JPS628570B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 過去20年間において、配管工事はプラスチツク
製のパイプ、排水器具、取付具の導入によつて大
きく改革されてきた。プラスチツク製品は、軽量
であること、作業が簡単であること、そして、
種々のパイプや取付具を連結するのに簡単なプロ
セスで行なうことができること等の利点を有して
いる。これらの性質のために、多くの配管工事の
作業は、極めて単純化された。しかしながら、プ
ラスチツク製の配管製品を使用することは以下の
欠点を有している。プラスチツク製品の最も大き
な且つ重大な欠点は、種々の配管製品を簡単に連
結することを可能にしたその方法が、同時にこれ
ら製品を永久的に一体化してしまう点である。ネ
ジ式とせず、すなわちハンダ付けとすることもで
きる従来の金属製配管固定装置と違つてプラスチ
ツク製の取付具は、一担連結されるとそれは永久
結合となつてしまつていた。従つて、プラスチツ
ク製品は非常に使い易いものではあるが、それら
の使用に際して失敗をするとその補修が極めて困
難なものとなつていた。

例えば、床用の排水器具を排水パイプに取り付
ける際には、通常床用排水器具を排水孔の中に機
械的、例えばネジ式に取り付け、そして排水パイ
プを排水器具取付具の内側ストツプフランジに突
き当たるまで挿入する。一担排水パイプと排水器
具取付具とを接着剤又は溶剤を使つて連結してし
まうと、一方又は両方を壊さない限り、実際上両
者を分離することはできない。これらの部品が連
結された後、両者の密封が充分でなかつたことが
発見された場合には、その水漏れを補修するため
には、排水パイプ端部における排水器具取付具全
部を取り替えなければならない。このために、排
水器具取付具に隣接する部分から排水パイプを切
断し、排水器具取付具を取り除き廃棄しなければ
ならない。

本発明は、総括的に、取付具と排水パイプとの
間の機械的な結合が損なわれていることが発見さ
れた時、第２の密封部材を受け入れるようにした
排水器具取付具に関する。排水器具は、その外周
に外ネジの形成されたシリンダ状の排水器具本体
と、該本体から半径方向外側に向つて延び床面と
同一平面をなすフランジとを有する。床の下面と
係合するナツトが、排水器具本体の外ネジに螺合
されている。排水器具本体は、水パイプの上端を
受け入れるようになされた下方孔部分を含んでお
り、該パイプはその中に接着剤等によつて固定さ
れる。多数のストツプ肩部が、排水パイプの上方
への位置決めを規制するため下方孔部分の上端か
ら内側に向つて延びている。排水パイプの上端面
のかなりの部分は、ストツプ肩部によつて露呈す
るように保持される。従つて、密封ビードは、排
水器具組立体を密封すべく下方孔部分との接合部
において上記排水パイプの上端面に配設される。
従つて、接着剤による密封が損なわれた場合であ
つても、密封ビードを用いて水密な組立体を形成
することが可能である。その結果、排水器具取付
具を廃棄したり、取付作業を重複して行なつたり
することによるコストを防止しつつ、排水器具
取付具の水漏れを補修することが可能となる。

以下、図面を用いて本発明の排水器具について
詳細に説明する。

図面を参照すると、本発明はシヤワー室や風呂
場等の床に固定されるようにした排水器具からな
つている。排水器具は、シリンダ状の排水器具本
体１１を含んでおり、その上方部分の周囲には外
ネジが設けられている。フランジ１３が、排水器
具本体の上端から半径方向外側に向つて延びてい
る。このフランジ１３は、床１４の上面と同一平
面をなすようになつている。ナツト１６が排水器
具本体１１の上端部に螺合される。このナツト
は、床１４の下面に押接されそれとの間に水密シ
ールを形成すべくガスケツト１７及びワツシヤ１
８を押圧する。

排水器具本体１１は、外ネジの設けられた上方
部分よりも直径の小さな同心状の下方孔部分１９
を含んでいる。排水器具本体１１の下方孔部分１
９には、排水パイプ２１の外径よりもわずかに大
きな直径の内孔が設けられている。この下方孔部
分１９は、排水パイプ２１の上端部をすべり嵌め
状に受け入れるようになされている。従来周知の
如く、溶剤又は接着剤が、排水パイプの上端部の
周囲及び／又は排水器具本体１１の下方孔部分１
９の内周面に均一に塗付される。しかる後、排水
パイプ２１の上端部が下方孔部分１９内に挿入さ
れると、接着剤は両者の間を機械的に永久結合さ
せる。

本発明の顕著な特徴は、下方孔部分１９の上端
からほぼ半径方向内側に向つて多数のストツプ肩
部２２が設けられている点である。ストツプ肩部
２２は排水パイプ２１の上方への運動を規制する
ものである。さらに、第５図に明確に図示されて
いる如く、ストツプ肩部２２は排水パイプ２１の
肉厚よりも短かい距離だけ内側に向つて延びてい
る。その結果、排水パイプ２１の上端面のほとん
どは露呈しており且つ排水器具本体の上方部分を
通つて近づくことができる。排水パイプ２１の露
呈した上端面は、密封ビード２３又は接着剤を載
置する横方向の平面を提供する。そして、排水パ
イプ２１の上端面と下方孔部分１９の内側壁とに
接触する密封ビード２３は、それらの周囲に連続
的な水密シールを提供する。

前述した如く、排水パイプ２１の排水器具本体
１１の下方孔部分１９の孔への連結は接着剤又は
溶剤によつて行なわれる。この機械的な結合は、
下方孔部分１９と排水パイプ２１との間に水密シ
ールを与える。しかしながら、下方孔部分１９と
排水パイプ２１との間の密封が完全でなかつた場
合、従来技術においては排水器具本体１１を取り
除かなければならなかつた。本発明においては、
排水パイプ２１を排水器具本体１１に密封するた
め排水パイプの横方向の上端面の周囲に接着剤又
は溶剤からなるビード２３を置く。ストツプ肩部
２２が排水パイプ２１の肉厚より短かい距離だけ
内側に向つて延びているという事実とあいなつて
各ストツプ肩部２２がわずかな角度だけ傾斜して
いるため、密封ビード２３は、確実に下方孔部分
１９と排水パイプ２１との接合部の周囲に連続的
に延び、両者の間に水密シールを与える。従つ
て、本発明においては、特にストツプ肩部２２
は、プラスチツク製の配管用取付具について従来
技術が持つていた共通の問題点を解決することが
できたのである。さらに、本発明は、プラスチツ
ク製取付具の取付けにおける失敗率を格段に改善
する結果をもたらす。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る排水器具組立体の斜視
図であり、典型的な床における取付け状態を示し
ている。第２図は、本発明に係る排水器具組立体
の縦断面図である。第３図は、本発明に係る排水
器具組立体の構成要素の分解図である。第４図
は、典型的な取付け状態における本発明に係る排
水器具組立体の平面図である。そして、第５図
は、排水パイプと本発明のストツプ肩部との係合
状態を示す拡大縦断面図である。 １１……排水器具本体、１２……外ネジ、１３
……フランジ、１４……床、１６……ナツト、１
７……ガスケツト、１８……ワツシヤ、１９……
下方孔部分、２１……排水パイプ、２２……スト
ツプ肩部、２３……密封ビード。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外周に外ネジが形成せしめられた上方部分と
   排水パイプの上端を受け入れるようになされてお
   り上記排水パイプがその中に接着剤等により固定
   されている下方孔部分とを有するシリンダ状の排
   水器具本体； 上記排水器具本体の上端から半径方向外側に向
   つて延び床面と同一平面をなすフランジ； 上記床の下面と係合する上記排水器具本体の外
   ネジに螺合されたナツト； 上記排水パイプの上方への位置決めを規制し該
   排水パイプの上端面が露呈するようにした上記下
   方孔部分の上端から内側に向つて延びるストツプ
   肩部手段；そして、 上記上端面と上記下方孔部分との接合部に配設
   され、上記排水パイプ組立体と上記下方孔部分と
   の密封を行なう密封ビード手段； を含んで構成されてなる床用の排水器具。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載の排水器具にお
   いて、 上記ストツプ肩部手段が、上記下方孔部分内に
   半径方向内側に向つて延び円周方向に間隔をあけ
   た多数のストツプ肩部であるようにされた排水器
   具。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載の排水器具にお
   いて、 上記ストツプ肩部が、上記排水パイプの肉厚よ
   り短かい長さだけ内側に向つて延びているように
   された排水器具。 ４ 特許請求の範囲第２項に記載の排水器具にお
   いて、 上記ストツプ肩部が、上記下方孔部分の軸にほ
   ぼ直角な平面内に延びる下方表面を含むようにさ
   れた排水器具。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載の排水器具にお
   いて、 上記ストツプ肩部のそれぞれが、上記下方表面
   の内側終端から上記下方孔部分に向つて内側且つ
   外側に向つて斜めに延びる上方表面を含むように
   された排水器具。 ６ 特許請求の範囲第１項に記載の排水器具にお
   いて、 上記密封ビード手段が、上記接合部の周囲に連
   続的に延びる自己接着性の密封用コンパウンドで
   あるようにされた排水器具。