JPS6310775Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、後倒しに格納可能な椅子用折畳み
式片袖に関するものである。

従来の椅子は肘当ては前倒しにして格納する方
式であつたので、通路側から椅子内への出入りに
つかえて邪魔になつたり、観光バス等で通路越し
に隣席の人と談話するために横向きに坐るのに邪
魔になつた。

この考案は、上述の欠点を解消することを目的
とするもので、この考案の基本的構成は、フレー
ム側板に固設した肘掛取付基板の上部と後部に使
用時支柱当り面と格納時支柱当り面をそれぞれ設
け、この肘掛取付基板に基部を軸着して前後方向
回動自在に取付けた回動支柱の上端と摺動支柱の
上端とに肘当てを取付けた肘当て基板を折畳み自
在に取付けたもので、この考案を実施例の図に基
づいて説明する。

第１図乃至第３図に示す椅子１は、脚２の上面
に座３を取付け、背後には要すれば上端にヘツド
レスト４を装着した背当て５を取付け、前記脚の
側面のフレーム側板６には後述の折畳み式片袖７
を後倒し格納自在に取付ける。

前記折畳み式片袖７を詳述すると、第４図乃至
第６図に示すように、前記フレーム側板６のほぼ
中央に肘掛取付基板８を基板取付ボルト９，９…
…により螺着する。（第１図乃至第３図参照） この肘掛取付基板８の上部に肘掛使用時支柱当
り面１０を設け、後部には格納時支柱当り面１１
を設ける。

一方、回動支柱１２は本体１３の支柱１４の中
央に摺動溝１５を設け、基部１６の中心に設けた
嵌入孔１７に、軸部１８を遊転自在に嵌入し、こ
の軸部１８の先端の嵌入部１９を前記肘掛取付基
板８の基板本体２０に穿設した装着孔２１に嵌装
し、軸部取付ねじにより軸部１８を基板本体２０
に螺着する。

前記基部１６の上部にスライドピン摺動案内孔
２２を穿設し、摺動支柱２５の下部の軸着部２６
に回動自在に取付けたスライドピン２７を支持さ
せた後にスライドピン摺動案内２４の凹部にスラ
イドピン２７を嵌入して摺動自在とし、取付具を
用いて支柱１４の摺動溝１５に固着し、このスラ
イドピン２７を前記スライドピン摺動案内孔２２
とスライドピン摺動案内２４を案内とし、前記軸
部１８のスライドピン挿入孔２３に摺動自在に挿
通し、前記回動支柱１２の支柱１４の上端の両側
へ水平に突設した支軸２８，２８を肘当基板２９
の内側の軸着部３０に軸着し、前記摺動支柱２５
の上端の両側へ水平に突設した別の支軸３１，３
１を前記肘当基板２９の外側の軸着部３２に軸着
し、肘当基板２９の上面に肘当て３３を固着す
る。

なお、この実施例の肘当基板にテーブル板を肘
当ての代りに固着すれば、折畳みテーブルとして
利用することもできる。

この折畳み式片袖７の作用を実施例の図に基づ
いて説明すると、第１図に示す使用状態の折畳み
式片袖７を第３図に示す後方格納状態のように格
納するには、第４図乃至第６図に示す肘当基板２
９を回動支柱１２の軸着側（軸着部３０）を支点
として引き起こす。

肘当基板２９を引起こすことにより、摺動支柱
２５が引上げられスライドピン２７が上方に移動
し、上限位置でスライドピン２７は軸部１８のス
ライドピン挿入孔２３から抜け、回動支点は回動
可能となつて第２図に示すように格納準備態勢と
なる。

次に人為的行為によつて回動支柱１２は矢印Ｒ
のように後方に回転され、格納時支柱当り面１１
に当るまで回転されて第３図に示す格納状態とな
る。軸部１８のスライドピン挿入孔２３は使用時
位置にのみ存在し、格納時位置には設けられてい
ないので、肘当基板２９は引き起こされた位置を
保つ。

次に使用状態にするには、さきとは逆に第３図
に示すように、回動支柱１２を矢印R′方向に引
き起こし、使用時支柱当り面１０に当るまで回転
させる。当り面位置にきたら、肘当基板２９を回
動支柱１２の軸着側（軸着部３０）を支点として
倒す。この動作により、スライドピン２７は下方
に移動し、軸部１８のスライドピン挿入孔２３に
入り回動支柱１２の固定が完了する。

この実施例は片袖について述べたが、対称構造
のものを反対側に設けて両袖としても同様であ
る。

この考案は上記の構成にしたので、次の利点を
有する。

(1) 後倒し格納にしたので、椅子への出入りの邪
魔にならない。

(2) 観光バス等で通路を距てて談話する場合にも
邪魔にならない。

(3) 構造が極めて簡単なため、コストが低廉であ
り、かつ操作が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案を実施した椅子の片袖使用
時の斜視図、第２図は同、格納準備時の斜視図、
第３図は同、格納時の斜視図、第４図は同、主要
部分の分解斜視図、第５図は第１図におけるＡ−
Ａ断面図、第６図は第４図におけるＢ−Ｂ断面図
である。 主要部分の符号の説明、１……椅子、２……
脚、６……フレーム側板、７……折畳み式片袖、
８……肘掛取付基板、１０……使用時支柱当り
面、１１……格納時支柱当り面、１２……回動支
柱、１４……支柱、１５……摺動溝、１６……基
部（回動支柱の）、１７……嵌入孔、１８……軸
部、２１……装着孔、２２……スライドピン摺動
案内孔、２３……スライドピン挿入孔、２４……
スライドピン摺動案内、２５……摺動支柱、２７
……スライドピン、２９……肘当基板、３０……
軸着部（内側）、３２……軸着部外側。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 脚２のフレーム側板６に固定した肘掛取付基板
   ８の上部に使用時支柱当り面１０と、後部に格納
   時支柱当り面１１をそれぞれ固設し、この肘掛取
   付基板８に穿設した装着孔２１に、回動支柱１２
   の基部１６の嵌入孔１７に軸部１８を嵌挿して回
   動支柱１２を前後回動自在に装着し、この回動支
   柱１２の支柱１４の中心に設けた摺動溝１５内に
   固着したスライドピン摺動案内２４とスライドピ
   ン摺動案内孔２２を介して摺動支柱２５の下端の
   スライドピン２７を前記軸部１８に設けたスライ
   ドピン挿入孔２３に挿通し、前記回動支柱１２の
   上端に設けた支軸２８，２８を肘当基板２９の内
   側の軸着部３０に軸着し、前記摺動支柱２５の上
   端に設けた支軸３１，３１をこの肘当基板２９の
   外側の軸着部３２に軸着し、この肘当基板２９の
   上面に肘当て３３を取付けてなる椅子用折畳み式
   片袖。