JPS628621Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、映像の輝度変化部分に相当する時に
輪郭補償用信号を発生して映像信号に加え、映像
の輪郭をくつきりさせるように補償する輪郭補償
装置に関する。

従来例の構成とその問題点 従来の輪郭補償装置について第１図と共に説明
する。

第１図において、INは映像信号の入力端子、
１，２は遅延時間Ｔの遅延回路、３，５は加算
器、４は減算器、６は輪郭補償用信号作成回路で
ある。第２図Ａ〜Ｆは第１図各点における波形図
である入力端子INより供給される映像信号Ａは
遅延回路１を通過させて1T遅延映像信号Ｂと、
さらに遅延回路線２を通過させて2T、選延映像
信号Ｃとし、入力端子INより共給される映像信
号Ａと2T遅延映像信号Ｃとを加算器３で加算
し、かつ振幅を半分にして信号Ｄとし、これを
1T選延映像信号Ｂから減算器４で減算して輪郭
補償用信号Ｅを得る。このように輪郭補償用信号
作成回路６は、入力端子INより供給される映像
信号Ａに対応した輪郭補償用信号Ｅを得る。この
輪郭補償用信号Ｅと、遅延線１を通過した1T遅
延映像信号Ｂとを加算器５で加算して輪郭補償し
た出力映像信号Ｆを出力端子OUTに得ている。
この輪郭補償は、たとえば黒から白へ急に立上が
り、あるいは白から黒へ急に立ち下がる入力映像
信号Ａに対して輪郭の部分で黒をより黒く、白を
より白くするようにして輪郭を強調している。

次にこのような輪郭補償装置の周波数特性を第
３図とともに説明する。第３図ａは、入力映像信
号Ａの周波数特性、同図ｂは映像信号Ａに対応し
た輪郭補償用信号Ｅの周波数特性、同図ｃは輪郭
補償をした映像信号Ｆの周波数特性である。この
ように輪郭補償用信号Ｅは、映像信号Ａの輪郭部
分である高域成分のみを強調しているものであ
る。したがつて輪郭補償をした映像信号Ｆの周波
数特性Ｃは、高域の振幅が上がつた特性となり、
このために、この高域の部分に多い周波数の高い
雑音が強調されることになり、画質を低下させる
ことがある。すなわち、輪郭補償量を増加するほ
ど高域の雑音成分の振幅も増し、Ｓ／Ｎ比が低下
するので、画面全体の雑音が目立つてくる。この
ため第１図の装置では輪郭補償量をあまり大きく
することができない欠点があつた。

一方、この欠点を解消するものとして、輪郭補
償することにより強調される雑音をノイズクリツ
プ回路によりクリツプし、視覚的なＳ／Ｎ比の低
下を防止するのが考案された。その構成と動作を
第４図〜第６図と共に説明する。ここで６は第１
図に示したものと同様の映像信号Ａに対応した輪
郭補償信号を得る輪郭補償用信号作成回路、７は
ノイズクリツプ回路で、ノイズクリツプ回路７の
具体的な構成を第５図に示す。ダイオード８，９
でクリツプ回路を構成し、可変抵抗器１０でクリ
ツプレベルを調整する。第６図Ｇ，Ｈは第４図中
の各点の波形図である。輪郭補償用信号作成回路
６からの輪郭補償用信号Ｇの基底部分G′をノイ
ズクリツプ回路７でクリツプし、第６図Ｈのよう
に大振幅の輪郭補償用信号のみを取り出してい
る。しかし、輪郭補償用信号Ｇにふくまれている
雑音は輪郭補償量を増加するほど増し、基底部分
G′の雑音の振巾は大きくなつてしまい、したが
つてクリツプレベルを大きくしなければならない
ことになる。すると、クリツプレベルが大きいか
ら、小振幅の輪郭補償信号がまつたく利用できな
くなり、さらに、クリツプレベル内の輪郭補償用
信号も雑音とともにクリツプされてしまい、輪郭
補償用信号のレベルが小さくなるという欠点があ
つた。

考案の目的 本考案はかかる従来の欠点を全て解消し、輪郭
補償をしても雑音成分まで強調することがなく、
良好な画質の映像を再生することのできる輪郭補
償装置を提供することを目的とするものである。

考案の構成 本考案は、映像信号とこの映像信号を１水平期
間だけ遅延した信号とを加算して雑音を低減する
雑音低減回路と、前記雑音低減回路の出力から輪
郭補償信号を作成する輪郭信号作成回路と前記輪
郭信号の低レベルの雑音をクリツプするノイズク
リツプ回路とを直列に接続し、前記ノイズクリツ
プ回路の出力信号と前記映像信号とを加算する加
算回路を設けることにより、大きな振幅の輪郭補
償用信号により映像の輪郭をはつきりさせること
ができ、高域成分に含まれる雑音を少なくして
Ｓ／Ｎ比のよい映像信号を出力することができる
ものである。

実施例の説明 以下、本考案の一実施例について第７図と共に
説明する。なお、第７図中において従来と同様の
部分については第１図中と同一符号を付して説明
を省略する。

第７図において１１はＴの遅延時間をもつ遅延
回路、１２は1Hの遅延時間をもつ遅延回路、１
３，１４は加算器、６は第１図中と同様の輪郭補
償用信号作成回路であり、輪郭補償用信号作成回
路６の後にノイズクリツプ回路７を設けてある。

まず、入力端子INより供給された入力映像信
号と、1H遅延回路１２を通過した1H選延映像信
号とを加算器１３において加算し、加算された信
号を輪郭補償用信号作成回路６に加えて、その出
力に入力映像信号に比してＳ／Ｎがほぼ3dB改善
された輪郭補償された映像信号を得る。さらにこ
の輪郭補償用信号からノイズクリツプ回路７によ
りさらにその雑音分を除去するようにしている。

このようにＳ／Ｎ比を良くすることができるの
は、入力映像信号と、1H遅延回路１２を通過し
た1H遅延映像信号とはほぼ同じ波形であるが、
入力映像信号と1H遅延映像信号にふくまれてい
る雑音はランダムであるため、この入力映像信号
と1H遅延映像信号とを加算器１３で加算した場
合、映像信号分は同じ波形であるから6dB増加す
るのに対し雑音分はランダムであるからほぼ3dB
の増加にとどまり、3dBの差ができてＳ／Ｎ比が
3dB改善されることになるためである。

そして、本実施例によればこのように、輪郭補
償用信号の基底部分にふくまれている雑音軽減回
路によりほぼ3dB低下させているのでクリツプレ
ベルをより小さくすることができ、クリツプレベ
ル内にふくまれてしまう輪郭補償用信号を少なく
でき、ノイズクリツプ回路７を介することによ
り、従来の輪郭補償装置より大きな振幅の輪郭補
償用信号を得ることができるものである。

考案の効果 本考案は入力信号とこの入力信号を１水平期間
だけ遅延した信号とを加え合わせて雑音を軽減す
る回路を、輪郭補償用信号作成回路、およびノイ
ズクリツプ回路と直列に接続し、ノイズクリツプ
回路で得られた輪郭補償用信号を入力映像信号に
加え合わせて輪郭補償した映像信号を出力するも
のであるので、入力映像信号の高域成分を抽出し
た大きな振幅の輪郭補償用信号によつて映像の輪
郭をはつきりさせるように輪郭補償を行なうこと
ができ、かつ、このような輪郭補償を行なう場合
でも高域成分に含まれる雑音を少なくすることが
できるのでＳ／Ｎ比のよい映像信号を出力するこ
とができ、良費の映像を得ることができるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の輪郭補償装置のブロツク線図、
第２図は同装置の動作を説明するための波形図、
第３図は同装置の動作を説明するための特性図、
第４図は従来の他の輪郭補償装置のブロツク線
図、第５図は同装置の要部の具体的な回路図、第
６図は同装置の動作を説明するための波形図、第
７図は本考案の一実施例における輪郭補償装置の
ブロツク線図である。 IN……入力端子、OUT……出力端子、６……
輪郭補償用信号作成回路、７……ノイズクリツプ
回路、１１……遅延回路、１２……1H遅延回
路、１３……加算回路、１４……加算回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 映像信号とこの映像信号を１水平期間だけ遅延
   した信号とを加算して雑音を低減する雑音低減回
   路と、前記雑音低減回路の出力から輪郭補償信号
   を作成する輪郭信号作成回路と、前記輪郭信号の
   低レベルの雑音をクリツプするノイズクリツプ回
   路とを直列に接続し、前記ノイズクリツプ回路の
   出力信号と前記映像信号とを加算する加算回路を
   設けたことを特徴とする輪郭補償装置。