JPS6310634Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、回転体に対して摺動接触により電気
又は電気信号を伝えるほかに光により信号の授受
を行なう回転体信号授受装置に関する。

従来例えば、オートメーシヨンシステムにおい
て回転を要する円盤上の種々の測定装置等に対す
る入出力信号又は、回転を要する空中線に対する
信号の授受など機械的に回転を要する部分と回転
しない部分との間の電気信号の受け渡しは、２つ
の部分を電気的に導線で接続し、導線の長さにた
るみをもたせ、且つ、回転運動をこの導線のたる
みの範囲に制限する方法、あるいは第１図に示す
ように回転面１に同心円状に配置された電気摺動
面３とこれに接する保持部２によつて保持された
接触片４により、電気信号を伝達する方法、ある
いは、前記の場合の電気摺動面を円柱の表面に配
置した方法、更には、電磁気結合ないしは磁気結
合により空間的に電気信号を受け渡しする方法な
どがある。

しかし、たるみを持たせた導線による接続に
は、回転運動が制約されること、導線に機械的な
力が加わり損傷しやすい欠点がある。又、回転す
る電気摺動面と固定された接触片による方法は、
摺動による電気雑音がここを通る信号電流に混入
すること、構造上摺動面の面積は大きく、固定接
触片もバネ性を保持するためにもある程度の大き
さを必要とし、高周波信号を伝送するに必要な特
性を満す回路、構造とすることができない欠点が
ある。更には電磁気結合あるいは、磁気結合によ
る伝送は、装置が大がかりなものとなり経済的で
ないこと、周囲の電磁気的あるいは磁気的干渉妨
害を受け易い等の欠点がある。

本考案は、相互に回転運動を行なう２つの部分
の間で、摺動接触により電気又は電気信号を伝え
る手段のほかに、授受すべき電気信号を一度光信
号に変換し、回転中心軸上に対向させた光結合に
より授受することにより上記欠点を除去し、高速
の情報信号を伝送品質劣化を起さずに伝送し得る
ようにした装置を提供するものである。

次に本考案の実施例について図面を参照して説
明する。本考案の第１の実施例は、第２図、第３
図に示される。尚、第２図は第３図のＢ−B′断
面、第３図は第２図のＡ−A′断面を各々示す。
回転部１と２は互いに回転し得る構造で、電気摺
動面３と接触片５により機械的接触による電気回
路を構成している。４と６は、１と２の回転中心
軸上で対向して設置された光結合装置である。

例えば、回転体のうち１が固定されており、２
が回転する場合、接触片５から電気摺動面３を通
し導線７へ、２と１体である部分において使用さ
れる電力を供給し、回転体２から１へ伝送すべき
信号を導線８を通じて光結合装置４で光信号に変
換する。光結合装置４から６へ放射された光信号
を光結合装置６にて受けとり、ふたたび電気信号
へ変換し導線９へ出力する。この様にすることに
より回転体２が１に対し高速で回転する場合でも
雑音等の混入なしに導線８から９へ高速、高信頼
度の信号を伝送することができる。

また、光結合装置４及び６に双方向光結合装置
を用いることにより、上の例のほかに導線９から
８へ信号を伝送することができる。

本考案の第２実施例は、光結合装置４及び６部
分に光フアイバーケーブルを使用するもので、光
フアイバーケーブルの開口面、回転中心軸上に対
向させることによつて光結合を行なわせるもので
ある。光フアイバーケーブルを使用する場合は、
シングルフアイバーケーブル、ハンドルフアイバ
ーケーブル、プラスチイツク光フアイバー等があ
るが、光を伝えることができる材質であれば、す
べて使用できる。

光結合装置４及び６は発光部としては、白熱電
灯、発光ダイオード、レーザダイオードその他電
気的に変調可能な発光体が用いられる。受光部と
しては、フオトトランジスタ、PINフオトダイオ
ード、APD（アバレンシエ・フオト・ダイオー
ド）等光信号を電気信号に変換可能な素子が使用
される。４及び６は一方が光信号の送信側で他の
１つが光信号の受信側である場合のほか、４及び
６の双方が光信号の送信と受信の機能を有する場
合があるが、本考案は対向する光結合部で結合さ
れている光信号の方向性、波長、強さ、位相並び
に適用されている変調の如何にかかわらず構成さ
れるものである。

即ち、本考案は１つの回転軸上で互いに回転し
得る部分に、従来使用されている摺動という機械
的接触による電気及び電気信号の伝送のほかに、
伝送すべき電気信号を光信号に変換して、授受す
ることができる光結合装置をもうけることによ
り、高速の電気信号を伝送することを目的とした
ものである。電気信号が光信号に変換されると、
機械的接触を必要とせず、又いかに高速に運動し
ている部分の間であつても光結合装置間の対向位
置が変らない限り、雑音の混入のない高速高信頼
性の情報伝送が可能となるものである。機械的接
触による伝送は、先に示した様な電気信号を伝送
するに不都合な事項を有するが、光結合装置その
他に対する電源として電気を供給する場合、ある
いは、それらの不都合があつても支障のない信号
の授受の場合のために設けられ使用される。

本考案は以上説明したように、機械的に回転を
要する部分と回転しない部分との間の電気信号の
授受を行なうため、相互に回転運動を行なう２つ
の部分の間で、摺動接触により、雑音等の混入が
あつても支障のない電源用電流及び信号電流等を
伝送し、摺動接触によつては実現が極めて困難
な、高周波信号の伝送及び雑音の混入等のない高
い伝送品質を満す伝送等を相互に回転運動を行な
う２つの部分で１つの回転中心軸上に対向させた
光結合により、光信号へ変換された状態で結合す
ることにり、高速、多量の情報信号を極めて信頼
性高く伝送品質劣化を生ぜず、小形な装置形状で
伝送することができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の装置の平面図、第２図および第
３図は本考案の一実施例を示した図である。 図において、１と２は互いに回転しうる２つの
部分、３は２の円柱部表面にもうけられた帯状の
電気摺動面、５は１に固定され、３に接触する接
触片、４と６は回転中心線上に配置された光結合
装置、７〜９は導線である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 相対的に回転運動をする２つの部材のうち一方
   の部材の表面に導体から成る摺動面を設けると共
   にこの摺動面に当接する接触片を他方の部材に設
   け、この摺動面と接触片を介して第１の信号を授
   受し、且つ前記２つの部材の前記回転部材の回転
   中心軸上位置に光伝送手段および光受信手段を設
   け、光信号に変換された第２の信号をこれら光伝
   送、受信手段を介して授受することを特徴とする
   回転体信号授受装置。