JPS62875Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、紙や鋼板等を剪断加工するスリツ
ターナイフ、サイドトリマカツタ等の環状の回転
加工工具に係り、特に切刃部分が超硬合金により
構成されている回転加工工具に関する。

この種の回転加工工具は、外周側の部分が切刃
として利用される環状のもので、従来では超硬合
金の一体成形品、いわゆるソリツドタイプのもの
とされていた。このため、切刃として利用される
外周側の部分1aから徐々に損耗が進み、予め使用
限界として設定してある工具廃棄径に到達した場
合、一体成形品としての回転加工工具全体を廃棄
処分せざるを得なかつた。ところが、このように
高価な超硬合金製品を使いきることなく、それ自
身をその全体に対する小さな損耗のために廃棄す
るということは、きわめて大きなロスであつた。
また切刃として利用されない部分をも含めて全体
を超硬合金で作つていたため、価格の高いもので
あつた。

この考案は、以上の点を考慮してなされたもの
で、それ自体の単価を安くし得、しかも廃棄径に
達した場合、部分的に交換して廃棄割合を小さく
抑えロスを小さくすることができ、これにより工
具経費全体のコストダウンを図ることができる回
転加工工具を提供することを目的とする。

この考案はその目的を達成するため、それ自体
を外周側の超硬合金製切刃リングおよび内周側の
超硬合金以外の材料製の台金リングの結合体とし
て、外周側の切刃リングだけを交換できるように
したものである。

以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて
説明する。第２図はこの考案の回転加工工具の正
面図、第３図は断面図である。これらの図に示す
ように、この回転加工工具はシヤフト（図示せ
ず）に嵌合されて用いられる環状のもので、外周
側の切刃リング１と内周側の台金リング２との結
合体として構成されている。切刃リング１は超硬
合金に成形品であり、その内周面１ａは波形のな
だらかな凹凸形状に形成されている。そして、そ
の凹部の最大谷径Ａは、予め定められた工具廃棄
径Ｂより若干小さくされている。また、台金リン
グ２は前記の超硬合金より安価な炭素鋼や台金鋼
により作られ、その外周面２ａが前記切刃リング
１内周面１ａの凹凸形状に合致するよう凸凹形状
に形成され、切刃リング１の内周に嵌合されてい
る。なお、台金リング２は、切刃リング１の側面
を仕上げする場合の便宜を計つて、切刃リング１
より幅が狭く形成され、両側部にすき間ａをあけ
て嵌合されている。そして、嵌合部は焼ばめ、あ
るいは接着等の接合手段によりずれが生じないよ
うに接合されている。

そして、上記構成の回転加工工具は、加工に供
されることによつて外周側から徐々に損耗が進み
最終的に工具廃棄径Ａに到達するが、そうなつた
場合、切刃リング１と台金リング２の結合を解い
て、切刃リング１のみ廃棄し、そして新たなもの
と交換する。この場合、既存の台金リング２を再
利用し、これに新たな切刃リング１を嵌合して結
合し、再度回転加工工具を構成するのである。

なお、上記実施例においては、切刃リング１の
内周面１ａおよびそれに嵌合される台金リング２
の外周面２ａを波形に形成したものについて示し
たが、キー式、スプライン式に凹凸形状を構成し
てもよい。

以上説明したように、この考案によれば、工具
廃棄径まで損耗が進んだ場合に、外周側の切刃リ
ングのみ交換し、台金リングは再利用できるよう
にしたので、廃棄の際のロスが少なくてすみ、し
たがつて工具経費の削減が計れる。

また、この考案にあつては、切刃として利用さ
れない部分である台金リングを超硬合金以外の材
料で構成したので、それ自体の単価も安くするこ
とができる。

さらに、この考案にあつては、切刃リングと台
金リングの各内外周面を凹凸形状にして嵌合して
あり、かつその嵌合部で両リングを接合してある
ので、ずれが生じず、強固な一体性を確保できる
等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図は正
面図、第２図は断面図である。 １……切刃リング、１ａ……内周面、２……台
金リング、２ａ……外周面、Ａ……凹部の最大谷
径、Ｂ……工具廃棄径。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シヤフトに嵌合されて用いられるスリツタナイ
   フ、サイドトリマカツタ等の環状の回転加工工具
   において、それ自身が外周側の超硬合金製の切刃
   リングと内周側の超硬合金以外の材料製の台金リ
   ングの結合体とされており、切刃リングはその内
   周面が凹凸形状に形成されるとともに、その凹部
   の最大谷径が予め定められた工具廃棄径より小さ
   くされており、台金リングはその外周が前記切刃
   リングの内周面の凹凸形状に合致する凹凸形状と
   されて、切刃リングの内周に嵌合されており、し
   かもその嵌合部において前記両リングは接合手段
   により接合されていることを特徴とする回転加工
   工具。