JPS63125391A

JPS63125391A - 画質保存性に優れた感熱転写受像紙

Info

Publication number: JPS63125391A
Application number: JP61269574A
Authority: JP
Inventors: Kozo Fukuda; 耕三福田
Original assignee: Nisshinbo Industries Inc; Nisshin Spinning Co Ltd
Current assignee: Nisshinbo Holdings Inc
Priority date: 1986-11-14
Filing date: 1986-11-14
Publication date: 1988-05-28
Anticipated expiration: 2012-01-16
Also published as: JP2572977B2

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は昇華型感熱転写記録に用いられる昇華型感熱転
写受像紙で、特に画質保存性に優れた感熱転写受像紙に
関するものである。

〔従来の技術〕

熱転写による感熱記録方法の中で、特に昇華型染料を用
いた昇華型感熱転写方式は優れた中間調の記録を得るこ
とができる。

而して、この記録に用いられる受像紙としては、基材に
、昇華型染料との親和性にすぐれた樹脂、例えばポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラール等の高
分子を主体とする層を染着層として設けたもの、或は放
射線硬化型のオリゴマー、七ツマ−を硬化させて得られ
る層を染着層として設けたもの等が提案されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

然し乍ら、上記の昇華型感熱転写記録方式では、得られ
た記録画像の保存性が悪いという欠点がある。これは昇
華、染着された染料が保存中に再昇華したり、また、空
気中の酸素により酸化され、退色、変色、にじみ等が起
るからである。特に湿熱に対しては弱く、高温、高湿下
においてはト記現象が著しく進行する。

このため、従来の方法では、保存性を高めようとすると
染着濃度が低下したり、染着濃度を高めようとすると保
存性が悪くなるばかりでなく、染着層とカラーシートと
の間に融着が起って画像に地汚れ等が発生する等の問題
があった。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、上記のような従来技術の問題点を解決し保存
性のすぐれた鮮明な画像を得ることができる感熱転写受
像紙を提供することを目的としており、基材の表面に、
昇華した昇華型染料を染着させる染着層を積層した昇華
型感熱転写受像紙において、前記染着層に高疎水性、高
比表面積を有する微粉末シリカを含有させたことを特徴
とするものである。

次に本発明について詳細に説明する。

本発明感熱転写受像紙は上述の通り、基材の表面に積層
する染着層に高疎水性、高比表面積を有する微粉末シリ
カを含有させたものであって、基材、染着層に用いられ
る素材、染着層に含有させる微粉末シリカの種類、その
他、本発明受像紙を用いてプリントを行なう際の態様等
について説明すれば、次の通りである。

■　前記受像紙の基材には適宜の平坦な素材、例えば、
ポリプロピレン、ポリエステル等の平坦なフィルム、予
め白色性、不透明性を付与したフィルム、或は合成紙等
の多孔化したもので、クッション性と平坦性の良好な素
材等が用いられる。

■　染着層としては、昇華型染料の染着され易い樹脂、
例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル。

ポリビニルブチラール等を溶剤に溶解してこれに高疎水
性、高比表面積を有する微粉末シリカを混入し、塗布後
硬化させて染着層としたものが用いられる。

また、同様に昇華型染料の染着され易いオリゴマー、モ
ノマーに上述の微粉末シリカを混入し、塗布後、放射線
硬化させて染着層となしたもの等も用いられる。

■　一方、昇華型染料に加える疎水性微粉末シリカとし
ては、例えば、シラノール基をメチル基等アルキル基に
置換されたもの等であるが、特に限定されるものではな
い。しかし、その疎水率はＭ。

Ｗ値（注１）では４０以上好ましくは６０以上である。

注ＩＭ、Ｗ値（デグサ社試験法）水５０ＩｌＩＱに試料シリカ０．５　ｇを加え、これに
メタノールを滴下させ、シリカの濡れを観察する。試料
シリカが完全に濡れた状態を示すところを終点とし、下
記の式７式％Ｘ：メタノール消費ｍｆｌ数疎水率の低い、例えば、４０〜３５の値をもっシリカを
用いると、画質の保存性が劣り、退色、にじみ等が発生
し、疎水率が高いほど退色、にじみ等が発生しなくなり
、混入量も少量ですむ。

また、微粉末シリカの粒径は１０〜２０ｍμであるが、
比表面積即ち単位重量当りの表面積で表わすと、１０１
００（／ｇ）以上のものがよく、好ましくは１５０（ｍ
”／ｇ）以上がよい。粒径の粗い、例えば、　８０（ｕ
＋２／ｇ）以下のものを用いると、混入量を増す必要が
あり、結果的に昇華した染料の染上濃度が低くなる。

以上のため、高疎水率、高比表面積を持つ微粉末シリカ
を用いると、画質保存性が最もよく、高温、高湿に充分
耐られる記録画像を得ることができる。

■　而して、上述の微粉末シリカを用いる量は、樹脂１
００量部に対して１部以上、３０部以下であるが、好ま
しくは３部以上１５部以下が好ましい。

■　その他、染着層の塗工方法としては通常の方法を用
いることができ、塗布方法は特に限定されることはない
。

塗膜の厚みは３μ以上が好ましく、薄くなり過ぎると転
移濃度は低くなり、保存性も劣ってくる。

■　一方、水性樹脂と水性微粉末シリカを混入して形成
した染着層は、プリント時の発色は鮮明であったが、保
存中に退色、にじみ等が発生した。

この水性微粉末シリカは１粒度の細かい物、例えば、２
００（＋ｎ２／ｇ）の比表面積を持つものを用い、混入
量を多くしても、退色、にじみの現象が生じるのを免れ
なかった。

■　本発明の感熱転写受像紙を用いてプリントするに際
しては、従来品と同様に染着層の上に離型層を設けたり
、カラシートに離型層を設けて行なったり、また、カラ
シートと受像紙との間にポリエチレンフィルム等昇華性
染料の通過し易いフィルムを介在させてプリントしても
よい。

要するに、カラーシートと該受像紙が融着を起こすこと
なく鮮明なる画像を得る方法であれば、いづれでもよい
。

〔発明の作用及び効果〕

本発明は上述の通りであって、高疎水性、高比表面積を
持つ微粉末シリカを染着層に含有させることにより、保
存性が著しく向上した。

特に高温、高湿下における画質保存性の効果は顕著なも
のがあり、昇華型の記録画像の保存性の問題は、本発明
によって一挙に解決することができるのであるが、その
作用については次のように推定される。

染着層に昇華、拡散され染着された染料分子は染着層の
分子間に染着されているが、時間と共に再昇華し、ある
染料分子は染着層の内部で水平移動し１画質としてはに
じみとなって表われる。また、染着層の内部で上下移動
した染料分子は染着層外へ去るか、若しくは基材方向へ
移動して退色の原因となり、空気中の酸素又は染着層内
部の酸素に酸化された染料分子は変質し、退色、変色と
なって画質に表われる。

これ等の染料分子の移動は、染着層に与えられた熱エネ
ルギーによって活発化するが、このとき、空気中の水分
子、又は染着層に介在する水分子によって互に助長され
る。一方、これらの水分子は染料分子の移動を促すばか
りか、染料分子が酸化される作用にも影響を及ぼし、酸
化反応を促進させるものと推定される。従って、高温、
高湿下における染着層にあっては染料分子の移動、酸化
が更に活発になり、退色、変色、にじみ等が常温。

常湿下におけるよりも更に促進されるのである。

また、疎水性シリカを得る方法は、一般に下式のように
、シラノール基を有機ケイ素ハロゲン化物やアルコール
類と反応させることによって置換し、シラノール基を減
少させることによって得られる。

親水性シリカ　　　　　　　　　　　疎水性シリカ以上
のような疎水性微粉末シリカはこれを染着層に介在する
ことにより、染料分子の移動を防ぐと共に、染着層を疎
水化させる作用をなす。

従って、疎水率の大きいもの程、染着層の染料分子の移
動を防ぐ働きが大きくなる。

疎水率の低い微粉末シリカにあっては、メチル基が少な
い分、シラノール基を多く持つこととなって、逆に吸湿
する作用をなし、染着層における染料分子の移動、酸化
反応をかえって活発化することとなる。実際に、疎水率
の低い微粉末シリカを用いたものは、疎水率の高い微粉
末シリカを用いたものに比してはるかに保存性が劣り、
また、他の吸水性を有する無機物、例えば、親水性シリ
カ、酸化チタン等のフィラー等を染着層に混入した場合
も著しく保存性の劣ることが判明した。

一方、高疎水率の微粉末シリカにあっては、比表面積の
大きいものほど少量の添加で効果が大きかった。従って
、高疎水率、高比表面積の微粉末シリカを用いれば、混
入量が少くてすむと共に。

低エネルギーで昇華、染着できることとなり、一定のエ
ネルギーのプリントにおいては高濃度で鮮明な画像を得
ることができた。

以上のように、染着層に高疎水率、高比表面積を有する
微粉末シリカを用いることによって、鮮明で且つ保存性
の優れた記録画像を得ることができるのである。

〔実施例〕

次に本発明の実施例について述べる。

実施例１１ＯＯμ厚のポリプロピレンフィルムに、下記組成の塗
布液を塗布し湿式凝固させ乾燥させてシート１を得た。

塗工厚みは１５μであった。

塗布液ポリエステル樹脂疎性紡績製　バイロン）１００部ジメ
チルホルムアミド　　　　　　　　　　　　　３２６部
微粉末シリカ（日本アエロジル社製アエロジルＲ−８１２）　　　　　　　　　７部このシ
ート１にＲＩテスター（明石製作新製）でＵＶ硬化シリ
コーン（信越化学製Ｘ−６２−７２９６）を塗布し、Ｕ
Ｖ照射後、受像紙１を得た。塗工厚みは０．２μであっ
た。

このものに赤色分散染料（住友化学製スミカロンレッド
Ｅ　−ＦＩ３Ｌ）をエチルセルロースをバインダーとし
て８μのポリエステルフィルムに塗工し、カラシートを
得た。次に１ａ１１角の熱ヘッドを用い温度を変えてプ
リントを行なったところ、地汚れのない鮮明な画像が得
られた。

次いで、この記録画像を６０℃×１００％相対湿度中に
２週間放置し、取り出して観察したところ、画像は退色
、変色、にじみがなく、鮮明さは失われなかった。

実施例２実施例１と同様にして、下記の組成の塗布液を作成し、
実施例１と同様の操作により受像紙２を得た。

塗布液塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂（積木化学製　エスレックＣ）１００部ジメチルホルム
アミド　　　　　　　　　　　　　３２６部微粉末シリ
カ（アエロジルＲ−８１１，）　　　　　　　　　１０
部次に実施例１のカラーシートの上にＵＶ硬化シリコー
ン（信越化学製ＫＮＳ　−５００２）をＲＩテスターで
塗布し、カラシート２を得た。上記受像紙２をカラシー
ト２を用い、実施例１と同様にプリントを行なったとこ
ろ、融着もなく、鮮明な画像が得られた。次にこの画像
を６０℃×１００％相対湿度で２週間保存後、取り出し
て観察したところ、画像は退色、変色、にじみがなく、
鮮明さは失われなかった。

実施例３１００μポリプロピレンフイルムに、ポリプロピレング
リコールジアクリレート（新中村化学製ＮにエステルＡ
ＰＧ−４００）　１００部にアエロジルＲ−８１２を７
部混入して塗布後、電子線照射により硬化させ、受像紙
３を得た。

このものに実施例１のカラシートを用い、実施例１と同
様にプリントを行なったところ、融着もなく、鮮明な画
像が得られた。次にこの画像を６０’ＣＸ　１００％相
対湿度で２週間保存後、取り出してｉｔ！＊したところ
、退色、変色、にじみもなく、鮮明さば失われなかった
。

実施例４実施例１のシート１に、下記組成の塗布液をＲエテスタ
ーで塗布し、ＵＶ照射後、乾燥して受像紙４を得た。

塗布液ＵＶ硬化シリコーン（信越化学製製Ｘ−６２−７２９６
）　　　　１００部微粉末シリカ（アエロジルＲ−８１
２）　　　　　　　　　　０．５部上記受像紙４に実施
例１と同様にしてプリントを行ない、保存性のテストを
行なったところ、良好であった。

比較例１実施例１と同じく下記塗布液を作成し、シート３を得た
。

塗布液ポリエステル樹脂凍洋紡積製　バイロン２００）　　　
１００部ジメチルホルムアミド　　　　　　　　　　　
　　　３２６部微粉末シリカ（アエロジルＲ−！１１７
４）　　　　　　　　　１０部次に実施例１と同じ＜Ｕ
Ｖ硬化シリコーン剥離層を設はプリントを行なったとこ
ろ、若干地汚れした画像が得られた。

次いで、６０℃×１００％相対湿度で２週間保存のテス
トを行なったところ退色、変色はなかったが若干にじみ
が出た。

比較例２１００μポリプロピレンフイルムのコロナ放電処理面に
下記組成の塗工液を塗工しシート４を得た。

塗布液水性ポリエステル凍洋紡績製　バイロン２００）　　　
１００部水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　２０部水性微粉末シリカ（アエロジル３００）　
　　　　　　　１０部次に実施例１のように、ＵＶシリ
コーンで剥離層を設け、実施例１と同様にしてプリント
を行なったところ、鮮明な画像が得られた。

次に６０℃×１００％相対湿度中で保存テストを２週間
行なったところ、変色はなかったが、退色。

にじみが観察された。

比較例３実施例３と同様にして、今度は微粉末シリカにアエロジ
ルＲ−９７４を使用したところ、プリント画像は鮮明で
あったが、保存中ににじみ、退色が生じた。

Claims

【特許請求の範囲】

１　基材の表面に、昇華した昇華型染料を染着させる染
着層を積層した昇華型感熱転写受像紙において、前記染
着層に高疎水性、高比表面積を有する微粉末シリカを含
有させたことを特徴とする画質保存性に優れた感熱転写
受像紙。