JPS628255Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は型枠兼用床版材に関し、特に鉄骨構
造におけるコンクリート床版の施工に使用する型
枠兼用床版材に関するものである。

従来コンクリート床版の施工において、その型
枠は仮設的なものとして組立て、コンクリートを
打設して硬化した後は解体するようにしており、
そのためパイプサポート等の種々の仮設器材を必
要とするうえ、組立、解体の作業に多くの労力を
必要とし施工費が高価になるという欠点があつ
た。

またコンクリート床版の施工に付随する電気工
事は、型枠の組立後に電気配管をし、コンクリー
トの硬化後に電気配線をするというような手順が
踏まれ、二度の手間を要していた。

この考案は上記のような仮設的な型枠を使用し
た場合に生じる従来の欠点を排除することができ
る型枠兼用床版材を提供することを目的とする。

以下、図示の実施例を参照してこの考案を説明
する。

第１図にはこの考案による床版材１が示されて
いる。床版材１は底部２の両側縁に起立片３を形
成し、また両起立片３の端縁に水平片４を形成し
た複数本の溝形部材としての溝形鋼材５を所定の
間隔を置いて互いに平行に配列し、これらの溝形
鋼材５上に平板としての平鋼板６を載置し、各溝
形鋼材の水平片４と平鋼板６とを固着してなる。
平鋼板６は溝形鋼材５に沿つた長さがこの溝形鋼
材５の長さよりも短かくなつていて、溝形鋼材５
の両端部は平鋼板６の一方の両側縁部から突出し
ている。また平鋼板６は溝形鋼材５に沿つた他方
の両側縁部のうち、一方の側縁部にこれを斜め下
方に折曲しさらに斜め上方に折曲してなる第１接
合片７が形成され、他方の側縁部に、これを斜め
下方に折曲してなる第２接合片８が形成されてい
る。

つぎに上記のような床版材１の使用例を説明す
る。

床版材１の多数枚を、第２〜４図に示すように
鉄骨構造における隣接する梁９（一方のみを示
す）間に順次並設し、溝型鋼材５の両端部を梁９
上に固定する。また各床版材１の第１接合片７お
よび第２接合片８は、隣接する床版材１の第２接
合片８および第１接合片７にそれぞれで係合させ
て接合する。そして梁９上で対向している多数枚
の床版材１間には、第５図に示すような水平部１
０の両側縁に垂下片１１を形成し、両垂下片１１
に溝型鋼材５間の間隔に対応する間隔を置いて多
数の切欠部１２を形成してなるカバー１３を、そ
の切欠部１２を溝型鋼材５に嵌合させて配置し、
これによつて梁９上で対向している平鋼板６をカ
バー１３の水平部１０を介して連続させる。

上記のようにして多数枚の床版材１を設置した
ら、これらの床版材１を捨型枠としてその上部に
コンクリート１４を打設し、コンクリート床版が
形成されるものである。

なお、上記実施例において床版材を構成する溝
型鋼材の数すなわち配列間隔はコンクリート床版
にかかる荷重により適宜変更され、限定されるも
のではない。

この考案は上記のように構成したので、捨型枠
として設置される型枠兼用床版材を支承するため
の仮設器材を全く必要とせず、しかも解体撤去等
の作業も不要となつて短期間でかつ安価に施工す
ることができる。

また床版材の溝形部材を利用し、コンクリート
の打設前にこの溝形部材に直接電気配線すること
も可能となり、したがつて電気配管が不要となる
だけでなく、コンクリート床版の施工に付随する
電気工事の省力化を図ることができる効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す斜視図、第２
図は同上のものを使用してコンクリート床版を施
工した状態を示す斜視図、第３図は同上のものを
梁に平行に切断した断面図、第４図は第３図の線
−に沿つた断面図、第５図はカバーを示す斜
視図。 １……床版材、２……底部、３……起立片、４
……水平片、５……溝形鋼材、６……平鋼板、９
……梁、１３……カバー、１４……コンクリー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部の両側縁に起立片を形成するとともに、両
   起立片の端縁に水平片を形成した複数本の溝形部
   材を所定の間隔をおいて配列し、これらの溝形部
   材上に平板を載置して、この平板と各溝形部材の
   水平片とを固着してなり、各溝形部材の両端部は
   平板の両側縁部から突出していることを特徴とす
   る型枠兼用床版材。