JPS628727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は履物用の半張り底板、かかと板、補
強片板などの張着構造の改良に関する。

従来、この種張り底板として底板の張着面に接
着料を塗布して離型紙を添着したものはあつた
が、離型紙を剥いで履物底板に張着したとき、こ
の底板は離型紙によつて保護されてきた薄い接着
料層に接着支持されて履物底面に張着されている
ため、その接着力は極めて弱く、従つて、張着後
接着料が完全に乾くまでは緊圧状態を保持するこ
とが必要であり、特殊な用具で機械的に乾燥緊着
させ、また釘打ちなどにより履用に供してきたも
ので、一般素人には非常に煩雑な張り替え作業で
あつた。

そこで、この考案はこれらの欠点を解消して一
般家庭でも容易に且つ迅速に、しかも鞏固に張着
することができる履物用張り底板を開発したもの
で、任意の資料から成る底板の張着面に塗布した
粘着料中全面に亘り芯膜板を介在させ、その粘着
料層上に剥離紙を添着して成ることを特徴とす
る。

この履物用張り底板の具体的な一実施例を図面
を用いて説明すると、１は靴用半張り底としての
底板で、ゴム・合成樹脂等の資料から成る屈撓性
ある板体に形成し、その張着面に難乾性の粘着料
２を塗布して極めて薄い芯膜板４を添わせ、更に
粘着料２を塗布して粘着料２層中に芯膜板４を介
在させた状態とし、その上に剥離紙３を添着して
張り底板を構成する。

この履物用張り底板を靴底７に張着するについ
ては、ブラシ等で掻き拭つた靴底７に直接または
クロロプレン等のゴム系接着料６を塗布して少し
乾かし、その面に剥離紙３を捲りとつた底板１の
粘着料２面を接合し手で押圧して緊着させる。

芯膜板４として和紙などの不織布または編織布
から成る滲透性ある膜板を用いて介在させた構成
では、粘着料２がこの芯膜板４を滲透して表裏両
面に連続して臨ませることができるため、粘着料
２の接着力を一層強くすると共に、粘着料２内へ
の芯膜板４の均等な介在構成が簡易に為し得られ
る。

底板１と粘着料２との間にクロロプレン等のゴ
ム系の接着料５を塗布介在させた構成では、接着
料５で比較的硬い滑面を有する底板１接面を覆つ
て粘着料２が馴染み易くさせているため、粘着料
２による張着支持力を増強する効果がある。

このように履物用張り底板に塗布せる粘着料を
剥離紙で貼着保護して、使用の際摩耗した履物底
面に剥離紙を捲りとつた底板を簡易に張着して履
用に供するものであるが、この考案にあつては特
に張り底板の張着面に塗布された粘着料の接着力
を強化させるために、極めて薄い芯膜板を粘着料
層中に介在させた点に特徴があり、この芯膜板の
屈撓性ある扁平な広い表裏面が粘着料層中で全面
に亘り連続した中継支持面となつて、粘着料に強
い接着力を付与するため、張着後直ちに履用する
ことができ、しかも永い履用中容易に剥離する虞
れなく完全である等の効果がある。

この張着構成から特殊な用具を使わずに一般家
庭においても容易に且つ迅速確実に履物の底板を
張替えすることができる実益がある。

さらに、履物の底面側にゴム系の接着料を塗布
して底板の粘着料面を張着することにより、接着
料に含まれている溶剤で粘着料を融和凝固させて
粘着料の張着支持力を一層強くさせるため、履物
底への鞏固な張着が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施せる履物用張り底板の
側面図、第２図は同上要部の拡大縦断面図、第３
図は他の実施例を示す要部の縦断面図、第４図お
よび第５図はいずれも靴底への張着状態を示す要
部の縦断面図である。 図中、１は底板、２は粘着料、３は剥離紙、４
は芯膜板、５は接着料を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 任意の資料から成る底板の裏面に塗布した粘
   着料中全面に芯膜板を介在させ、該粘着料層上
   に剥離紙を添着して成る履物用張り底板。 ２ 前記芯膜板が滲透性ある膜板から成る実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の履物用張り底
   板。 ３ 前記底板と粘着料層との間に接着料を介在さ
   せた実用新案登録請求の範囲第１項または第２
   項記載の履物用張り底板。