JPS6313744Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は椅子の背凭れ装置の改良に関し、更に詳
しくは椅子の背凭板に着座席が凭れ荷重をかけた
時に該背凭板は後方に傾動して着座者の安楽な着
座状態を保持でき且つ着座者に応じて前記傾動の
強さを調節し得るようになした椅子の背凭れ装置
に関する考案である。

此種の背凭れ装置は従来から研究、開発されて
いたが、従来構成では構成組立てが複雑であり、
カバーその他の付属部分を必要とし、又、動作時
に雑音を発するだけでなく、一且組立てた後は、
背凭板の傾動の強さを調節することができず極め
て不便であつた。

本案はこのような従来構造の欠点を除くべく考
案したもので、その要旨とする点は、構成部材全
てを調節軸を兼ねる一本のシヤフトに取付けた状
態で椅子の背凭杆内に装着し、該シヤフトの長さ
を変化することにより圧縮バネの圧力を変化させ
て背凭板の動作を調節し得るようにするとともに
背凭板の回動に連係する回動板を背凭杆内上端部
に固定したブロツク下面と圧縮バネ上端に位置す
る合成樹脂製バネ押え板との間に弾性挟持させて
構成した点にある。

以下添付図面により本案背凭れ装置を詳説すれ
ば、第１図に示すように背凭杆１内部の上端開口
奇りに螺子３にて一体的に固着される固定ブロツ
ク４の中央部にツマミ用頭部を上向け突出した形
で調節軸を兼ねる下端部螺軸となしたシヤフト５
の回転可能に貫通垂下させ、該シヤフト５のブロ
ツクより下方垂下部分に上から順に緩衝スペーサ
ー６、一端を背凭杆１から突出させて背凭板に連
結すべく構成した連結金具７の回動板７′及び上、
下端にバネ押え板８，１０を当接させた圧縮バネ
９、下位バネ押え板１０の下面に当接するロツク
ナツト１１を嵌挿又は螺合して取付け、全部材を
背凭杆１内に嵌合して背凭れ装置を構成してい
る。そしてシヤフト５は上記のように他の構成部
材を嵌合状態で支持して背凭杆１内に装着する為
の連結部材として作用する以外にツマミ用頭部
５′を回して回転させることにより上、下のバネ
押え板８，１０間の距離ｌを長、短調節して、も
つて圧縮バネ９の弾力調節を行い得るようにして
いる。従つて、該シヤフト５の回転時にロツクナ
ツト１１が共回りすれば、上記の調節が不可能と
なるのでロツクナツトの共回り防止を十分考慮し
なければならない。例えば、第１図に示すように
２重ナツトとなすか、又は背凭杆１の内部が角筒
状等である場合には、図中一点鎖線で示すよにナ
ツト１１を大径となすとともに外周を背凭杆１内
周に不回転状に嵌合し得る形状とすればよく、
又、該ロツクナツトと下位バネ押え板１０を一体
物となして該バネ押え板を共回り防止するように
してもよい。更にシヤフト５の回転に関して本考
案においては、背凭杆１の上端開口２に取付けた
キヤツプ１２を回転するだけでシヤフト５の回転
を行い得るようにするために、背凭杆１の上端開
口２にキヤツプ１２を回転可能に嵌合し、該キヤ
ツプ１２とシヤフト５のツマミ用頭部５′を一体
回転能に関係づけることにより、キヤツプ１２を
取外すことなく回転してツマミ用頭部５′を回転
させ、もつて圧力バネ９の弾力調節を行い得るよ
うになしている。その１例としては、第１図の如
くツマミ用頭部５′をボルトの頭部の如く六角形
状となして対するキヤツプ１２の下面に六角形状
の凹部を形成して、これを一体回転可能に嵌合さ
せたり、或いは第２図に示すようにツマミ用頭部
５′をキヤツプ１２の下部に嵌合させピン１３を
用いて連係させたりしてもよい。次に背凭板に連
係させるべき連結金具７の回動板７′は、背凭板
１４の傾動とともに回動して上位バネ押え板８圧
縮バネ９を下方に押圧するものであるが、その回
動を可能にするとともに回動範囲を規制すること
を目的として、シヤフト貫通用孔７ａを前後方向
の長溝孔となしており、下面前後の縁部を、又
は、上、下面の何れか片方、或は両方共に縁部を
曲面となして回動時にスペーサー６又は上位バネ
押え板８を傷つけないように考慮され、ブロツク
４下面と該上位バネ押え板８との間に弾性挟持さ
れている。又連結金具７と背凭板の連結は何等構
造限定されるものではないが、１例として第３図
に示すように背凭杆１の開口として縦長となした
開口１ａから突出される連結金具７の突片を、背
凭板１４に螺子止めその他の手段によつて取付け
られた支持金具１５の連結孔１５′に嵌合させる
ことによつて連結金具７と背凭板１４とを連動可
能に連結している。従つて着座者が背凭板１４に
後傾方向への凭れ荷重を掛けると連結金具７の回
動板７′は第１図に示すようにそのシヤフト貫通
用孔７ａによつて許容される範囲内で回動して背
凭板１４の傾動を制限する機能を有するとともに
回動によつてバネ９の弾力に抗して上位バネ押え
板８を下方に押圧し、圧縮バネにより弾性付勢さ
れ、第３図の如く、開口を縦長開口１ａとした場
合は下へ変位するのである。又、この背凭板１４
の後傾、下降変位動作時に背凭杆１内で回動板
７′によつて押圧されるスペーサー６上位バネ押
え板８特にバネ押え板８は回動板７′及びシヤフ
ト５との摺動摩擦音を発しないように合成樹脂材
料にて成型され、スペーサー６も雑音発生防止と
緩衝を目的として適宜合成樹脂を素材とするもの
である。又、以上の実施例において圧縮バネ９に
代えてゴムその他の弾性体を用いることも可能で
ある。

以上のようなる本案の背凭れ装置は、背凭板の
後傾を着座者に応じてその圧力を変化でき得る構
成となしたので着座者が背凭板に凭れ荷重を掛け
ても安楽な着座状態を保持でき、その状態を調節
できる効果があり、加えて具体的構成において
も、キヤツプ１２を背凭杆１に取付けたままの状
態で回転させるだけでシヤフト５を回転させて圧
縮バネ９の弾力調節を簡単に行うことができ、も
つて該バネ９にて常時弾圧される回動板７′の回
動即ち背凭板１４の後傾、下降の強度を調節する
ことができる。更に該シヤフト５は調節軸として
の機能、作用効果に加えて、本案装置の構成部材
を背凭杆１内に取付ける為の取付部材として各部
材をシヤフト５に順次嵌合又は螺合して単一セツ
トとなし、これを背凭杆１内に挿入して固定ブロ
ツク４を螺子３にて背凭杆１に固定するだけの簡
単な操作によつて本案装置の組立てを行い得るこ
とになる。

更に本案では、各構成部材は背凭杆１内に挿着
されるので別途カバーを付設することなく全部材
が被覆され外観を損つたり、衣服、手指を引つ掛
ける心配がなく、また背凭板１４の後傾の圧力を
カバーまたはキヤツプ１２等を外すことなく簡単
に調節でき、そのうえ内部構成中の摺動部材を例
えば、上位バネ押え板８等に合成樹脂を用いたの
で、摺動摩擦音を発する欠点を一掃でき、又、連
結金具７と背凭板１４との連結も連結金具７の突
片を背凭板１４に付設した支持金具１５の連結孔
１５′に嵌合するだけで簡単に連結できる等多大
な作用効果上の利点を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の１実施例を示す要部縦断面
図、第２図は同じくシヤフトとキヤツプの連結の
実施例を示す一部省略縦断面図、第３図は連結金
具と背凭板の連結構造の１実施例を示す分解斜視
図、第４図は本案装置の１適用例を示す椅子の斜
視図である。 １：背凭板、１ａ：縦長開口、２：上端開口、
３：螺子、４：固定ブロツク、５：シヤフト、
６：緩衝スペーサー、７：連結金具、７′：回動
板、７ａ：シヤフト貫通用孔、８：バネ押え板、
９：圧縮バネ、１０：バネ押え板、１１：ロツク
ナツト、１２：キヤツプ、１３：ピン、１４：背
凭板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上端開口２に連続して内面側に開口１ａを設け
   た背凭杆１と、 上端に抜け止め兼回転用に固定したツマミ用頭
   部５′を設け、該ツマミ用頭部５′に背凭杆１のキ
   ヤツプ１２を一体回転可能に関係づけて設けてな
   り、前記背凭杆１の内部上端部に固定したブロツ
   ク４を貫通し且つブロツク４上に抜け止め支持し
   て垂設したシヤフト５と、 前記背凭杆１内に遊挿しうる形状の基板の中央
   部へ前後方向に長溝孔としたシヤフト貫通用孔７
   ａを設け且つ下面前後の縁部を曲面となした回動
   板７′の一端から前記背凭杆１の開口を遊嵌して
   延長する部材を突設してなり、前記回動板７′を
   ブロツク４下のシヤフト５に外嵌して背凭杆１に
   内装して、該部材突出端を背凭杆１４へ固定して
   なる連結金具７と、 前記シヤフト５の下部で下端を支持されシヤフ
   ト５に外嵌してなる圧縮バネ９と、 前記圧縮バネ９の上端で支持され、シヤフト５
   に遊嵌状態で外嵌してなり、ブロツク４下と本部
   材上面との間で回動板７′を弾性挟持してなる合
   成樹脂製バネ押え板８と、 よりなる椅子の背凭れ装置。