JPS6310596Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は構造簡易にして操作ノブの設定位置を
容易に確認し得るようにした表示装置に関する。

従来、例えば自動車等の車輌に装備されるエア
コン表示装置や内外気コントロール装置は、光源
からの光をアクリル樹脂等の透明な導光体を用い
て表面パネルや操作ノブに導き、これらを明るく
照明することにより、夜間における視認性更には
車内インテリアの向上を計るようにしたものが多
く用いられている。第１図ａ，ｂは従来のエアコ
ン表示装置の一例を示す要部正面図およびＡ−Ａ
線断面図で、これを概略説明すると、全体を符号
１で示すエアコン表示装置は、その前面を被う前
面パネル２を有し、この前面パネル２の裏面で且
つ文字、記号等の表示部２Ａ以外の部分には遮光
膜２ａが施されている。３ａ，３ｂはエアコン表
示装置１の前面に開口するレバー操作孔で、これ
らの孔３ａ，３ｂにはレバー４ａ，４ｂがそれぞ
れ摺動自在に挿通され、その先端部にはそれぞれ
操作ノブ５ａ，５ｂと導光体レバー６ａ，６ｂが
取り付けられている。７および８はハウジング９
内に配設された導光体および光源で、この光源８
からの光を導光体７を介して表面パネル２に導
き、表示部２Ａを照明すると同時に前記レバー操
作孔３ａ，３ｂを形成している枠状壁１１に設け
られた切欠穴１２より導光体レバー６ａ，６ｂに
導いて操作ノブ５ａ，５ｂの設定位置を視認し得
るようにしている。このため、導光体レバー６
ａ，６ｂの先端は操作ノブ５ａ，５ｂの表面に露
呈し、且つフロストまたはジボ加工により粗面に
形成されることにより、光を散乱させ視認性を高
めるようにしており、また導光体レバー６ａ，６
ｂの後端には光を先端方向に導くため斜めに切落
された反射面１０ａ，１０ｂがそれぞれ設けられ
ている。

しかるに、斯かる従来の表示装置にあつては導
光体レバー６ａ，６ｂを必要とするため構造が複
雑化し、またレバー６ａ，６ｂ自体の製造および
その取付けが面倒でコストアツプの原因となる。
さらに、ハウジング９の枠状壁１１に切欠穴１２
を設ける必要があるので、金型の製造コストが高
くなり製造性に問題があるほか、前記切欠穴１２
よりチリや湿気が入り表示部２Ａの表示機能を低
下させるという欠点があつた。

本考案は上述したような従来の欠点に鑑みてな
されたもので、前記レバーが挿通される操作孔用
の枠状壁を備えたハウジングを透光性材料によつ
て一体に形成するという極めて簡単な構成によ
り、製造および組立作業が容易で、部品点数の削
減およびコスト低減を可能にし、また操作ノブの
設定位置を確実に確認し得るようにした表示装置
を提供するものである。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第２図は本考案に係る表示装置をエアコン装置
に適用した場合の一実施例を示す外観斜視図、第
３図は同装置の要部拡大断面図である。なお、説
明の繁雑さを避けるため、第１図と同一構成部材
のものに対しては同一符号を以つて示し、その説
明を省略する。前面が開放し、その内底面９ａの
所定箇所に水平方向に長い枠状壁１１が一体に突
設されるハウジング９は、透光性材料、例えば
ABSナチユラル、ポリプロピレン・ナチユラル
等のプラスチツク材料によつて一体に形成され、
このハウジング９の表面開放部が従来と同様に形
成された表面パネル２によつて被われている。こ
の場合、表面パネル２には各枠状壁１１に対応す
る箇所に窓２０ａ，２０ｂ，２０ｃが形成されて
おり、これらの窓２０ａ，２０ｂ，２０ｃに各枠
状壁１１の先端部が嵌合して外部に露呈してい
る。そして、各枠状壁１１の操作孔３ａ，３ｂ，
３ｃには金属板等によつて形成されたレバー４
ａ，４ｂ，４ｃが挿通され、その先端にはそれぞ
れ操作ノブ５ａ，５ｂ，５ｃが取り付けられてい
る。これらの操作ノブ５ａ，５ｂ，５ｃとして
は、不透光性材料に限らず透光性材料の使用も可
能である。

かくして、このような構成からなる表示装置に
よれば、光源から出て導光体７に導かれた光３０
の一部は、枠状壁１１を通過して操作孔３ａ，３
ｂ，３ｃを照明する。この時、レバー４ａ，４
ｂ，４ｃが存在する部分は光が遮られるため、他
の部分に比べて若干明るさが低下する。したがつ
て、この明るさの相違により操作ノブ５ａ，５
ｂ，５ｃおよびレバー４ａ，４ｂ，４ｃがどの位
置にあるか容易に確認し得る。また、ハウジング
９の内部を通る光の一部は枠状壁１１の先端面１
１ａから外部に導かれるため、前記先端面１１ａ
が明るく光り、表示装置の外観美を向上させる。
しかも、レバー４ａ，４ｂ，４ｃに従来必要とさ
れていた導光体レバーを設ける必要がないため、
部品点数の削減を計ることができ、また枠状壁１
１にも切欠穴を設ける必要がないので、ハウジン
グ９の金型製作が容易となり、製造コストの低減
を計ることができ、しかもチリや湿気による表示
機能の低下も防止できる。また、ハウジング９を
所望の色にて着色形成すれば、先端面１１ａから
の着色光により意匠的効果を向上させることがで
き、また、例えば枠状壁１１の先端面１１ａに遮
光膜を施し、該先端面１１ａから光が外部に漏れ
ないようにすることも可能である。この場合にお
いてもレバー４ａ，４ｂ，４ｃおよび操作ノブ５
ａ，５ｂ，５ｃの位置が暗くなるので、これらの
位置確認を容易に行うことができ、しかも特に操
作ノブ５ａ，５ｂ，５ｃを透光性材料によつて形
成した場合、枠状壁１１を通つて操作孔３ａ，３
ｂ，３ｃに導かれた光３０の一部が操作ノブ５
ａ，５ｂ，５ｃを透過し、これらを前述とは逆に
照明するため、操作ノブ５ａ，５ｂ，５ｃの存在
を明確にし、視認性を向上させ得る。

加えて、枠状壁１１に切欠穴を設けていないの
で、操作孔３ａ，３ｂ，３ｃよりハウジング９内
に埃等が侵入するのを防止し得る。

なお、上記実施例はエアコン装置に適用した場
合について説明したが、本考案はこれに限らず操
作ノブを光源からの光によつて照明するようにし
た各種表示装置に適用実施し得ることは勿論であ
る。

以上説明したように本考案に係る表示装置は、
ハウジングを透光性材料によつて形成し、導光体
に導かれた光がハウジングに設けた枠状壁を透過
し、操作孔を明るく照明するように構成したの
で、枠状壁の操作孔を貫通するレバーおよびその
先端に設けられた操作ノブの存在する部分と他の
部分との明るさが異なり、操作ノブの設定位置を
容易に確認することができる。また、レバーに操
作ノブを単に取り付けるだけで、導光体レバーを
必要としないため、部品点数が少なく簡素化し得
る。また、ハウジングを透光性材料によつて形成
しているため、枠状壁に切欠穴を設ける必要がな
く、従つてチリや湿気の侵入による表示機能の低
下がなく、しかもハウジングの構造を簡単なもの
とし得、製造コストの低減を可能にするなど、そ
の実用的効果は非常に大である。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは従来のエアコン表示装置の一例
を示す要部正面図およびＡ−Ａ線断面図、第２図
はこの考案をエアコン表示装置に適用した場合の
一実施例を示す外観斜視図、第３図は同装置の要
部拡大断面図である。 ２……表面パネル、３ａ，３ｂ，３ｃ……操作
孔、４ａ，４ｂ，４ｃ……レバー、５ａ，５ｂ，
５ｃ……操作ノブ、７……導光体、８……光源、
９……ハウジング、１１……枠状壁、３０……
光。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前面が開放し、内底面に操作孔を形成する枠状
   壁が突設されたハウジングと、このハウジング内
   に収納され光源からの光が導かれる導光体と、前
   記ハウジングの前面開放部を被う表面パネルと、
   前記操作孔を貫通しその先端に操作ノブが取り付
   けられたレバーとを具備してなり、前記ハウジン
   グを透光性材料によつて形成し、前記導光体に導
   かれた光が枠状壁を透過して前記レバーおよび操
   作ノブを照明することを特徴とする表示装置。