JP3321486B2 - 濾過装置 - Google Patents

濾過装置

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JP3321486B2
JP3321486B2 JP01174394A JP1174394A JP3321486B2 JP 3321486 B2 JP3321486 B2 JP 3321486B2 JP 01174394 A JP01174394 A JP 01174394A JP 1174394 A JP1174394 A JP 1174394A JP 3321486 B2 JP3321486 B2 JP 3321486B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濾過装置、特に血液中
から気泡や異物を分離除去する濾過装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、患者から脱血した血液を処理
し、再び患者へ返血する血液体外循環回路においては、
その返血ラインに、血液中の気泡や異物を分離除去する
濾過装置(血液フィルター)が設置される。
【0003】この濾過装置は、一般に血液フィルターま
たはバブルトラップと呼ばれ、広い濾過面積を得るため
にプリーツ状の濾材を用いたものとして、例えば、特開
平1−148265号公報、特開平1−148266号
公報等に記載されたものが知られている。
【0004】これらのうち、例えば特開平1−1482
65号公報に記載されている従来の血液フィルター
(1)は、ハウジングを有し、該ハウジング下部の血液
濾過部(3)内に、複数のプリーツ状に折り畳まれた多
孔質材の各プリーツが放射状に配置されるように円筒状
に成形された濾材(10)が収納された構成となってい
る。そして、濾材(10)の上端開口は、ポッティング材
を注入、固化して得られた不透過部(10a )により封止
され、ハウジング下端に形成された血液流出口(9)
は、濾材(10)の内側の空間に連通している。
【0005】しかしながら、この血液フィルター(1)
は、濾材(10)の上端開口を封止する不透過部(10a )
の濾材内側の面が平坦かつ水平であるため、次のような
問題が生じる。
【0006】すなわち、血液フィルター(1)のプライ
ミング時には、血液流出口(9)からプライミング液を
濾材(10)の内側の空間に充填するが、このとき、プラ
イミング液中に含まれる気泡が、特に該空間内における
プリーツの谷部の奥(プリーツの外周側)に滞留し易
く、気泡抜け性が悪い。
【0007】また、血液の処理に際しては、気泡分離部
(2)において除去しきれず、濾材(10)の外周側に到
達した気泡が、特にプリーツの谷部の奥(プリーツの内
周側)に滞留し易く、除去され難い。
【0008】なお、血液フィルターの気泡除去能は、ハ
ウジング上部の構成に工夫を施したり、濾材の軸方向の
長さを長くする等の方法により向上することはできる
が、この場合には、血液フィルター内における血液のプ
ライミング量が増大し、好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プラ
イミング時や液体処理時において、気泡除去能を向上す
ることができる濾過装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明(1)により達成される。また、下記(2)〜
(4)であるのが好ましい。
【0011】(1)処理される液体の流入口および流出
口ならびに脱気口が形成されたハウジングと、該ハウジ
ング内を前記流入口と連通する第一の空間と前記流出口
と連通する第二の空間とに仕切るように前記ハウジング
内に設置された濾過部材とを有する濾過装置であって、
前記濾過部材は、複数のプリーツ状に折り畳まれた多孔
質材の各プリーツが放射状に配置されるように筒状に成
形され、かつその頂部側開口が充填材により封止された
ものであり、前記充填材の前記第二の空間側の面は、そ
の中心部が前記第二の空間側へ突出するよう傾斜し、
記濾過部材は、頂部から底部へ向けてその最外径が漸増
するものであり、さらに前記濾過部材の端面は水平にカ
ットされ前記濾過部材の垂直断面形状が円錐台状をなし
ていることを特徴とする濾過装置。
【0012】(2) 前記濾過部材は、その頂部側開口
を充填材により封止した後、底部を拡開させて得られる
ものである上記(1)に記載の濾過装置。
【0013】(3)前記ハウジングは、横断面形状がほ
ぼ円形をなし、前記濾過部材は、前記ハウジングと同心
的に設置されている上記(1)または(2)に記載の濾
過装置。
【0014】(4)前記流入口は、前記ハウジングの内
周面のほぼ接線方向に突出形成され、該流入口より流入
した液体が前記第一の空間内で旋回流を形成するよう構
成された上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の濾
過装置。
【0015】
【実施例】以下、本発明の濾過装置を添付図面に示す好
適実施例に基づいて詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の濾過装置を血液体外循環
回路に設置される濾過装置に適用した場合の構成例を示
す縦断面図、図2は、図1中のII−II線での断面図であ
る。
【0017】これらの図に示すように、本発明の濾過装
置1は、底体3と蓋体4とで構成されるハウジング2を
有している。底体3と蓋体4とは、後述する濾過部材6
を収納した後、例えば特開昭62−84772号公報に
記載されているようなネジ嵌合により接合され、さらに
その嵌合部は、後述する充填材9にて液密に封止され
る。
【0018】ハウジング2は、軸23を中心とする回転
体形状をなしており、すなわち、図2に示すように、そ
の横断面形状がほぼ円形をなしている。ハウジング2の
蓋体4の外周面には、処理される液体である血液の流入
口51が形成されている。この流入口51は、蓋体4の
内周面のほぼ接線方向に突出形成されている。これによ
り、流入口51よりハウジング2内に流入した血液は、
蓋体4の内周面に沿って1方向に流れる旋回流を形成す
る。
【0019】ハウジング2の蓋体4の図1中上部は、上
方へ向かってその外径および内径が漸減する円錐形状ま
たは漏斗形状をなしており、その先端には、血液中より
分離除去された気泡を排出する脱気口53が突出形成さ
れいる。なお、図示されていないが、この脱気口53に
は、例えば3方活栓のような弁体が接続されて使用され
る。
【0020】ハウジング2の底体3の中央部は、図1中
下方へ向かってその外径および内径が漸減する漏斗形状
をなす血液流出部31が形成されており、この血液流出
部31の先端には、血液の流出口52が突出形成されて
いる。
【0021】なお、流出口52および前記脱気口53
は、ハウジング2の中心軸23上に形成されているのが
好ましい。
【0022】底体3の血液流出部31より外周側には、
後述する濾過部材6を固定する濾過部材固定部32が形
成されており、この濾過部材固定部32と血液流出部3
1との境界部には、ハウジング2の内側に突出するリン
グ状のリブ33が形成されている。このリブ33は、濾
過部材6の内側に突出したプリーツ7の先端を係止する
とともに、濾過部材固定部32に注入された充填材9が
血液流出部31側へ流れ出すのを防ぐダムの役割を果た
すものである。
【0023】ハウジング2の底体3および蓋体4の構成
材料としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル
−スチレン共重合体、アクリル−ブタジエン−スチレン
共重合体等を挙げることができ、内部の視認性を確保す
るために、透明または半透明であるのが好ましい。
【0024】ハウジング2内には、血液中に混入する気
泡や異物を濾別するための濾過部材6が収納設置されて
いる。この濾過部材6により、ハウジング2内は、濾過
部材6の外側に形成される第一の空間21と濾過部材6
の内側に形成される第二の空間22とに仕切られる。前
記流入口51および脱気口53は、第一の空間21に連
通し、前記流出口52は、第二の空間22に連通する。
【0025】以下、この濾過部材6の構成について詳述
する。
【0026】濾過部材6は、複数のプリーツ状に折り畳
まれた多孔質材の各プリーツ(ひだ)7が放射状に配置
されるように筒状に成形され、かつその頂部側開口が充
填材8により封止されたものである。
【0027】本実施例の場合、濾過部材6は、頂部から
底部へ向けてその最外径が漸増しており、さらに、頂部
及び底部が水平になるようにカットされており、すなわ
ち、中空の円錐台形状をなしている。濾過部材6をこの
ような形状としたことにより、ハウジング2の容積、す
なわちプライミング量を増大することなく、第一の空間
21への血液の流入および第一の空間21における旋回
流の形成が円滑、良好に行われる。その結果、気泡の分
離除去効率が高まり、また、圧力損失の減少や、溶血の
抑制も図れ、さらに底部が水平であるためにハウジング
2の底板3との密着性がよくなり、また頂部も水平なた
め充填材による封止も確実に行える。
【0028】濾過部材6の各プリーツ7を構成する多孔
質材としては、例えば、メッシュ、ネット、発泡体、織
布、不織布またはこれらの適宜組み合わせたもの等、い
かなるものでもよく、例えば、ポリプロピレンまたはポ
リエステル製のスクリーンメッシュの両面をポリプロピ
レンまたはポリエステル製のネットで挟んだものが挙げ
られる。また、このようなメッシュやネットに代表され
る多孔質材の最小の孔径(目開き)は、20〜200μ
m 程度、特に20〜60μm 程度のものが好適に使用さ
れる。
【0029】本発明では、濾過部材6の頂部側開口を封
止する充填材8の形状に特徴を有する。すなわち、図1
に示すように、充填材8の第二の空間22側の面(以
下、「下面81」という)は、その中心部82が第二の
空間22側へ突出し、該中心部82から充填材8の外周
に至る部分、特に各プリーツ7を横断するプリーツ横断
部83が、水平(図1中横方向)に対し所定角度傾斜し
ている。さらに頂部は水平になり、従って頂部を封止す
る充填材8は空間21に対して突出することがなくな
る。
【0030】充填材8の下面81をこのような形状とし
たことにより、プライミング時における第二の空間22
内の気泡の抜け性および血液処理時における各プリーツ
7の谷部72等に侵入した気泡の除去性が向上する。
【0031】プリーツ横断部83における下面81の水
平に対する傾斜角度は、特に限定されないが、上記効果
をより有効に発揮するためには、平均5°以上、特に1
0〜60°程度とするのが好ましい。
【0032】充填材8の構成材料としては、例えば、ポ
リウレタン、シリコーン、エポキシ樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
のポリオレフィン、各種ゴム材料のような高分子材料が
挙げられ、その中でも特に、ポリウレタン、シリコー
ン、エポキシ樹脂が好ましい。
【0033】濾過部材6の寸法等の条件は特に限定され
ないが、好適な範囲の一例として、下記表1に示すよう
なものが挙げられる。
【0034】
【表1】
【0035】このような濾過部材6は、例えば、次のよ
うな方法により製造することができる。
【0036】図4は、濾過部材6を作成するための器具
60の斜視図である。直方体である器具60の長手方向
に溝61が設けられており、この溝61の幅62は、プ
リーツの山部から谷部までの長さに等しく、また溝61
の深さ63はプリーツ状に折り畳まれた多孔質材(濾過
部材6の大きさに切断する前の状態、図示せず)の厚み
と同じかやや大きくなっている。さらに溝61には横手
方向に対して、最終的に濾過部材6を形成したときの円
錐台状の水平面に対する濾過部材6との斜面がなす角度
Rで傾斜した複数のスリット65を有している。スリッ
ト65の幅は多孔質材を切断可能なカッター(図示せ
ず)が挿入できる太さであり、また、深さ66は溝61
よりも深く切れ込んでいる。また、スリット65とスリ
ット65の間の溝61の長手方向に沿った長さは、濾過
部材6の斜辺の長さに等しくなっている。この溝61に
プリーツ状に折り畳まれた多孔質材をはめ込み、スリッ
ト65にあわせて、カッターにより切断する。図4の器
具60ではスリット65は5つ設けられており、このた
め、プリーツ状に折り畳まれた多孔質材は6つの部分に
切断され、このうち両端の多孔質材を除く、内側の
の多孔質材が濾過部材6の材料として可能となる。この
時、多孔質材の端面の形状は平行四辺形になっている。
【0037】このようにして切断された多孔質材の端部
を同士を融着して、円筒状にする。次いでその頂部側に
充填材8を注入する。このとき、充填材の下面81は、
水平であってもよい。
【0038】多孔質材がネットや織布(平織り)など繊
維樹脂を編んだり、織ったりしている場合や、これらを
1つの層として複数の材質の層からなる場合、切断後に
濾過部材6を形成した時にほつれを生じ、異物発生の要
因となる可能性があるので、そのような場合は多孔質材
の端部を同士を融着させ、円筒状にしたのちに、端部を
熱処理して溶融させておくことが好ましい。その溶融過
程の一例を図5に示す。図5は図1に対応させて断面図
である。図5に示すように、多孔質材の融点より高く熱
せられたホットプレート90上にテフロンシート91を
敷き、その上に円筒状の多孔質材の濾過部材6を最終形
状の円錐台状にして圧し当てる。このとき形状設定型9
2などで形を円錐台状に保つようにしておくと形状維持
が容易となるので好ましい。このようにして端面93を
水平な状態に保ち、溶融させる。溶融したあと、ホット
プレート90から取り外すとテフロンシート91が多孔
質材の濾過部材6の端面に張り付いたままの状態で外れ
る。多孔質材の濾過部材6が充分冷えた後、テフロンシ
ート91を剥がすと端面93は溶融した状態となる。こ
れを他の端面94にも同様な処理を施す事により、繊維
樹脂のほつれが起こる虞れはなくなる。
【0039】充填材8が完全に硬化する前に、例えば型
材を挿入して濾過部材6の底部側を拡開させる。これに
より、濾過部材6は円錐台形状となるとともに、充填材
8の下面81が前述した形状となる。この状態で充填材
8を硬化させ、型材を取り外して図示のごとき濾過部材
6が完成する。
【0040】このような製造方法によれば、濾過部材6
の円錐台状および充填材8の下面81の形状を容易に得
ることができ、量産した場合の再現性にも優れる。
【0041】濾過部材6のハウジング2への固定は、底
体3の濾過部材固定部32に充填材9を注入し、次いで
濾過部材6の底部を濾過部材固定部32へ位置させて充
填材9中に浸漬し、濾過部材6の内側に突出したプリー
ツの端部をリブ33に係止した状態で、前記充填材9を
硬化させることにより行う。濾過部材6の底部は水平と
なっており、底体3と接触面積が大きくなっており、充
填材9による固定が確実に行われるようになる。また、
この場合、濾過部材6の中心軸をハウジング2の軸23
と一致または接近させて固定するのが好ましい。
【0042】なお、充填材9としては、前記充填材8と
同様のものを用いることができる。
【0043】本発明の濾過装置1は、図3に示すような
血液体外循環回路10中に設置される。この血液体外循
環回路10は、貯血槽11と、ローラポンプ12と、熱
交換器13と、人工肺14と、濾過装置1と、患者20
の静脈と貯血槽11とを接続するチューブ15と、貯血
槽11とローラポンプ12とを接続するチューブ16
と、ローラポンプ12と熱交換器13とを接続するチュ
ーブ17と、人工肺14の血液流出口と濾過装置1の流
入口51とを接続するチューブ18と、濾過装置1の流
出口52と患者20の動脈とを接続するチューブ19と
で構成されている。
【0044】プライミング操作および血液体外循環によ
る血液処理を行う際には、濾過装置1は、その軸23が
鉛直方向となるような姿勢に固定される。
【0045】次に、濾過装置1の作用について説明す
る。
【0046】[プライミング操作時]例えば生理食塩水
のようなプライミング液を、チューブ19を介して流出
口52からハウジング2内へ注入する。このプライミン
グ液中には、微小な気泡が混入していることがあるが、
この気泡は、第二の空間22内において浮上し、まず充
填材8の下面81に到達する。このとき、下面81は、
前述したように、その中心部82が下方へ突出し、外周
に向けて上方へ傾斜しているため、気泡はこの傾斜面に
沿って浮上してプリーツ7の山部内側71に到達し、さ
らに、第二の空間22と第一の空間21との圧力差によ
り、濾過部材6の細孔を透過して第一の空間21へ流入
する。第一の空間21へ流入した気泡は、さらに蓋体4
の上方へ浮上し、脱気口53よりハウジング2外へ排出
される。
【0047】このように、充填材8の下面81付近に気
泡が残存しないため、プライミング時の気泡抜け性が大
幅に向上する。しかも、このような優れた気泡抜け性を
得るのに、ハウジング2を従来のものより大容量とした
り形状変更をしたりする必要がなく、プライミング量の
増大を伴わない。
【0048】[血液処理時]患者20の静脈から脱血さ
れた血液は、チューブ15を介して一旦貯血槽11に貯
留され、さらに、貯血槽11の血液は、ローラポンプ1
2の作動により、チューブ16および17を介して熱交
換器13へ送られて冷却または加温され、次いで人工肺
14にて酸素加、脱炭酸ガスがなされた後、チューブ1
8を介して濾過装置1の流入口51へ供給される。
【0049】流入口51からハウジング2内の第一の空
間21へ導入された血液は、第一の空間21において旋
回流を形成する。血液中に気泡が混入している場合、そ
の気泡は、旋回しつつ浮力により蓋体4の上方へ浮上す
るとともに、遠心力によって、質量の小さい気泡は旋回
流の中心部へ集まり、さらに、蓋体4の上部内面に沿っ
て浮上し、脱気口53よりハウジング2外へ排出され
る。
【0050】このとき、プリーツ7の谷部(隣接するプ
リーツ7の間隙)72に、分離しきれなかった気泡が侵
入することがある。谷部72の奥部では、気泡が浮上し
て充填材8のプリーツ横断部83における下面81に付
着するが、前述したように下面81は傾斜しているた
め、この傾斜面に沿って気泡が浮上し、谷部72内から
脱出するので、谷部72内に気泡が残存することが防止
される。
【0051】このようにして気泡が分離除去された血液
は、濾過部材6の無数の細孔を透過して第二の空間22
へ流入する。この際、血液中に混入する異物は、濾過部
材6の細孔を通過できず、濾別される。
【0052】なお、このとき、微小な気泡が濾過部材6
の細孔を透過して第二の空間22へ流入することがある
が、この気泡は、第二の空間22内において浮上し、前
記プライミング時と同様、充填材8の下面81に到達
し、傾斜する下面81に沿って浮上してプリーツ7の山
部内側71に移動し、さらにその一部は、濾過部材6の
細孔を透過して第一の空間21へ戻され、浮上して排出
される。
【0053】第二の空間22へ流入した濾過済の血液
は、血液流出部31を経て、流出口52よりハウジング
2外へ流出し、チューブ19を介して患者20の動脈へ
返血される。
【0054】以上のように、プリーツ7の谷部72や山
部内側71内に侵入した気泡が有効に排出されるので、
血液中からの気泡除去効率が大幅に向上する。しかも、
このような優れた気泡除去能を得るのに、ハウジング2
を従来のものより大容量としたり形状変更をしたりする
必要がなく、プライミング量の増大を伴わない。
【0055】なお、本発明の濾過装置は、図1および2
に示すような血液を濾過し除泡する濾過装置に適用する
場合に限らず、その用途も、医療用の他、例えば工業用
であってもよい。
【0056】また、本発明において、処理する液体は、
前記血液に限らず、血漿のようなその他の体液や、体液
以外の液体等いかなるものでもよい。
【0057】次に、本発明の濾過装置を、具体的実施例
を挙げてさらに詳細に説明する。
【0058】(実施例1)図1および図2に示す構成の
濾過装置を製造した。濾過部材は、前述した製造方法に
より製造した。
【0059】本実施例で用いた濾過部材6を作成するた
めの器具60は、 溝61の幅62:8mm 溝61の深さ63:約8cm スリット65の角度R:70° スリット65の間の長手方向に沿った長さ:24.5m
m のものを使用した。
【0060】この濾過装置の各部の条件は、次のとおり
である。
【0061】ハウジング材料:ポリカーボネート 流入口の内径:6.0mm 流出口の内径:6.0mm 脱気口の内径:4.3mm 多孔質材の構成:ポリエステル製スクリーンメッシュ
(孔径32μm )の両面をポリエチレンテレフタレート
製ネット(孔径450μm )で挟んだもの 多孔質材の厚さ:1.0mm 濾過部材の底部外径:50mm 濾過部材の頂部外径:35mm 濾過部材の底部内径:35mm 濾過部材の頂部内径:18mm 濾過部材の高さ:23mm プリーツの数:31個 濾過部材有効面積:100cm2 *前述した方法で端面を熱処理することによりほつれの
防止をしている。
【0062】充填材の組成:ポリウレタン 充填材下面(プリーツ横断部)の平均傾斜角度:水平に
対し70°プライミング量:40ml [実験1]実施例1の濾過装置の流出口より、微小な気
泡を含むプライミング液を注入し、ハウジング内をプラ
イミング液(生理食塩水)で満たした。この状態で、濾
過部材への気泡の付着状況を目視により観察し、気泡抜
け性を評価した。
【0063】実施例1の濾過装置では、濾過部材の頂部
付近に極少量の気泡が付着していたが、軽い振動を与え
ることで容易に除去できた。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の濾過装置に
よれば、プライミング量を増大することなく、例えばプ
ライミング時や液体処理時において、気泡除去能の向上
が図れる。濾過部材とハウジングの内面が平面で接触す
るために固定が容易に行え、ポッティング材による接合
も確実に行える。
【0065】また、濾過部材を頂部から底部へ向けてそ
の最外径が漸増する構成とした場合には、特にプライミ
ング量の低減に有利であり、第一の空間での流れの状態
を良好に保つことができるので、気泡の分離除去能がさ
らに高まり、また、圧力損失の減少や、溶血の抑制も図
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濾過装置の構成例を示す縦断面図であ
る。
【図2】図1に示す濾過装置のII−II線での断面図であ
る。
【図3】本発明の濾過装置を含む血液体外循環回路を模
式的に示す回路構成図である。
【図4】濾過部材を作成するために器具の斜視図であ
る。
【図5】濾過部材を溶融する時の断面図である。
【符号の説明】
1・・・濾過装置、2・・・ハウジング、3・・・底
体、4・・・蓋体、6・・・濾過部材、8,9・・・充
填材、10・・・血液体外循環回路、11・・・貯血
槽、12・・・ローラポンプ、13・・・熱交換器、1
4・・・人工肺、15,16,17,18,19・・・
チューブ、20・・・患者、21・・・第一の空間、2
2・・・第二の空間、23・・・軸、31・・・血液流
出部、32・・・濾過部材固定部、33・・・リング状
のリブ、51・・・血液の流入口、52・・・血液の流
出口、53・・・脱気口、60・・・器具、61・・・
溝、62・・・幅、R・・・角度、65・・・スリッ
ト、66・・・深さ、7・・・プリーツ、71・・・山
部内側、72・・・谷部、81・・・下面、82・・・
中心部、83・・・プリーツ横断部、90・・・ホット
プレート、91・・・テフロンシート、92・・・形状
設定型、93,94・・・端面、

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理される液体の流入口および流出口な
    らびに脱気口が形成されたハウジングと、該ハウジング
    内を前記流入口と連通する第一の空間と前記流出口と連
    通する第二の空間とに仕切るように前記ハウジング内に
    設置された濾過部材とを有する濾過装置であって、 前記濾過部材は、複数のプリーツ状に折り畳まれた多孔
    質材の各プリーツが放射状に配置されるように筒状に成
    形され、かつその頂部側開口が充填材により封止された
    ものであり、 前記充填材の前記第二の空間側の面は、その中心部が前
    記第二の空間側へ突出するよう傾斜し、前記濾過部材
    は、頂部から底部へ向けてその最外径が漸増するもので
    あり、さらに前記濾過部材の端面は水平にカットされ前
    記濾過部材の垂直断面形状が円錐台状をなしていること
    を特徴とする濾過装置。
  2. 【請求項2】 前記濾過部材は、その頂部側開口を充填
    材により封止した後、底部を拡開させて得られるもので
    ある請求項1に記載の濾過装置。
  3. 【請求項3】 前記ハウジングは、横断面形状がほぼ円
    形をなし、前記濾過部材は、前記ハウジングと同心的に
    設置されている請求項1または2に記載の濾過装置。
  4. 【請求項4】 前記流入口は、前記ハウジングの内周面
    のほぼ接線方向に突出形成され、該流入口より流入した
    液体が前記第一の空間内で旋回流を形成するよう構成さ
    れた請求項1ないし3のいずれかに記載の濾過装置。
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