JPS631413Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電池を２段もしくはそれ以上の複数段
に重ねて収納し得るように構成した電池収納装置
に関するものであり、その目的とするところは簡
単な構成で電池収納用凹部の対向壁面に装着され
る電池端子間の短絡を防止できる電池収納装置を
提供するものである。

一般に電池収納装置は電池収納用凹部内に電池
を２段もしくはそれ以上の複数段に重ねて収納し
得るように構成する場合、上記電池収納用凹部の
対向壁面には収納される各段の電池の電極にそれ
ぞれ接触する電池端子が互に短絡することのない
ように装着しなければならない。そのため、上記
電池収納用凹部の対向壁面にはその凹部開口側よ
り電池端子取付け用の溝を形成するためのリブを
形成し、その凹部底面に切欠を設けてその切欠側
より電池端子取付け用の溝を形成するためのリブ
を形成する必要があり、電池端子装着用のリブを
形成するための金型の抜き方向が逆になり、金型
構造自体も複雑になるものであつた。したがつ
て、多段に電池を収納するための電池収納用凹部
を底面を有するキヤビネツトに一体に形成するこ
とが金型の抜きの関係でむずかしくなり、キヤビ
ネツトを３つに分割する必要を生ずるものであつ
た。また、電池収納用凹部の対向壁面の近傍に切
欠があるために電池の漏液防止対策を他に必要と
する欠点があつた。

本考案はこのような従来の欠点を解消するもの
であり、以下、本考案について実施例の図面と共
に説明する。

第１図は本考案の電池収納装置の一実施例を示
し、図中、１はラジオ受信機のキヤビネツトであ
り、その凹部２の底面からリブ部３，４が突設さ
れて上記キヤビネツト１との間で電池収納用凹部
５を構成している。そして、上記キヤビネツト１
の側面１ａと上記リブ部４とがそれに設けた電池
収納用凹部５の対向壁面を形成している。上記リ
ブ部４は上記電池収納用凹部５に収納される電池
の軸方向に段差を有する第１、第２のリブ４ａ，
４ｂを備えており、上記第１リブ４ａにはコイル
状の電池端子６が取付けられる凹溝７ａ，７ｂが
形成され、上記第２リブ４ｂには板状にして弾性
を備える電池端子８が取付けられる凹溝９ａ，９
ｂが形成されている。上記電池端子８は上記凹溝
９ａ，９ｂに挿入される本体部８ａに一体に第１
の弾性舌片８ｂ第２の弾性舌片８ｃを有してお
り、上記電池端子６より電池収納用凹部５の内方
に位置し、かつその開口近傍に位置している。上
記キヤビネツト１の側面内面には第１、第２、第
３のリブ１０，１１，１２が形成されており、上
記第１リブ１０と第３リブ１２には板状の電池端
子１３が取付けられる凹溝１４ａ，１４ｂが形成
され、上記第２リブ１１と上記キヤビネツト１の
底面内面より突設したリブ１５には板状の電池端
子１６が取付けられる凹溝１７ａ，１７ｂが形成
されている。上記電池端子１３は第１、第２の端
子部１３ａ，１３ｂを有しており、その第１の端
子部１３ａが上記第１リブ１０の凹溝１４ａに挿
入されてその第２の端子部１３ｂが上記第２のリ
ブ１１先端に当接された状態で上記第３リブ１２
の凹溝１４ｂに係合されることにより、上記電池
端子１６より上記電池収納用凹部５の内方に位置
している。そして、上記電池端子１３の第２の端
子部１３ｂが上記電池収納用凹部５の最とも内方
位置で底面に近いところに位置し、上記電池端子
１３の第１の端子部１３ａが上記収納用凹部５の
開口近傍に位置して上記電池端子１３の第２の端
子部１３ｂよよりやや深まつたところに位置し、
上記電池端子１６が上記電池収納用凹部５の開口
近傍に位置して上記電池端子１３より深まつたと
ころに位置している。つまり、上記電池端子１３
および１６は上記電池収納用凹部５に収納される
電池の軸方向に段差をもつように取付けられてい
る。

このような構成の電池収納装置において、上記
電池収納用凹部５内には３本の電池１７，１８，
１９が収納されるようになつている。したがつ
て、第２図および第３図に示すように上記電池１
７にはそのマイナス電極に上記電池端子６が、そ
のプラス電極に上記電池端子１３の第２の端子部
１３ｂがそれぞれ接触し、上記電池１８にはその
マイナス電極に上記電池端子８の第１の弾性舌片
８ｂが、そのプラス電極に上記電池端子１６がそ
れぞれ接触し、上記電池１９にはそのマイナス電
極に上記電池端子１３の第１の端子部１３ａが、
そのプラス電極が上記電池端子８の第２の弾性舌
片８ｃにそれぞれ接触し、上記電池端子６と１６
との間に直列に接続されて図示していない所要の
回路に結合されるようになつている。しかも、上
記３本の電池１７，１８，１９は下段に１本、上
段に２本平行にして２段に重なるように上記電池
収納用凹部５内に収納される。

以上のように本考案によれば、電池収納用凹部
の対向壁面に収納される電池の軸方向に段差をも
つて電池端子の取付け用凹溝を形成したので、上
記取付用凹溝に取付けられる電池端子の異極性間
の短絡を効果的に防止することができるのであ
り、しかも、取付用凹溝がすべて電池収納用凹部
の開口方向を向くようにすることができるため、
電池端子自体の取付けがしやすくなり、また、相
異なる方向に分離される金型の一方にのみ電池端
子取付用の凹溝を形成するだけでよいため、金型
自体の構造が簡素化できるなど、その実用上の効
果の大なるものである。しかも、電池収納用凹部
に収納される電池の軸方向において互に対向する
対向壁面のうち、一方の対向壁面には底部側にコ
イル状の電池端子が、開口側に第１、第２の弾性
舌片をもつ電池端子が上記コイル状の電池端子よ
り内方に突出するように配設されるも、他方の対
向壁面には底部側に上記コイル状の電池端子に対
向して電池端子の第２の端子部が、開口側に上記
電池端子の第１、第２の弾性舌片に対向して電池
端子の第１の端子部および電池端子が上記第２の
端子部よりも外方に位置するように配設されるた
め、他方の対向壁面において電池収納用凹部の底
部側への電池の収納、取出しのじやまになるもの
がなく、電池の脱着性の低下を招くこともない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電池収納装置の一実施例を示
す平面図、第２図および第３図は同装置への電池
取付状態における要部平面図、第４図および第５
図は同装置の要部断面図である。 １……キヤビネツト、５……電池収納用凹部、
６，８，１３，１６……電池端子、７ａ，７ｂ，
９ａ，９ｂ，１４ａ，１４ｂ，１７ａ，１７ｂ…
…電池端子取付け用凹溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤビネツトに電池を２段でかつ逆俵積みの形
   態で収納し得るような深さの電池収納用凹部を設
   け、その電池収納用凹部に収納される電池の軸方
   向において互に対向する上記電池収納用凹部の対
   向壁面にそれぞれ電池端子を装着した電池収納装
   置であつて、一方の対向壁面は上記電池収納用凹
   部の底部側に位置してコイル状の電池端子が取付
   けられる凹溝を設けた第１のリブと、この第１の
   リブの両側で上記第１のリブより上記電池収納用
   凹部の内方に位置しかつ上記電池収納用凹部の開
   口側に位置し、板状にして弾性を有する第１、第
   ２の弾性舌片をもつ電池端子が取付けられる凹溝
   を設けた１対の第２のリブとで構成し、他方の対
   向壁面は上記第１の弾性舌片に対向する電池端子
   が上記電池収納用凹部の開口側に位置するように
   取付けられる凹溝を設けた第３、第４のリブと、
   上記コイル状の電池端子に対向する第２の端子部
   と上記第２の弾性舌片に対向する第１の端子部を
   もつ電池端子が上記第３、第４のリブに取付けら
   れた電池端子より上記電池収納用凹部の内方に位
   置し、上記第２の端子部が上記第３のリブの先端
   に当接されるように取付けられる凹溝を設けた第
   ５、第６のリブとで構成し、かつ上記他方の対向
   壁面を構成する第５、第６のリブに装着された電
   池端子の第１の端子部は上記電池収納用凹部の開
   口側に、第２の端子部は上記電池収納用凹部の底
   部側に位置するも上記第３、第４のリブ間に装着
   した電池端子と上記第１の弾性舌片との間に設け
   られる電池のじやまにならないように上記第３、
   第６のリブを上記電池収納用凹部の底部側に設
   け、上記電池端子が装着される凹溝のすべてを上
   記電池収納用凹部の開口側に開放したことを特徴
   とする電池収納装置。