JPS6310859Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は水道の蛇口に装着し使い捨て式に使用
する浄水器に関するものである。

従来技術 この種の浄水器は浄水だけを取出す構造のもの
と浄水と原水を選択できるものとがあるが、いず
れにしても内蔵のフイルターを定期的に交換する
必要がありその手間は結構面倒である。また長期
間使用すればフイルターをかえても内部に水垢が
たまり全体も古く感ずるようになると使用に耐え
難い。他方従来の浄水器には止水時フイルター内
に水が満たされた状態となる構造のものはなく、
そうしたものでは不使用時に繁殖した雑菌を使用
前に洗い流すため水を一定量出し放しにしなけれ
ばならない。

技術的課題 そこで本考案は常に最適かそれに極めて近い状
態で浄水器を使用できるようにすれためになされ
たもので、構造を簡略化することにより使い捨て
に適する廉価量産性を有し、不使用時はフイルタ
ー内に水が満たされた状態で滞溜する構造とする
ことにより雑菌の繁殖を防ぎ、従つて水を無駄に
せずに済む浄水器の提供をその目的としたもので
ある。

技術的手段 即ち本考案は上部を開口した容器状ボデイ１の
底面中心部にボデイ１内に突出し、かつ頂部に円
錐頭部２を有する通水筒３を設け、円錐頭部２に
内接する摺動頭部４を備えた切替筒５を通水筒３
内に嵌挿し下部でシールするとともに、その頂部
に突設した軸杆６を円錐頭部２の上部において回
転可能に軸支することにより、両頭部２，４に
夫々開口した原水出口７，８が合致する原水位置
と合致しない浄水位置間で切替可能に形成し、浄
水位置ではボデイ１内に設けたフイルター９を通
過した浄水が通水筒底部の通孔１０より切替筒上
部の浄水出口１１に到る浄水路１２を両筒３，５
間に設け、他方水栓との接続口１３を設けたボデ
イキヤツプ１４をボデイ開口１５に嵌着して成る
ものであり、更には軸杆６に円錐頭部２と摺動頭
部４を密接させるばね、カム等の密接手段を設
け、また浄水出口１１をフイルター９の最上部に
位置させたものである。

作 用 本考案の浄水器は浄水用のフイルター９を内蔵
させた容器状のボデイ１と、原水、浄水を切替え
る切替筒５と、ボデイキヤツプ１４により主要部
品を構成し、全体を合成樹脂の成形品により形成
することにより廉価量産性を具備し、使用に際し
てはボデイ１の円錐頭部２と切替筒５の摺動頭部
４とが接することにより、浄水位置で原水が流出
せず、また不使用時原水はそのまま流出し浄水だ
けがボデイ１内でフイルター９の最上部まで満た
された状態で滞溜する。

実施例 図示実施例の浄水器は、夫々樹脂成形により形
成された容器状のボデイ１と、切替筒５及びボデ
イ開口１５に螺合嵌着させたボデイキヤツプ１４
とから成り、ボデイ１の通水筒３の下端と切替筒
５はＯ−リング１６により、またボデイ１とボデ
イキヤツプ１５とは環状パツキング１７により液
密にシールされている。通水筒３は底部膨大部１
８に開口した通口１０によりボデイ内外を通じ、
その底端と切替筒５の鍔部１９間で前記Ｏ−リン
グ１６を挾持している。上部に一体に形成した円
錐形の頭部２はボデイ１より突出し、その境界段
部２０とボデイ開口１５の段部２１にフイルター
９の最上部が位置する。フイルター９はボデイ１
内底部に配置される夫々環状のすのこ形下フイル
ター支え２２と、その上に敷かれる下フイルター
２３、粒状活性炭その他の主フイルター材２４、
その上に敷かれる上フイルター２５及び前記段部
２０，２１に係止する上フイルター押え２６とか
ら成る。２７は下フイルター支え２２の底面との
間隔形成リブを示す。尚主フイルター材２４は不
使用時の雑菌繁殖を最大限に防ぐ目的で銀添着し
た粒状活性炭が望ましい。

原水出口７，８は夫々円錐頭部２、それに内接
する摺動頭部４に開口され、切替筒５を原水位置
Ａ（第２図実線）にしたとき直通する。２８は原
水位置を示す突起、２９は浄水位置を示す突起で
あり、切替筒５に突設したハンドル３０を夫々の
位置で停止させる。切替筒５は浄水位置Ｂで通水
筒外に設けた浄水路１２と合致する浄水出口１１
を有し、従つてその位置Ｂで原水はフイルター
９、通口１０、浄水路１２、浄水出口１１を経て
通水筒３の下部流出口３１より流出する。３２は
その流出口３１に嵌合した整流コマ、３３は整流
ネツトを示す。浄水出口１１は前述の如くフイル
ター９の最上部に位置させれば良く、これによ
り、不使用時でもフイルター９には最上部迄水が
満たされており、雑菌が繁殖するおそれがなくな
る。

切替筒５は頂部に軸杆６を有し、円錐頭部２の
頂部に形成したその挿通孔３４より突出させた状
態で回転可能に軸支される。即ち第１図乃至第３
図の例では軸杆６にねじ３５を設けスプリングワ
ツシヤ３６をきかせてナツト３７により取付けて
ある。３８は緩み止めナツト、３９はナツトキヤ
ツプを示す。他方第４図、第５図の例では軸杆６
は一対の突起４０，４１を有し、その係合カム面
４２，４３が挿通孔３４の孔端に形成してあるた
め切替筒５を回すと円錐頭部２に摺動頭部４が接
触・離間する。即ち浄水位置で両頭部２，４が接
触し、原水位置では離間する。４４，４５は前記
突起４０，４１の通孔を示す。また各図中、４６
はボデイキヤツプ１４に突設した接続口１３のね
じ部４７に螺合する水栓Ｈへの取付部材、４８は
その透孔４９に係止する割リング、５０はゴムリ
ングである。

効 果 従つて本考案によれば全体が主要３部品により
形成され、これらにフイルター９等小部品を組合
わせれば良いので製造が容易で使い捨て使用に適
し、原水と浄水の切替を切替筒５の回転により行
なうに当り、ボデイ１の円錐頭部２と切替筒５の
摺動頭部４は接触状態で浄水が得られ、かつその
浄水の出口１１をフイルター９の最上位に設けて
あるため、浄水に原水が混入したり、止水時でも
フイルター内は水が満たされているので不使用時
に雑菌が繁殖することもなく衛生的である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る浄水器を示すもので第１図
は第１実施例の断面図、第２図は同上のキヤツプ
を取去つた平面図、第３図は分解斜視図、第４図
は第２実施例の分解斜視図、第５図は同上の部分
平面図である。 １……ボデイ、２……円錐頭部、３……通水
筒、４……摺動頭部、５……切替筒、６……軸
杆、７，８……原水出口、９……フイルター、１
０……通孔、１１……浄水出口、１２……浄水
路、１３……接続口、１４……ボデイキヤツプ、
１５……ボデイ開口。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上部を開口した容器状ボデイ１の底面中心部
   にボデイ１内に突出し、かつ頂部に円錐頭部２
   を有する通水筒３を設け、円錐頭部２に内接す
   る摺動頭部４を備えた切替筒５を通水筒３内に
   嵌挿し下部でシールするとともに、その頂部に
   突設した軸杆６を円錐頭部２の上部において回
   転可能に軸支することにより、両頭部２，４に
   夫々開口した原水出口７，８が合致する原水位
   置と合致しない浄水位置間で切替可能に形成
   し、浄水位置ではボデイ１内に設けたフイルタ
   ー９を通過した浄水が通水筒底部の通孔１０よ
   り切替筒上部の浄水出口１１に到る浄水路１２
   を両筒３，５間に設け、他方水栓との接続口１
   ３を設けたボデイキヤツプ１４をボデイ開口１
   ５に嵌着して成る浄水器。 (2) 軸杆６に円錐頭部２と摺動頭部４を密接させ
   るばね、カム等の密接手段を設けた実用新案登
   録請求の範囲第１項記載の浄水器。 (3) 浄水出口１１をフイルター９の最上部に位置
   させた実用新案登録請求の範囲第１項又は第２
   項記載の浄水器。