JPS631009Y2

JPS631009Y2 -

Info

Publication number: JPS631009Y2
Application number: JP1981128275U
Authority: JP
Priority date: 1981-08-28
Filing date: 1981-08-28
Publication date: 1988-01-12
Also published as: JPS5833784U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は内燃機関の回転数が設定値以上になつ
たとき点火装置の点火時期を遅らせることが出来
るようにした内燃機関の点火装置に関する。

一般に内燃機関に於て、中高速の出力を上げる
ために回転速度に応じた点火時期を自動的に与え
るための自動進角装置が備えられている。一方２
サイクルエンジンの如き内燃機関ではその機関特
性に応じて遅角装置が備えられる場合もある。こ
れは機関の過回転を防止し或いは機関の出力を向
上させるために用いられるものである。従来、点
火時期遅角装置には各種のものが提案されている
が、大きな遅角効果を得るためには遅角動作を急
速に行わせることが必要とされ、この意味では従
来装置は未だ不十分なものである。

本考案者は上記した問題点に鑑みこれを有効に
解決すべく本考案を成したものである。

本考案の目的は、内燃機関の回転に同期して点
火コイルの１次電流を制御する制御可能な半導体
スイツチ素子の制御端子と点火用信号を出力する
信号源との間に他の半導体スイツチ素子を介設
し、回転数が設定値以上になつたときに該他の半
導体スイツチ素子のオン動作開始時期を遅らせる
ようにした遅角回路を設けて急速な遅角を行わ
せ、且つ該遅角回路の簡易化、部品点数の削減を
図ることが出来るようにした内燃機関の点火装置
を提供することにある。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に従つ
て詳述する。

第１図に於て、１は発電コイルに接続される端
子で、発電コイルの交流出力はダイオード２で整
流され、その正の半サイクルの出力によりコンデ
ンサ３が充電される。コンデンサ３は後述の如く
充電、放電を繰返し、その度に点火コイル４の一
次側に放電電流を流し、この電流により点火コイ
ル４の二次側に接続された点火プラグ５に点火用
火花を発生させる。発電コイルの出力は内燃機関
の回転に同期した周波数の出力であるためコンデ
ンサ３に於ける充放電の繰返し周期及び点火コイ
ル４の一次側の放電電流の発生周期は内燃機関の
回転に同期している。

６はパルサーコイルであり、点火時期を制御す
るための信号を出力するコイルである。パルサー
コイル６はパルス状の交番起電力を発生し、この
起電力によれば第１図中反対方向の電流Ａ，Ｂが
交互に繰返し流れることになる。パルサーコイル
６の一端子６ａには、接地との間にダイオード７
が接続され、且つトランジスタ８のエミツタとの
間にダイオード９と抵抗１０とコンデンサ１１、
抵抗１２の並列回路とが直列に接続されている。
pnp型のトランジスタ８は、そのベースを抵抗１
３を介して接地され、そのコレクタをコンデンサ
３とダイオード２の中点と接地との間に設けられ
たサイリスタ１４のゲートに接続されると共に、
エミツタとベースとの間は抵抗１５で接続されて
いる。又トランジスタ８のコレクタと接地との間
には抵抗１６が接続される。パルサーコイル６の
他端子６ｂには、前記抵抗１３の非接地側端子と
の間にダイオード１７，１８、コンデンサ１９か
ら成るπ型回路が接続されている。

上記回路の作用を第２図、第３図を参照にして
説明する。内燃機関を回転させると発電コイルの
正の半サイクルの出力によつてコンデンサ３が充
電される。コンデンサ３の充電状態に於て、パル
サーコイル６から出力電流Ａ（第１パルス信号）
が流れるとダイオード９、抵抗１０等を通つて電
流が流れ、ベース電位がエミツタ電位よりも低い
場合にはトランジスタ８が導通してそのコレクタ
を介してサイリスタ１４のゲートにトリガ電流を
流しサイリスタ１４をターンオフせしめる。サイ
リスタ１４がターンオンすればコンデンサ３の充
電電荷が放電し、点火コイル４の二次側に高電圧
を誘起せしめて点火プラグ５にて点火が行われ
る。次にパルサーコイル６から出力電流Ｂ（第２
パルス信号）が流れるとダイオード１８を介して
コンデンサ１９が充電される。しかし電流Ｂはパ
ルス状に流れるためコンデンサ１９に充電された
電荷は抵抗１３を通して放電し、コンデンサ１９
の端子電圧の波形は第２図中のＣの如き波形とな
る。コンデンサ１９と抵抗１３から成る放電回路
の時定数はコンデンサ１９、抵抗１３の夫々の値
により予め与えられている。

内燃機関の低回転時に於ては、第２図に示され
る如く、パルサーコイル６から出力されるパルス
状の信号電流Ａの周期（図中ではトランジスタ８
のエミツタ電圧A′の周期に対応）が長いために
電流Ｂによつて充電されたコンデンサ１９の電荷
が放電を終了した後にトランジスタ８がオンする
こととなり、このため点火時期が変化することは
ない。内燃機関の高回転時に於ては、第３図に示
される如く、パルサーコイル６から出力されるパ
ルス状の信号電流の周期（図中トランジスタ８の
エミツタ電圧A′の周期）が短くなり、電流Ｂに
よつて充電されたコンデンサ１９の電荷が放電す
る際に、その放電が終了しない前に次の信号電流
Ａが発生し、このため電流Ａに係る波形A′とコ
ンデンサ１９の端子電圧の波形Ｃとが部分的に重
なる（Ｄの状態）ことになる。コンデンサ１９の
端子電圧はトランジスタ８のベース電位を定め、
他方電流Ａに係る起電力はトランジスタ８のエミ
ツタ電位A′を定めるので、波形A′（電流Ａに係る
もの）の値が波形Ｃの値よりも大きくなつたとき
にトランジスタ８をオンし、トランジスタ８の導
通によりサイリスタ１４のゲートにトリガ電流を
与える。従つて波形Ｃと波形A′とが重なつた時
間t₁の分だけトランジスタ８がオンするのが遅
れ、この時間t₁の分だけ点火時期が遅らされるこ
とになる。

上記のように本実施例ではパルサーコイル６は
電流Ａによつてサイリスタ１４のゲートに点火用
信号を与える信号源としての機能を有する。又パ
ルサーコイル６とサイリスタ１４のゲートとの間
に介設されたトランジスタ８はスイツチング作用
を有し、特に内燃機関の回転数が設定値以上にな
つたときに電流Ｂによつて充電されたコンデンサ
１９の端子電圧によるベース電位と電流Ａを流す
起電力によるエミツタ電位A′の大小関係が比較
され、エミツタ電位A′がベース電位Ｃよりも大
きくなるまでの間トランジスタ８のオン動作が遅
れるという作用を有し、コンデンサ１９の充放電
作用及びベース、エミツタ電位の大小関係に基づ
くトランジスタ８のスイツチング作用により点火
時期の遅角作用が形成される。以上の如くパルサ
ーコイル６からの電流Ｂを利用して上記トランジ
スタ８及びダイオード１８、コンデンサ１９、抵
抗１３から成る充放電回路により遅角回路が構成
される。

第４図に本考案の別実施例を示す。図中前記実
施例の回路要素と同一のものには同一の符号を付
している。この実施例では抵抗１０と抵抗１２、
コンデンサ１１の並列回路との中間点と接地との
間にツエナーダイオード２０とコンデンサ２１の
並列回路を設けると共に、他方ダイオード１８の
出力端と接地との間にコンデンサ１９に並列にツ
エナーダイオード２２を設けている。この回路に
よれば、第５図に示されるように電流Ａによるト
ランジスタ８のエミツタ電位がツエナーダイオー
ド２０によるツエナー電圧によつて制限されたコ
ンデンサ２１の充電電圧によつてA″の如く上縁
をカツトされた平坦上縁を有するパルス波形の状
態で与えられるため、高回転時に於てトランジス
タ８のベース電位に関する波形C′と重なる時に波
形A″が発生した後波形C′よりも大きくなるまで
の時間t₂が前記実施例の時間t₁よりも大きくな
る。この結果、トランジスタ８がオンＥする時
期、及び点火時期Ｆはより一層遅れることにな
り、延いては遅角量が大きくなる。遅角量が大き
くなるため急速に遅角動作を行わせることが出来
ることになる。尚、ツエナーダイオード２２によ
りコンデンサ１９の端子電圧、即ちトランジスタ
８のベース電位に係る波形C′もその上部をスライ
スされる。これはベース電位の変化を機関の回転
数に対応させることなく一定なものにせしめるた
めである。

以上の説明で明らかなように本考案によれば、
内燃機関の回転数に応じて急速な遅角動作を行わ
せることが出来ると共に、回路要素を削減して回
路の簡易化を達成することが出来ると云う効果を
発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は点火
装置の回路図、第２図は内燃機関の低回転時の回
路各部波形のタイムチヤート図、第３図は内燃機
関の高回転時の第２図と同様な図、第４図は別実
施例に係る第１図と同様な図、第５図は別実施例
について高回転時の回路各部の波形の関係を一部
拡大して示した図である。尚図面中、４は点火コイル、５は点火プラグ、
６はパルサーコイル、８は第２の半導体スイツチ
素子であるトランジスタである。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】点火コイルと、内燃機関の回転に同期して該点
火コイルの１次電流を制御する制御可能な半導体
スイツチ素子と、内燃機関が点火されるべき時期
に該半導体スイツチ素子の制御端子に点火用信号
を与える信号源を備えた内燃機関の点火装置に於
て、前記信号源は、極性が異なり所定の繰返し周期
を有する第１のパルス信号および第２のパルス信
号を発生し、第２のパルス信号を所定の傾斜角で
放電させる放電回路を備え、該放電回路の出力信
号と前記第１のパルス信号とを比較し、第１のパ
ルス信号の値が放電回路の出力信号の値を越える
ときに点火信号を出力することを特徴とする内燃
機関の点火装置。