JPH042594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は背板を取付ける左右の背座支持金物
に対して、座板固定の座支持アームを起倒回動可
能に支持する連結椅子等の座支持装置に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来、左右の背座支持金物に座固定の座支持ア
ームを起倒回動可能に軸支し、このアーム軸支部
に座起立用のコイルばねを取付けて、このコイル
ばねの付勢力で座が略水平な着座使用状態から略
垂直な起立不使用状態に跳上げられるようにした
椅子の座支持装置は知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記従来の座支持装置は座起立用のコイルばね
が外に出ているため体裁が悪いこと、前記コイル
ばねのバネ力調整（座の跳上げ力が弱くなつたよ
うな場合に必要となる）または取替えを行なう場
合に、座支持アームを背座支持金物から取外さな
ければならず、前記コイルばねの調整作業または
取替え作業が非常に面倒であること等の問題があ
つた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は前記従来の問題点を解決するため
に、背座支持金物の対向内側部に座受口を設け、
且つこの座受口の内底部にネジ孔とバネ掛孔を設
けると共に、前記受座口の外囲部に座支持アーム
の起倒回動限を規制する円弧溝を凹設したこと、
左右背座支持金物の前記座受口内に座ブツシユを
嵌着し、この座ブツシユに座支持アーム基端部の
円筒形突出口を回動可能に嵌合させると共に、こ
の突出口近くに突設したアームストツパ部を前記
背座支持金物の円弧溝に回動可能に嵌入させたこ
と、前記円筒形突出口のアーム主板面より内方へ
突出する口端部にバネ掛切欠孔を設け、前記突出
口及び座受口の内部空間に収納される座起立用コ
イルばねの一端部を座受口内底部のバネ掛孔に、
他端部を前記突出端のバネ掛切欠孔に係止して、
座支持アームを座板が自動起立するように回動付
勢させたこと、前記座支持アームの突出口端を塞
ぐアームカバーを設け、このアームカバーを座受
口内底部のネジ孔に螺着される取付ネジによつて
着脱可能に取付けたことを特徴とするものであ
る。

〔作用〕

椅子使用に際して着座者が座板を前方へ押し倒
すように操作すると、この座板固定の座支持アー
ムが倒れ回動して、このアームストツパ部が円弧
溝の一端部に当たることにより略水平な転倒状態
で止まり、前記座板上に着席可能となる。また、
この状態で着座者が席を立つと、前記コイルばね
の付勢力によつて座支持アームが上方へ跳上げ回
動され、該アームストツパ部が円弧溝の他端部に
当たつて、前記座板が背板に接近した起立状態に
自動復帰するようになる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を図面に従い説明す
る。第３図は本考案の座支持装置を適用した連結
椅子の斜視図であつて、図中１，２は一対の脚
体、３はこの脚体１，２の支柱上端部に横架した
角型断面の連結部材で、この連結部材３に３つの
椅子側板を構成する合計４個の背座支持金物４が
一定の間隔をおいて固定されている。この３つの
椅子の各背板５を取付ける左右の背座支持金物４
は、互いに対向する内側部位置に第１図の如く突
設した座受口６と、この座受口６の外囲部に略90
度の角度範囲に亙つて凹設した円弧溝７を有し、
前記座受口６の内底部には中心位置に穿設したネ
ジ孔８と、外周位置に穿設したバネ掛孔９が設け
られ、前記受座口６内には環状の座ブツシユ１０
が嵌着されている。

１１は椅子座板１２の裏面両側部にビス止着さ
れる座支持アームで、このアーム基端部には前記
座ブツシユ１０内に回動可能に嵌合される円筒形
突出口１３と、この突出口１３の近くに突設され
前記背座支持金物４の円弧溝７に回動可能に嵌入
されるアームストツパ部１４（このストツパ部に
はリング状のストツパゴム１４ａが第１図の如く
取付けられている）が設けられ、前記円筒形突出
口１３のアーム主板１１ａ面より内方へ突出する
口端部１３ａには円周方向に離間した複数個のバ
ネ掛切欠孔１５，１５ａ，１５ｂが設けられてい
る。１６は前記アーム突出口１３及び座受口６の
内部空間に外部から見えないように収納した座起
立用のコイルばねで、このコイルばね１６の一端
部１６ａを座受口内底部のバネ掛孔９に第１図の
如く挿入係止し、且つ前記ばね１６の他端部１６
ｂを前記突出口端部１３ａの一つのバネ掛切欠孔
１５に第１図及び第２図の如く挿入係止して、座
支持アーム１１を座板１２が自動起立するように
回動付勢させている。１７は前記座支持アーム１
１の突出口端を塞ぐアームカバーで、このアーム
カバー１７はネジ挿通取付穴を有し、このネジ挿
通取付穴にバネ座金１８ａを入れて挿入した取付
ネジ１８を、前記座受口６の内底部ネジ孔８にス
ペーサ筒１９を介して第１図の如く螺着するこに
より着脱可能に取付けられている。

而して、椅子使用に際して着座者が前記座板１
２を前方へ押し倒すように操作すると、この座板
固定の座支持アーム１１が倒れ回動して、このア
ームストツパ部１４のゴム１４ａが円弧溝７の一
端部７ａに当たることにより略水平な転倒状態
（第２図実線で示す状態）で止まり、前記座板１
２上に着席可能となる。また、この状態で着座者
が席を立つと、前記コイルばね１６の付勢力によ
つて座支持アーム１１が上方へ第２図想像線で示
す如く跳上げ回動され、該アームストツパ部１４
が円弧溝７の他端部７ｂに当たつて、前記座板１
２が背板５に第３図左端の如く接近した起立状態
に自動復帰するようになる。この場合における前
記座板１２の起立状態への復帰限時の衝撃は前記
ストツパゴム１４ａによつて吸収されるので、騒
音の発生がなくなる。なお、前記実施例は連結椅
子の座支持装置について述べたが、単体椅子の座
支持装置としても適用可能であり、この場合には
左右の背座支持金物４を接床可能な椅子側板とし
て構成することもできる。

〔考案の効果〕

この考案の座支持装置は前記のような構成のも
のであるから、座起立用のコイルばね１６をアー
ム突出口１３及び受座口６の内部空間に収納し
て、外部から見えない状態に体裁よく取付けるこ
とができる。また、前記取付ネジ１８をドライバ
ー等で緩めて内方に抜き外し、アームカバー１７
を取外せば、前記コイルばね１６の内蔵部が開放
するので、前記コイルばね１６のバネ力調整また
は取替えを、座支持アーム１１を取外すことなく
容易且つ迅速に行なうことができる。更に、アー
ム突出口１３を座ブツシユ１０に嵌合し、且つア
ームストツパ部１４を背座支持金物４の円弧溝７
に嵌入させているので、座支持アーム１１の所定
角度の起倒回動が円滑に行なえるという効果も奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の座支持装置の主要部を示した
縦断面図、第２図は第１図の−線に沿う矢視
断面図、第３図は本考案の座支持装置を適用した
連結椅子の斜視図である。 ４……背座支持金物、５……背板、６……座受
口、７……円弧溝、７ａ……円弧溝一端部、７ｂ
……円弧溝他端部、８……ネジ孔、９……バネ掛
孔、１０……座ブツシユ、１１……座支持アー
ム、１１ａ……アーム主板部、１２……座板、１
３……円筒形突出口、１３ａ……同突出口の口端
部、１４……アームストツパ部、１５，１５ａ，
１５ｂ……バネ掛切欠孔、１６……座起立用のコ
イルばね、１６ａ……同コイルばねの一端部、１
６ｂ……同コイルばねの他端部、１７……アーム
カバー、１８……取付ネジ、１８ａ……バネ座
金、１９……スペーサ筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 背板を取付ける左右の背座支持金物に対して、
   座板固定の座支持アームを起倒回動可能に支持す
   る座支持装置であつて、背座支持金物の対向内側
   部に座受口を設け、且つこの座受口の内底部にネ
   ジ孔とバネ掛孔を設けると共に、前記受座口の外
   囲部に座支持アームの起倒回動限を規制する円弧
   溝を凹設したこと、左右背座支持金物の前記座受
   口内に座ブツシユを嵌着し、この座ブツシユに座
   支持アーム基端部の円筒形突出口を回動可能に嵌
   合させると共に、この突出口近くに突設したアー
   ムストツパ部を前記背座支持金物の円弧溝に回動
   可能に嵌入させたこと、前記円筒形突出口のアー
   ム主板面より内方へ突出する口端部にバネ掛切欠
   孔を設け、前記突出口及び座受口の内部空間に収
   納される座起立用コイルばねの一端部を座受口内
   底部のバネ掛孔に、他端部を前記突出口端のバネ
   掛切欠孔に係止して、座支持アームを座板が自動
   起立するように回動付勢させたこと、前記座支持
   アームの突出口端を塞ぐアームカバーを設け、こ
   のアームカバーを座受口内底部のネジ孔に螺着さ
   れる取付ネジによつて着脱可能に取付けたことを
   特徴とする椅子の座支持装置。