JPS6312573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自然状態において幅方向に弾性によ
り湾曲して筒状をなす習性をもつ導電性帯状素材
を、その基端側から平板状に弾性変形させて巻取
り収納するようにしたアンテナ装置に係り、特に
モータドライブ方式のアンテナ装置に関する。

従来、自然状態において幅方向に弾性により湾
曲して筒状をなす習性を有する導電性帯状素材を
その基端側から平板状に弾性変形させてドラムに
巻取るとともに、ドラムを逆転させて巻戻すこと
により筒状に復帰させてアンテナとして使用する
アンテナ装置は一般に知られている。

ところが、この種のアンテナ装置において、平
板状に弾性変形させてドラムに巻取つた帯状素材
には、筒状に戻ろうとする復元力が常時作用して
おり、ためにこの力により巻取つた帯状素材がド
ラムの径方向に開いてしまい、ドラムの回転に帯
状素材の伸縮動作を完全に連動させてスムースに
動作させることができなかつた。

本考案はかかる従来の難点を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、帯状素
材のドラムに密に巻取つてドラムの回転と帯状素
材の伸縮動作とを完全に連動させることができる
アンテナ装置を提供するにある。

本考案は、帯状素材をドラムに巻取る手段とし
て、ドラムの少なくとも一側面に、帯状素材の巻
取りピツチと同一ピツチのうず巻状の走路を形成
するとともに、帯状素材のドラムからの引出部分
の外面側に、帯状素材をドラム側に押圧しその摩
擦力でドラムとともに回転するガイドローラを配
設し、かつこのガイドローラの支軸を前記走路に
倣つて変位するようにし、帯状素材のドラムへの
巻取り量に対応させて前記ガイドローラをドラム
の径方向に移動させるようにしたものである。

以下、本考案を図示する一実施例に基づいて説
明する。

図において、１は自然状態において幅方向に弾
性によつて湾曲して筒状をなす習性をもつ導電性
帯状素材であり、この帯状素材１の先端部には飾
玉２が装着され、また帯状素材１の基端側は、変
換ガイド３により強制的に平板状に弾性変形させ
られてドラム４に巻取られるようになつている。

前記飾玉２は、天端閉塞の筒状をなしており、
湾曲して筒状をなした帯状素材１の先端部に冠着
固定され、危険防止および帯状素材１の引出時の
引掛り易さを図つている。

また、前記ドラム４の一側面には、第１図に示
すようにドラム４への帯状素材１の巻取りピツチ
（巻取られた帯状素材の隣接するターンの間隔）
と同一ピツチのうず巻状のガイド溝５が設けられ
ており、また帯状素材１のドラム４からの引出部
分の外面側およびこれに対向する部位の外面側に
は、ガイドローラ６，７がそれぞれ配設され、帯
状素材１をドラム４側に押圧するようになつてい
る。そして、各ガイドローラ６，７の支軸８，９
と一体をなすガイドロツド８ａ，９ａの先端は、
第１図および第３図に示すように前記ガイド溝５
に係合され、帯状素材１のドラム４への巻取り量
に対応してドラム４の径方向に移動するようにな
つている。しかして、帯状素材１は両ガイドロー
ラ６，７に押圧されてドラム４に密に巻取られ
る。

前記ドラム４は、第２図に示すように減速ギヤ
１０を介してモータ１１により第４図に示す矢印
Ａ方向に回転駆動されるようになつている。そし
て両ガイドローラ６，７は、その摩擦力により矢
印Ｂ，Ｃ方向に回転駆動されて帯状素材１を巻取
るようになつている。また、帯状素材１の伸長時
にはモータ１１を逆転させることによりドラム４
を逆方向に回転駆動させる。

なお、第１図において、１２は前記両ガイドロ
ツド８ａ，９ａの移動をガイドするスライドガイ
ドであり、図示しない支持手段で固定されてい
る。

次に、作用について説明する。

帯状素材１の巻取りに際しては、まずモータ１
１を起動してドラム４を第４図に示す矢印Ａ方向
に回転駆動する。するとガイドローラ６，７はド
ラム４側に押圧されているので、前記ドラム４の
回転に伴ない両ガイドローラ６，７も同図に示す
矢印Ｂ，Ｃ方向にそれぞれ回転し、変換ガイド３
で平板状に弾性変形させられた帯状素材１は順次
ドラム４に巻取られる。この際、帯状素材１はド
ラム４外周面にうず巻状に巻取られることになる
ので、帯状素材１を含めたドラム４の径は次第に
拡径することになる。ところが、ガイドローラ
６，７は、そのガイドロツド８ａ，９ａの先端が
帯状素材１の巻取りピツチと同一のガイド溝５に
係合されているので、両ガイドローラ６，７はド
ラム４の回転に伴なつて相互に離れる方向に移動
する。これにより、帯状素材１は常時一定の圧力
でガイドローラ６，７により押圧され、したがつ
て帯状素材１はドラム４に密に巻取られる。これ
により、帯状素材１の巻回状態が緩んで以後の巻
取りが不可能となることは全くない。

一方、帯状素材１を伸長させてアンテナとして
使用する場合には、まずモータ１１を逆転させて
ドラム４を逆方向に回転駆動する。すると、これ
に伴ない両ガイドローラ６，７も帯状素材１を繰
り出す方向に回転し、帯状素材１は順次ドラム４
から巻戻され、変換ガイド３で筒状となつて伸長
する。この際、帯状素材１を含めたドラム４の径
は帯状素材１の巻戻しに伴なつて次第にその外径
が縮小するが、ガイドロツド８ａ，９ａがガイド
溝５に係合されているので、ドラム４の縮径に対
応して両ガイドローラ６，７が相互に接近する方
向に移動する。これにより帯状素材１は常時同圧
で押圧され、伸長作動がスムースとなる。

なお、前記実施例においてはガイド溝５がドラ
ム４の一側に設けられているが、両側に設けても
よい。また、片方のガイドローラ７は必要に応じ
て省略してもよい。

本考案は、特にモータドライブ方式のものに適
用するのに好適であるが、手動のものにも適用す
ることができる。また、ドラム４に設ける走路は
溝状である必要がなく突条でもよい。

以上説明したように本考案は、ドラムとともに
回転するガイドローラにより帯状素材を押圧する
とともに、このガイドローラの支軸をドラム側面
に設けた走路に倣つて変位させ、帯状素材のドラ
ムへの巻取り量に対応させて前記ガイドローラを
ドラムの径方向に移動させるようにしたので、帯
状素材のドラムへの巻取り状態が密となり、この
ため帯状素材の伸縮動作に遊びがなく、動作がス
ムースとなる。また、遊びがないので特に伸長時
の反応が速く、微調整も可能である。そして、ア
ンテナのふらつきもなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図は第１図の右側面図、第３図は第１図の要部斜
視図、第４図はドラムとガイドローラとの関係を
示す概略図である。 １……帯状素材、４……ドラム、５……ガイド
溝、６，７……ガイドローラ、８，９……ガイド
ローラの支軸、８ａ，９ａ……ガイドロツド、１
１……モータ、１２……スライドガイド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自然状態において幅方向に弾性により湾曲して
   筒状をなす習性をもつ導電性帯状素材を、その基
   端側から平板状に弾性変形させてドラムに巻取り
   収納するとともに、巻戻すことにより筒状に復帰
   させるアンテナ装置において、前記ドラムの少な
   くとも一側面に、帯状素材の巻取りピツチと同一
   ピツチのうず巻状の案内走路を形成するととも
   に、帯状素材のドラムからの引出部分の外面側
   に、帯状素材をドラム側に押出しその摩擦力でド
   ラムとともに回転するガイドローラを配設し、か
   つこのガイドローラの支軸を、前記走路に係合し
   て案内される部材に連結し、帯状素材のドラムへ
   の巻取り量に対応させて前記ガイドローラをドラ
   ムの径方向に移動させることを特徴とするアンテ
   ナ装置。