JPS629430Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鉱山等の坑内で使用するダイナマイト
挿入用孔の穿孔機に関するものである。

坑内の穿孔作業には穿孔能率の向上、作業員の
肉体負荷の軽減や振動障害防止のために「ジヤン
ボー」即ち自走式穿孔機が近時用いられつつある
が、このジヤンボーは車輪付きの穿孔機部１と自
走車２とを連結してなり大型で全長が長いため、
第１図に示すように既設の坑道に対して直角方向
に新たな坑道を掘進する場合には使用できず、こ
の場合には従来のようにレツグドリルによつて穿
孔せざるを得なかつた。

本考案はこのような従来の欠点を解決し、穿孔
装置を軸回転式に支持されたターンテーブル上に
固設して水平方向に旋回可能に構成した穿孔機を
提供するものである。

以下本考案の実施例を図によつて説明する。

３は下面に少なくとも２本の角状筒４を平行に
固定した台状フレームで、該角状筒４内にはそれ
ぞれ油圧シリンダー５が挿入され、そのロツド
５′先端には基部が角状筒４内を密に摺動可能な
摺動体１５を取付けてその先端部は筒４一端外方
へ望ませアウトリガー６が立設してある。さらに
角状筒４他端には他のアウトリガー６が固設さ
れ、これらのアウトリガー６はシリンダー構造と
なつていてそのロツド下端に取付けられている接
地板１６を上下動することによりフレーム３を上
下に移動できるよう構成されている。

上記角状筒４の下側には該筒４と直角方向に少
なくとも２本の大きな断面Ｕ字形の樋７が平行に
取付け固定してある。

一方前記台状フレーム３中央部には軸受８によ
つて支持された大径の回転軸９が垂直方向に貫挿
突設され、該軸９頭端にはターンテーブル１０を
設置固定し、該テーブル１０は該軸９と共に水平
方向に回動可能となつている。なお、軸受８は例
えば第４図のようにフレーム３上に固定したイン
ナー８ａとターンテーブル１０側に固定したアウ
ター８ｂとの間に多数の鋼球を挿入してスラスト
軸受式に構成したり、また鋼球の代りに環状レー
ルをフレーム３上に設置して、テーブル１０下面
が該レールに嵌合しながら回動できるよう構成し
てもよい。

ターンテーブル１０上には従来と同様の穿孔装
置本体Ａが設置されている。即ち、１１は各種シ
リンダーの作動により上下・左右に自由に旋回で
きるよう構成された１本又は複数本のブームで、
該ブーム１１にはそれぞれ先端に穿孔用ビツトを
備えたロツド１２を支持するガイドシエル１３が
取付けられ、穿孔装置本体Ａに設けられた操作レ
バー１４の操作により坑内壁の所望個所にビツト
を当てて穿孔できるようになつている。また、操
作レバー１４は前記角状筒４内のシリンダー５並
びにアウトリガー６を作動するようになつてい
る。

なお、軸受８ないし回転軸９にはロツク機構を
設けて、ターンテーブル１０の旋回時にはロツク
を解除し、穿孔作業中はターンテーブル１０が動
かないよう固定する必要があり、またこれに代え
てフレーム３内にトルクアクチユエーター（図示
せず）を置設して回転軸９と接続し、ターンテー
ブル１０を自由に旋回・固定できるようにしても
よい。

しかして、本考案機を穿孔現場へ運搬するに
は、一般のフオークリフト車のフオークを前記Ｕ
字樋７内に挿入して持上げ移動させればよく、穿
孔現場に到着したときは該Ｕ字樋７を接地させた
後、アウトリガー６を伸長させることにより本機
全体の自重で固定され、ターンテーブル１０を旋
回させることによつて所定の穿孔個所に自由に穿
孔作業を行なうことができるのである。

さらに、本考案機は上記Ｕ字樋の接地後、全体
を水平方向へ多少変位させることもできる。即
ち、角状筒４内のシリンダー５を作動させて筒４
内に収容された摺動体１５を筒４外へ伸した後、
該摺動体１５先端のアウトリガー６を伸長させ、
次いで上記シリンダー５を逆作動することにより
Ｕ字樋７下面で地面を滑らせて摺動体１５が伸長
した側へ引寄せ移動させるのである。

なお、本考案機におけるＵ字樋７に代えてフレ
ーム３に車輪を取付ければ、フオークリフト車を
使用することなく通常の車輌により本機を牽引搬
送して穿孔現場まで移動させることができ、さら
に本機をひんぱんに移動させる必要がある場合に
は本機自体に自走装置を設置してもよい。

以上のように、本考案の穿孔機によれば既設の
坑道に対して直角方向に新たな坑道を掘進するに
当つてダイナマイト挿入用孔を穿孔する場合で
も、従来のようにレツグドリルを使用する必要が
ないので穿孔能率が向上し、作業員の疲労が軽減
されると共に振動障害も防止され、さらに数台の
本考案機も一台のフオークリフト車等の駆動車輌
があれば移動させることができるので従来のジヤ
ンボーに比してその経済性が大巾に改善され、鉱
山のみならず一般土木工事等にも有効に使用でき
る等広範な利用が可能となる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は坑道内の従来のジヤンボーを示す平面
図、第２図は本考案に係る穿孔機の一例を示す正
面図、第３図は同平面図、第４図は同斜視図であ
る。 符号説明、１……穿孔機部、２……自走車、３
……台状フレーム、４……角状筒、５……シリン
ダー、６……アウトリガー、７……Ｕ字樋、８…
…軸受、９……回転軸、１０……ターンテーブ
ル、１１……ブーム、１２……ロツド、１３……
ガイドシエル、１４……操作レバー、１５……摺
動体、１６……接地板、Ａ……穿孔装置本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フレーム中央部に軸受によつて支持された回転
   軸を突設し、該軸頭端には穿孔装置本体を載設し
   たターンテーブルを設置した穿孔機において、上
   記フレーム下面には少なくとも２本の角状筒を平
   行に取付けて各筒内にシリンダーを挿入し、該シ
   リンダーのロツド先端にはそれぞれ角状筒内を摺
   動可能な摺動体を取付けてその先端部は筒外へ臨
   ませてシリンダー構造のアウトリガーを立設する
   と共に筒他端にもそれぞれシリンダー構造の他の
   アウトリガーを立設してなることを特徴とする穿
   孔機。