JPS6310240Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、使用済みの空き罐を一個づつプレス
して小容積化する空き罐プレス機に実施して好適
な空き罐の投入口装置に関する。

従来使用されている空き罐プレス機の多くは、
投入口から機体内のプレス部にて手を差込んで怪
我をする事故を防止する安全対策として、投入口
の部分に開閉扉を設けているが、空き罐の投入に
当つては、この開閉扉をいちいち開けたり閉じた
りしなければならず、操作が意外と面倒であつ
た。

また、従来の空き罐プレス機は投入された空き
罐を即座にプレスするために、投入口とプレス部
の距離が比較的短く構成されており、したがつ
て、投入口に上記の開閉扉を取付けても、開閉扉
を開いて投入口からプレス部内に手を差込んで怪
我をする危険性が高く、開閉扉は空き罐投入の操
作性を悪くするだけであつて、さして十分な安全
対策上の効果を発揮できなかつた。更に加えて、
空き罐を横向きにして投入口に投入する形式のプ
レス機では、空き罐内に飲み残し等があると投入
時にこれがこぼれて衣服等を汚すといつた問題も
あつた。

本考案は上述した諸問題を一挙に解決すべく提
案されたものであつて、その目的は、投入口が常
に開いていて空き罐を極めて簡単に、かつ、飲み
残し等をこぼすことなく若干斜めの状態にして投
入できると共に、投入口からは機体内に絶対手を
差込むことができない安全対策を施した空き罐プ
レス機の投入口装置を提供することにある。

しかして、本考案の上記目的は空き罐用のプレ
ス装置を内蔵した機体の前面に投入口を開設し、
この投入口の内側には空き罐を差込み自在に構成
した筒状の投入スリーブを回動自在に設け、投入
スリーブは差込み口側が常時は上記投入口内に臨
んでいて、該投入スリーブが起立する方向へ回動
すると上記投入口を次第に閉鎖するように支持さ
れていると共に、先端の排出口側が水平線より若
干下方へ傾いた斜めの状態を保持するように戻し
バネの作用下に置かれており、一方、上記機体の
内部には、常時は上記投入スリーブの排出口を閉
塞し、該投入スリーブが起立するように回動する
と上記排出口を解放して、投入スリーブ内の空き
罐が上記プレス装置側に落下するのを許容する閉
塞壁を設けて構成した空き罐プレス機の投入口装
置により達成される。

以下に、本考案の実施例を添付図面を参照しな
がら説明する。

１は内底部分にプレス装置２０を設置した機体
であつて、２はこの機体１の上部前面に開設した
投入口である。３はこの投入口２の内側機体部分
に回動自在に軸支４した筒状の投入スリーブで、
３ａはその一端に開口した差込み口、３ｂはその
先端に開口した排出口、３ａ１は差込み口３ａの
口縁に突設した摘みを示し、このように構成した
投入スリーブ３の内部には、第２図、第３図に示
すように空き罐Ｋが差込み自在である。

５は上記投入スリーブ３の上面と投入口２の内
側上部に突設した懸掛片２ａとの間に張設した戻
しバネで、この戻しバネ５は上記軸支４を支点に
投入スリーブ３の先端の排出口３ｂ側を常時は上
方に引き上げる牽引作用を発揮している。６は上
記投入スリーブ３の排出口３ｂを常時は閉塞する
ように、投入口２の奥側機体部分に架設した断面
形状が円弧状の閉塞壁で、７はこの閉塞壁６の上
縁に突設したストツパーである。このストツパー
７は、上記戻しバネ５によつて上方に牽引回動さ
れる投入スリーブ７の先端側口縁に係止して、投
入スリーブ３を第２図に示すように常時は差込み
口３ａが投入口２の部分に臨み、かつ、先端の排
出口３ｂ側を水平線よりも若干下方に傾けた斜め
の状態に保持している。また、８は上記機体１の
下側内部で、しかも、閉塞壁６の下側終端部分に
連続させて設けたシユートで、上記戻しバネ５に
抗して第３図並びに第４図の如く起立するように
回動した投入スリーブ３は、このシユート８の入
口８ａの部分で上記閉塞壁６による排出口３ｂの
閉塞が解かれ、収容されていた空き罐Ｋを第４図
の如くシユート８を通して前述したプレス装置２
０内に落下させることができる。

次に、上述した本考案の投入口装置に用いて好
適な安全装置を説明する。

９は機体１の内壁面に取付けたマイクロスイツ
チで、起立するように回動した上記投入スリーブ
３によつてこのマイクロスイツチ９が押圧閉成さ
れると、上記プレス装置２０が１回だけプレス作
動して投入スリーブ３よりシユート８を通して落
下してきた空き罐Ｋをプレスする仕組になつてい
る。また、第１図並びに第５図において、１０は
係合部材で、機体１内に設けたフレーム１１に固
定されているケース１２に収容されたこの係合部
材１０は、スプリング１３の弾発力を受けて先端
に突出した係合突子１０ａがフレーム１１の穴１
１ａから投入スリーブ３の回動通路上に弾発的に
突出していて、投入スリーブ３が第４図に示す排
出位置に回動されると、投入スリーブ３の側面に
穿設した係合穴３ｃ内に係合して、投入スリーブ
３を第４図に示す状態にロツクできるように構成
されている。

プレス装置２０は、シリンダー２１と、このシ
リンダー２１によつて進退作動されるピストンロ
ツド２２と、ピストンロツド２２の先端に取付け
たプレス板２３、並びにプレス板２３との間で空
き罐Ｋをプレスするプレス受板２４とによつて構
成されており、上記プレス板２３の進退通路上に
は第５図に示すように投入スリーブ３のロツクを
解除する解除片１４が突出している。この解除片
１４は、上端を機体１側に枢支１５ａした作動ア
ーム１５の下端部に軸１４ａを用いて回動自在に
取付けられていて、プレス板２３がプレス方向に
前進する時は、プレス板２３に押されて軸１４ａ
を支点に自由回動するが、プレス終了後、プレス
板２３が第５図において右方向に後退移動する時
は、作動アーム１５の下端部に設けたストパー１
５ｂに係止してプレス板２３の押圧を作動アーム
１５に伝達し、作動アーム１５の全体を枢支１５
ａを支点に第５図において反時計方向に回動する
仕組になつている。第１図並びに第５図におい
て、１６はこの作動アーム１５と係合部材１０の
背面取付子１０ｂの間に取付けた紐体で、上記作
動アーム１５がプレス板２３の進退によつて回動
すると、この紐体１６が係合部材１０を後退させ
て係合突子１０ａを投入スリーブ３の係合穴３ｃ
から引抜き、投入スリーブ３のロツクを解除し
て、投入スリーブ３を戻しバネ５によつて第１図
並びに第２図に示す元の位置に復帰回動させるこ
とができる。

したがつて、上記構成の安全装置によれば、マ
イクロスイツチ９の閉成によつて起動するプレス
装置２０が１回のプレス動作を終了するまで、投
入スリーブ３を第４図に示す排出位置にロツク
し、空き罐Ｋの連続した投入によるプレスミスを
防止できると共に、後述する安全器能を併せて発
揮することができるのであるが、係合部材１０の
作動はソレノイドを用いて電気的に制御するよう
に実施することもできる。

以上の構成によれば、空き罐Ｋの投入に当つて
は、投入口２に常時は投入スリーブ３の差込み口
３ａが位置しており、かつ、投入スリーブ３の全
体は先端の排出口３ｂ側を水平線よりも若干下方
に傾けた斜めの状態に保持されているから、空き
罐Ｋの投入は人間工学的に極めて簡単に、しか
も、飲み残し等を外にこぼすことなく行なうこと
ができ、投入後は、摘み３ａ１を持つて投入スリ
ーブ３の全体を第３図並びに第４図に示すように
順次起立する方向に回動すれば、排出口３ｂがシ
ユート８の入口ａに合致した時点で空き罐Ｋはシ
ユート８を通つてプレス装置２０内に落下し、こ
れでプレスを行なうことができる。また、投入ス
リーブ３によつて第３図、第４図に示すように投
入口２が次第に狭められると同時に、投入スリー
ブ３の差込み口３ａも投入口２の上縁によつて次
第に狭められるから、プレス装置２０のプレス作
動時に投入口並びに投入スリーブ３から手を機体
１内に差込んで怪我をするといつた事故を未然に
防止できる。そして、常時は投入口２に投入スリ
ーブ３の差込み口３ａが臨んでおり、排出口３ｂ
は閉塞壁６によつて閉塞されている関係上、機体
１内のプレス装置２０側に手を差込むことはでき
ず、これにより手の差込みによつて発生する各種
の事故を防止できると共に、空き罐Ｋの連続的な
投入によるプレスミスも防止できる。加えて、本
考案に前述したマイクロスイツチ９並びにロツク
手段からなる安全装置を付加すれば、プレス装置
２０は投入スリーブ３を排出位置まで回動してマ
イクロスイツチ９を閉成した時、即ち、回動した
投入スリーブ３自体が投入口２を閉塞した時だけ
１回のプレス動作を行なう一方、この投入スリー
ブ３の回動状態をロツクする係合突子１０ａは、
プレス装置２０が１回のプレス動作を終了する迄
ロツクし続けるため、手の差込みによる事故と、
ダブルプレスの問題を更に完全に防止することが
できる。

本考案は上記の如くであつて、空き罐の投入操
作が極めて簡単で、かつ、投入した空き罐を１個
づつ確実にプレス装置に落下させてプレスできる
と共に、投入口からの手の差込みによる事故も未
然に防止できる安全性を備えており、構成が簡単
で実施が容易な点と相俟つて、各種の空き罐用プ
レス機に実施して有効である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は正面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線断面図、第３
図と第４図は投入スリーブの回動状態を段階的に
示す側断面図、第５図はロツク装置の一例を示す
構成図である。 図中、１は機体、２は投入口、３は投入スリー
ブ、３ａは差込み口、３ｂは排出口、５は戻しバ
ネ、６は閉塞壁、２０はプレス装置、Ｋは空き罐
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 空き罐用のプレス装置を内蔵した機体の前面に
   投入口を開設し、この投入口の内側には空き罐を
   差込み自在に構成した筒状の投入スリーブを回動
   自在に設け、投入スリーブは差込み口側が常時は
   上記投入口内に臨んでいて、該投入スリーブが起
   立する方向へ回動すると上記投入口を次第に閉鎖
   するように支持されていると共に、先端の排出口
   側が水平線より若干下方へ傾いた斜めの状態を保
   持するように戻しバネの作用下に置かれており、
   一方、上記機体の内部には、常時は上記投入スリ
   ーブの排出口を閉塞し、該投入スリーブが起立す
   るように回動すると上記排出口を解放して、投入
   スリーブ内の空き罐が上記プレス装置側に落下す
   るのを許容する閉塞壁を設けて成ることを特徴と
   する空き罐プレス機の投入口装置。