JPS629533Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はVTRヘツド回転シリンダにヘツドチ
ツプ付のヘツドベースを位置決めして組付けるた
めの治具に関する。

周知の通り、VTRヘツド回転シリンダは、第
１図に示す如く回転シリンダ１の頭部に、２個の
ヘツドチツプ３付のヘツドベース２が止めネジ４
によつて取付けられる。このヘツドベース２の取
付けに際しては、治具によつて位置決めが行なわ
れる。

従来の回転シリンダ組立治具は、第２図に示す
ように回転シリンダ１挿入用開口部５ａを開設し
た回転シリンダ位置決めベース５と、ヘツドベー
ス２の案内面を形成し、かつヘツドベース２より
も大きい開口部６ａを開設したヘツドベース位置
決めベース６とから成つている。そしてヘツドベ
ース２の組付けに際しては、まず回転シリンダ位
置決めベース５の開口部５ａに回転シリンダ１を
挿入して位置決めし、そのベース５上にヘツドベ
ース位置決めベース６を載置し、開口部６ａの案
内面にてヘツドベース２を位置決めして止めネジ
により回転シリンダ１に取付けている。

しかし、前記の治具においては回転シリンダ位
置決めベース５の開口部５ａが回転シリンダ１の
外形寸法公差の最大よりも大きめに作られている
ため、回転シリンダの位置決め精度はよくない。
またヘツドベース位置決めベース６は回転シリン
ダ位置決めベース５に対して回転する構造となつ
ているため、その回転に伴なうガタによりヘツド
ベース２の位置決め精度もよくない。従つて前記
の治具においては高精度の組立てを行なうことは
困難であつた。

本考案は前記の点に鑑みて、回転シリンダにヘ
ツドチツプ付ヘツドベースを高精度で組付けでき
る回転シリンダ組立治具を提供したものである。

本考案は反転ベースと、該反転ベースの一面に
固定される基準ベースとから成り、基準ベースの
一面には回転シリンダの位置決めを行なえる案内
面をもつブロツクを固設し、かつ他面にはヘツド
ベースの位置決めを行なえる案内面を形成する開
口部を開設し、前記反転ベースの一面には回転シ
リンダを押える押えを設け、かつ他面にはヘツド
ベースを前記基準ベースの案内面に押し付ける腕
を設けたことを特徴とする。

以下、本考案の組立治具の一実施例を第３図お
よび第４図に基づいて説明する。本考案の組立治
具は治具取付ベースＦに対して軸９を支点に反転
しうる反転ベース７と、該反転ベース７の一面に
止めネジ１０により固定される基準ベース８とか
ら成つている。基準ベース８は、その一面に回転
シリンダ１の外周を当接させることにより位置決
めを行なえるＶ形案内面１１ａをもつブロツク１
１を固設している。該ブロツク１１は、その案内
面１１ａの中心線が回転シリンダ１に取付けられ
る２個のヘツドベース２の中心線と一致するよう
に配置されている。また基準ベース８は、その他
面にヘツドベース２の位置決め用案内面１２ａお
よび突起１２ｂを形成した開口部１２，１２を開
設している。該開口部１２，１２の一方の案内面
および突起と、他方の案内面および突起とは互に
逆の位置に設けられている。また基準ベース８
は、両開口部１２，１２の間にピン１３，，１３
を設けており、該ピン１３，１３は基準ベース８
の一面側に突出して、前記ブロツク１１にて位置
決めされる回転シリンダ１の孔に嵌合して、該回
転シリンダ１の回転を規制するものである。前記
反転ベース７は、その一面に回転シリンダ１を挿
入しうる略十字形をなした開口部１４を開設する
と共に、回転シリンダ１を押える押え１５と、該
押え１５をクランプするトグルクランブ１６を設
け、かつ他面には前記基準ベース８の各開口部１
２，１２内に置かれるヘツドベース２を、その案
内面１２ａおよび突起１２ｂに押し付ける腕１
７，１７をもつレバー１８，１８を設けている。
該レバー１８，１８は基端がピン１９により反転
ベース７に枢着され、かつ先端側がスプリング２
０により相互に連結されて、該スプリング２０の
バネ力によりピン１９を支点に開きうる構造とな
している。

尚、図中２１は反転ベース７を反転させるため
のハンドルを示す。次に本考案の組立治具によつ
て回転シリンダ１にヘツドチツプ付のヘツドベー
ス２を組付ける動作について説明する。まずシリ
ンダ押え１５を反転ベース７の開口部１４から遠
ざけた状態で、第３図に示す如く回転シリンダ１
を基準ベース８のブロツク１１の案内面１１ａに
押しつけるとと共に、基準ベース８のピン１３を
回転シリンダ１の孔に嵌入させる。その後シリン
ダ押え１５によつて回転シリンダ１を押えると共
に、シリンダ押え１５をトグルクランプ１６によ
つてクランプする。これによつて回転シリンダ１
は基準ベース８に位置決めされると共に、回転も
規制される。次にハンドル２１を操作して第４図
に示す如く反転ベース７を基準ベース８と共に軸
９を支点に反転させる。反転ベース７を反転させ
たら、基準ベース８の開口部１２，１２にヘツド
チツプ付のヘツドベース２を置き、レバー１８，
１８を矢印方向に動かして、その腕１７，１７に
より前記ヘツドベース２を案内面１２ａおよび突
起１２ｂに押し付ける。これによつてヘツドベー
ス２は位置決めされる。即ち回転シリンダ１の取
付個所に位置決めされ、止めネジによつて回転シ
リンダ１にネジ締めされる。ヘツドベース２のネ
ジ締め後、レバー１８，１８をはなすと、該レバ
ー１８，１８はスプリング２０のバネ力によつて
元の位置に復帰し、腕１７，１７はヘツドベース
２から離れる。そして反転ベース７を反転させて
第３図の状態に戻し、トグルクランプ１６のクラ
ンプを解除し、シリンダ押え１５を反転ベース７
の開口部１４から遠ざけることにより回転シリン
ダ１は取り出される。

以上の如く、本考案の回転シリンダ組立治具
は、回転シリンダ位置決めのための案内面をもつ
ブロツクとヘツドベース位置決めのための案内面
とを基準ベースに設けて、位置ずれの要因を除去
し、かつ前記ブロツクの案内面の中心線に２個の
ヘツドベースの中心が通るようにして回転シリン
ダの外形寸法公差の影響を除去したから、回転シ
リンダへのヘツドベースの取付け精度を大幅に向
上できる。また基準ベースは反転ベースに固定さ
せたので、ヘツドベースのネジ締めも簡単に行な
え、その作業性も良好となる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａはヘツドベースを取付けた回転シリン
ダの平面図、第１図ｂはその断面図、第２図ａは
従来の回転シリンダ組立治具を示す平面図、第２
図ｂはその断面図、第３図および第４図は本考案
の回転シリンダ組立治具の一実施例を示すもの
で、第３図はその平面図、第４図は治具を反転さ
せたときの平面図である。 １……回転シリンダ、２……ヘツドベース、７
……反転ベース、８……基準ベース、１１……ブ
ロツク、１１ａ……回転シリンダ位置決め用案内
面、１２……開口部、１２ａ……ヘツドベース位
置決め用案内面、１２ｂ……ヘツドベース位置決
め用突起、１３……回転シリンダ回転規制用ピ
ン、１５……回転シリンダ押え、１６……トグル
クランプ、１７……腕、１８……レバー、２０…
…スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースと、該ベースの一面に固定される基準ベ
   ースとから成り、基準ベースの一面には回転シリ
   ンダの位置決めを行なえる案内面をもつブロツク
   を固設し、かつ他面にはヘツドベースの位置決め
   を行なえる案内面を形成する開口部を開設し、前
   記ベースの一面には回転シリンダを押える手段を
   設け、かつ他面にはヘツドベースを前記基準ベー
   スの案内面に押し付ける手段を設けたことを特徴
   とする回転シリンダ組立治具。