JPS62849Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、交流電源に、ボルトを締結する直巻
整流子電動機と、サイリスタと、前記直巻整流子
電動機に流れる電流を検出し、信号電圧を発生す
る電流検出器とを直列に接続し、前記信号電圧を
トルク設定器により設定された設定電圧と比較す
る比較器を設け、前記信号電圧が前記設定電圧よ
り大きくなつた時に前記比較器からの信号により
前記サイリスタを断にして、前記直巻整流子電動
機への交流電源からの給電を遮断する定トルク締
結制御装置の改良に関するものである。

従来の定トルク締結制御装置においては、直巻
整流子電動機の回転子やボルトソケツト等の回転
系の慣性による締結トルクのばらつきを防ぐため
に仮締したあと本締を行なう場合、仮締、本締と
２度にわたつてトルク設定器を調整しなければな
らないわずらわしさがあつた。特に本締の場合
に、締結トルク値を一定に管理しようとする場合
には、本締作業前にその都度トルク計でトルク設
定器の調整をしなければならない。

本考案は仮締の設定電圧と本締の設定電圧の設
定をスイツチで切換できるようにして、仮締、本
締のトルク設定の調整を容易にすることを目的と
する。すなわち本考案は、本締の際にボルトが所
要の締結トルクで締結されるようトルク計でトル
ク設定器の位置を調整し、仮締の時は設定値の50
〜80％程度で締結されるようスイツチを入もしく
は断にして設定電圧を下げ、本締の時は切換スイ
ツチを断もしくは入にして設定電圧を元の状態に
し、簡便な操作でボルトを仮締、本締の２度にわ
たり締結できるようにしたものである。

第１図は本考案による定トルク締結装置の一実
施例のブロツク図である。図において１は交流電
源、２はトリガースイツチ、３は直巻整流子電動
機、４はサイリスタ、５は電流変成器あるいは抵
抗器により構成され、直巻整流子電動機に流れる
電流を検出し、信号電圧を発生する電流検出器、
６、７、８は抵抗器、９は仮締の際、抵抗器６を
シヨートさせ設定電圧を下げるためのスイツチ、
１０は設定電圧をボルト所要の締結トルクに応じ
た値にするために調整する可変抵抗器、１１は抵
抗器６、抵抗器７、抵抗器８、スイツチ９、可変
抵抗器１０により構成されるトルク設定器、１２
は電流検出器５からの信号電圧とトルク設定器１
１の設定電圧を比較する比較器、１３は比較器１
２からの信号により位相制御回路１４の動作をと
め、サイリスタ４を遮断させる停止信号発生回路
である。なお、１５はトリガースイツチ２を投入
したあと、位相制御回路１４を制御し、電動機３
をソフトスタートさせるためのソフトスタート信
号発生回路である。

次に動作について説明する。トリガースイツチ
２を投入すると、ソフトスタート信号発生回路１
５により電動機３に流れる起動電流が抑制されな
がら、直巻整流子電動機３が起動する。直巻整流
子電動機３が起動するとボルトの締結が始まり、
ボルトが徐々に締結されて行くと、負荷の増大に
伴い直巻整流子電動機３に流れる電流が徐々に増
加してゆく。そして、電流検出器５からの信号電
圧がトルク設定器１１で設定される設定電圧より
大きくなると、比較器１２から信号が出て停止信
号発生回路１３を動作させ、位相制御回路１４の
動作をとめ、サイリスタ４を断にして、直巻整流
子電動機３への交流電源１からの給電を遮断す
る。これによりボルトはトルク設定器１１で設定
されるトルクで締結される。上記においてトルク
設定器１１の設定電圧は可変抵抗１０とスイツチ
９によつてかえられる。

仮締の時はスイツチ９を入にし（抵抗器６をシ
ヨートする）、本締の時はスイツチ９を断にして
（抵抗器６をシヨートさせない）締結作業を行な
う。ここで抵抗器６の値は仮締時の締結トルクを
本締時の何％程度にするかによつて決定される。

以上のように、本考案によれば仮締前にボルト
所要の締結トルクに応じた設定電圧をトルク設定
器で調整でき、仮締の際はスイツチを操作するだ
けの簡便な操作で仮締のトルクを本締の数10％に
設定できるので、仮締から本締、本締から次のボ
ルトの仮締へと移る締結作業の切換がスムーズに
できる。また本締のトルク設定のために可変抵抗
器を頻繁に動かさないので、可変抵抗器による設
定値の信頼性も向上する。

第２図は本考案の変形例を示すトルク設定器の
回路図である。

この場合、第１図の抵抗器６のかわりに可変抵
抗器１６を使つた点が異つている。この場合に
は、仮締の締結トルクの値を自由に変えられると
いう利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による定トルク締結制御装置の
一実施例を示すブロツク図、第２図はトルク設定
器の他の実施回路例を示す回路図である。 図において、１は交流電源、３は直巻整流子電
動機、４はサイリスタ、５は電流検出器、９はス
イツチ、１０は可変抵抗器、１１はトルク設定
器、１２は比較器、１３は停止信号発生回路、１
４は位相制御回路、１５はソフトスタート信号発
生回路、１６は可変抵抗器である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 交流電源に、ボルトを締結する直巻整流子電
   動機と、サイリスタと、前記直巻整流子電動機
   に流れる電流を検出し、信号電圧を発生する電
   流検出器とを直列に接続し、前記信号電圧をト
   ルク設定器により設定された設定電圧と比較す
   る比較器を設け、前記信号電圧が前記設定電圧
   より大きくなつた時に前記比較器からの信号に
   より前記サイリスタを断にして、前記直巻整流
   子電動機への交流電源からの給電を遮断するも
   のにおいて、前記トルク設定器を抵抗器と可変
   抵抗器との直列回路により構成すると共に、前
   記抵抗器にその入・断により仮締・本締を異な
   つたトルクにトルク設定するスイツチを並列に
   接続したことを特徴とする定トルク締結制御装
   置。 ２ 前記実用新案登録請求の範囲第１項に記載の
   ものにおいて、スイツチが並列に接続される抵
   抗器を仮締のトルクを調整する可変抵抗器で構
   成したことを特徴とする定トルク締結制御装
   置。