JPS6310168Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、相異なつたパスラインから次のパス
ラインに通板するためのストリツプ通板装置に関
する。

〔従来技術〕

従来、ストリツプの搬送経路として上パス及び
下パスを有するストリツプ通板テーブルとして、
第１図と第２図に示すようなものがある。

図中、１は上方側からストリツプ通板を行なう
上パス通板テーブル、２は下位に配置される下パ
ス通板テーブル、及び３はストリツプを所要方向
のラインに搬送するための出側通板テーブルであ
り、各テーブル１，２，３には棒状の搬送コロ４
を回転自在に取付けている。

第２図において、５，６はストリツプＳを案内
する上ピンチロール及び下ピンチロールであり、
下パス通板テーブル２からのストリツプＳは下ピ
ンチロール６に案内されて出側通板テーブル３方
向へ走行する。

一方、上パス通板テーブル１からのストリツプ
Ｓ通板において、ストリツプＳの先端が出側通板
テーブル１のエプロン７に突き当たるようにな
り、円滑な通板が不可能となる。ストリツプＳが
薄肉の場合は、下ピンチロール６を圧上して、ス
トリツプＳに曲げを与えるようにして後面設備に
通板可能であるが、厚肉のものは下ピンチロール
６による局所的な曲げ負荷では不十分で、通板が
行えない。

即ち、肉厚のストリツプＳを上パス通板テーブ
ル１から供給する時には、ストリツプＳ先端をエ
プロン７に当接係合しないように曲げ変形を与え
ない限り、ストリツプＳ先端はエプロン７に引掛
つてしまうのである。従つて、従来の通板装置で
は上パス通板テーブル１から厚肉のストリツプＳ
を搬送する場合、出側設備への通板にトラブルを
生じやすく、生産効率を低下させてしまうという
問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、出側通板テーブルに対して傾
斜角を有して接続される上パス通板テーブルから
のストリツプ搬送を円滑に行なえるようにするこ
とである。

〔考案の構成〕

本考案の構成は、下パス通板テーブル、及び同
下パス通板テーブルの終端側に傾斜して配置され
る上パス通板テーブル、及び両テーブルの終端に
ピンチロールを介装して先端が隣接配置される出
側通板テーブルとからなり、同出側通板テーブル
を昇降装置により昇降可能となるようにしたもの
である。

〔考案の作用〕

上記構成により、特に上パス通板テーブルから
のストリツプ通板時において、ストリツプ先端を
少なくとも上パス通板テーブルの傾斜角に相当す
る分だけ上方側に曲げ変形させることができ、ス
トリツプ先端が出側通板テーブルのエプロン等に
引掛ることなく円滑に走行させることができる。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基いて本考案を説明
する。

第３図は通板装置の概略を示す側面図、第４図
は同第３図の−線矢視による平面図である。

出側通板テーブル３の一端側は枢着部８により
フレーム９に鉛直面内で回動自在に連結された可
動テーブル３ａとなつており、１０はこの可動テ
ーブル３ａを回動駆動するための昇降装置をなす
油圧シリンダである。

可動テーブル３ａの先端側には、従来と同様に
平板状のエプロン７が取付けられ、同エプロン７
に連続してガイド用コロ１１が第４図で明らかな
ように千鳥状に転動自在に配置されている。この
ガイド用コロ１１はエプロン７側の３ピツチ部分
が同エプロン７側に向け下向きに傾斜して設けら
れ、後流側は水平状態に配置されて搬送コロ４へ
の走行を円滑となるようにしている。

上記構成において、薄肉のストリツプＳを搬送
する場合、ストリツプＳ先端を強制的に曲げなく
ても、ストリツプＳ自体の搬送力によつて曲げ変
形するので、出側通板テーブル３の可動テーブル
３ａは図示のパステインとしたままで通板可能で
ある。

上パス通板テーブル１からのストリツプＳ先端
は、ガイド用コロ１１に達するが、このコロ１１
の配置は前述のように千鳥状であるため、ストリ
ツプＳの先端が食い込むことはなく、ガイド用コ
ロ１１の自転によつて円滑に搬送することができ
る。

一方、厚肉のストリツプＳの場合、その搬送力
のみでは曲げ変形不可で、可動テーブル３ａを上
下方向にシフトして強制曲げを与える必要があ
り、以下その手順について述べる。

まず、ストリツプＳ先端がピンチロール５，６
域に到達する前に、油圧シリンダ１０を縮退させ
て、可動テーブル３ａをその枢着部８を中心とし
て反時計方向に回動させ、ピンチロール５，６側
が下向きとなるように傾斜させる。次に、ストリ
ツプＳが走行して、その先端がガイド用コロ１１
に至つた時点で可動テーブル３ａを元の位置にシ
フトさせれば、ストリツプＳの先端側は、上ピン
チロール５との接触点を支点として上に凹となる
ような曲げ変形を受ける。

このストリツプＳ先端側の曲げ変形により、ス
トリツプＳの下面がガイド用コロ１１周面上を滑
動可能となり、ライン駆動してストリツプＳを走
行させれば、出側通板テーブル３との間に何らの
トラブルを生ずることなく搬送することができ
る。

第５図は可動テーブル３ａの他の構造例を示す
要部側面図で、ピンチロール５，６側を枢着部８
とし、後流側に昇降装置をなす油圧シリンダ１０
を配置したものである。本例においても、可動テ
ーブル３ａを水平レベルから容易に傾斜させて、
ストリツプＳに曲げ変形を与えることができ、上
下両端の通板テーブルから出側テーブルへ円滑に
ストリツプＳを通板することができる。

〔効 果〕

本考案によれば、出側通板テーブルに対して傾
斜している供給側通板テーブルからのストリツプ
先端に、必要に応じて曲げ変形を与えることがで
きるので、円滑な通板を行なうことができるとい
う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のストリツプ通板装置を示す平面
図、第２図は同側面図、第３図は本考案に係るス
トリツプ通板装置を概略的に示す側面図、第４図
は同第３図の−線矢視による平面図、第５図
は可動テーブルの他の構造例を示す側面図であ
る。 １…上パス通板テーブル、２…下パス通板テー
ブル、３…出側通板テーブル、３ａ…可動テーブ
ル、４…搬送コロ、５…上ピンチロール、６…下
ピンチロール、７…エプロン、８…枢着部、９…
フレーム、１０…油圧シリンダ（昇降装置）、１
１…ガイド用コロ、Ｓ…ストリツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 略水平に配置した下パス通板テーブルと、その
   上位に配設され上記下パス通板テーブルの終端へ
   向け下降傾斜させた上パス通板テーブルと、前記
   両テーブルの終端側にピンチロールを介設させそ
   の近傍に搬送ロールを配置した出側通板テーブル
   を列設し、該出側通板テーブルを昇降装置に連設
   し、同テーブルの昇降によるストリツプの先端曲
   げ通板を可能としてなることを特徴とするストリ
   ツプ通板装置。