JPS631284Y2

JPS631284Y2 -

Info

Publication number: JPS631284Y2
Application number: JP1982113529U
Authority: JP
Priority date: 1982-07-27
Filing date: 1982-07-27
Publication date: 1988-01-13
Also published as: JPS5917411U; US4523815A

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、マクロ撮影機能を有するズームレン
ズ鏡筒に関する。

近年ズームレンズはマクロ撮影機能を持つもの
が一般化し、その機能を満すべく各種の鏡筒構造
が提案されている。

本考案は、これら従来装置とは異なる構造のマ
クロ撮影機能を持つズームレンズ鏡筒を提案する
もので、ズーミングとフオーカシングとを別個の
環体の回動操作によつて行なうタイプのズームレ
ンズにおいて、フオーカシング環に一般撮影にお
けるフオーカシング用の回動と、最短撮影距離へ
の回動端における軸方向移動と、軸方向移動後の
マクロ用の回動とを可能ならしめ、上記フオーカ
シング回動範囲では連動環をともに回動させてフ
オーカシング用レンズ系の移動を生じさせ、軸方
向移動によつてフオーカシング環と連動環との係
合を解いて今度はフオーカシング環とマクロヘリ
コイド環を連動させることにより、マクロ用の回
動によつては全レンズ系が一緒に光軸方向に移動
するようにしたことを特徴としている。フオーカ
シング環の軸方向移動はズーミング環の回動位置
を問わず、つまりズームレンズの焦点距離に拘ら
ず可能であり、したがつて変倍全域でフオーカシ
ング環の軸方向移動により普通撮影とマクロ撮影
との切換を行なうことができる。

以下図示実施例について本考案を説明する。第
１図は本案ズームレンズの最短焦点距離における
無限撮影状態を示す断面図で、その光学系は前方
から順に第１ないし第４のレンズ群Ｌ１，Ｌ２，
Ｌ３，Ｌ４からなつている。

この光学系における変倍作用は、第１図の状態
から第３レンズ群Ｌ３を不動にして第１、第４レ
ンズ群Ｌ１，Ｌ４を一体に図の右から左へ移動さ
せ、同時に第２レンズ群Ｌ２を左から右へ移動さ
せることによつて行なわれ、短焦点から長焦点に
変化する。またフオーカシングは第２ないし第４
レンズ群Ｌ２，Ｌ３，Ｌ４を不動にし第１レンズ
群Ｌ１を前後させて行なう。マクロ撮影はすべて
のレンズ系Ｌ１〜Ｌ４を一体に前後させて行な
う。すなわち第１レンズ群Ｌ１はフオーカシング
レンズ群であつて一般撮影用フオーカシングでは
この第１レンズ群Ｌ１のみを移動させる。またズ
ーミングに際しては、このフオーカシングレンズ
群Ｌ１を含む第２、第４レンズ群Ｌ２，Ｌ４から
なるズーミングレンズ群を所定の関係で光軸方向
に移動させる。さらにマクロフオーカシングでは
すべてのレンズ群を空気間隔を固定したまま移動
させるものである。これらのレンズ群の動きの一
例を第５図に示した。なお第３レンズ群Ｌ３は、
光学系によつては省略することが可能である。

本案鏡筒構造は各レンズ群に上記移動を生ぜし
めるためのもので、第１〜第４レンズ群Ｌ１〜Ｌ
４はそれぞれ第１〜第４レンズ枠１，２，３，４
に保持固定されている。第１レンズ枠１は第４レ
ンズ枠４にヘリコイドＨ１で螺合結合し、第２レ
ンズ枠２と第４レンズ枠４は支持筒５の内周部に
摺動可能に嵌合しているが、第３レンズ枠３はこ
の支持筒５に一体に結合されている。また第２、
第３、第４レンズ枠２，３，４に設けた脚部２
ａ，３ａ，４ａは互いに干渉することなく支持筒
５の内周に位置している。

支持筒５の外側には後端部をカメラ本体との接
続マウントＭとしたマウント環８が位置し、両者
の後部間には回転に伴い変倍作用を生じさせるカ
ム筒６が嵌合されている。このカム筒６は支持筒
５に植設したピンＰ３を嵌入させる周方向案内溝
６ｃを有していて、支持筒５に対する回転のみ可
能となつており、その周面には二つのカム溝６
ａ，６ｂを有している。カム溝６ａには第２レン
ズ枠２に植設したピンＰ１が嵌まり、カム溝６ｂ
には第４レンズ枠４に植設したピンＰ２が嵌まつ
ていて、カム筒６が回転するとカム溝６ａ，６ｂ
の形状に従い、レンズ枠１，２，４が前述の変倍
作用を行なわせるべく移動する。カム溝６ａ，６
ｂの具体的形状は光学系の特性に従つて決定され
るものであり本考案の要旨とは直接関係がないの
で平面形状の図示は省略する。なお５ａ，５ｂは
上記ピンＰ１，Ｐ２を光軸方向移動のみ可能に案
内する、支持筒５に穿設した直進案内溝である。

カム筒６の外周に植設したピンＰ４はマウント
環８の逃げ溝８ｅを通つて外部に突出し、その突
出端は、マウント環８の外周に回転のみ自在に嵌
めたズーミング環１１の直線溝１１ａに嵌まつて
いる。直線溝１１ａは支持筒５の軸方向移動に伴
いカム筒６の軸方向移動が生じても、ズーミング
環１１の回転をそのままカム筒６に伝えるための
ものである。

支持筒５とマウント環８との間にはまた、両者
の前部間にマクロヘリコイド環７が位置し、この
ヘリコイド環７は内周ヘリコイドＨ２により支持
筒５と、外周ヘリコイドＨ３によりマウント環８
とそれぞれ螺合している。他方支持筒５の後端に
固定したキーＫ２はマウント環８の直進案内溝８
ｄに嵌まつていて、支持筒５の回転を規制し光軸
方向移動のみ可能としている。したがつてマクロ
ヘリコイド環７が回転すると、ヘリコイドＨ２に
より支持筒５が進退動する。

第１レンズ枠１には連動環９が嵌合しており、
この連動環９はこれに植設したピンＰ７をマウン
ト環８の周方向案内溝８ａに嵌入させて回転のみ
自在となつている。またこの連動環９はその内周
部に直進案内溝９ａを有しており、この溝９ａに
第１レンズ枠１に植設したピンＰ９が嵌まつてい
る。したがつて連動環９を回転させると第１レン
ズ枠１がともに回転し、ヘリコイドＨ１に従い該
レンズ枠１が光軸方向に進退動する。

しかしてマウント環８の前部と第１レンズ枠１
の後部間の外周に嵌めたフオーカシング環１０
は、この連動環９または上記マクロヘリコイド環
７と択一的に係合していずれか一方をともに回動
させるものである。そのためマウント環８には、
一般撮影用の周方向のフオーカシングガイド溝８
Ｃ１，この溝８Ｃ１とは光軸方向に離間した位置
にある周方向のマクロ回動用のマクロガイド溝８
Ｃ２、およびガイド溝８Ｃ１の最短撮影位置とガ
イド溝８Ｃ２の起点位置とを連通させる直進ガイ
ド溝８Ｃ３からなるフオーカシング環ガイド溝８
Ｃが形成され、このガイド溝８Ｃにフオーカシン
グ環１０に植設したピンＰ８が嵌まつている。そ
してフオーカシング環１０には、上記連動環９に
植設したピンＰ６を嵌入させる切換ガイド溝１０
ａと、上記マクロヘリコイド環７に植設したピン
Ｐ５を嵌入させる切換ガイド溝１０ｂとが穿設さ
れている。両切換ガイド溝１０ａ，１０ｂは、と
もに周方向の逃げ溝１０ａ１，１０ｂ１と、この
逃げ溝１０ａ１，１０ｂ１の反対側の端部からそ
れぞれ軸方向の反対側に延長した連動溝１０ａ
２，１０ｂ２とからなつており、フオーカシング
環１０のピンＰ８がフオーカシングガイド溝８Ｃ
１内に位置しているときはピンＰ６が連動溝１０
ａ２内でピンＰ５が逃げ溝１０ｂ１内に、ピンＰ
８がマクロガイド溝８Ｃ２に位置しているときは
ピンＰ６が逃げ溝１０ａ１内でピンＰ５が連動溝
１０ｂ２内に位置するように構成されている。し
たがつてフオーカシング環１０がフオーカシング
ガイド溝８Ｃ１に従つて回転するときは、ピンＰ
６と連動溝１０ａ２との係合により連動環９がと
もに回転し（このときピンＰ５は逃げ溝１０ｂ１
内を相対移動するためマクロヘリコイド環７は回
転しない）、またマクロガイド溝８Ｃ２に従つて
回転するときは、ピンＰ５と連動溝１０ｂ２の係
合によりマクロヘリコイド環７がともに回転する
（このときピンＰ６は逃げ溝１０ａ１内を相対移
動するため連動環９は回転しない）。そしてフオ
ーカシング環１０のピンＰ８は、該フオーカシン
グ環１０が最短撮影位置に回動したとき上記フオ
ーカシング環ガイド溝８Ｃの直進ガイド溝１０Ｃ
３に出入することができる。

またフオーカシング環１０にはキーＫ１が相対
回転自在に嵌められており、このキーＫ１はマウ
ント環８の直進案内溝８ｂに嵌まつている。他方
連動環９には、フオーカシング環１０を最短撮影
位置から直進ガイド溝８Ｃ３に沿つて前進させた
とき上記キーＫ１を嵌入させるロツク溝９Ｃが形
成されており、フオーカシング環１０をマクロ回
動域に移行させるとキーＫ１とロツク溝９Ｃとの
係合により連動環９がマウント環８にロツクされ
る（フオーカシング環１０の回動は妨げられな
い）。

上記構成に係る本ズームレンズ鏡筒はしたがつ
て次のように作動する。まず第１Ａ図に示す最短
焦点距離から長焦点距離側に変倍するにはズーミ
ング環１１を回動させればよい。前述のように直
線溝１１ａ、ピンＰ４を介してカム筒６に同じ回
動量が伝わり、ピンＰ１、直進案内溝５ａ、カム
溝６ａおよびピンＰ２、直進案内溝５ｂ、カム溝
６ｂの公知の関係で第４レンズ枠４と第１レンズ
枠１が図の左方へ移動し、第２レンズ枠２が右方
へ移動して長焦点距離になる。

本ズームレンズ鏡筒は、上記変倍域のいずれの
焦点距離においてもフオーカシングとマクロ撮影
の切換を行なうことができるものである。換言す
れば焦点距離の変化は上記切換に影響を与えない
ため、以下図示する短焦点距離の状態で説明す
る。

まず第１Ａ図、１Ｂ図の無限撮影位置からフオ
ーカシングを行なうには、フオーカシング環１０
を第１Ｂ図の無限撮影位置から左方（矢印Ａ）に
回動すればよい。フオーカシング環１０はピンＰ
８とフオーカシングガイド溝８Ｃ１に従い、光軸
方向に移動することなく回動し、この回動に伴い
切換ガイド溝１０ａの連動溝１０ａ２に嵌入して
いるピンＰ６により連動環９がともに回動するた
め、直進案内溝９ａに嵌まつているピンＰ９によ
り第１レンズ枠１が回転してヘリコイドＨ１に従
い図の左方に移動し、有限距離の被写体にピント
が合う。このフオーカシング回動の際は、切換ガ
イド溝１０ｂの逃げ溝１０ｂ１内にピンＰ５が位
置して相対移動するため、フオーカシング環１０
の回動はマクロヘリコイド環７には伝達されず、
したがつて第２〜第４レンズ枠２，３，４は移動
しない。

フオーカシング環１０をさらに矢印Ａ方向に回
動させ、最短撮影距離にした状態を第２Ａ図、２
Ｂ図に示す。第２Ｂ図から明らかなようにフオー
カシング環１０に植設したピンＰ８がフオーカシ
ングガイド溝８Ｃ１の端部に達して回転を停止せ
られ、同時にマクロヘリコイド環７に植設したピ
ンＰ５が逃げ溝１０ｂ１の端部に達して連動溝１
０ｂ２に進入可能な状態になる。またキーＫ１も
連動環９のロツク溝９Ｃに対向して進入可能な状
態となる。これがマクロ域に切換可能な状態であ
る。

マクロ域への切換は第２Ａ図、２Ｂ図の状態で
フオーカシング環１０を矢印Ｂ方向に移動させて
行なう。フオーカシング環１０のピンＰ８はフオ
ーカシング環ガイド溝８Ｃの直進ガイド溝８Ｃ３
に従い矢印Ｂ方向、すなわち光軸方向に移動で
き、移動すると、第３Ａ図、３Ｂ図のように、上
記ピンＰ８はマクロガイド溝８Ｃ２内に入る。同
時に連動環９のピンＰ６は切換ガイド溝１０ａの
逃げ溝１０ａ１に入つてフオーカシング環１０と
の一体回動関係を解除し、逆にマクロヘリコイド
環７のピンＰ５は切換ガイド溝１０ｂの連動溝１
０ｂ２に入つてフオーカシング環１０と一体に回
動するようになる。またキーＫ１が連動環９のロ
ツク溝９Ｃに入つて連動環９をロツクする。

したがつて第３Ｂ図の状態からフオーカシング
環１０を左（矢印Ｃ）へ回動すると、連動溝１０
ｂ２とピンＰ５が係合していることから、フオー
カシング環１０とマクロヘリコイド環７が一緒に
回動し、その結果前述のようにヘリコイドＨ２，
Ｈ３、キーＫ２および直進案内溝８ｄにより支持
筒５が回転することなく第３Ａ図で左方に変位す
る。支持筒５が移動すると周方向案内溝６Ｃとピ
ンＰ３によりカム筒６も一体的に移動するため第
１〜第４レンズ枠１，２，３，４が一体的に移動
し、第１〜第４レンズ群Ｌ１〜Ｌ４が空気間隔を
不動にして一体的に変位する。このマクロ域の最
大撮影倍率状態を示すのが第４Ａ図、４Ｂ図であ
る。フオーカシング環１０のピンＰ８がマクロガ
イド溝８Ｃ２の終端に達して回動が規制され、全
レンズ系が最大繰り出されている。なおマクロヘ
リコイド環７は回転に伴いヘリコイドＨ３に従つ
て光軸方向に移動するが、ヘリコイドＨ３のリー
ドはヘリコイドＨ２のリードに比して小さく設定
してあるため、上記作動に不都合は生じない。こ
のマクロヘリコイド環７はヘリコイドＨ２を用い
ず回転のみ可能にマウント環８に支持してもよ
い。

上記マクロ域では、連動環９のピンＰ６は切換
ガイド溝１０ｂの逃げ溝１０ｂ１内を相対移動す
るため回動力を受けることはなく、したがつて第
１レンズ枠１のみが変位することはない。また連
動環９はキーＫ１、ロツク溝９Ｃおよび直進案内
溝８ｂによつてマウント環８と一体的になつてい
るため第１レンズ枠１もまた間接的にマウント環
８に一体化されており、したがつて第１レンズ枠
１を回転させようとしても回らない。

マクロ域から一般撮影域への移行は以上の動作
の逆を行なえばよい。第４Ａ図、第４Ｂ図におい
てフオーカシング環１０を右方へ回動してピンＰ
８をマクロガイド溝８Ｃ２の端部に当接させ（第
３Ａ図、３Ｂ図）、その状態でフオーカシング環
１０を手前に引けば、マクロ域から一般撮影域に
移行する（第２Ａ図、２Ｂ図）。さらにフオーカ
シング環１０を右方に回動すれば無限撮影位置と
なる（第１Ａ図、１Ｂ図）。

以上詳述したように本考案ズームレンズ鏡筒に
よれば、ズーミング環によるズーミング位置に関
係なくマクロ域へ切換えることができ、しかもそ
の切換はフオーカシング環を最短撮影位置から軸
方向に移動させるのみで行なうことができる。し
たがつて特別な切換スイツチ等を要することのな
い操作性に優れたマクロ撮影機能を持つズームレ
ンズ鏡筒が得られる。

【図面の簡単な説明】

図はいずれも本考案に係るズームレンズ鏡筒の
実施例を示すもので、第１Ａ図は短焦点距離にお
ける無限撮影状態の縦断面図、第１Ｂ図は第１Ａ
図の要部の展開図、第２Ａ図は同最短撮影状態の
縦断面図、第２Ｂ図は第２Ａ図の要部の展開図、
第３Ａ図は同マクロ域切換状態の縦断面図、第３
Ｂ図は第３Ａ図の要部の展開図、第４Ａ図は同マ
クロ域最近接状態の縦断面図、第４Ｂ図は第４Ａ
図の要部の展開図である。第５図は実施例に示し
たレンズ系の移動図である。１，２，３，４……レンズ枠、５……支持筒、
６……カム筒、６ａ，６ｂ……カム溝、６Ｃ……
ガイド溝、７……マクロヘリコイド環、８……マ
ウント環、８ａ……周方向案内溝、８ｂ……直進
案内溝、８Ｃ……フオーカシング環ガイド溝、８
Ｃ１……フオーカシングガイド溝、８Ｃ２……マ
クロガイド溝、８Ｃ３……直進ガイド溝、９……
連動環、９ａ……直進案内溝、９Ｃ……ロツク
溝、１０……フオーカシング環、１０ａ，１０ｂ
……切換ガイド溝、１０ａ１，１０ｂ１……逃げ
溝、１０ａ２，１０ｂ２……連動溝、１１……ズ
ーミング環、Ｈ１〜Ｈ３……ヘリコイド、Ｐ１〜
Ｐ９……ピン、Ｋ１，Ｋ２……キー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】一般撮影用フオーカシングによつてフオーカシ
ングレンズ群が光軸方向に移動し、ズーミングに
よつて、フオーカシングレンズ群を含むズーミン
グレンズ群が光軸方向に移動し、マクロフオーカ
シングによつて全レンズ群が空気間隔を固定した
まま光軸方向に移動するズームレンズ系のための
ズームレンズ鏡筒であつて、カメラ本体に装着されるマウント環と；このマ
ウント環に、一般撮影用フオーカシング用回動
と、最短撮影距離への回動端における軸方向移動
と、軸方向移動後のマクロフオーカシング用回動
とを可能にして支持されたフオーカシング環と；
マウント環に回動可能に支持されたズーミング環
と；このズーミング環とともに回動するカム環
と；このカム環の回動に連動して光軸方向に直進
移動する少なくとも一対のズーミングレンズ枠
と；この一対のズーミングレンズ枠のいずれか一
方に螺合され、回動に伴ない光軸方向に移動する
フオーカシングレンズ群と；上記一対のズーミン
グレンズ枠の少なくとも他方に支持されたズーミ
ングレンズ群と；上記マウント環に回動可能に支
持され、回動に伴ない上記フオーカシングレンズ
群を一体に回動させる連動環と；上記マウント環
に回動可能に支持され、回動に伴ない上記カム環
とともに全レンズ群を光軸方向に移動させるマク
ロヘリコイド環と；フオーカシング環の上記一般
撮影用フオーカシング回動範囲では該フオーカシ
ング環と上記連動環を係合させて両者を一体に回
動させ、上記マクロフオーカシング回動範囲では
該フオーカシング環と上記マクロヘリコイド環を
係合させて両者を一体に回動させる連動切換手段
とを有することを特徴とするズームレンズ鏡筒。