JPS6313032B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は圧気中の油を分離することができるよ
うにした密閉型電動圧縮機の組立方法に係り、特
に油分離用閉塞板の組立ての簡易化を図つた密閉
型電動圧縮機の組立方法に関する。

〔発明の技術分野〕

従来、密閉型電動圧縮機においては、例えば、
実開昭53−100111号公報や実公昭52―24805号公
報等に示されるように、油分離用閉塞板を回転軸
への固着前に電動機の回転子のエンドリング上端
部に、かしめ等により直に取付ける構成となつて
いた。そのため、回転子を回転軸に焼ばめにより
固着する時に、回転子の軸孔が油分離用閉塞板に
覆われているので前記軸孔を覗くことができず、
したがつて、回転子の軸孔と回転軸との位置合せ
が困難となり、焼ばめ作業性が悪いという問題が
あつた。また、これらを改善するために、回転子
を回転軸に固着後に油分離用閉塞板を取付けるこ
とも考えられるが、油分離用閉塞板を回転子にか
しめにより取付けるものにおいては、かしめ作業
時の強い応力を回転軸で受けることになり、回転
軸またはこの回転軸を支持する部品が変形する問
題があつた。

〔発明の目的〕

本発明は上記事実に着目して創案されたもので
あり、その目的は、圧気中の油を確実に分離して
油の流出が阻止できることは勿論、組立ての簡易
化を図ることができる密閉型電動圧縮機の組立方
法を提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明は、電動機の回転子の上端部に回転子単
体の状態で中央部に回転子の軸孔よりも大径の開
口部を有する環状の支持板を取付け、該回転子を
回転軸に焼ばめにより固着後に、上記支持板上に
その開口部を覆う油分離用閉塞板を上記支持板に
その弾性変形力により係合する係合手段により取
付けたもので、部品の変形等を生じることなく組
立作業性を向上できる密閉型電動圧縮機の組立方
法を提供することができる。

〔発明の実施例〕

以下に本発明の好適一実施例を添付図面に従つ
て詳述する。第１図において、１はロータリ式の
密閉型電動圧縮機で、密閉容器２内には上部に電
動機３が下部にロータリ式圧縮機４が隔壁５を介
してそれぞれ設けられている。

圧縮機４は密閉容器２の下部に貯留された潤滑
用油０内に浸漬された状態で隔壁５に取付けら
れ、その回転軸６は隔壁５に形成された軸受７を
介して電動機３の回転子８に連結されている。

電動機３は上記回転子８とこれに囲繞させて密
閉容器２に設けられた固定子９とから成り、回転
子８は上下両端部に隆起した環状のエンドリング
１０，１０を有している。

斯様な構成において、回転子８の上部エンドリ
ング１０上には、第２図に示す如く直径方向両側
に支持片１１，１１が突設され、これら両支持片
１１，１１にはこれらに跨らせて環状の支持板１
２がエンドリング１０から離間した状態で両支持
片１１，１１の上端部をかしめることにより固定
されている。従つて、支持板１２とエンドリング
８との間には開口１３が形成されることになり、
この開口１３は油分離孔乃至ガス抜孔を構成す
る。

支持板１２は上記回転子８と同径に形成され、
その中央部には回転子８の軸孔８ａより径大の開
口部１４を有し、その直径方向両側には下方に屈
曲するかしめ逃げ溝１５，１５が折曲形成される
と共に、両かしめ逃げ溝１５，１５と直交する方
向の両縁部には後述の挾持片１６を係合させる係
合溝１７，１７が形成されている。

そして、支持板１２上には、その開口部１４を
覆う油分離用閉塞板１８が挾持片１６（係合手
段）によつて着脱自在に取付けられている。

即ち、油分離用閉塞板１８は上記支持板１２と
同径の円板状に形成され、直径方向両縁部には上
記係合溝１７，１７と合致する係合溝１８ａ，１
８ａが形成されている。

一方、挾持片１６は帯状の弾性部材から成り、
第２図に示す如く弓状に形成した本体の両端部が
内方向へ鍵状に曲成された挾持部１６ａ，１６ａ
を有している。

従つて、油分離用閉塞板１８はその係合溝１８
ａ，１８ａを支持板１２の係合溝１７，１７に合
わせて支持板１２上に重ねた状態で、それら係合
溝１８ａ・１７，１８ａ・１７に挾持片１６の両
挾持部１６ａ，１６ａを係合させて挾持片１６を
取付けることにより、上方向および半径方向の移
動が規制されている。

そして、第１図に示す如く圧縮機４の吸入口に
は吸込管１９が、且つ吐出口には電動機３の収容
室２０内へ圧気導入する導入管２１がそれぞれ設
けられると共に、回転子８の鉄心には圧気を上方
に導くための通孔２２が形成され、密閉容器２の
上部には圧気を吐出する吐出管２３が設けられて
いる。

しかして、上述の如く構成された密閉型電動圧
縮機１は、圧縮機４で圧縮された冷却媒体等の圧
気を電動機３における回転子８と固定子９との間
隙および回転子８の通孔２２を介して上方へ導く
過程で、通孔２２から上方へ導かれる圧気を回転
子８と共に回転している油分離用閉塞板１８で遠
心分離を行い、圧気中に混在する油を分離しつつ
吐出管２３から吐出する。

次に、上記密閉型電動圧縮機１の組立方法につ
いて説明する。

まず、回転子８単体の状態で回転子８の上部エ
ンドリング１０上に突設された支持片１１，１１
に環状の支持板１２を支持片１１，１１の上端部
をかしめることにより取付ける。次に、隔壁５等
を組立てた回転軸６に前記支持板１２を取着した
回転子８を焼ばめにより固着する。この焼ばめ作
業においては、前記支持板１２が中央部に回転子
８の軸孔８ａよりも大径の開口部１４を有してい
るので、上記開口１４を介して回転子８の軸孔８
ａを覗くことができ、したがつて、回転子８の軸
孔８ａと回転軸６との位置合せをが容易にでき、
焼ばめ作業性を向上することができる。

次に、回転子８に取付けられた支持板１２の係
合溝１７，１７に係合溝１８ａ，１８ａを位置さ
せて油分離用閉塞板１８を載置し、挾持片１６の
挾持部１６ａ，１６ａをその弾性変形力により上
記係合溝１７，１７，１８ａ，１８ａに係合させ
て油分離用閉塞板１８を取付ける。

この油分離用閉塞板１８の取付けは、挾持片１
６の弾性変形力により行うものであるから、回転
軸６に大きな荷重を加えることなく行うことがで
き、したがつて、回転軸６等の変形を防止するこ
とができると共に、ワンタツチで取付けることが
でき取付け作業性も良い。

尚、上記実施例では閉塞板１８と挾持片１６と
を別体にしたが一体化しても良く、この場合、閉
塞板１８の直径方向両側縁部に挾持部を設けるよ
うにして支持板１２上に取付けるようにしても良
い。

また、上記実施例では支持片１１のかしめ部が
邪魔にならぬように支持板１２にかしめ逃げ溝１
５を形成したが、支持板１２の代りに閉塞板１８
にかしめ逃げ用の凹部乃至切欠きを形成するよう
にしても良い。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明は回転子単体の状態で中
央部に回転子の軸孔よりも大径の開口部を有する
環状の支持板を取付け、該回転子を回転軸に焼ば
めにより固着後に、上記支持板上にその開口部を
覆う油分離用閉塞板を上記支持板にその弾性変形
力により係合する係合手段により取付けるように
したので、回転軸等の部品の変形を生じることな
く密閉型電動圧縮機の組立作業性を向上すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る組立方法によ
り組立られた密閉型電動圧縮機の縦断面図、第２
図は第１図の要部の構成を示す斜視図である。 図中、１は密閉型電動圧縮機、２は密閉容器、
３は電動機、４は圧縮機、８は回転子、１２は支
持板、１４は開口部、１６は挾持片（係合手段）、
１８は油分離用閉塞板である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 密閉容器内に圧縮機と電動機とを備え、該圧
   縮機からの圧気を上記電動機を通して吐出させる
   密閉型電動圧縮機の組立方法において、上記電動
   機の回転子の上端部に回転子単体の状態で中央部
   に回転子の軸孔よりも大径の開口部を有する環状
   の支持板を取付け、該回転子を回転軸に焼ばめに
   より固着後に、上記支持板上にその開口部を覆う
   油分離用閉塞板を上記支持板にその弾性変形力に
   より係合する係合手段により取付けたことを特徴
   とする密閉型電動圧縮機の組立方法。