JPS6311947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、寝たきり老人や重度身体障害者のよ
うに身体の自由がきかない者を特に対象とした臥
身浴槽の改良に関する。

身体不自由者用の臥身浴槽としてすでに提供さ
れているものに実公昭52−41493号公報の考案が
あり、これは第１図の如く、浴槽本体１の内部に
臥床台２と、この臥床台２の一端に隣設された該
臥床台２よりも高い載頭部３と、該臥床台２より
も低い排水溝４とを備えたものであり、そしてこ
れを用いるには入浴者Ａの身体部Ｂを臥床台２に
臥身させるとともに頭部Ｃを載頭部３に載せ、介
護者によるシヤワー洗浄等により、人浴者Ａの身
体部Ｂや頭部Ｃを洗い浄めている。

こうした入浴時、身体洗いに伴う汚水は排水溝
４内へと自然流下し排出されるので一見好都合で
あるが、上記既案のものにあつては、排水溝４を
可成り急勾配にしないと、水はけが悪くなり、充
分な排水効果をあげることができないだけでな
く、頭部Ｃを載せる載頭部３が臥床台２よりも高
く、ここでの洗髪に伴う汚水が入浴者Ａの首や肩
をつたつて流下するので、これを洗い浄めるのに
何回ものシヤワー操作が必要となり、この結果入
浴時間は長くなり、入浴者（身体不自由者）Ａを
疲労させるとか、介護者の負担を大きくさせると
いつた不具合が生じており、これを回避するため
頭部の後背部直下に洗髪槽を凹設することも行わ
れているが、これでは大型化してしまい、特に自
動車などに格納するものとしては不向きなものと
なる。

本考案は上記の問題点に鑑み、臥床台だけでな
く載頭部をもあわせてこの種臥身浴槽の排水構造
を改良したもので、以下その構成を図示の実施例
により説明する。

第３図および第４図において、合成樹脂等から
なる浴槽本体１０内の底面部１１には、入浴者Ａ
の身体Ｂを臥身せしめるための臥床台１２が設け
られているとともに、この臥床台１２の長手方向
一端には、同台１２に隣接して頭部Ｃを載置する
ための載頭部１３が勾配をもつた段状に形成され
これら臥床台１２と載頭部１３との相対関係で
は、臥床台１２が低位、載頭部１３が高位となつ
ている。

一方、浴槽本体１０内における上記臥床台１２
の周囲および載頭部１３の周囲には、該臥床台１
２よりも低位とした臥床側排水溝１４、および載
頭部１３よりも低位とした載頭側排水溝１４′と
がそれぞれ形成され、これら両排水溝１４，１
４′は互いに連通しているとともに浴槽本体１０
内において環状状態を呈している。

また、浴槽本体１０の両側壁１０ａ，１０a′と
足下壁１０ｂとの角部には、入浴者Ａが入浴中に
足部Ｄを当接させるための足掛部１５，１５′が
突設されている。

なお、図中１６は汚水等を外部に流出するため
臥床側排水溝１４に設けられた排水口部であり、
１７は一方の足掛部１５の上面に形成された溢水
口、１８，１８′は両側壁１０ａ，１０a′に形成
された手摺部、１９は他方の足掛部１５′の上面
に形成されたセツケン入れを示す。

上記の実施例からなる本考案では既述の従来例
と同じく入浴者Ａの身体部Ｂを臥床台１２に臥身
させるとともに頭部Ｃを載頭部１３に載せ、この
状態において、かかり湯、湯づかり、身体洗い、
洗髪、すすぎ、上がり湯などを介護者をして行な
うが、上記浴槽本体１０内には臥床側排水溝１４
だけでなく、載頭側排水溝１４′も設けられてい
るから、洗髪やそのすすぎに伴う汚水等はその殆
どが載頭側排水溝１４′内へと流れこみ、さらに
同排水溝１４′に連設の臥床側排水溝１４を通つ
て浴槽本体１０外へ排出されるようになる。

したがつて洗髪等に伴う汚水等が入浴者Ａの身
体部Ｂに付着するといつたことはきわめて少なく
なり、この結果、上がり湯などを目的とした爾後
のシヤワーが短時間で終えられるようになり、故
に入浴者（自体不自由者）Ａを疲労させるとか、
介護者の負担を大きくするといつたことが回避で
きる。

さらに、低位の臥床側排水溝１４と高位の載頭
側排水溝１４′とを連通状態とした場合、載頭側
排水溝１４′から落流する汚水の流速を利用して
排水を促進することができ、臥床側排水溝１４内
に停滞しがちな汚水も一挙に排出できる。

以上説明した通り、本考案は浴槽本体の内部
に、相対的な高低差をもつて低位の臥床台と高位
の載頭部とが互いに隣接して設けられ、かつ当該
臥床台と載頭部の外側に、臥床台よりも低い臥床
側排水溝、載頭部よりも低く当該臥床側排水溝よ
りも高い載頭側排水溝とを、連通させて環状に周
設されたことを特徴としているから、これを用い
て身体不自由者等を入浴させるとき、入浴者の身
体洗いの排水はもちろんのこと、洗髪等に伴う汚
水の排水までが上記載頭側排水溝を介して問題な
く行なえるようになり、したがつて長時間の入浴
を避けるべき身体不自由者等の入浴が短時間です
ませられ、その介護者も負担も軽減できる。

さらに本考案では洗髪槽を設けることなく、載
頭部の周囲に載頭側排水溝を形成するようにした
ので、全体的に小型化でき、従つて特に自動車な
どに格納して使用するバスタブに好適であり、し
かも当該載頭側排水溝に流下した汚水は、低位に
配設の臥床側排水溝へ向けて落流するから、臥床
側排水溝、当該流速により排水が促進され、可成
りの汚水を溢出させることなく放流させることが
でき、当該両排水溝によつて載頭部と臥床台とが
囲まれているから、どの方向に流下した汚水も、
速やかに何れかの排水溝に流れ込み、入浴者を汚
染から守ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の臥身浴槽を示す平面図、第２図
は第１図−線における縦断側面図、第３図は
本考案に係る浴槽の一実施例を示す平面図、第４
図は第３図−線における縦断側面図である。 １０……浴槽本体、１２……臥床台、１３……
載頭部、１４……臥床側排水溝、１４′……載頭
側排水溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽本体の内部に、相対的な高低差をもつて低
   位の臥床台と高位の載頭部とが互いに隣接して設
   けられ、かつ、当該臥床台と載頭部の外側に、臥
   床台よりも低い臥床側排水溝と、載頭部よりも低
   く当該臥床側排水溝よりも高い載頭側排水溝と
   を、連通させて環状に周設された臥身浴槽。