JPS6314992B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ガス抜き装置を有する動脈血液用の
フイルターに関するものである。

血液フイルターは、人工透析や人工肺へのバイ
パス操作（例えば、心臓切開手術）等、血液の循
環回路で広く使用されている。これらのフイルタ
ーは、使い捨て型式のものであつて消毒して再使
用することはない。そして、これらは比較的安価
な材料から大量生産により作り出される。人工心
肺バイパス回路においては、通常、血液フイルタ
ーは血液の酸素供給器の上流側及び下流側の両方
に設けられている。酸素供給器の下流側に設けら
れた動脈血液フイルターは、例えば酸素供給器を
通つて逃げてきた、あるいはポンプ後方のキヤビ
テーシヨンによつて発生した全ての固体状、又は
気体状エンボリ、粒子、泡等を動脈血液が患者の
体内に戻る前に除去するという極めて重要な安全
機関としての役割を果すものである。かかるエン
ボリ、粒子、泡等を有効に除去しない場合には、
著しく悲劇的な結果をもたらすことになる。

付加的な安全要素として動脈血液フイルターを
ポンプの下流側に設けた場合には、それは、例え
ば患者のリターン系路において予想できないよう
な閉塞による過剰な内圧のもとにおいても破壊し
ないものでなければならない。使い捨ての動脈フ
イルターにおいては、破壊に対する優れた強度
を、製造コストを著しく上昇させることなく達成
することができる。

動脈フイルターの従来周知の１例が、例えば米
国特許第3701433号及び第3939078号に開示されて
いる。このフイルターは、中空の筒状ハウジング
と、この筒状ハウジング内に同心的に配置され且
つシリンダ状のフイルタ要素、例えばシリンダ状
の形状になされたプリーツ層、すなわち積層列に
よつて取囲まれた上方に延びる有効筒状コアと、
この有孔筒状コアとフイルター要素の上端部を覆
うフイルター要素キヤツプと、ハウジングの頂壁
に設けられたガス抜きと、フイルター要素とハウ
ジングの側壁との間の隙間に連通する血液入口
と、そして、有孔筒状コア内の隙間に連通する血
液出口を含んで構成されている。シリンダー状の
フイルター要素を通る血液流は、シリンダ状のフ
イルター要素の外側からその内側へ向うほぼ半径
方向の流れである。この従来型式の動脈フイルタ
ーは、大きな効果があるとして人類に対して長年
使用されてきたが、改善の余地は残つていた。フ
イルター要素の上流に取入れられた血液は、乱流
領域を形成する傾向があり、それは、ガス状のエ
ンボリや泡等の空気抜きへの整つた流路を妨げる
結果となつていた。その結果、医療機関は、ガス
状のエンボリや泡の流れがフイルター要素を通つ
て患者の体内に入るのを防止するため、フイルタ
ー要素の各層にでき得る限り小さな孔をもつたフ
イルター、例えば織上げフイルタースクリーンを
用いなければならなかつた。すなわち、スムース
な整つたガス抜きが設けられている場合に比べ
て、そのようなガス状のエンボリや泡の流れの発
生する可能性が高かつたのである。更に、乱流領
域の発達により、血液を構成する要素を破壊する
ことも多く存在していた。

本願の特許請求の範囲第１項に記載した発明の
目的は、流入血液中の気泡やガス状のエンボリが
整然とした流路、すなわち予め定められた通路を
高い信頼性をもつて通過し、これによつて血液中
からガス抜きされるようになされた血液フイルタ
ーであつて、体外の血液循環回路で使用するのに
適したものを提供することにある。

上記目的を達成するため、この血液フイルター
は、側壁と頂壁と底壁とを有し、かつ、前記頂壁
の中央に最高地点を有する、中空の筒状ハウジン
グと、前記頂壁の前記最高地点に設けられたガス
抜きと、前記ハウジング内に同心的に配設された
有孔管状コアと、前記コアを囲繞し、かつ、前記
側壁よりも内側に配設された、シリンダ状の血液
フイルター要素と、前記コアと前記フイルター要
素との上端部を覆いかつ、前記頂壁から間隔をお
いて配設された、フイルター要素キヤツプと、前
記側壁の前記頂壁に隣接する部分に設けられたほ
ぼ水平な血液入口と、前記コア内の空間に連通す
るように前記ハウジングの前記底壁に設けられた
過血液の出口と、を有し、前記フイルター要素
キヤツプの上側表面は、前記ハウジングの縦軸に
関して対象形をなすように、該上側表面の中央部
分に最高地点を有すると共に、前記フイルター要
素キヤツプの周縁から前記中央部分まで連続的に
傾斜し、前記血液入口は流入血液を前記ハウジン
グの前記側壁に対して垂直に向けないように形成
され、血液の渦巻流が、前記フイルター要素の外
側でかつ前記フイルター要素キヤツプの上方に形
成されることを特徴とする。

血液はほぼ水平な血液入口からハウジング内に
流入するが、この血液入口は流入血液の流れがハ
ウジングの側壁に対して直角に向わないように頂
壁に隣接配置されているから、流入血液に渦巻流
を生じさせる。この血液の渦巻流は遠心性の流れ
を形成するので、血液に比較して密度の低い気泡
は相対的に半径方向内方へ運動することになる。
しかも、気泡にはこの半径方向内方へ向かう求心
力が作用すると共に、浮力に基づいて垂直方向上
方へ向かう上昇力が作用する。したがつて、フイ
ルター要素キヤツプの上側表面の形状は本発明に
とつて極めて重要である。

このフイルター要素キヤツプは、渦巻流の環状
の流線に対して全体として平行な流れの境界を形
成し、これによつて血液の広範囲な流量にわたつ
て渦巻流の安定性を高めることができる。血液中
の気泡が半径方向内方へ運動してフイルター要素
キヤツプの上側表面に達すると、気泡はこの上側
表面の形状によつて強制的に上方、すなわちガス
抜き方向へ向けられる。これによつて、本発明に
よれば、気泡は中央に位置するガス抜き方向へ整
然と移動し、気泡がガス抜きから離れた位置でハ
ウジングの頂壁に到達する可能性を大巾に減少さ
せることができる。

本発明の好ましい実施態様においては、フイル
ター要素キヤツプの上側表面は、有孔筒状コアを
全体的に覆うほぼ円錐状の中央部分と、その中央
部分を取囲むほぼ平坦な周縁部分とを含んでい
る。

シリンダ状のフイルター要素は、積み重ねられ
た層列から構成されてなり、該層には縦方向の多
数のプリーツが設けられているとともに、シリン
ダ形状に形成されていることが好ましい。更に好
ましくは、上記層列は３層からなつており、中央
の層を構成する合成ポリメリツク繊維から作られ
た織上げスクリーンは、孔径が約15〜50μの孔を
有してなり、押出し成形したオープンメツシユの
合成ポリメリツクネツトから構成される同一の内
側及び外側支持シートは、より大きな孔径を有し
ている。本発明の好ましい実施例においては、上
記層列には、有孔筒状コアの外周において2.54cm
あたり12個以下の縦方向のプリーツが設けられて
おり、且つ合成ポリメリツク単繊維から作られた
織上げスクリーンは約15〜25μの孔径を有する孔
を含んでいる。この実施例においては、小さな孔
径を有する織上げスクリーンがガス状のエンボリ
に対する有効な障害となるようになされ、一方、
オープンプリーツ形状はプリーツ間にガス状のエ
ンボリが滞まる危険性を減少させ、且つ簡単にフ
イルターに呼び水することができるようにする。

本発明のもう１つの態様は、カツプ状の上側部
分及び下側部分がシームの位置で一緒に接合さ
れ、大きな内圧の下における該シーム部分での優
れた破壊強度を有する中空の筒状ハウジングを形
成する方法に関するものである。

実施例 以下、図面を用いて本発明に係る動脈フイルタ
ーを詳細に説明する。

第１図及び第２図は参照すると、本発明に係る
動脈フイルター１の１実施例が図示されている。
動脈フイルター１は、人工透析回路に設けられる
血液の酸素供給器の下流側に設置するのに適して
いる。フイルター１は、おおまかに言つて、頂壁
５、側壁７、及び底壁９を有する中空の筒状ハウ
ジング３と、ハウジング３内に同心的に配置され
た垂直方向に延びる有孔筒状コア１１と、筒状コ
ア１１の周囲を取囲んで且つそれに支持されてな
るシリンダ状のフイルター要素１３と、そして、
筒状コア１１及びフイルター要素１３の上端部を
覆うフイルター要素キヤツプ１５とを含んで構成
されている。筒状ハウジング３は、カツプ状の上
側部分１７と下側部分１９とから構成されてお
り、後述するシーム２１で一体的に連結されてい
る。ハウジング３の側壁７には、その上側部分１
７から垂直方向に僅かに延びる部分２３が設けら
れている。筒状ハウジング３の頂壁は、その外周
縁から中央の最上端まで連続的に上方に向つて傾
斜しており、その最上端には、ガス抜き２８が設
けられている。ガス抜き２８は、ルアー型取付具
（Luerfitting）から構成されている。フイルター
１は、また筒状コア１１の内側に連通する出口２
９をその底壁９に、そして頂壁５に隣接する側壁
７に水平な入口３１を含んでいる。フイルター要
素キヤツプ１５の下方に延びる環状リム４５は、
ガス状の泡及びガス状のエンボリがその下方に滞
まることができないように傾斜された端縁４７
（第２図を参照）で終つている。ハウジング３の
下側部分１９は、後述する理由により、僅かにテ
ーパーがつけられている（第２図参照）。

シリンダ状のフイルター要素１３は、第１図及
びその横断面図で第４図に図示されている。フイ
ルター要素１３は、縦方に多数のプリーツ、すな
わちひだとして折りたたまれた３層の積み重ねら
れた層３３，３５及び３７の列から構成されてお
り、それらはシリンダ状になされてその両端を従
来周知の方法でシーム連結されている。基本的な
フイルター作用を行なう中央の層、すなわちスク
リーン３５は、ほぼ20μの孔径を有するナイロン
繊維製織上げスクリーンである。スクリーンの孔
径は、本発明の他の実施例においては約40μとな
つている。スクリーン３５の両側に設けられた同
一の層３３，３７は、孔径約1000μの押出し成形
されたオープンメツシユポリプロピレンネツトか
ら製造される。層３３，３７は、動脈フイルター
１の透析操作中に経験する大きな血液流が起こつ
た時にその破壊に対してスクリーン３５を支持す
る役割を果す。更に、上流側のオープンメツシユ
層は、血液中に存在する固体粒子を捕える役割も
果す。フイルター要素列の各層は、湿潤剤、例え
ばポリオツクス樹脂（Polyox resin：ニユーヨ
ーク州ニユーヨーク、ユニオンカーバイド社製）
の如き親水性の非イオン化ポリスチレンオキサイ
ドホモポリマー、血液共存性の界面活性剤、ある
いはヘパリン又はアルブミン等の純粋プラズマに
よつて親水性をもつように処理される。シリンダ
状のフイルター要素１３は、使用に際してはオー
プンプリーツとなるような形状であることが好ま
しい。すなわち、かなりの隙間Ｓ（第４図参照）
が、隣接するプリーツ間に存在するようになされ
ている。１例として具体的数字を紹介する。有孔
筒状コアの外表面の円周が7.6cm（直径2.1cmに対
応）である場合、縦プリーツが、フイルター要素
１３に29個均一に配設されている。オープンプリ
ーツ型のフイルター要素の利点は上述した。

本発明の重要な特徴は、フイルター要素キヤツ
プ１５のデザインに存する。キヤツプ１５の上側
表面は、筒状ハウジング３の縦軸に関して対称形
であり、且つその中央に最上点３９を有してい
る。筒状コア１１、フイルター要素１３及びキヤ
ツプ１５の組立体は、キヤツプ１５内に円周方向
に均一に配置された３個のスペーサ８１，８３及
び８５によつて、ハウジング３の縦軸に対して対
称形をなすように確実に固定される。このスペー
サの各々は、シーム２１の領域であつて、ハウジ
ング３の側壁７に隣接する部分に接触する。スペ
ーサ８１，８３及び８５の他には、キヤツプ１５
の上側表面上には、如何なる凹所、例えば穴、く
ぼみ、Ｖ溝等も存在しない。フイルター要素の上
側表面は、その周縁から中央まで連続的に傾斜す
るようにすることもできるし、あるいは、その周
縁部分を完全に平坦にすることもできる。第２図
に図示されている如く、上記上側表面は、筒状コ
ア１１の上方を全体的に覆う円錐状の中央部分４
１と、中央部分４１を取囲む比較的平坦な周縁部
分とを含むようにすることが好ましい。キヤツプ
１５の上側表面の高さＨと直径Ｄとの比は、約
0.10〜0.25であることが更に好ましい（第２図参
照）。キヤツプ１５を、他のデザインとすること
も勿論可能である。その具体例を１つ挙げると、
上記表面は、有孔筒状コアの上方を全体的に覆う
ほぼ半円球状の中央部分と、比較的平坦な周縁部
分を含むようにすることもできる。

第１図〜第３図に図示されている様に、水平な
入口３１は、取入れられた血液が直接キヤツプ１
５又はフイルター要素１３に当らないように、し
かし、血液の流れ方向がハウジング３の側壁７の
内表面に直角とならないように位置決めされてい
る。第１図〜第３図に示された動脈フイルターに
おいては、取入れられた血液は、鋭角でもつて側
壁７に接触する。取入れられた血液が、ほぼ接線
方向から側壁に接触するようにしたデザインも、
もちろん可能である。

動脈フイルターの各構成要素の形態の実質的効
果、特に、フイルター要素キヤツプ１５と入口３
１の効果は、フイルター要素１３と側壁７との間
及びフイルター要素キヤツプ１５と頂壁５との間
の広い領域にわたつて血液の安定した渦流を形成
する点である。その結果、ガス状の泡及びガス状
のエンボリを除去するための駆動力を提供するガ
ス抜きに向う負圧の勾配が、渦巻く血液の全体に
わたつて発生する。この負圧の勾配は、中央部分
に設けられたガス抜き２８の位置でガス状の泡及
びガス状のエンボリを除去するための整つた流路
システムを形成することとなる。入口３１を通つ
て取入れられた血液流は、ガス抜き２８からは離
れるように指向され、従つてガス抜き作用の妨害
を行なうことはない。

血液の酸素供給器を含む人工透析回路において
本発明に係る動脈フイルターを使用する場合は、
入口３１を酸素供給器へ続くパイプに連結し、出
口２９を患者へ続くパイプに連結し、ルアキヤツ
プ（Luer cap）２７をルア取付具２８から取外
し、ストツプコツク（図示されていない）をルア
取付具２８に取付け、そして、ストツプコツクを
血液酸素供給器又は心臓切開リザーバに設けられ
た非圧力系のポートに続くガス抜きパイプに連結
する。人工透析回路には、患者の血液がそれを通
つて循環する前に、生理食塩水を通す。ルア取付
具２８に取付けられたストツプコツクは、患者の
血液を透析している間は開けられている。しかし
ながら動脈フイルター内への血液の逆流を防止す
るため、人工透析回路用ポンプを停止する場合は
その前に閉じられなければならない。

安定した透析操作中においては、フイルター要
素キヤツプ１５の上方に存在するハウジング３内
の全スペースは、患者の血液によつて充満されて
いる。

第１図〜第４図に図示された本発明に係る動脈
フイルター１の１実施例においては、フイルター
要素１３には、有孔筒状コア１１の外周に沿つて
均一的に29個の縦方向のプリーツが設けられてい
る。このコア１１の各寸法は、外径が2.1cmで高
さＨ（第２図参照）が0.88cm、そして直径Ｄ（第２
図参照）が5.1cmである。円形肩部４９とシーム
２１との間の側壁７の平均内径は、5.45cmであ
る。これら寸法を有する本発明に係る動脈フイル
ターは、１分間あたり約１リツターから約６リツ
ターの均一な流量の血液流を得ることができる。

本発明に係る動脈フイルター１は、従来方法に
よつて製造することができる。上側部分１７は、
入口３１及びルア取付具を含んで一体部品として
準備される。カツプ状の下側部分１９は、出口２
９を含んで一体部品として製造される。キヤツプ
１５のみならず上側部分１７及び下側部分１９は
非膨張性の透明なプラスチツク材料、好ましくは
ポリカーボネイトの如き熱可塑性材料で作られ
る。一方、筒状コア１１は、非膨張性のプラスチ
ツク材料、好ましくは、ポリプロピレンで作られ
る。上方且つ外側にテーパーが付けられた下側部
分１９は、射出成形によつて製造される。これ
は、コストの低減という意味から好ましい。この
テーパーは、フイルター要素１３の縦方向の種々
の位置における該フイルター要素１３を横切る圧
力減衰を等しくする役割をも有するため、本発明
の動脈フイルターの機能にとつて有用である。

本発明に係る動脈フイルターを組立てるに際し
ては、初めにフイルター要素キヤツプ１５を、上
下逆さまに保持して、環状突起５１とリム４５と
の間に、エチレンビニールアセテートの如き熱溶
融性の接着剤を充填する。次に、フイルター要素
１３を支持している有孔筒状コア１１を、キヤツ
プ１５の上に降下させる。コア１１は、環状突起
５１を緩く受入れ、一方、フイルター要素１３
は、キヤツプ１５の環状のフランジ５３上に載置
されるとともにリム４５の内側に緩く受入れられ
る。フイルター要素を支持しているコア１１とキ
ヤツプ１５とは、適当な固定具（図示されていな
い）によつて垂直関係に一体的に保持される。接
着剤５５が硬化した後、でき上つた組立体を、そ
れを固定していた固定具から取外す。カツプ状の
下側部分１９の筒状突起５９と肩部４９の下側の
側壁７との間に、熱溶融性の接着剤５７、例えば
エチレンビニールアセテートを充填する。それか
ら、コア１１、フイルター要素１３及びキヤツプ
１５の組立体を、下側部分１９の上に降下させ
る。この時、コア１１は突起５９を緩く受入れ且
つフイルター要素１３は肩部４９の下側の側壁７
の内側に緩く取付けられる。フイルター要素１３
は、下側部分１９と一体部品として成形され、僅
かに傾斜した底壁９から上方に向つて延びるかな
り多数の、例えば24個の等間隔に配設された半径
方向のリブ６１，６３等の上に載置される。これ
らリブを設けることによつて、フイルター要素１
３の下側部分１９への接着力は向上する。コア１
１、フイルター要素１３及びキヤツプ１５の組立
体は、適当な固定具（図示されていない）によつ
て、下側部分１９と同心的に保持される。接着剤
５７が硬化した後、でき上つた組立体を、それを
保持していた固定具から取外す。

第２図は最も良く図示されている如く、カツプ
状の上側部分１７は、その間に環状溝６９を画成
する下側に向つて延びる一対の外側及び内側環状
リム６５，６７を含んでおり、一方、カツプ状の
下側部分１９は、その間に環状溝７５を画成する
上側に向つて延びる一対の外側及び内側環状リム
７１，７３を含んでいる。シリコンゴム製のＯ―
リング７７が、溝７５内に保持されている。上側
部分１７及び下側部分１９は、リム７３が溝６９
内に受入れられ且つリム６５が溝７５内に受入れ
られるようにして一体的に結合されるようになさ
れており、それによつてシーム２１を形成する。
そのような結合が行なわれた後、リング７７が溝
７５内で圧縮されるように、上側部分１７と下側
部分１９とを圧縮して、その状態でリム７３をリ
ム６７及びリム６５に、例えば超音波接着により
接着する。その結果、上側部分１７と下側部分１
９との間には三重の溶接シールが行なわれる。リ
ム７３とリム６５，６７との接着による二重の剪
断方向のシールは、動脈フイルター１のシーム２
１部分における破壊強度に大きく貢献する。実験
によれば、内部圧力が0.35Kg／cm²（50psi）を起
えても、本発明に係る動脈フイルターは破裂する
ことなくもちこたえることができた。もし必要で
あれば、リム７１とリム６５との接着の他に、三
重剪断シールを設けることもできる。

上側部分１７と下側部分１９との接着が完了し
た後、ルアキヤツプ２７をルア取付具２８に取付
け、且つ、プラスチツク製の保護キヤツプを入口
３１及び出口２９の上に被覆する。しかる後、動
脈フイルター１は、殺菌され且つこの殺菌状態で
パツク例えば、透明な引剥がしタイプのパツクに
なされて、それを１回限りで使い捨てにする最終
ユーザーに分配される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る動脈フイルターの斜視
図である。第２図は、第１図に図示されたフイル
ターの縦断面図である。第３図は、第２図の３―
３線に沿つてとつた断面図である。そして、第４
図は、第１図のフイルターのフイルター要素の一
部分を通る横断面図である。 １……フイルター、３……筒状ハウジング、１
１……筒状コア、１３……フイルター要素、１５
……フイルター要素キヤツプ、２８……ガス抜
き、３５……スクリーン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 体外の血液循環回路で使用するのに適した血
   液フイルターであつて、該血液フイルターは、 側壁と頂壁と底壁とを有し、かつ、前記頂壁の
   中央に最高地点を有する、中空の筒状ハウジング
   と、 前記頂壁の前記最高地点に設けられたガス抜き
   と、 前記ハウジング内に同心的に配設された有孔管
   状コアと、 前記コアを囲繞し、かつ、前記側壁よりも内側
   に配設された、シリンダ状の血液フイルター要素
   と、 前記コアと前記フイルター要素との上端部を覆
   い、かつ、前記頂壁から間隔をおいて配設され
   た、フイルター要素キヤツプと、 前記側壁の前記頂壁に隣接する部分に設けられ
   たほぼ水平な血液入口と、 前記コア内の空間に連通するように前記ハウジ
   ングの前記底壁に設けられたろ過血液の出口と、
   を有し、 前記フイルター要素キヤツプの上側表面は、前
   記ハウジングの縦軸に関して対象形をなすよう
   に、該上側表面の中央部分に最高地点を有すると
   共に、前記フイルター要素キヤツプの周縁から前
   記中央部分まで連続的に傾斜し、 前記血液入口は流入血液を前記ハウジングの前
   記側壁に対して垂直に向けないように形成され、 血液の渦巻流が、前記フイルター要素の外側で
   かつ前記フイルター要素キヤツプの上方に形成さ
   れることを特徴とする、血液フイルター。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の血液フイルタ
   ーにおいて、 前記上側表面が、前記有孔管状コアを全体的に
   覆う全体として円錐状の中央部分と、該中央部分
   を取り囲む比較的平坦な周縁部分とを含む、血液
   フイルター。 ３ 特許請求の範囲第１項に記載の血液フイルタ
   ーにおいて、 前記フイルター要素が多数の縦方向のプリーツ
   を有す積層体からなる、血液フイルター。 ４ 特許請求の範囲第３項に記載の血液フイルタ
   ーにおいて、 前記積層体の層の１つは、孔径が15μ〜50μの
   孔を有する合成樹脂製のポリメリツク単繊維から
   なる織上げスクリーンである、血液フイルター。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載の血液フイルタ
   ーにおいて、 前記積層体には、前記有孔管状コアの外周にお
   いて2.45cm当たり約12個以下の縦方向のプリーツ
   が設けられてなる、血液フイルター。 ６ 特許請求の範囲第５項に記載の血液フイルタ
   ーにおいて、 前記積層体の層の１つが、孔径が約25μより小
   さい孔を有してなる合成ポリメリツク単繊維から
   なる織上げスクリーンである、血液フイルター。 ７ 特許請求の範囲第４項に記載の血液フイルタ
   ーにおいて、 前記積層体の層の少なくとも１つが、湿潤剤に
   より親水性を持つように処理されてなる、血液フ
   イルター。 ８ 特許請求の範囲第３項に記載の血液フイルタ
   ーにおいて、 前記フイルター要素キヤツプの上側表面の高さ
   を、前記フイルター要素キヤツプの中央部分の最
   高地点と前記ガス抜きとの間の距離よりも大きく
   形成してなる、血液フイルター。