1■S)は、汚水のρ11値
が7迄、該汚水の水素イオン濃度に比例している(第1
図参照)。言い換えると、汚水のρH値が7迄は、汚水
のρH値が1低くなると、硫化水素の平衡蒸気圧は1桁
高くなる傾向を示す。一方、アンモニアの平衡蒸気圧P
(Nil,)は汚水のpit値が9以下では、該汚水の
水素イオン濃度に逆比例して低下する(第2図参照).
すなわち汚水のρH値が9以下では,該汚水のPll値
が1低下すると,アンモニアの平衡蒸気圧は1桁下がる
. また、本発明の「水溶性の2価鉄塩」処理により硫化水
素は反応し充分に脱臭されることが理解できる(第3図
参照)。この場合、汚水中の残存Fe” ”量とpH値
及び温度が硫化水素の平衡蒸気圧に影響する。なお硫化
水素の臭気がかすかに認められる濃度は1〜2ppmで
ある。
実施例2 実施例1と同じ石油精製所のスロープタンクがら、悪臭
を持つ堆積スラッジを抜き取り、該スラッジの脱臭・固
化処理を行った。
該スラッジは、泥水(全硫化水素濃度870ρρm,全
アンモニア濃度500ppm,pH値7.88)88重
量2、不溶性固形分12重量ズからなるもので固形分の
性状は第1表の如くであった。
第1表 コロイド分(0.001μm以下)     :26.
0不溶性固形分の含有量(重量%)      : 1
2.0不溶性固形分中の有機物含有量 (強熱減量法)(重量%)        : 46.
04上記の堆積スラッジIM3を容器に入れ、これに2
水セッコウ5.0kgを加えた後に,先端が容器の底部
迄に至るようにセットしてある導管よ゜り、硫酸第1鉄
の15重′#.%水溶液27kg(26.7モル)を注
入した.この硫酸第1鉄溶液の注入は、汚水のpH値を
7に維持するように、カセイソーダ20重景%の他の導
入管から並行して加えながら行った。その後に,1時間
静置し,脱臭処理した堆積スラッジを脱水機にかけて,
不溶性固形分(添加した2水セッコウの未溶解量を除い
た系を100として算出)が20、22、25、30及
び35重量%の濃縮スラッジを調製した。
該濃縮スラッジの濃度調整は、排出・除去する汚水量を
計量することにより行った。なお,排出・除去する汚水
中には2水セッコウが0.26重量1溶解している。
次に、a縮スラッジの各々から試料IQを採取し,これ
に2水セッコウ20重量X(濃縮スラッジ中の2水セッ
コウ量も計算に入れた値)ポルトランドセメント40重
量、微細高炉水滓40重量ズからなる固化剤100gを
添加・混合した.この固化体の材令3日のl軸圧縮強さ
は第2表の如くであった。
この結果から、タンク堆積スラッジを脱水処理すること
により、固化剤の効果が顕著となることが理解できる. なお、1軸圧縮強さの測定は次のように行った.すなわ
ち、所定量の処理剤を添加した濃縮スラッジ混合物を内
径5011m.高さLoommの円筒形モールドに充填
し、水の蒸発が起らないようにポリ塩化ビニリデンフィ
ルムで包装して、室温(15〜20℃)で28日養生し
た後、脱形し、その1軸圧縮強さを,JIS A121
6FT、1979(土のl軸圧縮試験法)に従い測定し
た. 第2表
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は、汚水(全硫化水素濃度C(tl,S
)870ppm、全アンモニア濃度C (Nl+, )
500ρρ■を含む)のpi値を変化させた時の、25
0℃における硫化水素とアンモニアの平衡蒸気圧である
。横軸は汚水のPll値で、縦軸は平衡蒸気圧を示して
いる。 第3図は、汚水に硫化第1鉄とカセイソーダを加えた時
の、残存Fe”+濃度と汚水p++値,及び25℃にお
ける硫化水素平衡蒸気圧P(H2S)の関係を示すもの
である.横軸は汚水のpH値で、縦軸は25℃における
平衡蒸気圧・P (llz S) (ppm)を示し,
図中における線上の数字は残存Fe”+濃度(ppm)
である。 第4図は,汚水のpH値と残存Fe”“濃度が一定であ
る時の25℃を基準とする硫化水素の平衡蒸気圧比〔実
温度のP(H2S)÷25℃のP(}I2S)]、すな
わち,汚水温度変化と25℃基準の補正係数の関係であ
る。 横軸は汚水の温度で縦軸は硫化水素平衡蒸気圧の25℃
基準の補正係数を示している。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)石油精製工場における、タンク中の悪臭を持つ堆
    積スラッジ層と汚水層を形成する蓄蔵物を処理するに当
    り、 (ア)脱臭工程で、pH値を5〜8に維持する条件で水
    溶性の2価鉄塩とアルカリを加えて脱臭し、 (イ)次いで、脱臭工程で得られた脱臭スラッジを、ス
    ラッジ固化工程で、セッコウ、ポゾラン物質及びポルト
    ランドセメントからなる固化剤にて固化処理する、 以上の各工程からなることを特徴とする石油精製工場の
    悪臭を持つタンク堆積スラッジと汚水の処理方法。 (3)水溶性の2価鉄塩が、硫酸第1鉄である特許請求
    の範囲第1項又は第2項の方法。 (4)セッコウの共存下で水溶性の2価鉄塩とアルカリ
    を添加する特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれかの
    方法。 (5)固化剤の構成素材であるポゾラン物質が、微細急
    冷高炉滓とフライアッシュの単独又は混合物である特許
    請求の範囲第1項〜第4項のいずれかの方法。 (6)固化剤の構成素材であるポゾラン物質が、微細急
    冷滓又はフライアッシュを硫酸で変成したものである特
    許請求の範囲第1〜第5項のいずれかの方法。 (7)石油精製工場におけるタンク中の悪臭を持つ堆積
    スラッジ層と汚水層を形成する蓄蔵物を処理するに当り
    、 (ア)脱臭工程で水層の1部をタンクから抜き取り、該
    水層のpH値を5〜8に維持する条件で、水溶性の2価
    鉄塩とアルカリを加えて脱臭し、該溶液をタンクに戻す
    という処理を繰返し行って、タンク内の堆積スラッジ層
    と汚水層の脱臭処理をし、 (イ)次いで、脱臭工程で得られた堆積スラッジをセッ
    コウ、ポゾラン物質及びポルトランドセメントからなる
    固化剤にて固化処理する、 以上の各工程からなることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項の方法。
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